髪の構造と「ケラチン」の性質  | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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さてヘアケアの話を増やしていきたい、ということなのですが

髪の話をするにはまず第一に『ケラチン』というものの話をしておかなくてはなりません。



これが中々曲者なのでこれまでずっと手をこまねいていました(^_^;)

少し難しい内容になってしまうかもしれませんが、

できるだけたくさんの方にも分かりやすいように話をまとめていきたいと思います!





◎毛髪の構成物質「ケラチン」とは

 

 

 

 

 


実は髪の毛というものは単なる一つの組織でできているものではなく、

上記のようにごく細い繊維状の物質が無数に束になってできています。

ちなみに専門的にはこの中身の繊維の束を『コルテックス』と言います。
(一番真ん中の芯の部分は『メデュラ』と呼びます)


そしてその外皮と言われる『キューティクル』が、

繊維の束をまとめる役割を担っているわけです。


まぁ美容師さんだと「海苔巻き」に例える方が多いですね。

それはそれで間違いではないと思います。

ほんとにそんな感じにできてますね^^;


そしてこれらのほぼすべてが『ケラチン』というものでできています。



ケラチンは髪だけではなく皮膚や爪など、

人の体の表面に当たる部分を構成するタンパク質であり、


タンパク質の中でも指折りの弾力硬度を持つ物質です。


人間で言えば髪や皮膚や爪、という話になりますが、

人間以外の動物も同様に毛や爪、皮膚がケラチンでできています。


爪と皮膚の硬さを比べてみても気づくことかとは思いますが、

ケラチンは部位や動物の種類によってその硬さがかなり違います。


例えば羊や山羊の柔らかい毛に対してハリネズミのように硬い毛もありますね。


同じケラチンでも、

実はサイの角もケラチンの固まりです。

 

 


骨か!?と思うほど硬いのです。

これは驚きですね~!



◎毛髪ケラチンの構造


ケラチンは「タンパク質」なので、

『アミノ酸』がたくさんつながって出来ています。

「アミノ酸」が美容に良い? ~「アミノ酸」とは~




つながる数ははっきり言って数えきれません。

何千何万の単位のアミノ酸がつながっています。


そしてなが~く繋がったケラチンは一本のねじれたひも状になります。

ひものような形になるタンパク質なので、

ケラチンは『繊維状タンパク質』というタイプのタンパク質です。



※タンパク質には大きく分けて『球状タンパク質』と『繊維状タンパク質』の2つのタイプがあります。球状タンパク質は血液中の酸素のやりとりをする「ヘモグロビン」や栄養分の運搬を行う「アルブミン」など、主に体内の生体システムをサポートする働きがあります。非常に脆いです。対して繊維状タンパク質は「ケラチン」や「コラーゲン」「エラスチン」など、動物の肉体の構造を維持する役割をしています。とても頑丈なものが多いです。



↓の画像の一番左端のバネのような構造になっているものが『ケラチン』の単一分子です。

 


専門的には単一の分子を『モノマー』と呼びます。

ケラチンは単一のケラチンモノマーが無数にねじれ合って

髪の毛のような巨大なケラチンポリマーを構成しているのです。

(ポリマー=多量体。 モノマーがたくさん繋がったもののこと)



ちなみにこれは余談ですが、

実はケラチンがねじれ合う時の向きは決まっていまして、

同じ人なら全部の毛が同様のねじれ方をして作られています。


つまり髪は基本的に一方向の螺旋状にねじれた構造を持っているわけです。


パーマをかける時に右側左側をどちらも内巻きにすると、

どちらか一方だけカールがだれることがよくあると思いますが

それは髪がそもそも内部で特定方向にねじれているため、

その方向と逆に巻いたカールは付きにくく取れやすいということなのです。




◎ケラチンの「強靭さ」の正体


さてケラチンの最も素晴らしい性質はなんといってもその強靭さです。


同じ繊維状タンパク質でもコラーゲンはお湯で煮れば溶けます。
(鶏肉をグツグツすると煮こごりができますよね。)

ケラチンは100℃のお湯で煮た程度ではびくともしませんし、

物によっては骨よりも硬く、柔軟な弾力性を持ちます。
(サイの角もその一例です)


球状タンパク質に至ってはちょっと界面活性剤を加えただけで凝固して固まりますが、(卵の白身が良い例)

ケラチンは相当強いタンパク質分解酵素でもなければほとんど壊れません。



これだけ強いタンパク質だから生き物の外皮とか角とか爪に使われているわけですけどね!


なので髪の毛もめちゃくちゃ強靭です。


普通に手で触れるなら100℃なんて絶対無理ですが、

髪の毛は200℃のアイロンを当ててもピンピンしてますよね。


あれだけ細い割にはちぎるのに結構な力が必要です。
(ダメージで髪が弱ってなければ)



この強靭さは普通のタンパク質にはありえない性質なのです!




ケラチンのこの硬さが一体どこから生まれるのか、

というとそれはケラチンのその非常に特異的な「結合」(つながり)に答えがあります。



以下の表はケラチンのアミノ酸組成表です。

タンパク質はアミノ酸が大量に繋がって作られていますので、

このようにいろんな種類のアミノ酸がくっついています。


この表は右側から「絹(シルク)」のアミノ酸組成と、

人の皮膚、羊毛、人毛の順にアミノ酸の組成を載せています。

右から左に向かうに連れて硬さが硬くなっているのが分かるでしょうか。

 

そこで一番やわらかいシルクにはなく、

一番硬い人毛に多い成分が『シスチン』というアミノ酸です。
(下から二段目の「シスチン」に注目!)


ケラチンの強靭さは、このシスチンの含量が多いほど上がっていくのです。

なぜならこのシスチンには、

ケラチンを強固たらしめる非常に特異的な「結合」を作る性質があるからなのです。





…というわけで少し長くなってきましたので

・なぜシスチンが増えればケラチンが強くなるのか?

・シスチンの「結合」とは?

・これだけ強靭な髪(ケラチン)がダメージする理由は?


などのお話は、次回。



ケラチンの強さの秘密… “ジスルフィド結合” について





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