生命と量子力学的作用 | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

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星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

今回のテーマは、少し天体モノ(笑)から
離れて、


「生命体の不思議」について考えたいと
思います。

さて、この世界はモノがあれば、基本的に
右と左、上と下といった方向が存在します。
そして、ことを始める順番や順位も当然
決まってきます。

人間の位の順位も、
日本では、左右大臣で左大臣が上位で
した。
これは、イザナギ・イザナミの国生みの始め
に天の御柱を周る時、
イザナギが左から、イザナミは右から回り、
イザナミが先に言上げして失敗したことから、

「左が先が良い(左優位)」となったとも
言われています。

早速脇道にそれてしまいましたが・・・。

太陽系の惑星の公転や自転にも方向性が
ありますが、


ここからは、
光の「円偏光」や、「電子の上下スピン」など、
目に見えない「方向性」や「対称性」と生体
との関係について考察します。


●円偏光と生体分子

光の世界でも右と左が存在し、それぞれ
右円偏光、左円偏光といいます。

通常の太陽光は自然光と呼ばれ、右円
偏光、左円偏光が50:50の割合で混じった
状態で地球上に降り注いでいます。

下のコガネムシの写真は、同じ虫を偏光
フィルターを通して撮影したものです。

from:http://www.op.titech.ac.jp/lab/Take-Ishi/html/ki/hg/et/sb/goldbug/goldbug.html

左側は左円偏光を通すフィルター、右側は
右円偏光フィルターを通して撮影したものです。

左の方が色彩がキレイに写っていますので、
この虫の胴体表面の構造は左ラセンである
ことがわかります。

私たちと「眼」の構造が違う昆虫たちは、
この「偏光」のちがいを見分けています。
ミツバチは偏光を感知することで、曇天の日
でも太陽の位置を知ることができます。

円偏光のイメージ

from:https://www.mecan.co.jp/Optical-Film/Polarizer/About_Polarizer.html


また、地球上の生命体をつくっている分子は
すべて左型、右型、どちらかの構造の分子
でできています。
これをキラル(不斉)といい、
その状態のことを「ホモキラリティー」といいます。

例えばアミノ酸は左型、糖は右型など。

一方、人工的につくった化学物質はすべて、
鏡像異性体とよばれる左型、右型の分子が
等量の混合物(ラセミ体)となります。

サリドマイドは右型は人体に対して無害

ですが、左型だけが胎児に対して有毒です。

人間は頭では見分けができませんが、体内
の「分子」が認識しています。

他方、
パンをつくる酵母菌は、左右混合物のアミノ
酸を入れても、最初から左型のアミノ酸だけを
原料として選んで発酵します。

生体内でDNAの遺伝子情報によりタンパク質
が合成される過程では、この分子認識によって
すべて進行していきますが、
DNA自体も「キラル」なもので、そのほとんどが
「右巻き」となっています。

ところで、この地球生命体の材料となる

アミノ酸がなぜ「左型」分子ばかりであるのか?
その理由が、「宇宙空間の円偏光」の働きに
よるものだと示唆する研究結果が、筑波大学
計算科学研究センターによってえられたという
ニュースを目にしました。

その内容はまず、隕石に含まれるアミノ酸には
鏡像異性体の偏りが見られることがわかって

いましたので、
宇宙空間で初めて検出されたキラル分子「酸化
プロピレン」に着目して、宇宙空間で酸化

プロピレンにホモキラリティーが生じるか

どうかを調べたとのことです。

そして、宇宙でホモキラリティーが生まれる

引き金として、水素原子が放出する

「ライマンα線」という紫外線を想定して

量子化学計算を行ったそうです。

研究の結果、
円偏光したライマンα線を片方の鏡像異性体
のみがよく吸収する性質を持つことが明らかと
なったとのことです。

from:https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12673_homochirality

(左)アミノ酸のホモキラリティーが宇宙で生じる過程の模式図
円偏光した光(オレンジ色の矢印)によってD型のアミノ酸がよく分解され、L型が過剰に。
星間物質ではL体の過剰率は1~2%と考えられ,
隕石中のアミノ酸ではL型の過剰率は10~20%であることが知られています。
原始地球で生体の元となったアミノ酸はほぼ100%がL型。
(右)酸化プロピレンの構造式と理論計算の模式図。
(筑波大学計算科学研究センターリリース)


また、奈良先端科学技術大学院大学では、
光合成を行う緑色植物は、太陽光から左右
どちらかの円偏光を発生させ、光合成反応に
積極的に利用しているのではないかと考え、
ケイ素を主にした高分子半導体を使って、
葉緑体とよく似た環境をつくりました。

そして、入射した光のエネルギーを吸収して
円偏光を高効率で発生させることに世界で
初めて成功したとのことです。

この成果は、植物の光合成での葉緑体の働き
を解明する手がかりとなることが期待される

とのことです。

●酵素と電子・陽子の関係

近年、「量子生物学」という新しい分野の科学
が注目されています。

きっかけは、ドイツのクラウス・シュルテン

という科学者が2004年にネイチャー誌に発表した
論文だったようです。

これについては、後述したいと思います。

さて、量子力学という言葉はずいぶん認識
されるようになってはいますが、
私的には、「わけわかりません。」が本音です。

「量子生物学」は、生命活動にこの量子力学
的作用がどのくらい関与しているのか?
はたまた、ぜんぜんしてないのか?
という難しいテーマを実証していくようなもの

だと感じております。

しかし、
量子力学と生命との関係については、70年

以上も前に考察がなされています。

「波動方程式」で有名なシュレーディンガーは、
まだ遺伝子も発見されてない1944年に、
『生命とは何か』という著書の中で、

「遺伝は量子力学に支配されている。」
また、
「生命の振る舞いの一部は、熱力学の法則で
はなく、絶対零度に近い状態の量子の法則に
従う。」

という生命の深い謎に対しての画期的な答え
を見出しています。

量子力学では、よく「電子のスピン」とか、
「トンネル効果」や「量子もつれ状態」などの
言葉が使われています。

「太陽は量子トンネル効果で核融合を起こし
て輝いている」とかいわれますが、
生命活動とは、どのような関係があるので
しょうか?

私たちの身体の細胞分子レベルは、見かけ上
ではわかりませんが、かなりダイナミックな
エネルギー生成活動が繰り広げられています。

その最たるものがATP(アデノシン三リン酸)
の細胞内での産生だと思います。

ATPは、あらゆる細胞のエネルギー電池の
ようなもので、極めて重要な分子です。

ナント、その産生スピードは、1日に自分の
体重と同じ量を1秒たりとも休まずにつくり
出しているのです!!

大きな化学工場をつくっても不可能です。

微小な空間で、驚くべきスピードでタンパク質
合成活動が行われているのです。

このような重要はたらきは、「酵素」が担って
います。

私たちの重要なエネルギー利用手段である
「呼吸」のプロセスでは、電子がいわば、通貨
のように分子の中、或いは分子間を飛び交っ
て移動しています。電子を失う反応が「酸化」
で、得る反応が「還元」です。石油などは還元
されたものですね。

このプロセスを単純化すると、
まず、食物などから得た養分(炭水化物)
を消化器で分解してグルコース(糖)となり、
血流に乗って細胞へ運ばれます。
この糖を燃焼させるのに必要な酸素が肺から
同じく血流に乗って同じ細胞へ届けられます。

そして、分子内の炭素原子の最も外側軌道
にある電子が、NADHとよばれる分子へ移動
します。

その後その電子は、まるでバトンリレーのように
細胞の中の「呼吸鎖」上を酵素から酵素へと
手渡しされていきます。

電子はその段階ごとにより低いエネルギー状態
へ落ち、酵素はそのエネルギー差を使って陽子
を細胞の中にあるミトコンドリアから汲み出し
ます。

次に、そうして生じたミトコンドリア内外での
陽子濃度の差を使って、(陽子が戻るときに
ATP合成酵素が駆動して高エネルギーの
リン酸基を酵素に結合させて)ATPが合成
されます。

ATPは細胞の中を簡単に移動できる電池と
なり、これで身体をつくったり、動かしたり

することができるということになります。

このように、電子を直接酸素に渡さずに酵素間
をリレーすることで、全体のプロセスが効率

よくなると考えられています。

しかし、なぜ電子が、電気伝導性が低い

タンパク質の間を、しかも原子何個分かの

”長距離”を移動できるのでしょうか?

ここで「量子のトンネル効果」が登場します。

トンネル効果とは、乗り越えられそうにない

エネルギー障壁をすり抜けるプロセスで、

軽い粒子ほど容易になるという特徴があります。

電子は、素粒子の中でも極めて軽いものです。
現在では、呼吸プロセスでの電子の量子力学
的作用を疑う科学者はほとんどいないようです。

最近では、もっと重たい素粒子の「陽子」でも、

コラーゲンを分解する酵素「コラーゲナーゼ」

で同様にトンネル効果が確認されています。

次に、量子力学的作用の中で最も奇妙な現象
「量子のもつれ・重ね合わせ」作用が
生体と関連しているのか、考えたいと思います。

●磁気受容体

ここで、前述しましたドイツの科学者
クラウス・シュルテンの「コマドリのコンパス」

の研究をご紹介したいと思います。

まず、「量子のもつれ」や
「量子の重ね合わせ」についてですが、

それは、いったん一緒になった粒子同士は、
互いにどんなに遠くへ引き離されても、
瞬時にコミュニケーションを取れる現象で、
一方を観測すると、もう一方の状態も決まる
という奇妙な作用です。

これは電子でも、光子でも同じです。
例えば、一方の電子のスピンが上向きと観測

した瞬間、もう一方の電子は、宇宙の端に

あろうと、下向きのスピンに収束します。

観測されるまでは、両方とも、上向き・

下向き同時にスピン状態の「重ね合わせ」

状態となります。

と言われても、まったく想像できません!

でも、安心してください!(古いっ)
このスピンは3次元ではなく、複素数空間

という、数学的空間での話で、コマが回って

いる情景のようにはイメージはできません。

シュルテンは、遊離基(フリーラジカル)

という、
一番外側の軌道に一人ぼっちの電子を持つ
分子が関与する化学反応によって、電子が

どのように作用するのか?という問題に興味

を持ちました。

一人ぼっちの電子以外の電子たちは、ペアの
電子を持っていて互いにスピンを打ち消し合い
ますが、一人ぼっちの電子は相棒となる電子が
いないので、スピンが残って、その遊離基は

磁気的性質を持ちます。このスピンが地磁気の

磁場方向へ向くのでは?と考えました。

そして、その遊離基を発生しやすい

色素タンパク質の一種である、

「クリプトクロム」に着目したのです。

シュルテンは、渡り鳥であるコマドリが、

磁方位を認識するときに、目の中にある

「クリプトクロム」が関係しているという

論文を発表したのです。

ここで、もっと複雑な話になりますが、

ペアになっている2つの電子は、お互いに

反対向きのスピンをして全体としては、

回転ゼロの状態で、
これを、”スピン一重項状態”といいます。

一方、遊離基から出た一人ぼっちの電子は、

隣の原子の電子と同じ方向へスピンする

ことがあり、
このときのスピン方向が、上向き、下向き、

横向きの3つの状態になることがあり、
これを、”スピン三重項状態”といいます。

もしも、飛び出す前の原子内でペアを

つくっていた電子が飛び出して、

隣の原子の電子とペアをつくった場合は、

飛び出した電子が前のペアの電子との量子

もつれ状態が継続するにもかかわらず、

どの向きにもなる確率があってややこしい

ことになり、

”一重項”と
”三重項”が重なった状態にもなりうることになります。

シュルテンは、まずはクリプトクロムが光

と相互作用することによって遊離基が発生する。
そして、その電子ペアと外部磁場のなす角度が、
”一重項”となるか”三重項”となるかの確率に

強く影響し、その結果、不安定な遊離基どうし

の再結合による生成物の種類が変わってくる

と述べたのです。

果たして、この説は正しかったのでしょうか?
これをクリアするためには、

量子コヒーレント状態を長時間保てるのか?


また、磁場の振動数と遊離基の持つ振動数が

マッチしなければならないという課題があり

ました。

それに加えて、
いろんな物から発生するノイズの問題もあり

ました。

その後、まず2007年にオルデンブルク大学

のグループが、鳥の網膜からクリプトクロム

を単離して調べたところ、

確かに青い光を当てると長寿命の遊離基ペア

が発生することが確かめられました。

そして、2011年、オックスフォード大学の

研究室が、”遊離基ペアコンパス”の量子理論

計算を行い、
「重ね合わせ状態」と「もつれ状態」は

数十マイクロ秒間維持され、同種の人工的

ノイズを上回る長さであることを確認しました。

 

また、磁場の振動数と遊離基の持つ振動数の

マッチングについては、

ドイツ人鳥類学者ヴィルチュコと磁気受容の

世界的専門家のソーステン・リッツによって、

コマドリを使った共鳴実験がなされ、証明

されています。

今では、さまざまな種で磁気受容が見つかって

いるとのことです。

ここまで、生体における量子力学的作用

について考察してきました。

このしくみはある程度解明されつつありますが、

このしくみを人工的に1からつくるということは

まだできていません。


また、もちろん生命活動のすべてに量子力学的

作用が関与しているわけではなく、

環境ノイズが入らない、コヒーレントな環境が

まず必要となります。

 

コーヒー
養老孟司先生のインタビュー記事で、
「なぜ生命を大切にしなければいけないのか?」
というような問いかけがあったことを思い出します。

先生は、
「つくることができないから。」
と答えていたと思います。

いかにも、解剖学者の答え方ですね。

それと裏返しとも言える言葉が、

ノーベル賞物理学者のファインマンの有名な格言

「作ることができないものは理解したことにならない。」


だと思います。


生物学者たちは、この言葉にムチ打たれて研究を

重ねているようですが、

もし、人類が生命を1からつくれるようになったら・・・
もう、人類も終わりだと思います。

というか、まだ生命の起源
特に、RNAワールドがいかにしてできたのかも

わかっていません。


アミノ酸が宇宙でも見つかってはいるものの、

タンパク質を合成するには少なくともRNA

のようなヌクレオチドが出現しなければ不可能です。

もろくて、高温にも弱いヌクレオチドがどうやって

厳しい太古の地球環境の中で出現できたのか

わからないのです。

ですから、安心してください!(古いっ)

しかし、量子コンピュータや情報テレポーテー

ションなどは、
近い将来、実用化されるかもしれませんね。

また、AIと脳の直結によるシンギュラリティも。
(私はハンドロイドと呼んでます。)

そのときは、人間は社会や国家の奴隷になっている

かもしれません。

戦争や内紛も頻発し、
さらに、ロボットと戦うハメにも!?

ユヴアル・ノア・ハラリの著書「ホモデウス」

の中に。
ある記者が米国防総省が開発している「戦闘ヘルメット」

の体験をした模様が書かれています。


読んだら気分が悪くなりました。ショボーン

すでに、現実にロボット(無人機)による戦闘

が行われ、
「はやぶさ2」のように、現地でAIが自ら

判断する技術も実現しています。

”アルマゲドン”は人類の中にある「神」が

引き起こすのかもしれません。


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