地震のカタチ | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

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星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

久しぶりのブログ更新です。てへぺろ

今回、最近テレビで南海トラフ地震への
警戒が呼びかけられていますので、

あらためて、「地震とは何か?」
ざっくり考察していきたいと思います。

●地震を表す要素

⑴震 源

 地震は地下深部の岩石の弱い面が
 すべるように食い違いを起こして、
 猛スピードで広がっていく

 「震源断層運動」と呼ばれる現象です。
 そのズレのスタート地点が震源と呼ば
 れる地下の点です。

 地震のニュースで見られる、地図に

 示す赤い×印でお馴染みですね。

 地震が発生すると、まず速度の速い
 「P波」(縦波、初期微動波)が来て、
 その後に「S波」(横波)が来ます。
 (さらにその後に、ユラユラの表面波)

 震源からの距離でP波とS波の間隔が
 変わってきますので、間隔を3か所

 以上で観測すれば、震源が計算できる

 ことになります。
 
 現在は、P波のみの観測で緊急地震
 速報が出せるようになっています。

⑵震源域

 地震のニュース画面では通常、上述の
 「震源の赤い×印」と震源の深さ、
 規模=マグニチュード(M)、 
 そして各地域の震度しか出てきません

 ので、地震の本当の姿はわかりにくい

 と思います。

 これでは、地震は点でしか発生してい

 ないような誤解を招きます。

 実際は上述したように、震源は地震の

 始点でしかありません。
 震源を出発した断層面のズレは秒速3

 kmという猛スピードで震源域全体に

 広がっていきます。
 (震源は必ずしも震源域の中心とは限

  りません。震源域の端からズレが起

  こることもあります。)

 この食い違いの面を「震源断層面」と

 いいます。

 こうして、

 地震の源は、震源断層面という広大な面
 となり、長方形の面で近似計算されます。
 (地下の様子は見ることができませんの

 で、数理計算により、面全体の平均的な

 ズレの長さ、面の領域、傾斜角などが

 求められます。)


震源域・震源断層

from:

 

 



 ★震源断層面の大きさの目安

  ・M6.0  長さ  10km程度
       幅   数km
       ズレの長さ 数十cm

  ・M7.0  長さ  30km程度
       幅   10km程度
       ズレの長さ 1~2m

  ・M8.0  長さ  100~150km
       幅   数十~100km
       ズレの長さ 数m以上
(東京・神奈川・千葉・埼玉全体に匹敵)

  ・M9.5(1960年チリ地震の推定値)
       長さ   800km
       幅    200km
       ズレの長さ 24m  
    
  ちなみに、
  M(マグニチュード)は地震の規模を
  表します。
  Mが1上がるとエネルギーは32倍とな

  ります。
  2つ上がれば1000倍近くなります。
 
  
南海トラフ地震の想定震源域

from:

 

 



●地震の分類

さて、地震が起きるパターンは、
現在の地震学では、
次の分類となっています。

火山性地震以外は、「プレート運動」
による歪みが地震の原因であるという
考え方が主流です。

地震の分類図


⑴プレート境界型地震
 海洋プレートがマントル内に沈み込む
 大陸プレートと海洋プレートが接する
 プレート境界面に歪みが溜まって起こる。
 2011年の東北地方太平洋沖地震
 (東日本大震災 M9.0)や今後
 30年間で70~80%の確率で起こると
 される、南海トラフ地震など。
 (トラフとは海溝よりも浅い、舟状
  海盆のこと)

 
⑵海洋プレート内地震
 海洋プレートそのものの内部に断層
 が生じて起こる。
 震源の深さが違う3つのタイプがある。

 ①浅い部分でプレートが沈み込む手前
  で下に曲がる力で発生。
 ⇒1933年昭和三陸地震(M8.1)

 ②沈み込んですぐのところで、プレート
  自体の重さで発生。
 ⇒1994年北海道東方沖地震(M8.2)

 ③沈み込んだ深部でプレートが地球
  内部になおも動き続けることで発生。
 ⇒1993年釧路沖地震(M7.8)
  震源が地下101km
   (深発地震)


⑶内陸地殻内地震
 大陸プレート内部に歪みが生じて起

 こる。
 おおむね地下30km以内で起こる

 ため、
 マグニチュードが小さくても甚大な

 被害が出る恐れあり。
 活断層(258万年前から地震を繰り

 返し起こしている断層)が原因になる

 場合があるとされているが、多くの

 場合、震源断層面と活断層面は一致

 していない。

 ⇒1891年濃尾地震(M8.0)
 ⇒1995年兵庫県南部地震
  (阪神淡路大震災 M7.3)
 ⇒2016年熊本地震(M7.3)


⑷火山性地震
 火山周辺の地下には、

「マグマの通り道」があり、プレートと

 一緒に、しみ込んだ水がマントルに入り

 込んで、マントル物質と溶解してできた

 マグマがここを通って上昇。
 そして、地下2~4kmのところに

 「マグマだまり」をつくる。
 溜まったマグマにガスなどにより圧力が

 高まると、地表近くに上昇して熱せられ

 た水分が蒸発し、体積が数千倍にもなっ

 てしまうため、
 「マグマの通り道」が圧力に耐えきれな

 くなり、岩盤が割れて地震が起こる。


●地震のゆれ方

⑴怖いドスンゆれ(縦揺れ)
 最初に来るのが、ドスンと、下方向から

 突き上げる「ドスンゆれ」です。

 震源に近い場所では真下から突き上げ、
 これによりビルの1階が潰れることが

 あります。
 特に1階が柱だけの駐車場となってい

 る建物は要注意です。

 まず、強烈な突き上げにより建物が宙

 に浮きます。

 そして地面が急激に下方向に戻りますが、
 建物は慣性の法則で宙に残ろうとします

 ので
 1階の柱の鉄筋は伸びていきますが、

 コンクリート部分が引きちぎられます。

 そして、建物上部が落下して1階部分

 が押し潰されます。

 一方、震源から遠くの場所の場合は、

 斜め下方から突き押される形になりま

 すので、建物は横方向に折れ曲がる恐

 れがあります。

 いずれも、一撃で建物が破壊される恐

 れがあります。

 その後にくるのがユサユサ横にゆれる

 「横ゆれ」です。

 現代の建物は、このユサユサ横ゆれに

 は強いのですが、最初に来る「ドスン

 ゆれ」の対策はできていないと言われ

 ています。

 しかも、「ドスンゆれ」はM6クラスの

 地震でも、直下型になると甚大な建物

 被害の出る恐れがあります。

 特に断層がある場所では、一列に並ん

 で建物が破壊されるという特徴があり

 ます。

 場合によっては、ドスンゆれと

 ユサユサ横ゆれ
 の二重攻撃で、特に軟弱地盤の場合は

 液状化によって被害が大きくなる恐れ

 があります。


縦揺れと横ゆれ



⑵長周期地震動

 マグニチュードの大きい地震が発生すると、
 ゆれが一往復する時間の長い、ゆっくりと

 した地震動が発生し、震源から比較的遠い

 地域にも伝わっていきます。

 この周期と建物が持つ固有周期が一致する
 ことで共振を起こし、より長時間大きく

 建物がゆれる現象です。

 現代は都市部に高層ビルが多く建ってい

 ます。
 高い建物ほど、大きくゆれる恐れがあり

 ます。

 エレベーターや電気・ガス・水道設備の

 故障や家具類の転倒・移動に注意が必要

 です。



●なぜ南海トラフか?


⑴強い周期性

 過去の発生事例から、約100年から150年
 周期で発生しています。

 これは、太平洋側のフィリピン海プレート

 が、陸側のユーラシアプレートに1年に

 数センチの速さで潜り込み、その接触面

 での歪みのエネルギーが繰り返し、ほと

 んど地震エネルギーとして解放されるとの

 考え方によるもので、
 すでに前回の地震から70年以上経っている

 ことから警戒が呼びかけられています。

 しかも、前回の東南海地震はM7.9、2年

 後の南海地震がM8.0で、南海トラフ地震

 としては”規模が小さい”(宝永地震はM8.9)

 とのことで、「エネルギーが十分に解放さ

 れていない」という見方から、歪みのエネ

 ルギーの蓄積が大きいと言われています。


南海トラフ地震の歴史



⑵予想される「半割れ」

 東西に長い想定震源域のうち、片側で

 M8クラスの地震が発生するという想定

 があり、
 その場合、1週間以内に残る片方の

    地域で地震が誘発される恐れがあり、

   その場合は地域によっては2回に渡

   って被害が出ることになります。


 しかも、もしも2回目が短時間で起き

 た場合、
 1回目で発生した津波と2回目に発生

 した津波が重なり合い、津波高が倍に

 増幅されることも考えられます。
 (津波の伝播速度は、水深が浅くなる

 ほど遅くなるので、発生位置によって

 は、後から発生した波が追いつく現象

 もありえます。)


⑶想定される被害

 政府の中央防災会議の想定では、

 M8~9クラスの地震が発生すれば、

 死者は30万人超に達するとされてい

 ます。

 また、南海トラフ地震をきっかけに

 して、付近の断層(中央構造線など)

 が刺激され、地震活動が活発化する

 とみられています。


●地質学者による新説

最後に興味深い新理論を紹介します。

本当に地震はプレートが原因か?
プレート論神話に異論!?



最近、地質学者の角田史雄氏

(埼玉大名誉教授)
が、現在の地震学に異論を唱えています。

これは、地震の原因は、これまで定説の

プレートの移動では説明できないという

のです。

根拠としているのが、最新の可視化技術

である、「マントルトモグラフィー」を

使い、地球を100km単位でスキャンした

ところ、地球の奥深くから高熱流が垂直

方向に沸き上がり、地上近くで水平移送

される、「熱移送説」が裏付けされたか

らです。

詳しくは「徹底図解メガ地震がやって

くる(ビジネス社)」を読んでみてくだ

さい。

マントルトモグラフィーによる高熱流

from:https://www.ailab7.com/tomogura.html

 

日本付近の水平熱移送ルート

from:https://ameblo.jp/zhongriyouhao123/entry-12602717183.html


また、最新の電波測定技術によると、

太平洋プレートは、日本付近で沈み込みを

しておらず、太平洋を時計周りに回転して

いるとの記述がされています!

 


日本付近のプレート



さらに、マントルトモグラフィーで還太平洋

の地下1000kmまで解析したところ、

プレートは冷たい板状岩層ではなく、
温かい軟弱層と推定され、固い岩石同士がぶ

つかって発生する地震とは無関係であるとも

述べています。

『活断層が地震を引き起こす』

という表現も正確ではありません。

実際の内陸地震では、震源断層面と

活断層面は一致していません。

これは地震学者も認めています。

結局のところ、地下での出来事は見えない

モノだけに、
まだまだ、解明されていないものなんですね。


しかし、角田教授の説がもし正しければ、
「何月何日の何時に、何処でどれだけの規模

の地震が発生する」というまでは予知できな

いにしても、
「何か月後に太平洋のどこそこの地域で大地

 震発生」
という程度までは予測できるかもしれません。



現在は「融合科学」の時代ですので、いろん

な分野の学者が勇気をもって割り込んで学説

を唱えていってほしいものです。それが更な

る発展につながると思います。

 

 

★関連動画「プレート説から熱移送説へ」

 


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