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以前から『ニキビ肌質』向けの情報をちょくちょく発信してきているのですが、
気づいている方は気づいていると思いますが僕はこれまで意図的に
ニキビ悩みの解決策として
『ニキビケア化粧品(薬用のニキビ対策化粧品)』
を紹介していないんですよね。
今日はこれについて、僕の考えをお話したいと思います!
◎ニキビトラブルに「ニキビケア化粧品」を推奨する専門家はほとんど居ない?
あとで詳しくお話しますが、化粧品の中には
「ニキビを予防します」のような効能が示されている『ニキビ対策化粧品』というものがあります。
化粧品色々調べて頂けると、そういった効能を表示している化粧品がかなり沢山あると思います。
でも僕をはじめ、知人に沢山の化粧品専門家がいるのですが、
ほとんどの専門家はニキビトラブルに『ニキビ対策化粧品』をオススメしてないんですよね。。
実際Twitterとかでも沢山の専門家の人いらっしゃると思いますが、
ニキビ対策化粧品をオススメしている人ほとんど居ないですよね。
僕の師匠に当たるような高名な先生方でもこの見解はほぼ共通しています。
これは一体どうしてなのでしょうか。
◎「ニキビ予防」や「ニキビ対策」を謡える化粧品の特徴
『ニキビ予防』や『ニキビ対策』を謡える化粧品は、
すべて医薬部外品です。
医薬部外品というのは、『化粧品と医薬品の中間』的な製品で、
特定の有効成分を含んでいて、その成分による何らかの効果の標榜を公的に認められているものです。
「殺菌効果」「美白効果」「シワ改善効果」「抗炎症効果」など、
その該当の成分が配合されており、
かつその安全性と有効性を認められたものが医薬部外品とされます。
そして医薬部外品の中でも、化粧水や乳液などのような
化粧品として利用するものを『薬用化粧品』と呼びます。
ニキビ対策やニキビ予防を謡える化粧品も、
この医薬部外品であり、かつニキビ対策の有効成分を含んでいるものでなけれなりません。
◎「ニキビ対策」や「ニキビ予防」を謡える有効成分の種類
主にスキンケアにおいて、医薬部外品としてニキビ対策や予防効果を謡える成分には以下のものがあります。
種類としては【殺菌剤】と【抗炎症剤】の2種類で、
殺菌剤はもれなくニキビ対策効果を謡えるものの、
抗炎症剤は基本的に「グリチルリチン酸2K」という成分が用いられます。
(グリチルレチン酸ステアリルとアラントインだけでニキビ対策効能を謳っている例はあまり見当たりませんが、効能上は期待できる成分だと思います)
ニキビ対策やニキビ予防を謳う製品をお使いの方は、是非全成分を確認してみてください。
ここに書いてある成分のいずれかが配合されていると思います。
(他にも感光素201号とか珍しい成分もありますが)
化粧品においては、医薬部外品としてこの成分を配合していないと
「ニキビ対策」や「ニキビ予防」等を謳うことができません。
(洗浄系のアイテムだと表現次第で似たようなことは言えますが😅)
◎「殺菌剤」配合の医薬部外品でニキビ予防をするメリットは基本的にない
そして、抗炎症剤タイプのものはひとまず置いておいて、
特に我々が推奨することが殆どないのが【殺菌剤】タイプの薬用化粧品です。
殺菌剤タイプのニキビ対策化粧品は、洗顔石けんや化粧水・乳液・クリーム等に至るまで様々なものがあるのですが、
どれにおいても僕が推奨することはありません。
使用頻度を週1~2回にするとか、使い方によっては問題ない場合もあるものの、それを一般消費者が把握して使用することはまず無理だと思うので基本的に使うべきではないと思っています。
これはなぜかというと、
殺菌剤は一般消費者が適当に毎日使用するには効果が強く出すぎてしまう懸念があるからです。
殺菌剤はニキビの原因菌である「アクネ菌」を殺してニキビの発生を抑える成分なわけですが、
皮膚にはそれ以外にも多数の皮膚常在菌というのが住んでいて、
殺菌剤はその種類の選別などできずに肌に必要な良い菌までも殺してしまう場合があります。
(そもそもアクネ菌も状況によっては肌に必要な常在菌です)
このおかげで
殺菌剤を使用した直後は非常に強力にニキビを鎮静できたりします…
が、(特にイオウやサリチル酸はさらにピーリング効果もあるため、本当に強力です)
これを知らずしらずのうちに長期的に使用してしまうと、
かえって肌の常在菌バランスが崩れてしまい、その他の菌の繁殖を許しやすくなったり、
耐性菌ができてどんどん効かなくなっていったり、
ピーリング効果の成分を使っていた場合は肌バリアも脆弱になっていくなどのデメリットが懸念されるのです。
もちろんこれを科学的に示した大規模な研究があるわけではないのですが、
メーカー側もみんなこれが水面下で分かってきているのかなんなのか、
最近ではサリチル酸とかイオウとかの強力な殺菌剤の製品がリニューアルでどんどん効果の弱いイソプロピルメチルフェノールや抗炎症剤系のものに変わっていっています。
肌の奥に浸透しないと効果が出ない通常の化粧品成分と違って、
殺菌剤は皮膚表面の常在菌や角層で十分に大きな効果を発揮できるため
他の薬用化粧品に比べて効果の出方がとても鋭角です。
そのメリットだけを享受するのは、相当の成分知識が必要だと思います。
◎医薬部外品は「全顔使用が前提」なのも厄介
さらに医薬部外品(薬用化粧品)の殺菌剤製品の厄介なところは「スポット使用」を前提に作られていないことです。
スポットで使用してれば、その小範囲の常在菌環境が多少乱れたり、肌バリアが低下しても、
自然に周囲の皮膚から正常状態に戻れるわけですが、
医薬部外品っていうのは基本的に全顔使用できないとダメで、【スポット用】的な表現をするのは薬機法違反になったりするんです。。
(だから各メーカーはスポット用として販売したいけどそう言えないものは、容器の形でスポット使用を暗に仄めかしていたりするものもあります😅)
これがかなり厄介で、
そもそも殺菌剤なんてアクロバットな成分を顔全体に使用するなんて、
本来それを使用しなければ正常だった肌の部位にも悪影響が出かねないです。
でもそれを医薬部外品では警告も出来なければ指示もできないので、
速攻性が高いばかりに広範囲で長期利用してしまって、
気づけば次第に肌荒れが悪化…というケースを何度もお聞きしてきました。
(しかも殺菌剤って使用を突然やめると突発的に肌荒れが悪化することがあるので、これも徐々にやめていく必要があるというのも非常に厄介…)
◎殺菌やピーリングの薬は、皮膚科で医師の監督の下使用するべし!
そして専門家がこれを推奨しない1番の理由はこれで、
そもそも「殺菌」や「ピーリング」という効果であれば、
皮膚科で適したお薬を処方してもらい、医師の監督の下使用するのが最も安全ですし効果的ですよね。
医師の監督があれば使いすぎや肌に合わないなどの判断もしてもらえますし、
そもそも薬なのでむやみな広範囲使用も基本的にはしませんよね。
より効果的でかつ専門家の指導まで受けられ、保険も効くので化粧品に比べて費用もかからない。
これを考慮すれば
中途半端な医薬部外品のニキビ対策化粧品を使うメリットなんてこれっぽっちも無いと思います。
なので、ニキビができやすい肌質だからと言って、
まともな専門家なら安直にニキビ対策を謳う薬用化粧品を推奨することは無いというわけです。
化粧品では適切な洗顔と、低刺激で毛穴詰まりしにくい化粧品の使用を心がける程度でも十分に新しいニキビの発生を防げますから、
あとは今できているものを殺菌やピーリングの皮膚科のお薬で対処していけば十分なのです。
◎「抗炎症剤」タイプであれば悪くはないものの、場合によっては逆効果の可能性も…?
最後に「抗炎症剤タイプ」のものであれば、必ずしも良くないとは言わないです。
大人ニキビ系の方の場合は炎症を抑制する効果が上手くはまることがあります。
しかし、抗炎症剤は(グリチルリチン酸系成分は特に)免疫機能を低下させるものなので
ニキビなどの感染系のものとはあまり相性が良くないんですよね。
場合によっては化膿しやすくなってしまったりというケースもあるので、
基本的にはこれも無闇矢鱈な使用はあまり推奨できません。
特に思春期ニキビだと抗炎症剤は火に油の可能性があります。
ただ、最近はニキビ予防系の薬用化粧品の主流はこの抗炎症剤タイプになってきてます。
殺菌剤系は古くからのロングセラーのもの以外はあまり見られなくなってきていますね。
抗炎症剤系はそんなに効果も高くないので、一商品くらいなら導入しても良いんじゃないかと思いますが、
それでも別にニキビ対策としてものすごく有効!というものではないので
これもあまり積極的に勧めるものではないです。
結局はニキビ対策のスキンケアとしては、
・洗顔料やクレンジングの洗浄力を適切なものにする
・油分を極力控えた低刺激なスキンケア
・毛穴に詰まりにくい日焼け止めやメイク製品の使用
が重要であり、
ニキビ予防やニキビ対策を効能として標榜している薬用化粧品等を使用する必要は一切ないと考えています。
結構尖った意見かなとは思うものの、
ニキビケア化粧品について僕の考えをお話してみました。
もしこれまでのニキビケアなどで思い当たることがあれば、コメント等頂けたら嬉しいです💡
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