化粧品の「~発酵液」とか「~培養液」の話 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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高級な化粧品の成分で良く見かけるもので、

『○○培養液』

とか

『△△発酵液』

とかの名前が付いたものがあります。



「発酵」とか「培養」とか言われると

なんとなくすごくお肌に良さそうな気がしてきますね。


発酵はまだしも『培養』となると

「細胞を培養する」みたいな先行イメージがありますので

お肌の細胞を培養してくれるんじゃなかろうか?

とか思っても不思議ではありません。


実際に数十グラムで何万円もするような高級化粧品によく見られるわけですし、

その効果の期待値が高まる理由は分かります。




しかしこれらの成分…

僕はハッキリ言ってあまりオススメしません。


『~培養液』とか『~発酵液』みたいな成分が主成分の化粧品は、

僕はまず購入しようとは思いません。





通常の化粧品の成分は

例えば「エタノール」とか「ラウレス硫酸Na」とか、


その化学物質そのものの名前で記載されています。


しかし~発酵液とか~培養液のような成分は、

それはその化学物質そのものの名前を表していません。


その内容を調べても、

『○○を△△で発酵した液の濾過物』

とかそういう書き方がされています。


これがかずのすけがこの手の成分を避けたいまず第一の理由です。



普通の人ならばこういう成分を見ると

「微生物の神秘的な働きを凝縮した美容成分」

「普通の化学成分では成し得ない不思議な効果があるかも」

みたいな感想を抱くのかもしれません。


ただ成分名からその化粧品の性質を読み解くことを生業にしている僕のような人がこれを見ると、

「何が入っているのかわからないから不安」

という感想がまず第一に先行するのです。



いかに培養液だろうと発酵液だろうと、

中身を分析すればそれは必ず化学物質の混ぜ物です。

化粧品は全て化学物質の混ぜ物ですが

一つ一つの成分名をしっかり記載することで

それが一体どの化学物質の混ぜ物であるかが分かるようになっています。


なぜこんなことをしているのかというと、

それは消費者がその成分を見て

自分なりの『リスク分析』ができるようにするためです。

(実際にこれができる人は極限られていますが…)


「一体どのような成分でできているのかわからない成分」

は、そのリスク分析ができません。


これはある意味

成分を表示せず隠しているのと同じこと

なのです。



高級化粧品でこういった成分が多い理由は、

その成分の内容を予測しにくくして

消費者にこれらの化粧品により強固な神秘性を植え付けるためです。



こういった化粧品成分を配合している化粧品は

成分解析も非常にやりにくいです。





あと「発酵」や「培養」を間違って認識している人も多いです。


発酵液も培養液も、基本的には『微生物』が関与しています。

主に『酵母』と呼ばれる発酵菌が用いられています。


そしてこの意味をよく考えてみると、


・発酵液→微生物によって何かを分解して得られる液。

・培養液→何かで微生物を培養して得られる液。



ということなのですが、

微生物が「培養」されるということは、

微生物が何かを食べて増殖するということです。


「発酵」とは、微生物によって何かを分解させたということです。

微生物がものを分解するということは、それを食べて増えたということです。


つまり『発酵』と『培養』は

主語が微生物か被発酵物かで変わっているだけで、

どちらも同じ意味ということになります。



最終的にはどちらも化粧品成分とする際に微生物は濾し取るので、

液中に微生物はほぼ存在しません。


そもそも酵母とは糖類やタンパク質を分解する細菌です。

人の肌もタンパク質ですから、

そんなものが皮膚上に乗ってきたら危険です。
(だから実際の成分では除去されます)


「培養液」とは酵母菌を培養した液体のことであって、

当然人の皮膚細胞を培養する効果はありません。




効果があるとすれば主生成物のアミノ酸やペプチド類による『保湿作用』くらいのものでしょう。

そもそも皮膚細胞は皮膚の奥底で作られているものですから、

皮膚の表面に塗布するだけの化粧品には細胞生成を促すような効果は見込めません。




「発酵液」も、ほとんどの場合「アルコール」が発生するので

敏感肌には刺激になる場合があります。


発酵する液体の種類によっては、

皮膚につけるには危険なものを生成する場合も予想されます。


以前SK-Ⅱの解析をやってますが、

これも微生物で「牛乳」を分解した『ガラクトミセス培養液』が使用されていて、


タンパク質の分解の際に発生するアンモニア系成分や、

微弱なピーリング作用を持つ乳酸などの混入が予想されるため

あまり良い評価は出来ませんでした。



また化粧品成分で『コメ発酵液』というものがありますが、

これは主成分はほぼ「エタノール」です。
「コメ発酵液」(cosmetic.info.jp).

お米をアルコール発酵するとエタノールが得られます。だからお酒が出来ます。


エタノールだけを抽出しているわけではないので他にも何か混ざっているでしょうが、
(糖やアミノ酸、微量にセラミドなども入っているかも…?)

基本成分はエタノールです。

となれば大量に配合されると敏感肌に優しい成分とは言いにくいです。




植物系の天然成分でも同じことが言えますが、

『何が入っているかわからない』

というのは非常に危険なことなのです。



医者が作ったとか超高級だとか天然由来だとか、

化粧品の安全性を考える上でそんなことは毛ほどの役にも立ちません。





「培養」とか「発酵」とか言っておけばお客が喜んで買っていく

この業界にはそういうセオリーみたいなものがあるんでしょうね。


だから減らないしむしろ増えていくようです。


ハッキリ言いますが、

『発酵液』や『培養液』だからとお肌に良い

なんてエビデンス(証拠)はどこにもありません!



オーガニック系と並んでオススメしたくないタイプの化粧品です。






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