【6万人以上が回答】「良い化粧品の広告」はどちらか?アンケートの正答と設問意図を解説します | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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ご存知の方も多いと思いますが

昨日の夜から以下のようなアンケートをTwitter上で行っていました。

 

 

 

 

思いの外沢山の回答を頂いていまして、

 

なんとかずのすけTwitterアンケート史上最大投票数

 

「6万票」以上を既にご回答頂いている状況です😅

 

ご協力頂き本当にありがとうございます…!!!🙏✨

 

とても有意義すぎるデータを集めることができました…。。

 

 

(一応まだ数時間回答を募集しているのですが、こちらの記事を読んだ方は回答はお控えください!)

 

 

 

 

 

 

さて設問の意図は後ほど詳しく解説するのですが、

 

 

このアンケート、とても沢山の方に投票を頂いたこともあり

 

その分沢山の考察や意見もコメントとして頂いていました。

 

 

例えば

 

「”良い”とはどういう意味か?」

 

とか

 

「良い化粧品なのか、良い広告なのか」

 

とか

 

「試験の内容が不明瞭」

 

とか

 

「どっちも良いと思えない(多分クオリティ的に)」

 

とか

 

「どちらとも取れる」

 

とか…。

 

 

 

まぁそういうふうに言われてしまうのは仕方ないと思います。

 

評価の定義付けもせず、二択ですが正答があるとも明確には書いていないのですから。

 

 

 

初見で見たときに色々と考えてしまう要素が残っていましたよね。

 

 

 

それはもちろんあえてそうしたので、

 

時間をかけて考えてくださった方には少し申し訳ないことをしてしまったな…と思いつつコメントを眺めておりました。

 

 

 

◎「良い化粧品の広告」はどちらか?アンケートの正答

 

 

さてこちらのアンケートについてお待ちかねの解説ですが、、

 

 

まず最初に、

 

『このアンケートにはそもそも「正答」が存在するのか?』

 

と疑問に思った方もいらっしゃったようです。

 

 

中には「どちらとも取れるから何とでも言える」的なコメントをされた方もいましたね。

 

「設問者にとっての正解が全員にとっての正解とは限らない」みたいなコメントもありました。

 

 

 

しかし、実はこのアンケートは

 

『あること』を知ってさえいれば

 

一目瞭然で特に考える要素もなく「正答」を選ぶことができるんです。

 

 

 

その答えがこちらです。

 




実はA社の広告は『違法広告』であり、そもそも存在が許されません。

 

 

なので正答は消去法で残った『B社』です。

 

 

 

 

ちなみに、この2例はかずのすけが昨日夜遅くにパワポで10分くらいで適当に作ったものですので、

 

いずれともクオリティが低すぎるのはご愛嬌ということで…😅

(縦軸の数値書いてないし、そもそも保湿力試験って何?って話です。笑 その辺はもう「正しいという仮定」でお願いしました)

 



◎A社広告が違法!?【臨床データの掲載】等は法律で禁止!


というわけで本題です。

 

 

実はA社の広告は【薬機法】という法律で定められる化粧品広告のルールを破った違法広告だったんです。


何が悪かったのか、見ていきましょう。



一見すると科学的根拠を示していて説得力のある広告ですね。


でも実はこちらの広告では確実に違法な要素が2つあります。

 

  • 「臨床データ」の掲載
  • 効果発現までの時間の記載
です!
 
 
こちら↓が、薬機法等の法律で定められる
 
 
この24ページに以下の記載があります。
 
 



ご覧のように、赤枠内にはっきりと

 

「臨床データや実験例等を例示することは~(中略)~原則として行わないこと。」

 

「効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの~(中略)~は認められない。」

と記載されているんですね。

 

 

上の広告は第三者機関で調査した臨床データの表示そのものですし、下部に記載されている「4週間継続使用で~」のところもダメだったんですね!

 

 

これがなぜ禁止されているのか?というと、

 

化粧品は人によって効果の出方が違うため、「効能効果の保証」をしてはいけない決まりになっているんです。

 

このルールの一旦として、臨床データや効果時間の断定を禁止しています。

 

 

故に正しい広告ではこのような試験データを掲載することは出来ないし、どのくらい使えば、という表現をすることも許されません。

 

 

たとえ試験の方法が確実に正しく、客観性を伴う有意なデータが得られていたとしても、

 

それを広告で表示してはいけないのですね。

 

(製品ではなく「成分」について、広告とは別のページなどで掲載するなどのアクロバットな方法は一応ある)

 

 

こういった試験というのは比較対象の設定や条件次第でいくらでもその製品に有利なデータを得られてしまうため、いかに正しかろうと消費者にとっては混乱の元でしかないわけです。

 

 

 

ちなみに他にも確実に黒とは言えないまでも怪しい要素がいくつかあります。

 

・比較対象(通常クリーム)が他社製品の場合は景品表示法における「比較広告」に該当する恐れ

・保湿力の「改善」表現は化粧品の効能を逸脱したものと判断される恐れ

(医薬部外品として効果承認を得る必要あり?)

 

まぁこの辺は設定を明確にしていないので言い逃れる方法もあるかもしれませんが…

 

それ以前に「臨床データ」と「効果時間の断言」は何が起ころうと確実にNGです。

 

 

 

◎B社の広告は当たり障りのないもので確実なNG要素がない

 

 

一方B社ではクリームを使っているのかどうかすら良くわからない美女のイメージ写真に、

 

 

 

当たり障りの無い文言が書いてあるのみでして、薬機法上確実にNGの要素はありません。

 

実際には「スーパーモイストベール処方」に注釈を付けたほうがより良いのですが、医薬品等を連想させるものではないので直ちに問題とは言えない表現です。

 

ちなみに「持続」の表現がありますが、具体的な時間を示していないのでこれはOKです。

 

 

化粧品の広告では、臨床データや効果時間などの表記ができませんし、

 

この他にも色々な薬機法等のルールで縛られています。

 

 

ゆえにその広告は、このようなかなりふわっとしたものに限定されざるを得ません。

 

大手メーカーの広告などでこのようなものが多く見られると思った方もいらっしゃると思いますが、

 

大手メーカーは特に広告のチェックが厳しいのでどうしてもこういった当たり障りのない広告になりがちというわけです。

 

 

もちろん臨床データは沢山用意していると思いますが、それは広告では使用できないのです。

 

 

そんなわけで、

 

『良い化粧品の広告』は、

 

(Aの広告が悪すぎるので)消去法で「B」ということになります。

 

 

 

 

◎【回答数6万人以上!?】 消費者による実際の回答の考察

 

 

というわけで実際の回答の考察をしていきます。

 

 

記事執筆途中60,489票の段階での結果がこちらです。

 

 

多分終了時間まで待ってもあまり大きくは変わらないはずです。

 

 

 

もしかしたらそんなこともあるのか?と予測していたのですが、

 

本来は違法広告のため良し悪しの評価以前にダメな広告にも関わらず

 

約60%もの、いわゆる過半数が「A社が良い」と回答しました。

 

 

 

 

 

これはかなり由々しき結果です。

 

 

なんせ回答者は本来このようなパターンに分かれていたはずです。

 

①Aが違法広告だと知っていた人たち→ほぼ100%Bを選ぶ

②Aが違法とは知らなかった人たち→それぞれの理由でAorBを選ぶ

 

ということは、

 

元々このアンケートはBに物凄く有利だったはずなんです。

 

 

僕があまりにイマイチな例を作ったのでBが選んでもらえなかったというのは無きにしもあらずですが…😅(ただAも別に見やすい図にもなってないし、グラフは適当、文言も地味で、特別Aの方が優れているものにしたつもりはないんですが;;)

 

 

少なく見積もっても6割近くの人たちがAを(違法とは知らないで)

 

良い広告と判断して商品を購入してしまう可能性があることを示唆しています。

 

 

 

コメントを拾ってみると、「臨床データが示されていた方が信頼性が高い」と思った人が多かったようですね。

 

 

 

実は信頼性もくそもなく、違法だったのに…。

 

 

 

 

◎ルールを守っている方より、ルール違反を侵してる方が【良い】と判断されてしまう危険性

 

 

 

そして、これはすごく悩んだのですが、

 

アンケートの質問の仕方をあえて曖昧な「良い化粧品の広告」という表現にしました。

 

「正しい広告はどちら?」とか「薬機法NGの広告は?」とか、色々書き方があったのですが、

 

あえていろんな解釈が生まれるであろう『良い』を選んだんです。

 

(ちなみに『「良い」が化粧品にかかるか、広告にかかるかで判断が違う…』みたいなことをコメントで見たんですが、そもそも同じ名前の商品なので、どっちも同じ商品という設定だったんですよね😅これは注釈を入れておけば良かったです。なのでもちろん「広告」にかかっています。)

 

 

これはなぜかというと、

 

「広告」というのは大体にして【不意打ち】で目に入るものだからです。

 

 

 

正しいとか正しくないとか、薬機法の概念だとか、

 

もっと他にも様々な判断要素が色々あったと思うんですけど、

 

全てにおいて前情報なしにフラットな状態でこのアンケートに答えて欲しかったという意図があります。

 

 

 

さっきも言ったように「知っている人」なら一瞬で回答できる設問です。

 

 

だから1番見たかったのは

 

どのくらいの人が「知っていた」かで、

 

その次に見たかったのが、

 

「知らなかった」人たちが、

 

この広告2パターンをフラットに見てどっちが良いと思うのか?です。

 

 

 

基本的には僕のフォロワー様がメイン対象になると思っていたので、

 

ぶっちゃけ3~4割でもAが居るとそこそこまずいなぁと思っていたんですが、

 

蓋を開けたら約6割で、これはかなり驚きました…。。💦

 

 

 

なんせちゃんとルールを守っている広告より

 

ルール違反を侵している広告の方が

 

こんな雑にデータを載せているだけで【良い】と判断されてしまうのですから…。

 

 

 

 

ちなみに

 

「違法広告ならこんな広告は存在しないはずで、存在しないはずのものを比較対象に挙げるのは卑怯では?」

 

と思った方がいるかもしれませんね。

 

 

違法広告はたしかに本来は存在が許されないはずですが、

 

実際には現実にめちゃくちゃ沢山あるんです。

 

 

だってこのような広告を見たことがある人沢山いらっしゃいますよね。

 

 

むしろよくありすぎて違法というのが驚きという人もいるかもしれません。

(実はメーカーでも知らない会社があったりするんです)

 

 

 

 

そう、違法広告はいつも行政が頑張って対処していますが、

 

それでも次から次にどんどん新しいものが生まれているため

 

違法だとしても野放しにされているものがとっても沢山あるんです。

 

 

 

だから違法だけど普通にあるんですよね。

 

インターネットで化粧品ちょっと調べればこんな広告はごまんと出てきます。

 

 

 

 

こういったデータが違法なのは、やはり明らかに優位性を高く見せてしまう働きがあるからで、

 

そういうもののほうが「良い」と見えてしまうのは当然といえば当然です。

 

ズルしているんだから、良く見えて当然なんです。

 

だから禁止されているんですね。

 

 

これを知らなければ、違法な化粧品をホイホイと買ってしまう可能性が非常に高まってしまいます。

 

 

そればかりか、

 

正当にルールを守って勝負している化粧品メーカーばかりが割りを食い、

 

率先してルール違反を侵している悪質なメーカーの方が売上も伸びるし、【良い】メーカーだとすら認識されてしまうかもしれません。

 

 

これは消費者市場の現状としても非常に大きな問題だと僕は思っています。

 

 

 

 

◎消費者が賢くならなければ違法広告は生まれ続ける

 

 

先程も言ったように、行政はできる限りこういった広告の指導を随時行っていますが、

 

圧倒的にスピードもマンパワーも足りていないです。

 

 

違法広告はこれだけじゃなく、

 

こないだ反響が大きかったこちらのようなものもありますよね。

 

 

 

こういったわけわからない化粧品とか、明らかにあり得ない効果みたいなものは比較的リテラシーが高ければ見抜けるものなのですが、

 

 

【臨床データの掲載】って、理系の人だと逆に信憑性あって見えてしまいますよね。。

 

 

 

以前、どこかのお医者さんが

 

「化粧品は臨床データの示されたものを買いましょう」

 

みたいなことを言っていたんですよ。

 

確かに医薬品とかだと臨床データは重要かもしれませんが

 

化粧品は逆にそれを表示してはいけないルールなので、

 

 

臨床データを示している化粧品は実は悪いものだなんてとんだ落とし穴ですよね。。

 

お医者さんだってそういうルールがあるって知らないという事態ですから…。

 

 

だから、こういうルールってもはや『予め知っておく』しか対処法が無いんです。

 

 

 

最近いろんな団体や媒体が薬機法などの法律面すごく注意するようになっていますが、

 

まだまだ世間一般に広まっているとは言えない状況なんだなと今日改めて感じました。

 

 

ただ、行政とかそういう団体に頼ったとしても結局の所はもぐらたたきゲームのようなもので

 

次から次に新しいものが生まれます。

 

だから、自衛するなら自身で知識を持っておくしかないと僕は思います。

 

 

消費者全体がこういった違法広告にもっと鋭敏になれれば、

 

自ずと市場が浄化されていくはずです。

 

 

 

 

 

ちなみにこれはYouTubeでとあるシワ改善の化粧品について

 

「シワ改善の効果があると言っても臨床データが示されていないのは怪しい」

 

みたいなコメントを最近頂いて、

 

『あ~、やはりそういう認識の人が結構いらっしゃるんだなぁ』と思ったのがきっかけのアンケートでした。

 

 

これだけは知っていて欲しいのですが、

 

 

大体の基礎研究やっているメーカーはデータ出したくて仕方ないと思っていますけど、

 

「ルール上出せない」という歯がゆい状態なんですね😅

 

けっして消費者を煙に巻くためにデータを出さないわけではないんです…。
(知っててあげてね)




はい、というわけでアンケート開始から初めて約二日間に渡りとても長くなりましたが、

 

最終的にアンケートの得票は6万票を超えまして、非常に有意義なデータを得ることができました。

 

本当にご協力ありがとうございました!

 

 

この6万人、特にAと答えた半数以上の方々には是非この内容が届いたら良いなぁと思います!

僕もまだまだ発信しなければいけないことがあるなぁと実感できましたので

 

今後の情報発信の糧とさせて頂きます🙏

 

 

 

では本日は以上です💡


 

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