今日の「薬理学」の講義は、多くのランナーが悩まされてきたであろう「貧血」について。


貧血とは、血液中の赤血球数やヘモグロビン数が低下している状態を指す。 赤血球や赤血球を構成するヘモグロビンが少なくなると、体内での効率的な酸素運搬が出来なくなり、パフォーマンスが低下してしまう。





一般的に貧血の原因は鉄欠乏によるものと考えられている。

しかし、赤血球が作られる過程で鉄以外の物質も必要となる為、それらが不足する事でも貧血は起こり得る。



上の図でいくと、エリスロポエチン(腎臓で作られるホルモン)やビタミンB6、葉酸、ビタミンB12が不足した場合も、赤血球が作られない事がお分かり頂けるであろう。


さて、貧血の症状を疑った場合に、まず行うのが「血液検査」である。

赤血球数、ヘモグロビン、フェリチン(貯蔵鉄)、MCV、MCHCなどの数値を測定し、貧血の有無やその原因を調べる事になる。

この中で特に重要な指標がヘモグロビンとフェリチンである。この2つの組み合わせにより、ザックリと以下の様に診断ができる(正常値の範囲は性別や年齢により異なる)





一つずつ見ていくと、

①は問題なし。

②はヘモグロビン値は正常だが、フェリチンが低値。フェリチンの値が先行指標となる為、近い将来に貧血症状が出る可能性が高い。

③はフェリチンが正常だが、ヘモグロビンが低値のケース。このケースは、体内に十分な貯蔵鉄が存在するものの、うまくヘモグロビンを作れていないという状態である。この様な数値が出た場合は、エネルギー不足や栄養不足が疑われる。

④は一般的な鉄欠乏性貧血である。

まぁこの分類はかなりザックリしたものなので、実際の臨床現場では、他の数値の確認及び、運動状況、食事内容の調査により、総合的な診断を下す事になる。


鉄欠乏性貧血であれば、基本的に鉄剤を服用する事で、貧血症状は改善する。しかし、その他に原因がある場合は、いくら鉄剤を服用ても、赤血球やヘモグロビンの値は改善しない。



さて、私自身の血液検査結果を探してみた所、4年前(サラリーマン時代)の健康診断結果が見つかった。



この頃の私は、赤血球数495(万個/μL)、ヘモグロビン(血色素)15.2(g/dL)というランナーとして極めて優秀な血液状態。

仕事に追われて、全く走っていなかったおかげで、血液状態が良くなるという皮肉な結果である。


因みに箱根駅伝を目指していた頃は定期的に血液検査を受けていたが、概ね13(g/dL)前後だった様に記憶している。

当時はかなり食事にも気を使っていたにもかかわらず、なかなか数値が上昇しなかった。それだけ過酷な練習をしていたという事なのであろう。


ここ最近は血液検査を受けていないが、おそらく13〜14(g/dL)くらいに落ち着いてそうな気がする。コンディショニングの為には、定期的に血液検査をしたい所だが、なかなか病院に足が向かわないのが実状である。

私と同様に、血液検査を受けたいが、なかなか病院に行く暇が無いという人は多いであろう。そんな方々に是非オススメしたい商品がある。



「ASTRIM FIT」

この機械に指を入れるだけで、ヘモグロビン値を測定できるという優れもの。採血不要、しかも40秒で結果が分かるというから驚きである。


因みにこの商品の製造元は過去に野口みずき選手が所属していた事もあるシスメックス株式会社。

こんな便利な機械があるのならば、是非購入したい。こう思うのは私だけではないであろう。

気になるお値段は…



39.8万円びっくりびっくりびっくり

流石にちょっと手が出ない金額である。


この価格が10分の1くらいになった際は購入を検討したいと思う。


冗談はさておき、貧血状態ではなかなか記録向上が望みにくいのがマラソンというスポーツ。

"最近疲れやすい"とか"昔できてた設定で練習がこなせなくなった"等の悩みを抱えている場合は、早めの血液検査をオススメしたい。


6月5日
夜:35'jog(4'30"/km)
夜:35'jog(5'00"/km)
日間累計:15km
月間累計:98km

6月6日
朝:40'jog(5'00"/km)
夕:40'jog(5'00"/km)
日間累計:16km
月間累計:114km

6月7日
夕:40'jog(5'00"/km)
日間累計:8km
月間累計:122km