浦賀和宏殺人事件 著:浦賀和宏 | 105円読書

浦賀和宏殺人事件 著:浦賀和宏

浦賀和宏殺人事件

浦賀和宏:著
講談社 ISBN:4-06-182247-0
2002年5月発行 定価735円(税込)









浦賀和宏がたまっていたので、他の作家と交互に色々と読んでいるのだが…今回はとにかく薄っぺらい。130ページくらいなので、早い人だったら1時間ちょっとで読破できるのではないでしょうか?

講談社からの依頼で、密室をテーマにした作品を執筆することになった浦賀和宏だったが、なかなか捗らないでいた。そんな時、浦賀和宏のファンの女子大生がラブホテルで殺された。彼女が最後に会ったのが浦賀和宏だという…。

著者本人を連想させる主人公が出てくるという展開は、この作品の前々作にあたる「眠りの牢獄」にも似た、メタフィクション的な構造?

ミステリマニアの感想に噛み付き、同業作家に噛み付き…さらに自虐ネタで自分をどんどん追い込んでるあたりが、計算づくの、あざとさ。だからミステリマニアに嫌われるんじゃないの?って、こういう文章を書いてる、当方みたいな素人の文章に、浦賀先生は気分を害しているようでして…作家と読者という関係に永遠と付きまとうジレンマを劇中キャラの言葉を借りて、吐露しまくっている。

そのくせ、ファローもきっちり入れ、、いつの間にか、そうじゃないんだ!という反対意見も出てくるんだけれども…とにかく支離滅裂でした。そういう一貫性を欠く言動も実は作中トリックの伏線だったりもするのですが…読んでいて、あまり気持ちのいいものではありませんね。お約束になっているグロテスク描写も、パロディ扱い?あとは、自分の好きな物の知識をひけらかし、自慢話をしているだけだった。

この作品から急に読み出したら、1作目を読んだ時みたいに、途中でほっぽり出しただろうなぁ。そしたら二度と、浦賀和宏は読まなかっただろう(爆)たまにはこういう駄作もいいんじゃないですか?






個人的採点:40点