隕石のカタチ | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

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星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

ブログへのご訪問
誠にありがとうございます。
 
今回の
私の非日常的タワゴトは

私が興味を抱いてきたけども、
一度も現物を見たことがない
隕石について考察したいと
思います。

まずは、隕石となりうる天体とは、
どういうものでしょうか?



●小惑星

<定義・特徴>
木星軌道よりも内側にあり、準惑星より
小さく、形が不規則、
彗星から小惑星に変わったものもあり。

その数はおそらく何十億ともいわれ、
組成も多様です。

しかし、木星と火星の間にある小惑星
帯の総質量は月の25分の1しかありません。

ケレス(最初に発見されたが今は準惑星)
と3つの大きい小惑星だけで2分の1を
占めます。


タイプはだいたい次の2つに分かれます。

・S型・・・ケイ酸塩岩(岩石質)
  火星に近く、
 「はやぶさ」が探査した「イトカワ」が

  そうです。


・C型・・・炭素質コンドライト
 木星に近く、
 生命の起源を調査するのに適しています。
「はやぶさ2」が探査した「リュウグウ」が

 そうです。


大きいものほど、緊密に結合したものではなく、
岩屑が積み重なったもので、他の天体が衝突
しても衝撃が吸収されるため、崩壊しにくくなっ
ています。

「リュウグウ」から、アミノ酸が見つかっていますが、
(地球の生命を作る20種類のうち、約半数)
右手型と左手型が等量混ざっていました。


これにより、謎がますます深まりました。
(地球の生物は左手型)

前に投稿した記事「生命と量子力学的作用」  
中の円偏光によるキラル分子の生成も怪しくな
ります。

 

小惑星リュウグウ

from:

 

 



●彗 星

<定義・特徴>
小惑星と違うところは揮発性物質を多く含み、
尾がある。
核の部分は小惑星と特徴が似てくる。
比較的長楕円軌道であるが、小惑星にも
長楕円のものがあり、はっきりと区別するのが難
しい。
小惑星に比べると地球付近での速度が速い。


彗星の起源はいろいろで、海王星と冥王星の
間にあるカイパーベルトと、
さらに遠く、太陽から100天文単位にひろがる
「散乱円盤」とよばれる領域から短周期彗星が、
さらに遠くの「オールトの雲」
(1000天文単位から5万天文単位)から
長周期彗星がやってきます。


●流星物質

<定義・特徴>
小惑星よりはかなり小さく、原子よりはかなり
大きいもの(国際天文学連合)
直径10メートル未満の小惑星が発見されて
いる。
ほかに極小物質は、微小流星物質や宇宙塵
という。
組成は小惑星と同様、多様 雪玉、ニッケル・
鉄を含む岩石、炭素質。
流星物質などが目に見える形になったものが
流星=メテオ(ギリシア語で「空中に浮いて
いる」の意)
毎年決まった時期に出現する、母彗星が残して
いった塵が降るのは流星群と呼ばれる。



塵や小石の大きさのものが、毎日何百万個
も突入し、
海抜75kmから100kmで出現、

秒速数十kmで突入、50km上空で消える
軌跡はどこから飛んできたかの手がかりとなり、
スペクトルによりその組成を推定できます。

このように、サイズも組成もそれぞれが多様なため、
実際は区別がしにくい局面もあります。

地球に接近してくる物体をまとめて、
「流星物質」と呼ぶ学者もいます。



それでは、
実際に地表まで到達した「流星物質」
つまり、隕石とはどのようなモノでしょうか?

隕石とは、
「地球外天体が落下し崩壊、融解部分的に
気化して残った物体」です。

これを見られるのは、博物館でか運のいい人、
それか、よほどのお金持ちの収集家です。

拾った人もお金持ちになるチャンスも!

2011年にモロッコの7kgの隕石
(火星からの)
を博物館が1330億円で買い取った例が
あります。

それくらい、隕石に出会うのは稀有なことです。

話題となった、代表的な例をご紹介します。


★火球出現近くで発見

     「習志野隕石」
 
2020年7月2日午前2時半過ぎに、南関東
上空を西南西から東北東に飛ぶ火球が現れ、
流星観測ネットワーク「SonotaCoネットワーク」
に参加する、5台の自動観測カメラや多数の
防犯カメラや定点観測カメラに収められ、
その翌日以降に2個の普通コンドライト隕石
が千葉県習志野市で回収されました。

多方向からの映像によってその落下点と親天体
である小惑星(3つ)が推定された珍しい事
例です。

習志野隕石(映像)


習志野隕石

from:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000169.000047048.html


★有機物質を含有した隕石

小惑星に含まれるアミノ酸についての研究の
端緒となったのが、1969年オーストラリアに落下
したマーチソン隕石です。

この隕石は木星と火星の間に存在する小惑星
の断片とされ、炭素質コンドライトです。

この隕石にはアミノ酸をはじめ、多くの有機物質
が含まれており、宇宙空間から来たアミノ酸が
地球衝突後も失われないことがわかりました。

また、その後の実験で
衝突時にもアミノ酸が生成されることがわかりま
した。

マーチソン隕石

from:https://www.bbc.com/japanese/51101736


●衝突のしかた

惑星に衝突する天体は、そのほとんどが
地上に到達する前に重力作用や大気圧によって
分裂、爆発します。

場合によっては、衝突天体すべてが高温で蒸発
してしまう場合もあります。

空中で爆発する場合は、地上で爆発するよりも
破壊力が増します。

TNT換算1メガトンの場合は、空中爆発の方が
地上爆発の2倍の被害が出ます。

この効果は、悪いことに核兵器に用いられてきま
した。

重力作用の例は、
1994年のシューメーカー・レヴィ第9彗星の木星
衝突です。

木星の強力な重力により、分裂しながら木星
に衝突していきました。


地球に衝突する典型的な小惑星の場合は、
速度が秒速17kmで大気圏突入し、
高度100kmから大気の圧力で前後方向に
圧縮され分解が始まります。

その破片も大気により高温となりますが、
一部が高温で気化していくため、地上に到達
する内部は気化熱を奪われ、熱くなりません。

ですから、隕石を触って火傷をするとか、火事が
起きることはありません。

また、小さい5cmの隕石であれば、減速して
いき、
地上に到達する頃には時速70km程度となり
ます。

また、隕石の中には鉄やニッケルを主成分とした
「隕鉄」と呼ばれるものがあります。

鉄隕石は、飛んでくる間に一方向性を保って
同じ面を前方に向けるものがあり、
その場合は形が円錐形の、ピラミッドに似た形
になるものがあります。

エジプトのピラミッドのキャップストーンやオベリスク
の上に置かれた石は隕鉄ではないかとも言われ
ています。

ピラミッドのキャップストーン

from:https://ja.wikipedia.org/wiki/ベンベン


●衝突による造形

大きな隕石が衝突した場合は、巨大クレーターを
残しますが、
それほどの威力を持った天体は、秒速20km
以上で飛んできて、質量だけでなく、速度の2乗
に比例する破壊力で、出会った物質をも、高温
と強力な衝撃波で変化させます。

バリンジャー・クレーター(米アリゾナ州)

from:

https://ja.wikipedia.org/wiki/バリンジ

 


特に、地上の硬い岩石との衝突では、
天体と地上との間に核爆発よりも激しい圧力を
生み出します。

 

その結果、地上にある岩石に変化を及ぼします。

例えば、「衝撃石英」と呼ばれる、隕石衝突時
しかできない、歪んだ結晶構造があります。


衝撃石英

from:

 

 


岩石の「シャッターコーン」は、円錐状構造の先端
が、衝撃発生地点を指し示します。


シャッターコーン

from:https://ja.wikipedia.org/wiki/シャッタ


これらは、クレーターなどが隕石によってできた証拠
となります。


●信仰の対象

古代より、石にまつわる信仰があります。

メッカの黒石や前出のピラミッド・キャップストーン、
オベリスクのテッペンに置かれたピラミッド形の石
などです。

これらは、成分が隕鉄に近いと言われています。

エジプトのヘリオポリスにあったとされるベンベン石
は四角錐だったとされ、太陽神ラーが誕生する最
に不死鳥ベンヌの姿で「原初の丘」に舞い降りた
聖なる場所でした。

古代エジプト人は、鉄の精錬を始める前の紀元
前3000年代から、儀式用アイテムに鉄を使ってき
ました。

その謎は、それらアイテムの成分の分析によって
解明されています。

分析結果は、鉄92.5%とニッケル7.5%の混合
物で、これは隕鉄の平均的組成に等しいのです。

隕鉄は不規則な形に割れる性質があり、
流れ星や人の形をイメージされたかもしれません。

ピラミッド・テキストにも、「天からの手」という表現
で「口開けの儀式」などで使用された記述があり
ます。

つまり、古代エジプト人は隕鉄を儀式用アイテム
として使っていたのです。


また、隕石はパワー・ストーンとして今も珍重され
ています。

実際、ツングースカの爆発では、生物に対する
不思議な影響が報告されています。

爆心地に近づくほど、樹木の成長が早くなり、
それが現在も続いています。

また、物体の飛行コースにあたる、ツングース

カ川流域の住民の血液のRh因子や松の種子・葉
の付き方の変化、蟻の遺伝的特徴の変化も
あったといいます。


●地上に被害をもたらす

   サイズ

直径が30m以上の天体が地球に衝突すれば、
何らかの大きな被害が出るといわれ、その地球
接近小惑星の数は、100万個以上にのぼります。

また、まだその1%も発見されていません。

現在直径140m以上の天体の探索、カタログ化
が進められていますが、30mとの隔たりが、なお
あります。

直径が数km以上の天体が地上に衝突すると、
爆心地では、強風・熱線・地震動にみまわれ、

熱せられた物質が、一旦大気圏外に放出され
ますが、熱を持ったまま、まるでICBMミサイル
のように遠くの地域まで飛んで、大気圏に再突入、
大気を加熱し、世界規模の大火災を引き起こし
ます。

これによる灰と衝突時の塵が大気の透明度を
低下させ、生物の大量死を招きます。

また、直径100m以上の天体が突入した場合は、
蒸発せずに塊が残って落下します。

そしてそれが海洋に落ちた場合は、津波が発生
します。

大陸棚がない陸地では、津波の威力が弱まり
にくく、被害がでる恐れがあります。



ここまで書くと「隕石は怖いもの」というイメージが
強くなりますが、決して悪いことばかりではなく、

地球上の生命の誕生や進化に大きな役割も
持っていると考えられていますし、

パワー・ストーンや信仰など、人間生活に欠かせな
いアイテムにもなっています。

明日、隕石に当たっても、不幸とは思わずに、
「幸運が天から降って来た」と思いましょう!

売れば大金持ちになれるかも!(笑)



最後に、参考までに過去の天体衝突の破壊力
の比較を載せてみました。


●破壊の威力

6600万年前 
    メキシコ ユカタン半島
    チクシュルーブ隕石
    直径10km~15km
    TNT換算最大1億メガトン
    恐竜絶滅の原因のひとつ

1908年 シベリア ツングースカの爆発  
    直径約50mの天体 
    TNT換算約10~15メガトン 
    2000平方kmの森林破壊

1994年 シューメーカー・レヴィ第9彗星 
    分裂し次々と木星に衝突
    直径1.6kmの断片がぶつかったとき、
    木星表面に
    地球と同じくらいの大きさの黒雲を観測
    TNT換算100万メガトン

2013年 ロシア チェリャビンスク隕石
    直径15~20mの天体
    TNT換算約0.5メガトン
    (ほとんどが大気に吸収された)
    負傷者1500人(衝撃波による)

XXXX年 小惑星アポフィス(もし衝突すれば)
    直径325m
    TNT換算800~1100メガトン
    (旧ソ連の水爆実験の約10倍!?)


<参考比較>
1945年 原爆(広島)TNT換算約0.015メガトン 
      (長崎)TNT換算約0.021メガトン

1961年 旧ソ連の史上最大水爆実験  
    TNT換算100メガトン
   (科学者がフルシチョフに進言し50メガ
    トンに減じたという話も?)


史上最大の水爆実験


人類が目撃した史上最大の衝突
シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突

 


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