今日は部活(全学部の方)の練習に参加。
元々は1000m×5のインターバルが予定されていたのだが、コーチの指示でボトムアップ練習となった。
ボトムアップ練習とは、学生が主体となって決めた練習メニューの事である。
(コーチの指示による練習="トップダウン"の対になる)
今日は、"力関係が拮抗している選手同士でペアを組み、各ペア毎に練習メニューを考える"という形式を取っていた。
私はペア人員には含まれていないので、今週5000mのレースに出場するUくん、Hくんのメニューに加わらせてもらった。
メニューは2000m×1(設定6'20"〜6'30")
Uくん、Hくんはポテンシャルを秘めたランナーだが、最近は夏バテでもしているのか調子が今ひとつ。設定タイムもかなり控えめである
かなり余裕のある設定だったので、2000m全て引っ張ろうかと思ったが、速くなりすぎるリスクがあったので、最初の1000mをUくんに引っ張ってもらい、後半1000mを私が引っ張る事にした。
結果的にラップは3'12"-3'08"で、合計タイムは設定ギリギリの6'20"。後半のペースの上がり様を見ると、私が最初から引っ張っていたら確実に迷惑をかける事になっていたと思う。
2000mだけでは負荷が弱かったので、400m jogで繋いだ後に、個人的に1000mを追加。ざっくり3'00"くらいをイメージして走り、結果は2'57"。
ペースの割には余裕を持ってゴールする事が出来たので、だいぶ状態が良くなってきた様に思う。この調子で8月にピークを持っていきたい所である。
さて、先週と今週は「血液内科」と「膠原病内科」の講義が行われている。
「血液内科」は貧血や白血病などの"血液の病気"を学ぶ学問であり、「膠原病内科」は関節リウマチなどの自己免疫疾患を中心に学ぶ学問である。
これまでの学生生活でひたすら学んできた基礎医学(薬理学、生理学、解剖学など)から、ようやく臨床医学へ移行する事が出来たので、最近はかなりモチベーションが上がっている。
さて、貧血についてはこれまでにも生理学や薬理学でザックリと学んできたが、今回の血液内科ではより細かく学んでいく必要がある。
貧血の定義は、血中の赤血球数やヘモグロビン濃度が減少する事である。
さらに、貧血は①小球性貧血②大球性貧血③正球性貧血の3つに大きく分類する事ができるのだが、これらはMCV(平均赤血球容積)の数値によって分類されている。
平均赤血球容積と聞いてもいまいちピンとこないが、要は一つ一つの赤血球が、小さいか、大きいか、正常かを数値から判断している訳である。
MCV<80fl→小球性貧血
MCV:80〜100fl→正球性貧血
MCV>100fl→大球性貧血
という様に分類される訳だが、私達ランナーの多くが悩まされる「鉄欠乏性貧血」は
小球性貧血に分類されている。
という事で、赤血球数やヘモグロビン濃度が低下し、かつMCVが低下しているランナーであれば、大半は鉄欠乏性貧血に該当する。ただし、注意を要するのが隣に書いてある"慢性疾患に伴う貧血"である。
慢性疾患に伴う貧血とは、慢性的な感染症や関節リウマチ等の自己免疫疾患が原因で、鉄の吸収や再利用を阻害するヘプシジンというホルモンの分泌が増加し、貧血症状になる事を指す。
鉄欠乏性貧血と慢性疾患に伴う貧血の鑑別には
フェリチン(鉄と結合するタンパク質)の数値が用いられる。鉄欠乏性貧血では低下するフェリチンの値が低下していなければ、慢性疾患に伴う貧血を疑う事になる。
と、難しい事を色々と書いてきたが、教授に聞いた所、貧血患者の大半は鉄欠乏性貧血という事であった。特にマラソン選手や新体操、フィギュアスケート選手なんかに多いらしい。
ここからは想像だが、いずれのスポーツも「細い事が正しい」と思われがちなスポーツである様に感じる。
知らず知らずの内に、食事の絶対量が減り、結果として鉄分摂取量が減っているというのが一番の原因なのではなかろうか。
新体操やフィギュアスケートについては専門外なのでコメントを避けるが、長距離選手(練習量が相応にある)については絶対にダイエットは不要であるというのが私の持論である。
ダイエットをしながら、貧血を予防しつつ、競技力を向上させる食事メニューを考えるというのは、かなりハードルが高いと思う(管理栄養士などのサポートを受けられれば話は別だろうが…)
個人的には
①暴飲暴食を避ける
②清涼飲料水を控える
③食べる順番に気を配る
④就寝前の食事を避ける
この辺りを意識できていれば、他は気にせずしっかり食べるべきだと考える。
鉄欠乏性貧血は大半のケースでは鉄剤投与で回復するが、1ヶ月程度は練習をストップしなければならない。
特に中高生にとっては、1ヶ月という時間の重みは相当だと思う。
どうかダイエットなど考えずに、しっかり食べて、練習に打ち込んでほしいと思う。
7月8日
朝:40'jog(5'00"/km)
夕:40'jog(5'00"/km)
日間累計:16km
月間累計:105km
7月9日
夕:3kmアップ
2000m(6'20")+1000m(2'57")
5kmダウン
日間累計:10km
月間累計:115km