野性味あふれるお茶

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ティーポット 2月21日(水)

 

中国茶の日でした。

 

今日は、チベットの人たちが飲んでいるお茶をご紹介していただきました。

といっても、チベットではお茶は栽培されていません。

標高が高く、栽培の北限を超えているからです。

チベットの人たちが飲んでいるお茶は、お隣の四川省 雅安で作られています。

チベットの中国語表記「西蔵」から取って、「蔵茶」と呼ばれています。

菌類発酵の黒茶です。

 

自然条件の厳しいチベット高原に住む人々にとって、お茶は必需品です。

脂肪分解やビタミン補給に役立ち、人体に有益な有機化合物や鉱物質を多く含むお茶は、

チベットの人々にとっては、単なる嗜好品ではなく、生命の綱のようなものらしいです。

今日は、そういう野性味あふれるお茶を教えていただきました。

 

 

まずは、ウエルカムティー。

先生が手にしていらっしゃるのが、黒糖磚。

この黒糖の中には、乾燥した竜眼と棗が入っています。

お湯を注いでいただきました。一気に、非日常の世界へ。

 

蔵茶の等級は、6級12等に分別されています。3級以上が高級茶です。

ただし、そこに経年発酵させたヴィンテージ物のお茶が加わると、一概に等級は評価できません。

そして、等級の高いお茶が、必ずしも体に良いものとは言えません。

現地の人々が飲んでいる茎のたくさん混じった等級の低いお茶が、実は繊維質が豊富で生命力にあふれているのです。

また、一方で、上海や香港のお金持ちが、古美術のように磚茶を額に入れて飾ったり、

等級や価格の高さを誇ったりするのも、黒茶の世界だそうです。

中国では、今、黒茶やヴィンテージ ブームなのですね。

 

今日の蔵茶は、2種類。

 

お茶 ひとつめは、蔵金福磚 緊圧茶  2010年物。

 

等級は4級です。蔵茶は、5年目から値が上がり始め、1年経過するごとに3割増しだそうです。

ずいぶん、はっきりしているんですね。

 

 

このお茶は、写真手前の竹の容器の中に入っていました。

奥の高坏の上にあるのが、中から取り出した蔵金福磚です。

 

 

このようないつらいで淹れていただきました。

 

お茶 ふたつめのお茶は、原葉瓢香 散茶

 

こちらの等級は3級です。2016年に作られたものです。

 

 

炉で少し煮だしていただきました。

 

 

今日は、水餃子。豆乳スープです。

そういえば、春節中ですね。

 

お稽古のあと、お稽古仲間の方のお宅に寄せていただきました。

 

春節らしい飾り付けをきちっとされていて、居心地のよいお住まいでした。

一緒にお邪魔したお友だちと、お茶会のことや、バッグ、器、螺鈿や蒔絵のことなどの話題で

盛り上がって、話題に加われないわたしは、さすがにコンプレックスを感じました。

 

「女子力」  わたしには、完璧にこれが不足しているようです。

振り返ってみるに、はずかしいほど雑に生きてきたなあ、という気がします。

今からでも遅くない! 少しは、「女子力」を磨きたいと思います。

もう少し丁寧にね。日々の暮らしを大切にしましょう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バレンタインデー

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チョコ 2月14日(水)

 

昨日は、のんの家に行きました。

バレンタインデーには一日早いですが、三人の孫(ぽにょ太・ぴょこ太・ごにょ太)に

チョコレートのプレゼント。

 

 

孫たちは、別にパンダ好きでもないのですが、お気に入りのウルトラマンや何とかレンジャーのチョコが見つからず、

これにしました。

今年は、香香のおかげで、パンダチョコが結構人気だったみたいです。

 

ばあばからもらうチョコなんて、微妙かなと思っていましたが、

ぽにょ太もぴょこ太もすごく喜んでくれました。

やっぱり、男の子は相手が誰であっても、チョコもらうと嬉しいんですね。

まあ、将棋の藤井五段さんレベルになると、大量のチョコ、どうしはるんやろとちょっと心配になりますが……

今後、少なくとも数年は、ばあばのバレンタインボランティアは続きそうです。

 

今日は、京都新聞の文化センターに行きました。

「朝鮮古代史」のお勉強です。

こちらは、チョコの応酬はなかったようです。(わたしの見る限りですが)

 

 

 

 

胡人俑

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2月4日(土)

 

おはようございます。

このブログ、一応日記という名まえをつけていますが、月刊からほぼ、季刊になりつつあります。

これからは、せめて週刊になるよう努力しますので、よろしくお願いいたします。

 

昨日は、「東洋陶磁美術館」の「胡人俑」展に行きました。

写真OKでした。このごろは、日本の博物館でも写真OKのところが増えていて、ありがたいです。

 

胡人というのは、当時(唐?)の中国の人々が、西方に住む人々を呼んだ呼称です。

具体的には、ペルシャ人やインド人が含まれるようです。

俑は、人形や動物をかたどった焼き物のことです。

 

展示されていたのは、すべて、甘粛省慶陽市慶城県の穆泰墓から出土されたものです。

穆泰は唐に仕えた役人ですが、自身、漢族ではなく、鮮卑族だったのではという説があるようです。

 

 

墓誌です。石ではなく、焼き物でした。

これが出土しているので、被葬者が特定できます。

 

 

跪拝俑。

変わったスタイルですが、墓室の入口などに置かれて、鎮墓獣に似た役割もあるのでは、

と説明には書かれていました。

 

 

ラクダとラクダ曳きがセットです。

 

 

筋骨隆々の馬。たくましいです。

 

漫才師ではないかという説もあるそうです。

 

 

ヒョウ柄パンツ。

大阪のおばちゃんの源流でしょうか。

 

 

 

 

男装の麗人(?)でしょうか?

服装は、男性、体形は女らしいですよね。

 

千数百年も前に作製されたとは思えないほど、

躍動感に満ちています。

今にも、動き出しそうです。

 

3月25日までです。

これは、絶対お薦めです。楽しめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高齢者

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柊 12月9日(土)

 

久しぶりの更新になってしまいました。

申し訳ありません。

これからは、もう少し、まめに更新するようにしたいと思います。(目標)

 

先日、郵便局へ行きました。

株の配当金をもらうのと、はがきを買いに行っただけなのですが、そのときの職員さん(若い男性だったのですが)の口調や対応が、

なぜかとてもやさしげだったのです。

でも、わたしは、どことなく違和感を感じてしまいました。

よく人が、高齢者に対して「おばあちゃん、○○しましょうね」というようなあんな話し方にも聞こえてしまったのです。。

その職員さんは、誰に対してもあんな親切かつ丁寧な応対をされているのかもしれませんが、

もしかしたら、わたしも立派な高齢者に思われたってことでしょうか。(ちがいないのですが)

 

実は、今月は、誕生月なんです。

名実共に正真正銘の高齢者になりました。

今日、介護保険証も送られてきました。

 

先月の終わりは、中国に行っていました。

帰ってきてすぐに、風邪でダウン。

こじらせてしまったのか、2週間も経つのに、なかなかすっきりしません。

寝込むほどではないですが、いつまでも、ぐずぐずしています。

そろそろ、しゃきっとしたいです。

 

 

 

 

 

国宝展

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阿修羅 10月25日(水)

 

京都博物館で開かれている『国宝展』に行きました。

 

開館時刻の 9時半に到着。すでに、人が並んでいました。

甘かったですね。

 

 

それでも、30分待っただけで、入場できました。

 

ただ、中も人はいっぱい。

こういうときは、見たい物を定めて重点的に見るのに限ります。

わたしは、新潟県十日町の『火焔土器』にねらいを定めてじっくり見ました。

火焔土器。

館内は撮影禁止なので、ここにお見せできないのが残念です。

でも、ほとんどの方が、「あっ、教科書にあったやつやん」と一度はご覧になったことがあるはず。

そう、あの燃え盛る炎のような意匠の土器です。

何千年も前に作られた物が、よくこんなきれいな形で残ったと思います。

そして、何とも斬新なデザイン。見れば見るほど、魅かれます。

 

一時間ちょっとで、外に出ました。

お昼は、館内のレストランでいただきました。

 

 

この日の和食ランチは、牛丼。手前に見えるのが、ごま油とラー油。

お好みでかけてください、とのこと。

近頃増えている外国人旅行者のためなのかな、と思いました。

そう思って見ると、和食ランチとはいえ、何となく、

全体が外国の方仕様になっているような気がしました。

 

 

帰りに『耳塚』の前を通りました。

修学旅行でしょうか。韓国の高校生がおおぜい、見学に来ていました。

そりゃあそうですよね。韓国としては、ここは、はずせないですよね。

 

 

台風のあと。鴨川の水量が増えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

六堡茶のクライマックス

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ティーポット 10月24日(火)

 

ずいぶん、秋めいてきました。

朝夕は、ちょっと暖房がほしいくらいです。

 

中国茶の日でした。

今日は、春から初夏にかけてシリーズでご紹介してくださった広西チュワン族自治区のお茶の

最終クライマックスといってもいいようなお茶をいただきました。

 

まずは、ウェルカムティー。

 

 

ガラスのティーポットに入っているのは、台湾の高山植物 七葉です。

お茶ではありません。

肺を潤し、お腹をお掃除してくれるそんな効用のある飲み物だそうです。

日本にはない植物だそうです。

 

さて、六堡茶です。

2016年夏摘みの 深山老韻茶(紅茶)と   1982年に作られた揺香(黒茶)の2種の

お茶をいただきました。

1982年というと、わたしは娘たちを生んだばっかりのころ。

仕事をしながら、無我夢中で幼い娘たちを育てていました。

若かりし頃のことも、少しは思い出しながらのお茶のお稽古でした。

 

 

 

上が、若い方のお茶。下が1982年物です。

茶葉が固まっています。

 

 

広西チュワン族自治区 梧州の六堡村では、お茶をひたすら上の写真のようなかごに入れて

保存します。この村にのみ存在する自然の菌類によって、発酵熟成されていきます。

 

しかも、今日のお茶は、両方とも、人工的に栽培された大地茶ではなくて、

樹齢100年以上という野生の茶樹から採取された茶葉で作られています。

 

 

深山老韻茶(紅茶)は、このようなしつらいで淹れていただきました。

 

 

写真ぶれぶれですね。ご容赦くださいませ。

2016年夏摘みという若いお茶ではあるものの、その茶葉を摘んだ茶樹自体は老木です。

さらっと自然に体にはいってくるようなのど越しのやわらかなお茶でした。

 

六堡茶は、基本的には黒茶なのですが、最近は紅茶も作っているようです。

どの茶農家さんも新しい試みをしているのだと、先生はおっしゃいました。

わたしは、そんな新しい情報を現地できちんと得て来られる乃月先生の茶人としての探求心に

魅かれます。

 

 

揺香(黒茶)は、上写真のようなしつらいで淹れていただきました。

 

 

何と言えばいいのでしょう。

たぶん、わたしたち日本人が一般的に持っているお茶のイメージとはかけ離れていると思います。

桧のような香りなんです。

同じ黒茶でも、雲南のプーアール茶には、この香りはないのだと、先生がおっしゃいました。

確かに・・・・・・。  この香りはすごいです。

このお茶のために、この村に行ってみたいと思いました。

 

 

点心は、豚の角煮の包子。

お茶うけは、月餅でした。中にたまごが入っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京

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東京タワー 10月9日(月)

 

6日(金)から、東京に行っていました。

今帰ってきたところです。

 

娘のショコラの家に三泊させてもらいました。

この時期、京都や東京のホテルはどこも予約が取りにくく、おまけにべらぼうに高いらしいですね。

ショコラのマンション、ありがたく利用させてもらっています。

 

 

7日(土) 8日(日)は、早稲田大学で、朝鮮学会がありました。

 

 

学会って、基本、誰でも聴講ができるらしいです。

そのことを聞いて、思い切って参加してみました。

この年齢になっての初体験です。

 

しかし、行ってはみたものの、周囲は、一見、気むずかしそうな先生がたばかりです。

唯一頼りにしていた友人もなかなか現れず(結局、体調がすぐれず、遅れたそうです)

最初の半時間は、身の置き所もないほどに超孤独でした。

こんな場違いなとこ、来るんじゃなかったと何度後悔したことか……

 

でも、終わってみてわかったことですが、一般の参加者も結構多かったようです。

(日本の高齢者には、専門家顔負けの熱心な歴史愛好家も多いのです)

 

次回からは、ひとりでも大丈夫です。自信がつきました。

 

7日(土)の夜は、早稲田大学からさいたま新都心まで移動して、「カーニバルオンアイス」の観賞。

このアイスショーでは、町田樹さんの新作発表があるということで、

ずっと、楽しみにしていました。

 

町田くんの新作は、「白鳥の湖」。

まさに、期待を裏切らない衝撃の作品でした。

思索家の彼らしく、主人公の王子ジークフリートの内面を深く洞察し抜いた作品になっていました。

 

東京にはいたものの、7日も、8日もショコラ・リンちゃん夫婦とは、

食事どころか、一緒に話をする機会もあまりありませんでした。

ということで、今日は、ランチを一緒にしたあと、お茶を一緒にして少しゆっくり過ごしました。

 

 

 

お昼は、銀座の「ざくろ」というお店で、しゃぶしゃぶをいただきました。

民芸調のシックなお店でした。

お店の方の応対も親切で、ていねい。雰囲気もよかったです。

ただ、ごまだれの味つけが、おいしいのですが、若干濃い。

やっぱり、関東は、味付けが濃いのかなと思いました。

 

 

食事の後は、「HIGASIYA 銀座店」で、お抹茶と柿のお菓子をいただきました。

 

楽しい旅行でしたが、結構、散財してしまいました。

また、明日から、財布のひもを引き締めていくつもりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金宇大さん

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菊 10月1日(日)

 

毎月第1日曜日は、日韓古代文化研究会の定例学習会があります。

今日の講師は、京都大学白眉センター特定助教の金宇大先生でした。

古墳から出た金工品の研究をされています。

その中でも、今日は、耳飾と刀のお話をしていただきました。

 

O型工人やA型工人のお話など、さすが、お若い研究者らしく発想がやわらかく新鮮でした。

お声が大きく滑舌もいいので、聞きやすかったです。

 

わたしは、この先生のご本を数か月ほど前に、本屋さんで見つけて何となく購入していました。

 

 

 

表紙もきれいだし、口絵のカラー写真も豊富で、

若干高めですが、すてきなご本だなと思います。

(ちなみに、表紙の写真は、武寧王陵から出てきた単龍環頭大刀です。

あっ、武寧王陵? 行った行った。高野槇の棺やん。と、さすがのわたくしでも、この2年間の勉強で、

それぐらいの連想は、瞬時に出るようになってきました。ふう、やっと ですが……)

しかし、購入以来、読もう読もうと思いながら、その分厚さに恐れをなし、

威信財かの如く、本棚に長いこと、かざっておりました。

 

が、今回、講師が金宇大さんご本人だということで、思い切って、開いてみました。

すると、意外にも、初心者のわたしにも読みやすいご本でした。

 

最初の方に、垂飾耳飾の部品名称を懇切丁寧に書かれているところがあるのですが、

実は、こういうの、とっても、ありがたいです。

こういう専門書は、えてして、読者に専門家が多いということもあって、

基本中の基本的な用語説明は、すっ飛ばして書かれていることがあります。

初心者としては、知らないわたしが悪いんだと自責の念にかられながら、もやもやもやもやしながら

読み進めて行かなければならないことが多々あるのです。

この本が分厚かったのは、このあたりの説明も丁寧にしてあるからでした。

 

論理の進め方も、明確でわかりやすかったです。

とても、頭のいい方なんだなと思いました。

実際、お会いしてみると、性格もいい。とても謙虚な方でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誕生

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赤ちゃん哺乳瓶 9月29日(金)

 

朝、のんからメール。

「出産につながりそうな気がするから、一応来ておいてほしい」とのこと。

急いで、泊まる用意をして、電車に乗りました。

駅まで車で迎えに来てくれるというので、てっきり、

ハニーさんが一人で迎えに来てくれるのかとばかり思っていました。

ところが、出迎えの車を見ると、助手席の窓からのんが笑顔で手を振っています。

お腹は張ってくるようですが、大してまだ痛みもない様子です。

これは、まだまだ、時間がかかるかなと思いました。

何だか、あわて過ぎてちょっと損した気分です。

 

昼を過ぎても、そんなに痛みは襲ってこない感じでした。

時計を見ながら、お腹の張ってくる間隔は記録していますが、どうなのでしょう。

のん曰く。「わたしって、冷静やから、痛みを逃す方法を知ってるんよ」と

のたまっていますが、産まれるときって、こんなもんじゃないよな、と経験者のばあばは思います。

 

やっぱり、まだまだだよね。 もし、明日、明後日に延びたら……

とんでもなく自分勝手ななばあばは、明日明後日に控える講座に行けるかどうか

気が気ではありませんでした。

明日、明後日は、どうしても行きたかったのに……

 

夕方、陣痛はないもののお腹は定期的に張って来るようなので、病院に連絡を入れました。

病院には、まだ、時間はかかるかもしれませんが、経産婦なので、一応来てくださいと言われました。

ハニーさんは、病院までのんを送り、その後、ぴょこ太を保育園に迎えに行き、いったん帰宅してから、

また、病院にもどりました。

わたしは、お友だちと公園で遊んでいたぽにょ太を出迎え、ぽにょ太とぴょこ太ふたりに

ご飯を食べさせて、病院からの連絡を待っていました。

 

6時半ごろ、ハニーさんが帰宅しました。

やっぱり、もう少しかかるようです。

ハニーさんは、自分もご飯を食べ、子どもたちを寝かしつけてから、また、病院にもどりました。

 

明日も明後日も講座はあきらめるしかないか、と思っていた夜の10時前

「今、生まれました!」という連絡がありました。

おかげさまで、超安産だったようです。

 

ハニーさんとのん夫婦の第3子(で、三男くんです)ごん太くんの誕生です。

予定日きっちりに生まれてきてくれたおりこうさんです。

 

幸せな人生を。

ばあばの切なる願いです。

いい加減なばあばですが、よろしくね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北島と朦朧詩人たち

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菊 9月26日(火)

 

四条烏丸にある「四条センター」に行きました。

吉田富夫先生の「中華人民共和国の異見者」の4回目の講義です。

この講義のために、新幹線で2時間、3時間かけて来られる方もいるというのに、

徒歩で通えるなんて、今のわたしの状況は恵まれています。

大切に考えないといけないと思います。

 

さて、今日も吉田節は、健在。絶好調でした。

先生が、最初に中国へ行かれたのは、1965年。まだ、国交も開かれていない文革の前でした。

貨物船で行かれたそうです。

そのときの中国は、貧しかったが、人々は希望に燃えるきらきらしていた目をしていたと、

おっしゃいました。

 

しかし、そこから、チベタン・マスティフのお話になりました。

チベタン・マスティフ。かつては、チベットに生息する希少種の大型犬でした。

ライオンに似た威厳があり、トラと勝負しても勝つことがあるらしいです。

この強さが中国の富裕層の人々に気に入られ、冨の象徴として飼われるようになりました。

一気に繁殖が進み、数が増えたそうです。

ところが、今は、飽きられてしまい、捨てられて大都市の中でも野生化して、問題になっているそうです。

「今の中国は、わからん。そんなわからん者がいい加減な事をしゃべっているんですから」

 

それと、もうひとつ。気になったお話がありました。

先日、ノーベル賞作家の莫言について、中国のメディアが先生のところに取材に来たそうです。

(先生には、莫言の日本語訳書が何冊もあります)

そのとき、先生の書斎で写真を撮られたのですが、その書棚にあった「張春橋」の文字の入った

本を、メディアの方が抜き出して撮影しました。

張春橋は、文革を推進した4人組のひとりです。

それほどに、今のメディアは、思想に関してびくびくしているそうです。

習近平は、以前の中国のように思想統制を進めようとしているらしいです。

 

さて、今日の本題のテーマは、「北島と朦朧詩人たち」。

1980年前後、権力の空白時代に起きた詩の運動です。

前時代の評論家に「朦朧として、何を表現したいのかさっぱりわからない」と批判されたことを

逆手に取って、自分たちでも「朦朧詩」と称するようになりました。

それまでの時代が、「わたしたち」を表現していたのに、対して、「我」「自己」を明確に自覚して

表現するようになりました。

 

学生のころ、文革期の中国の小説を読んで、わたしが何だかもの足りないなと思ったのは、

まさにこの点「わたし」という視点が欠けているということでした。

「朦朧詩人」読んでみたいと思いました。