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ADHD(注意欠陥多動性障害)

ボーダー息子の育児日記

 

 

 

 

2003年3月11日(火)

 

 

息子 朝 頭痛と腹痛。

 

「今日は学校行かない」と泣いて訴える。

 

 

これまでは遅れてでも行く気はあったが 

「行かない」と言ったのは初めて。

 

しばらく目も開けられなかった。

 

 

実は今日 

ママは前から決まっていた用事があって

 

「今日はどうしても出かけないといけない用があるから 

 ママ 行かせてくれないかな?」

 

とお願いしたら元気になり

「3時間目から行く」と言ってくれた。

 

 

ママはそのまま駅に行くつもりで

2人で一緒に学校まで色々話しながら行ったら

少しご機嫌になったようだった。

 

 

学校は最後の授業までいられたが

途中 頭痛腹痛を訴え落ち着かず

保健室で30分寝たそう。

 

 

家に帰ってからは元気で

友達とゲームをして遊んでいた。

 

 

いつも 息子はお風呂に1人で先に入ってしまうが

夜 久しぶりに一緒に入り 色々話をした。

 

その中で気になったこと。

 

 

突然 息子が

 

「人に殺されるより 

 年とって病気で死んだほうがいいよね?」

 

と言う。

 

 

私はギョッとしてしまい

 

「テレビが何かでそういうシーンでも見たの?」

 

と聞くと

 

「夜 暗い所に1人でいると怖いんだよ。」

 

と言う。

 

 

物陰に誰か知らない悪い人が隠れているような

そんな気がするらしい。

 

明るい時や私や妹がいる時は大丈夫だと言う。

 

 

今日 一緒に遊んだ友達のお母さんが 

 

「息子から聴いたんだけどね 

 息子くん クラスの子に 

 『みにくいアヒルの子』と言われているみたい」

 

と教えてくれた。

 

 

きっと弱いいじめられっ子という意味だと思うが

同級生からたたかれたり 

けられたりする以外にも 

言葉によるストレスがあるとわかった。

 

 

何気なく

 

「だれかに嫌なこと言われたりする?」

 

と聞いてみたら

 

「嫌なことはあるに決まってるじゃん!

 いじめられてるんだから!」  

 

と言っていた。

 

 

3学期も残りわずかだが

もう無理はさせないようにしようと思う。

 

あとは3年生のクラス替えが

りゅうにとって幸せなものになるよう祈るばかり。

 

 

 

 

 

「ボクたちのサポーターになって!! 2 

AD/HD 薬にできること・できないこと」 より   

 

田中康雄・高山恵子 編者

 

 

【マズローの欲求の階層】

 

 

「マズローの表」は

人間のいろいろな欲求には階層があり

その欲求は表の下の欲求から順に満たした方が良い 

という理論をあらわしています。

 

 

 

 

5番目の「自己実現欲求」

すなわち「知的関心・学習意欲」

が満たされるためには

それより下の部分の欲求が満たされていなければいけません。

 

 

それを無視して

5番目の欲求を満たすことだけを

大人はやっていないだろうか

 

そうなら効果的ではない 

ということをこの表は表現しています。

 

 

学習以前に必要なこと

 

 

(1)「生理的・身体的欲求」 

 

食事や睡眠を満たす

 

 

(2)「安全の欲求」  

 

安全な場所を提供する  

規則正しい食事や睡眠をとる

いじめや虐待を無視しせずきちんと対応する

 

 

(3)「所属・愛情欲求」 

 

信頼関係を築く = 共感する

 

 

共感の公式 

「○○なので(感情の原因)

 ○○なのね(感情の言葉)」

 

例:お友達になりたいのに

  無視されたので 寂しいのね 

 

 

親子で心が通い合う状態にするために

共感の公式を使って共感する時間を増やす

 

感情にポイントを置き、相手の感情を分析して

それを言葉に出してあげる

 

「あなたが思っていること

 その時思っていたことを

 私も今同じように感じているのよ。」

 

ということをメッセージとして出してあげることが大切

 

 

また どんなことがあっても

まず子供を信じてあげることも大切

 

 

(4) 「自尊欲求」 

 

自尊心を高める

 

ポイントは叱るよりもほめてあげること

良いところを見つけて伸ばしてあげること

 

自尊心が低下すると

うつになったり不登校になったり

反抗的になったり 自暴自棄になって

相手に危害を加えるようになってしまうこともある

 

 

 

 

息子が言っていた

「物陰に怖い人が隠れている気がする」

という恐怖感

 

同級生とのトラブル

(たたかれたり けられたり 

 みにくいアヒルの子と言われたり)

という日記の内容から 

 

息子はマズローの表でいう2番目

「安全欲求」が満たされていなかった

ことになります。

 

 

(2)安全欲求 

(3)所属・愛情欲求 

(4)自尊欲求

 

を満たすために共通して大切なのは 

 

子供の心をきちんと見て

共感しながら話す

 

こと。

 

 

その時は

「ただ言葉をかける」ではなく 

親の言葉かけから始まり

子供から返された言葉(心)を

 

「ちゃんと受け取ったよ」

 

とその子供がわかるように

返してあげること

 

 

心からの言葉(態度)でキャッチボールをする 

という感じでしょうか。

 

 

 

ADHDの子供は

比喩的な表現をそのまま受け取ってしまったり

あいまいな表現が理解できなかったりするので 

 

投げる時はその子が受け取りやすいボール

(わかりやすい言葉)

を優しく放ってあげることが大切です。

 

 

 

また 受け取る時

子供が自分の気持ちをうまく説明出来ない時は

大人が想像力を働かせて


「○○という気持ちだったのかな?」

 

と代わりに感情を分析して表現してあげると

子どもは気持ちを認めてもらえたと安心し

感情的になった気持ちは落ち着いてきます。
 

 

 

まず 私は息子心をしっかり受けとめ

その気持ちを言葉や態度で確認し

息子が不足に思っている欲求を

満たしてあげればよかったのです。

 

 

この日記を書いた当時

マズローの欲求の表は知らなかったので手探りでしたが

親の私がどうしたいかではなく

 

「この子はこうして欲しいんじゃないかな?」 

 

「こう言ってみたら気分がいいんじゃないかな?」

 

と 息子の気持ちを主語にして

だんだん考えられるようになってきたのだと思います。

 

 

上記で言えば

 

息子にお願い口調で頼んだり

学校まで 2人でゆっくり歩いて行ったり

一緒にお風呂に入ったり 

 

という行動ですね。

 

 

 

それから 

息子が学校に行けなくなった最初の頃 

熱もなく 息子の自己申告だけの時は

どんな状態の時に学校に行かせた方がいいのか 

休ませたらいいのかの見極めがつかず

私はあたふたしてしまいました。

 

 

担任の先生に

 

「お母さんがどっしり構えていなければダメでしょ!」

 

と一喝されたこともあります。

 

 

 

でも たとえ息子が

「今日は頭が痛くて 学校行けない。」

と言っていても

 

この状態なら学校に行けるな 

行かせても大丈夫だな

と段々わかるようになりました。

 

 

”母の勘”としか言いようがないのですが

他の発達障害をお持ちのお母さんからも

 

「子供の状況を判断することが出来るようになった」

 

という話を聴きました。

 

 

 

そして 1度

「きっと こうすれば大丈夫!」と思ったら

先生もおっしゃっていたように

 

親自身が気持ちをころころ変えたりせず

堂々と 揺るがないこと 

 

が大事だったと思います。

 

 

親の心の揺れを子供は敏感に察知するので

 

母の(自分の)勘を信じ 

自信を持って行動すること

 

もポイントですね。

 

 


息子が学校に行けなくなった時 

私はまず

 

「何とか学校に行かせなきゃ!」

 

と思ってしまいました。

 

 

でも 勉強ができる状態というのは

このマズローの表では

5番目という高い位置なのです。

 

 

元気がなかったり 

学校に行けない状況がある時は

学校に行くより 勉強をするより

その前に

 

「満たしてほしい」

と思っている子どもの欲求があるはずです。

 

 

それはなにか

に気づいてあげてくださいね。

 

 

そして その欲求を満たすために

じっくり 時間をかけるつもりで

お子さんに心を向けてくださいね。

 

 

 

勉強が遅れてしまう 

成績が悪くなる 

このまま学校に行けなくなってしまうのでは…

 

そんな風に思って

私も当時はかなり焦りました。

 

 

それでも 息子は

ちゃんと進級 卒業も出来て 

大丈夫でした。

 

 

ちょっとやそっと休んでしまっても

留年しても 遅れても

 

長い人生だもの 

どうってことないな

 

と今は思います。

 

 

実際 息子は小学校1年生の時から高校1年生まで

なぜか約2年おきに体調不良になって

その度に学校を1~3ヶ月休むことになったのですが

最後の方はもう私も

 

「学校は無理していかないでいいよ」 

 

と言って堂々と休ませていました。

 

 

 

「休むことが何より大事」

 

という時期が

人生の中ではあるのだと思います。


 

 

(16)子供も親も ひと休み

 

 

 

【追記】

 


 

(赤)ジプシーカード 5 Conversation 対話

 

会話する 心をこめて話す 

 

伝えたい想いがあったり 

相手の心の内を聴きたい時は

こちらから歩み寄りましょう

 

その時 大切なのは 信じること

心を開いて 信じて 話しましょう 聴きましょう

 

心をこめたまっすぐな言葉はちゃんと伝わります

 

一方的にではなく しっかり受け止めて 投げる

そんなキャッチボールのような対話を心がけましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

人との関わり方 向こう側を理解する 慮る

 

あなたは何らかの人間関係で「問題がある」と

感じているかもしれませんが それはチャンス!

 

人との関わり方において 

これまでと違ったやり方や思い方をすることで 

良好な関係性に変わっていくでしょう

 

相手の目に見える表面的なことだけではなく

目に見えない背後にあるものを理解することが鍵です

現実的に知ることが出来なくても 慮ってみましょう

 

 

 

 

 

 

 

(赤)ジプシーカード 4 Constancy 不変

 

堂々と 毅然と ゆったり構えて

 

あなたの態度が試されています

 

慌てふためくことも 冷静に対処することも

まだどちらも可能です

 

ここは一度落ち着いて 

堂々 毅然を選択しましょう

 

周りがなんと言おうとも 状況がどうあろうとも

信念を貫いてください

 

状況に左右されない強いあなたが発揮される時です

 

 

 

 

 

 

 

(青)エンジェリックウィスパーカード 30 Rest 休養する

 

休息 休む やり方変更

 

頑張りやさんの方が引く 

ズバリ!「休みましょう」カード

 

あなたはこれまでにも なんとかやり遂げる 

という形で責任を持って 

色々なことを成し遂げてきたと思います

 

ですが もうその方法を変える時のようですよ

 

身体に不調が現れたりダウンして休む ではなく

その前に 自分自身で休養を取り入れる方法へ

 

人に任せたり 頼んだり 断ったり という

苦手な方法を変えていく時でもありますね

 

 

 

 

 




 

(こ)んなこでも ひっしにしがみついていきてるよ