ミニマル生命 | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

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星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

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>食事前に読まないで下さい!<



保険会社ではありません(笑)

また、最近
断捨離とか、ミニマリストなど
身の回りのモノを減らして、省エネ
でコストのかからない生き方をして
いる方が多いと聞きます。

ガラクタのようなモノに囲まれて生活
している私には耳が痛い話です。
そろそろ、終活を考えるような年齢
になってきましたし・・・・。

そういう話でもありません。

ちょっと戦慄を覚えるような!
夏に投稿した方がよかったかな?

”ミニマル”とは「最小の」とか、「可能
な限り少ない」という意味ですね。

今回は、この世界で最小の生命体
である、自己増殖する細菌
「ミニマル・セル」の話です。
(ウイルスは自己増殖できないので
 対象外。)


●ミニマム生命セット

人工的にこの生命系を作る研究は。
1998年に阪大大学院の研究グル
ープの例があります。

人工的な「生物もどき」を作って、それ
を進化させる実験です。

生命体の機能をギリギリまで煮詰め
れば、「代謝」と「自己複製」機能と
なるという考えで、
「ミニマム生命セット」と名付けた
”試験管進化マシーン”を考案しました。

この中で自己複製するのは、酵素と
DNAという生命分子です。

そのからくりは、
こんがらがってしまいそうですが、

-「DNA合成酵素のDNA」でDNA合成
酵素(第一世代)を作り、その合成
酵素で「DNA合成酵素のDNA」のコピー
を作り、それを次世代のDNA(第二世
代のDNA)とする。そして、
「第二世代DNA」から{第二世代の
DNA合成酵素」を作り、その酵素で
第二世代のDNAのコピーを作り、
それを第三世代DNAとする。-


DNA複製のイメージ

from:http://nsgene-lab.jp/dna_structure/replication-basic/


こうして、
えさとなるATPなどを加えて、自己複製
のサイクルをぐるぐる回していくというもの
でした。

文章では簡単にみえますが、グループは
成功するのに2年もかかったそうです。

もっとも、これは「生物」とは言えません。

そもそもこれは「実験進化学」という研究
分野で、DNA複製後に起こるコピーミスに
よる変異を調べて進化の実験をするのが
目的でした。


●合成生物学の誕生

同じ頃、生物学の新しい研究分野が生
まれてきました。

それが、「合成生物学」です。

MITの工学者(エンジニア)が、
ムーアの法則に従って発達したコンピュータ
技術には限界がある。」として、生体分子
を利用して集積回路をつくる目的で生物学
に転向したのがきっかけです。

そして、生物学を「工学化」していきます。

実験で使う、いろんな機能を持ったDNA
配列の断片を規格化してブロックを組み立
てられるように部品化しました。

工学では当たり前の「規格化」という考え方
が生物学にはなかったのです。
それまで、遺伝学者は自分で実験の材料を
一から作る必要がありました。

こうして、生まれた部品群「バイオブリック」は
「複数の部品をどう組み立てるか?」という
学者や学生の課題に答えるもの、
また、「生命をプログラミングする言語」として
期待されましたが、限界も見え始めていました。

一方、
元米国立衛生研究所のグレイグ・ベンターは、
自ら研究所を立ち上げ、目覚ましい成果を
あげました。

もともと、ゲノム解読の専門家だったベンターは、
自然界で最小の生命体である
マイコプラズマ・ジェニタリウムに目をつけ、その
ゲノムをあっという間に解読しました。
そして、人工の最小生命体を作るために、

当初、生命維持に必要のない遺伝子を片っ
端から調べていき、生命維持に必要なDNA
だけの「最小生命の設計図」をつくろうと考えま
した。

つまり、遺伝子を次々にノックアウトして生命
維持に必要ない遺伝子を排除していく方法
です。

<遺伝子の全てが機能しているわけでなく、
 例えば、ヒトゲノムは30億塩基対ですが、
 その中でも、タンパク質の合成に関るのは
 わずか1~2%、わけのわからない繰り返
 し配列やウイルスの遺伝子からもらった配列
 もあります。>

ここで、改めて「最小生命体」とは、
「生命を維持するために必要な最小の遺伝子
を持つ、自己増殖する生物」というものです。

しかし、消去法的なこの手法は困難を極めました。


そうこうしているうちに、2012年に合成生物学界
に画期的な遺伝子編集技術が登場しました。

有名なCRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)
です。

これは、簡単に低コストでゲノムを切ったり貼ったり
することができる技術です。

ベンターは、方針を変えてゲノムを一からつくる
「ボトムアップ方式」をとることにしました。

膨大な消去法的なデータを、生命維持に必要な
遺伝子、それを補佐する役割の遺伝子などに
分類してDNAの設計図をコンピュータで作り、
DNAを合成していきました。

最終的にはマイコプラズマ・ジェニタリウムではなく、
塩基対が倍近いが成長の早い、
マイコプラズマ・マイコイデスのDNAを合成。
そして、2016年に近縁種細菌に移植して、
史上初、世界最小のミニマル・セルが誕生しました。

 



このときベンターは、移植のことを「インストールした。」
と表現しています。

しかし、これも生命を一から作ったことにはならない
と思います。最終的な受け皿は細菌の既存の細胞
を使っていますし、DNA合成して育成するのに大腸菌
を利用しています。

しかし、生物学者のスタイルも変わってきました。
今はゲノムを「読む」時代から「書く」時代になって
います。

ゲノムがデジタル化した現在、
合成生物学者は白衣を着て仕事するのではなく、
コーヒーをのみながらコンピュータでゲノムの設計図
を書いたり修正したりしています。


●ヒトゲノム合成計画

合成生物学は、善悪のいずれにも使える
「デュアルユース性」の濃い分野と思います。

良い方に、例えば再生医療や遺伝子治療、
バイオエタノール、スマート育種など食糧危機
への対応がかんがえられ、2030年予測で
市場規模200~400兆円が期待されて
います。

一方、米国防総省が多額の資金を投じています。
これも気にかかるところです。
生物兵器や人間の戦闘マシーンなど。軍事目的
に利用しようとする姿勢がありありです。

2015年にニューヨークで第二のヒトゲノム計画の初
会合が開かれ、26人の合成生物学者が集まりま
した。
そして、10年以内にヒトゲノムを合成する計画も発案
されました。

この会議は問題視され、ニューヨークタイムズ紙は。
「参加者は報道機関に接触せず、会議中に投稿など
しないようにと言われた。」と報じています。

将来、親のない人間が製造されようとしています!
その人間は、何を思い、どんな人生を歩むのでしょうか?

自分の親が、コンピュータで設計されたプログラム
と知ったら・・・・・。

 

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