pnr_RYUSEIくんについて(2) | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

あけましておめでとうございます!
引き続き、勝手気ままに投稿させていただきます。

 

●軌道計算とは

’軌道計算’という言葉はよく惑星探査機や人工衛星のニュ
ースで聞きますが、どういうものでしょうか?

 

私的には二つの意味合いがあると思います。

ひとつは、天体を望遠鏡などで複数回観測を行い、その
結果から「軌道要素」を導き出すことです。

 

そしてもう一つは、”出来上がった軌道要素”のデータを
使って、天体の”ある時点(場所)での位置を推算する”
というものです。

前者と後者は真逆の作業で、前者のほうがスリリングで面白
いものです。


私が最終的に目標とするのは前者ですが、それを行うには
スキルと時間と、何よりも「設備」が必要です。

とりあえず今私は、後者の方を勉強中です。(基礎的学習
です)

 

主要な天体の軌道要素は、最新の観測結果によって「天
文年鑑」などで公表されますので、一度プログラムを作っ
ておけば、最新のデータを入れ替えるだけで正確に位置
推算が可能です。


●ケプラー運動
太陽を回る天体は、’ケプラー運動’と呼ばれる太陽を焦点
のひとつにする楕円軌道上を「ケプラーの法則」により動い
ています。(他の惑星の摂動は考えないこととして)

この運動が顕著に現れるのが、長楕円軌道を持つ彗星です。

下の図は、フィンレー彗星の動きを40日ごとにプロットして

います。


ケプラーの法則の第2法則は、「惑星と太陽とを結ぶ線分が
単位時間に描く面積(面積速度)は、一定である。」(ウィキ
ペディア)というものですが、平たく言えば、天体が太陽に
近いときはスピードが速く、遠い地点では遅くなるということ
です。

 

フィンレー彗星の図では、右側の太陽に近い場所では点と
点の間隔が開いていて、「単位時間あたりの移動距離が長
い=速い」ことを示しています。

 

一方、左側の太陽から遠い地点では、点と点の間が狭くなっ
ていて、「単位時間あたりの移動距離が短い=遅い」ことを
示しています。

 

●ケプラーの方程式
下の図は、天体の楕円軌道のパラメータを表しています。
天体の位置がP点です。

      <斉田 博 著「天文の計算教室」より>

 

与えられた軌道要素から位置推算を行う中枢的作業は、
以下の手順となります。

 

①平均近点離角M(角QOA)を求める
②離心近点離角Eを求める
③真近点離角νを求める

 

上記②を求めるときに通常用いるのが「ケプラーの方程式」
の近似解法です。この方程式は”解けない”超越方程式です。
この解の近似値を求めるのが惑星の位置推算の心臓部です。

例として、フィンレー彗星のプログラムを示します。

赤枠の部分が、「Newton-Raphson法」と呼ばれる、繰り返
し計算による解法です。
「abscome002ss」の数値が10のマイナス8乗の桁になるまで
繰り返し計算を行う、ループ計算になっています。

 

ところが、前回の記事でご紹介しました、「古天文学」の斉藤
国治氏は、地球や他の惑星など真円に近い天体のケプラー
運動の計算を「太陽中心差」や「日心運動中心差」という1行
の数式で済ませています。(下図)

これは、他の書籍では見られないものです。
しかし、氏はこれを使って古代の日食、星食などの精密な
再現を行っているのです!


●グラフィックの利点
『pnr_RYUSEIくん』では、グラフィックに重点を置いています。
数値計算の結果表示だけでは、なかなか理解しづらいもの
です。視覚的に表示することによって各天体の位置関係が
一目瞭然にわかります。

そして、コンピュータプログラムをする上では、とても有用と
なります。

 

特に三角関数ばかりの計算では、象限の変化によって鏡
のように数値のプラスマイナス逆転現象が起こりますので、
予期しない計算ミスが生じることが度々あります。

 

ですから、ある天体の軌道データを作成したときには、必ず
グラフィックによる「回転テスト」を行います。
天体をある時間スパンで1回転させてスムーズに回転する
かテストを行ってプログラムの修正、いわゆる「バグ取り」を
行います。グラフィックで試せばすぐに異常に気付く訳です。


●昨年一番の想い出
12月4日に、大分市の東端にあります、関崎海星館に行き
ました。
口径60cmの大型反射望遠鏡と、15cm屈折式望遠鏡で
夜空を探索しました。
次女の誘いで家内と3人で行くことになったのです。

 

当日は風が強かったものの、空は澄んでしかも、見る天体の
メニューが多かったのがラッキーでした。

 

まず18時30分に到着して金星、土星、木星を見て、その次
に当日のメインテーマである「すばる」を堪能しました。

今まで、土星や木星も口径11cmの望遠鏡でしか見たことが
なかったので、圧倒的に大きく見えて感激でした!

 

他にも、ペルセウス座二重星団、天王星に海王星、アンドロ
メダ銀河、二重星、オリオン座のベテルギウスと、腹いっぱい
見させてもらいました。

今年5月から、口径85cmの望遠鏡に入れ替えるそうで、また
楽しみが増えました。次女に感謝!

へっぴり腰が少々気になります(笑)

 

この時の夜空を『pnr_RYUSEIくん』に描いて
もらいました。

 

素晴らしい記念となった”時”を表しています。


※このテーマの記事は、都合により
 「です・ます調」で投稿しております。

人気ブログランキング

★大分空港は宇宙港へ★関連動画

★大分空港は宇宙港へ★特集記事へ