105円読書 -38ページ目

24 -CTU機密解除記録- 拒否権 下 著:ジョン・ホイットマン

24 -CTU機密解除記録- 
          拒否権 下

ジョン・ホイットマン:著 文永優:訳
英知出版 ISBN:4-7542-3025-6
2006年2月発行 定価620円(税込)









続けて読んでいた小説版24、「拒否権」の下巻を読み終わった。上巻ほどテンポの悪さは感じなかったが…やはり1作目の「ヘルゲート作戦」と比べると、なんかシックリこないのは何故だ?

テロ組織を追っていたジャックは、ロスで大統領の暗殺計画が進行しているという情報をキャッチ。しかし、その日の大統領の日程にロスの訪問は予定されていなかった…。諦めきれないジャックは、上司の命令に逆らい、さらに独自の調査を進めていく…。一方、新米国プライバシー法案を推し進めたいクインシー司法長官は、CTUをも巻き込み、何かを企んでいるようなのだが…。

そりゃー、ジャック・バウアーって正直言って、行き当たりバッタリの捜査が多いし、他の場面でも失敗を何度もしてきたけど…なんか、この作品でのジャックは、ただのマヌケです。まぁ、これだけマヌケな奴だから…今後、あの女にもまんまと騙されちゃうという伏線なのだろうかとも考えられなくはないんだけどさ(笑)

結末に関しては、映像版のシーズン毎のラストみたいに、なんかやり逃げな感じ。ぶっちゃけ、最後まで読んでも中途半端な印象が強い。エピローグを用意し、親切に事後報告までしていた前作のほうが、やっぱり単発作品として読んだ時は、物語をきっちりと理解しやすかったんじゃないのか?クライマックスしか見せ場がほとんどないジャック…実はこんな奴だったんだぁ的に読むとそれなりに評価も出来るのかけど、やっぱり自分はマーク・セラシーニの「ヘルゲート作戦」の方が面白く感じたなぁ。

シリーズ第3弾も既に出版されているのだが、いまだ100円コーナーでは発見できず。近所のBOOKOFF、値下げ前の棚に、何冊か並んでいるので、そのうち100円コーナーに落としてくれるんではないかと、密かに期待して、二日に一度くらいは覗きに行っています(笑)






個人的採点:65点






24 -CTU機密解除記録- 拒否権 上 著:ジョン・ホイットマン

24 -CTU機密解除記録- 
          拒否権 上

ジョン・ホイットマン:著 文永優:訳
英知出版 ISBN:4-7542-3024-8
2006年2月発行 定価620円(税込)








「24-CTU機密解除記録- ヘルゲート作戦」に続き、映像で始まる以前のCTUの活躍を描いた24の小説版を読む。前作とは著者が変わっているので(訳者は同じ)、雰囲気はかなり変わった感じがする…。

ヘルゲート作戦から数ヵ月後、ジャックは捜査中のミスを指摘され、左遷されていた。現在は“グレイター・ネイション”と呼ばれる反政府組織に一人で潜入捜査の真っ最中。彼らが危険分子である証拠を掴んだジャックは…“グレイター・ネイション”の施設に突入し、リーダー格の男を逮捕した。しかし、彼らは…独自に掴んだ情報から、アメリカ国内に潜入したイスラム系テロリストを追いかけていたのだという…。一方、ワシントンでは新米国プライバシー法を巡り、法案を成立させようとするクインシー司法長官をはじめとする政治家たちに熾烈な駆け引きが行われていた。

うーん、「ヘルゲート作戦」に比べるとテンポが悪いなぁ。いかにも翻訳ものを読んでいるという感じの回りくどさが目立つ。300ページ近く読ませて、ようやくラストの数ページで、エンジンが掛かってきたかなって印象。お馴染みのメンバーがバンバン活躍し、前半から飛ばしまくっていた前作の方が、24らしさは堪能できた。次の章へ移る直前の寸止め具合なんかも、前作の作家の方が上手だった。なんか、ジャックは似たような突入シーンばかり繰り返してるんだもんなぁ。

ジャックが追うテロ事件と平行して、政治的な話が描かれていくのだが…どうやら後半では、それらがシンクロしていく模様。事件の全貌も全然見えてこず、上巻ではまだまだ。後半での巻き返しに期待したい…。






個人的採点:60点






24 -CTU機密解除記録- ヘルゲート作戦 下 著:マーク・セラシーニ

24 -CTU機密解除記録- 
      ヘルゲート作戦 下

マーク・セラシーニ:著 文永優:訳
英知出版 ISBN:4-7542-3022-1
2005年11月発行 定価620円(税込)








前回読んだ「24 ヘルゲート作戦」の続きの下巻を読み終わる。巻頭には、前巻のあらすじもしっかりと書かれてるのが良い。ただ、数ページのあらすじでも、意外と丁寧なので上巻読まなくてもいいんじゃないかと思ってしまったり(笑)せっかちな人は下巻からでもOKじゃない?

テロ計画を察知したCTU捜査官、ジャック・バウアーは…弟と共に事件に巻き込まれたケイトリンの援助を得て、ニューヨークで手がかりを探す。一方、バウアーを支援するCTUのメンバーたちも事件の全容に着実に迫っていたのだが、敵の画策に惑わされ、捜査が捗らない。

テロリストたちの真の目的も、読者には前半で明らかになるのだが…ジャックたちは、なかなか真相にたどり着かない。で、次々とテロリストのアジトや関連施設に乗り込んでは銃撃戦を繰り広げる(笑)ジャックと共に、事件に巻き込まれてしまう、不法入国のケイトリンとリアム姉弟…特に、知らずにテロリストたちの運び屋にされてしまう弟のエピソードなどは、物語に程よいスリルを与えて、上巻同様にテンポの良さを持続させる。CTUのレギュラーメンバーたちが、けっこうピンチに陥るのもヒヤリとさせられる。

TVシリーズを全部見ている人間として、この頃のニーナは、何を考えているのか?その心内を覗いててみたかったりもするが(笑)…ジャックが、ニーナのことを、パートナーとして認め、彼女が何を考えているかわかる~みたいに表現しているのが、その後の展開を考えると複雑ですよね。

事件の発端となった、匿名電話の正体。また、何故FBI捜査官がテロリストに加担するのか?など…その真相が語られるのも、なかなか面白かった。






個人的採点:70点






24 -CTU機密解除記録- ヘルゲート作戦 上 著:マーク・セラシーニ

24 -CTU機密解除記録- 
      ヘルゲート作戦 上

マーク・セラシーニ:著 文永優:訳
英知出版 ISBN:4-7542-3021-3
2005年11月発行 定価620円(税込)








人気TVシリーズ「24」の、映像化以前のエピソードをオリジナルで展開している小説版。別途、映像化作品のノベライズも出ているが、そっちは映像で全部見ているので全く読んでません。ということで、小説版初挑戦。「ヘルゲート作戦」上下巻と続編の「拒否権」上下巻を一気に100円コーナーでGETした。

ロサンゼルス国際空港に着陸する輸送機を撃ち落そうという計画が進行している…CTUに寄せられた、匿名の通報で現場に急行したジャック・バウアーたちは、怪しげなグループを発見。交戦の末…犯人の一人を確保したのだが、FBI捜査官のヘンズリーが横やりを入れてきた!テロの容疑者であるアリーティは自分たちが長年追いかけていたターゲットだと…。ジャック・バウアーはニューヨークまでの護送役を条件に、渋々容疑者の受け渡しに同意するのだが…ニューヨーク到着直前にさらに事件が勃発!

いかにも「24」らしい、お約束な展開(笑)土地鑑のあまりないニューヨークに、一人ほっぽり出されちゃったジャック・バウアー…さらに他の司法組織から追われちゃって、頼れるのはCTUの仲間だけ。

オリジナル小説なので、ノベライゼーションのような、いかにもシナリオ丸写しみたいになってなく、情景や人物描写も描きこまれている。それでいて、訳者のセンスがいいのか、映像を見ているようなテンポの良さがしっかり味わえる、リズムの良い文章がけっこう心地よい。ちゃんと1時間ごとに区切られた章立てになっているし…毎回いいところで、次の章に移るのも、映像版ソックリ(笑)

ドラマのファンだったら…お馴染みのレギュラーメンバーがどんどん出てくるのも嬉しいだろう。ただ、ドラマのシーズン1以前を描いているので、その結末を知っていると、いろいろと微妙ですよね。

まだまだ事件の核心には迫ってないので…映像版のように、下巻で、どんでん返しを期待したい。作品全体の感想は、まず下巻を読んでからだろう。






個人的採点:70点






浦賀和宏殺人事件 著:浦賀和宏

浦賀和宏殺人事件

浦賀和宏:著
講談社 ISBN:4-06-182247-0
2002年5月発行 定価735円(税込)









浦賀和宏がたまっていたので、他の作家と交互に色々と読んでいるのだが…今回はとにかく薄っぺらい。130ページくらいなので、早い人だったら1時間ちょっとで読破できるのではないでしょうか?

講談社からの依頼で、密室をテーマにした作品を執筆することになった浦賀和宏だったが、なかなか捗らないでいた。そんな時、浦賀和宏のファンの女子大生がラブホテルで殺された。彼女が最後に会ったのが浦賀和宏だという…。

著者本人を連想させる主人公が出てくるという展開は、この作品の前々作にあたる「眠りの牢獄」にも似た、メタフィクション的な構造?

ミステリマニアの感想に噛み付き、同業作家に噛み付き…さらに自虐ネタで自分をどんどん追い込んでるあたりが、計算づくの、あざとさ。だからミステリマニアに嫌われるんじゃないの?って、こういう文章を書いてる、当方みたいな素人の文章に、浦賀先生は気分を害しているようでして…作家と読者という関係に永遠と付きまとうジレンマを劇中キャラの言葉を借りて、吐露しまくっている。

そのくせ、ファローもきっちり入れ、、いつの間にか、そうじゃないんだ!という反対意見も出てくるんだけれども…とにかく支離滅裂でした。そういう一貫性を欠く言動も実は作中トリックの伏線だったりもするのですが…読んでいて、あまり気持ちのいいものではありませんね。お約束になっているグロテスク描写も、パロディ扱い?あとは、自分の好きな物の知識をひけらかし、自慢話をしているだけだった。

この作品から急に読み出したら、1作目を読んだ時みたいに、途中でほっぽり出しただろうなぁ。そしたら二度と、浦賀和宏は読まなかっただろう(爆)たまにはこういう駄作もいいんじゃないですか?






個人的採点:40点






泉[いずみ] 著:倉阪鬼一郎

泉[いずみ]

倉阪鬼一郎:著
白泉社 ISBN:4-592-75008-X
2002年12月発行 定価1,575円(税込)









久しぶりに倉阪鬼一郎のホラー小説を読む。最後の最後でどん底に突き落としてくれる倉阪節は健在で、ゾクリとさせられる。

桜桃大学文学部に通う弓田泉は、他の人には見えない“あれ”が見えてしまう特異な体質だったのだが…高校3年を境にして、その兆候が消えていた。しかし、ひょんなことから…その感覚がまだ消えていないことを知り、戦慄する。ちょうどその頃、泉が所属する大学のサークル、リテラリー倶楽部主催で「百物語」イベントが開催されることに。倶楽部の代表・秋月に憧れる泉は…そのイベントへ参加することを決める…。結界を引き、「百物語」の作法もしっかり守ったメンバーだったが…惨劇は起きてしまった!

百物語が始まるまでが、ちょっと長いかなって気もするが…後半は一気に変わります(笑)退屈気味な前半部分にも…主人公たちとは別視点で、重要な話が挿話されてくるのだが、とある芸術家の話が、ちょっとグロテスクでしたね。個人的には“百物語”より、そっちのグロテスク描写の方がちょっと気持ち悪かった。

怖さはしっかりと感じられるが、もっと、ノンストップでスプラッターで鬼畜な倉阪作品の方が好きなので、この著者の作品にしたら普通だったかなと。






個人的採点:65点






学園祭の悪魔 ALL IS FULL OF MURDER 著:浦賀和宏

学園祭の悪魔 
ALL IS FULL OF MURDER
 

浦賀和宏:著
講談社 ISBN:4-06-182235-7
2002年2月発行 定価777円(税込)  








浦賀和宏に戻ってきました(笑)一応、推理小説なのだろうか?らしき展開はあったけどね…ぶっちゃけ、和製ハンニバル・レクターみたいになってきた、安藤直樹という探偵役がどこまでぶっ飛んでいくのかという感じですね。多分、自分が読み逃している初期のシリーズに、これまたけっこう深く関わっている作品なんでしょう。なんとなくオチの予想はしてたけど…まぁ、単発で読んでもそれなりの衝撃はある。

学園祭に現れた、同級生・穂波留美の恋人、安藤直樹の存在に惹かれていく“私”。それまで、あまり親しくなかった穂波留美の存在も気になり始め、時には2人の後を尾行したり、会話を盗み聞きしたり…。その時、巷で噂になっているとある猟奇殺人事件の犯人を、どうやら2人が知っているらしいと小耳に挟む。「安藤くんは名探偵なの」と穂波留美は“私”に言う…。

主人公の“私” が、キャピキャピの(もう死後だって?)女子高生というよりは、どこか親父クサイ印象を受けるのは自分だけ?好みの映画のセンスとかも、本当に女子高生なのかよ?親は失業中、バイトもしてなさそうなこの女子高生が、映画を見まくり、DVDやCDをやたらと買いまくってるのが、なんだか不思議(4年前だと、今ほどDVDも安くないんじゃないの?)。全体的に、ネカマが書いたブログでも読んでいるような感じの文章なんだけれども…作者の十八番のような、グロテスク描写もちゃんとありました。この間読んだ、「眠りの牢獄」よりは、猟奇描写の無理矢理感は薄く、一応…物語にちゃんと絡んでいたかなと。






個人的採点:65点






ロケットガール 著:野尻抱介

ロケットガール

野尻抱介:著
富士見書房 ISBN:4-8291-2618-3
1995年3月発行 定価651円(税込)










この間まで読んでいたハードSFの「クレギオン」シリーズを手がける、野尻抱介の「ロケットガール」を読む。もちろん古本屋の100円コーナーで見つけてきたのだが、今現在は絶版でAmazonのマケプレでも1000円になっているではないですか!?ただ、10月に富士見書房から「ロケットガール1  女子高生リフトオフ!」というタイトルの小説が出る予定なのだが、内容を読むと、どうやらこの作品の復刊のようだ。ついでに、アニメ化企画も進行中 だという。

女子高生の森田ゆかりは、16年前、新婚旅行中に行方不明になった父親を探すために、ソロモン諸島までやって来たのだが…日本出資の宇宙開発団体“ソロモン宇宙協会”のスタッフにいきなりスカウトされ、そこで働くことになってしまった。甘い言葉にそそのかされ、アルバイト感覚の軽い気持ち引き受けてしまったのはいいが、なんと彼女の仕事は、宇宙飛行士だった!

「クレギオン」なんかでも、けっこうドタバタコメディの要素が多い巻などがあったのだが、この「ロケットガール」は、その要素がメインになっている感じだ。ただ、それはロケットが発射するまでで(といっても、それまでが長いのだが)…なんとか宇宙にたどり着いた後半以降は、しっかりとしたSF話になっていく。前半のドタバタの中にも、さりげなくSF設定を盛り込んでいるのはさすが。

ラストのオチには大笑いさせられたものの、親父さんの一件などもっと詳しく知りたかったりもする(現在の状況は早々と分かるんだけれども)。ただ続編があるようなので…おいおい明かされていくのだろう。目下、100円コーナーを捜索中(笑)復刊が決まったということなとだが、なんとか旧版で揃えたいなぁ。

イラスト担当は山内則康…セーラームーンとかアイドル伝説えり子とかに参加していた有名なアニメーターさん。この頃のアニメで育った世代としては、アニメ企画や復刻版のキャラよりも、妙にセーラームーンチックな、ゆかりちゃんの方が好きなんだけどなぁ。(聞くところによると、既刊の続編も既にむっちりむうにぃのイラストらしい)






個人的採点:65点






10センチの空 著:浅暮三文

10センチの空

浅暮三文:著
徳間書店 ISBN:4-19-861776-7
2003年12月発行 定価1,260円(税込)










推理作家として有名な、浅暮三文が描く、現代を舞台にしたほのぼの系青春ファンタジー。10センチだけ空を飛べるという、不思議な大学生の物語。

大学4年の川原敏也は、他の仲間たちがせっせと就職活動に励んでいる姿を横に見ながら、自分は何をしたいのか理解できずに悩んでいた。中途半端で平凡な彼の取柄といえば、たった10センチだけ空を飛べることしかない…。そんな敏也の身に、あるラジオ番組が発端で不思議な現象が起きはじめる…。

無気力な若者の自分探しの物語…解決の糸口は、自分の過去の記憶の中にある?自分の持っている不思議な力は、どうして身に付いたのだろうか?何故、空を飛ぶことを忘れた自分が、急にそのことを思い出し、また飛べるようになったのか?それを見つけられれば、前に進むことができるのでは?ラジオのパーソナリティと、番組で読まれるハガキを通じてコミニケーションを取りながら、答えが明かされていく。

少ないページ数、少ない登場人物で、あっと思わせる驚きを用意しているあたりは、ミステリ作家らしい、粋な心意気?

読んでいる最中に、自分もちょっと過去を振り返ってみたくなる。というか、30過ぎても無気力な自分の姿と、主人公の姿が妙にダブル(笑)主人公がちゃんと自分で解決したけどさ、自分はまだまだ悶々としております。

前回まで、わりとダークな内容の重い小説ばかり読んでいたので、今回は爽やか系で(笑)






個人的採点:65点






眠りの牢獄 著:浦賀和宏

眠りの牢獄

浦賀和宏:著
講談社 ISBN:4-06-182190-3
2001年5月発行 定価756円(税込)









浦賀作品を連続3作読んでしまった。

作家の浦賀は、かつて愛し、今は昏睡状態になっている亜矢子の兄からの召集に応じ、2人の友人、吉野と北澤と共に、亜矢子の家を訪れるのだが、その兄の暴挙により、家の地下に作られたシェルターに閉じ込められてしまった。階段から転落して昏睡状態になった亜矢子は、三人の中野誰かに突き落とされたのではないかと疑っているのだ。シェルターから出るには、犯人を突き止めなければならないと…。一方、外の世界では…福山冴子が元彼に復讐するため、メール友達と交換殺人の計画を練っていた。

著者ソックリの主人公が登場し、現実っぽい描写を入れるという…メタフィクション的な手法。三津田信三とかにも似てるね。

読んでいるときの違和感が、そのまんまオチにつながるという…正直、もう少し工夫が欲しいところか?著者のカラーでもある、猟奇さを出すために、前作にも登場した、カニバリズム的なものを、無理矢理…動機付けの部分にねじ込んだ感もあり。逆に別のアプローチの方が、ミステリ的には面白かっただろう。ただ、作中の、作家である主人公の言葉で、“分かりやすい伏線の方が、普通の読者にウケがいい”なんて言葉を発せさせたりしているのが、著者のあざとさがよく出ているよね。

何を書いても、ちょっとネタバレにつながりそうなこの作品…幾重にもトリックが重ねられているのだが、分かりやすいネタなので、著者が狙ったほどどんでん返し感は感じられない。気分転換に、そろそろ別の作家の本を間に入れようっと…。






個人的採点:60点