レイノー病治療の経緯 | レイノー病を治す(ETS手術)

レイノー病治療の経緯

はじめまして。
レイノー症状で苦しんでる方のお役に立てればと思い
私のこれまでのレイノー病治療の経緯を書きたいと思います。

幼少の頃より、ずっと手足に痛み・痺れ・冷感・倦怠感があり、
19才の時に原発性レイノー症候群と診断されました。

真夏だろうが手足の温度が常に25℃を下回って、
手は傷だらけで血が出ていました。
↑参考 なぜ輻射式電気ストーブにこだわるのか


原因として考えられるのは、
膠原病・バージャー病・糖尿病・心臓病・循環器の病気・
甲状腺の病気・脳の病気・椎間板ヘルニア・筋肉の病気・
末梢神経の病気・胸郭出口症候群・振動症・
クリオグロブリン血症・クリオフィブリノーゲン血症・パラプロテイン血症・
真性赤血球増加症・寒冷凝集素症・血管中心性リンパ腫・カルチノイド症候群・
腫瘍随伴症候群・手根管症候群・アテローム塞栓症・
ヘリコバクター-ピロリ感染・パルボウイルスB19感染
などが考えられるという事で、だいたい調べましたが原因不明。


唯一、血管造影にて手足末端の血管形成不全が出ましたが、
医者曰く
「血流が低下するのは、もうしょうがないけど、
詰まらせているわけではないので、原因のひとつとは言えても、
これだけが原因ではない。」との事。


この間、
投薬治療(ドルナー・エパデール・ヘルベッサー・アダラート・
ニコビタE・ニトロール・当帰四逆加呉茱萸生姜湯)

点滴治療(リプル)

を2年ほど行ないましたが、全く改善せず、医者曰く
「これ以上やっても、お金の無駄だな。
持続性に問題がある治療なので、手術が前提になるが、
交感神経節ブロックをやってみてはどうか」
と言われました。


交感神経節ブロックとは、
血管を収縮させる交感神経を一時的あるいは
半永久的に遮断する方法です。

それで、とりあえず局所麻酔を使い、
首の星状交感神経節ブロックを数回行ない、
2時間ほど効果が持続しました。

メインの太い動脈弓の血管はもう新生できませんので、
わき道を増やして何とか形成不全を補うという目的で治療しました。
一時的に血流を改善させて、側副血管の新生を促す治療です。

数日繰り返し、明らかな改善がみられたので、
「もしかしたら手術を受けなくても何とかなるんじゃないか」
との事で徹底的にブロック治療(首・腰)を9年間で
300回以上行ない手足の温度は5℃ほど上がり、
傷をつくらなくなりました。


しかし、毎回通院するのはさすがに疲れたので、
持続性のある腰部交感神経節ブロックを
高周波とアルコールを用いて行ない
足はだいぶ良くなり生活しやすくなりました。

腕の方は高周波を用いて胸部交感神経節ブロックを行ないましたが
あまり効果がありませんでした。


そしてとうとう、右腕だけレイノー病の手術を受けました。
胸腔鏡下胸部交感神経節切除術(ETS) という術式です。

手のひらの多汗症の人がやる手術でもあります。

レイノー病を治す ETS手術・多汗症・冷え性-術後の手
左が手術をしてない左手です。
右が手術をした右手です。

デジカメがおかしいのか色が全然ちゃんと出ないので
わかりづらいとは思いますが、
左手が黄色くて、右手が赤いと思って下さい。

術後経過は良好で、右手の温度は32℃は超えてると思います。
左手は25℃くらいです。

懸念材料であった、顔面への影響や代償性発汗
今のところないので、順調だと思います。


私は害が出る可能性や命を落とす可能性もあるのを
全て受け入れて手術に踏み切りました。
医者とは何百時間も話し合い、10年間悩み、
ようやく手術を受ける覚悟を決めましたが、
手術を引き受けてくれる所を探すのに1年半以上かかりました。

実際には手術を引き受けてくれる医者はいたのですが、
私が何年も悩んでいるうちに、その医者が引退してしまって
別の医者を探さないといけなくなったので長引きました。

今の所はいい感じですが、何年間持続するかもわかりませんから
油断は出来ませんが、現状では右手は違和感もなく調子がいいです。


これまで私は、レイノー病の治療で500回以上通院し、
300回以上の星状神経節ブロックを受けて
胸部交感神経節切除(ETS)もやりましたので、
普通のレイノー病患者の方よりはレイノー病には詳しいと思います。
他にも大概の治療はやってきました。
↑参考 本当の努力とは


その経験を生かし、レイノー病で困っている方の力になれればと思い
レイノー病のブログを作りました。

実際に手術を受けた人間でなければわからない事とかありますので
医者にもわからない事とかも答えられると思います。

手術を受けるべきか悩んでいる方、ぜひメッセージやコメント下さい。
但し、レイノー病多汗症について
勉強する気のない、意識の低い方からの質問には答えません。

本当に真剣に、病気を治す意思を持っている方には
きちんとした回答をします。


参考
レイノー症候群とは
レイノー病の投薬治療
レイノー病の原因不明には2種類ある
レイノー病に治療方法はないのか?
レイノー病の治る・良くなるの違い
胸腔鏡下胸部交感神経節切除術(ETS)
神経ブロックとは
多汗症とは
多汗症でETS手術を受けるには
多汗症患者の病気に対する姿勢
多汗症の苦労と努力
多汗症は環境に恵まれている
ETS手術の真実
インフォームド・コンセント
ETS手術を取り巻く環境
ETS手術の本質を理解する
熱中症とは
代償性発汗
代償性発汗=医療ミスではない
知識・理解・覚悟
本当の努力とは
不幸に甘えすぎ
ETS手術を怖がる理由


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