公会計の動向 -97ページ目

時効完成による不納欠損は東京都が一番少ない


 9月28日付け日本経済新聞地方経済面15面に「都税回収不能額9%増、生活困窮者の帳消し増――04年度総務省調査」の記事。

 記事は、都税の16年度不納欠損額が、前の年度に比べ、9.5%増えたと報じる。ここ数年、減少傾向が続いていたが破産や生活困窮者に対する帳消しが増えたとか。ただ時効を迎えて徴収できなくなった額は2億円で、課税額に占める割合は全国の都道府県で最も少なかったとも。16年度の都税の課税額は3兆9千億円で、0.5%(212億円)が回収不能だったが、このうち生活困窮を理由に、税を帳消しにしたのは96億円(16.1%増)、自己破産などのため徴税できなかったのが114億円(5.8%増)で、景気拡大にもかかわらず、生活困窮により滞納する人が17年度以降も増えているとか。滞納が5年続き時効を迎えたために徴収できなかった額は34.6%減り、5年間で4分の1になったが、これについて、都は「職員の回収業務の進行状況を管理できるシステムを10年に導入し、滞納防止に力を入れてきた結果」(主税局)としているとの由。

富山県でミニ公募債が売れ残り

 9月28日付け日本経済新聞地方経済面8面に「富山県、募集延長も売れ残り――ミニ公募債、曲がり角(北陸リポート)」〔富山支局 新沼大〕の記事。

 記事は、富山県が住民向けに発行したミニ公募債の売れ行きが鈍化しており、募集期間を延ばしても売れ残り、担当者は今後の発行への影響を懸念していると報じる。ただ、富山第一銀は当初の募集期間で十億円分を売り切った。同行金融商品サービス部の部長は「個人向け国債(利率は1.13%)と比べても金利は高い。北陸新幹線整備などの資金用途を訴えて県民の理解が得られた」と魅力はまだ十分にあると説いているとか。

三井住友も公的資金を完済へ

 9月27日付け日本経済新聞朝刊1面に「三井住友の公的資金、来月にも完済――6950億円、半年前倒しへ」の記事。

 記事は、三井住友フィナンシャルグループが26日、10月にも6950億円の公的資金を全額返済する方向で最終調整に入ったと報じる。18年度末までの完済を掲げていたが、およそ半年前倒しで公的資金から脱却し、経営の自由度を確保するとのこと。三菱UFJ、みずほ両グループは7月までに完済しており、「経営健全化計画」を通じた国の厳しい経営監視下から解放されていて、最後発となる三井住友を含め3大金融グループは収益力強化や顧客・株主への利益還元へと大きく経営のかじを切ると記事は伝える。三井住友は金融庁などと返済スケジュールや手法などを協議中で、認可を得れば週内にも臨時取締役会で決め発表するとのこと。現在残る公的資金は11年に優先株式の形で注入されたもので、ピークの1兆5千億円から6950億円(簿価ベース)まで、ほぼ半減しているが、三井住友は10月までに国に優先株をあらかじめ決められた価格で普通株式に転換してもらい、それを自己株式として買い入れて返済する方向とか。9月末にも一部買い入れる可能性が高いとのこと。三井住友は6月末の株主総会で1兆2千億円を上限とした自己株の取得枠を設定済みで、株式交換に使える自己株を保有しておけばグループ戦略の選択肢が広がると記事は伝える。

岐阜県は県政監視委員会を設置する方向

 中日新聞サイト岐阜版は9月26日に「裏金、会計公文書HP公開 再発防止へ方針」〔県裏金問題取材班〕を掲出。

 記事は、岐阜県庁の裏金問題をめぐり、県議会の第5回不正資金問題調査検討委員会が25日に開かれて再発防止策をテーマに話し合い、県が旅費、会議費など会計支出に関する年間140万件の公文書を県のホームページで公開するなど、再発防止に向けた方針を明らかにしたと報じる。棚橋普副知事は「今回の問題は、表に出したくないという思いが招いた」とし、裏金を捻出するために利用された旅費、会議費などの監視体制を強化し、出張先や用務、会議の出席者らについては情報公開制度によるのではなく、自由閲覧制度を取り入れて県庁などで公開する考えを示したとのこと。会計書類の保存年限は現在は5年だが、裏金づくりの実態解明が記憶頼りになっている現実を踏まえ、10-15年に延長するなど情報公開請求の対象となる公文書を拡大し、随意契約についても、理由を含めて公開していくとか。情報公開を進める一方で、外部監査を厳しくし、県民からの監視体制を構築し、県民が参加する「県政監視委員会」(仮称)を設置するとのこと。棚橋副知事は「抜き打ち監査のようなものができないか検討を進めている」と話したとか。職員の意識改革については、職員倫理憲章を制定し、問題が発覚した7月を「職員倫理月間」として集中的な研修を行い、入庁3年目までに全職員が県税徴収を経験する仕組みや福祉施設での介護研修、民間企業での接客研修、ボランティア活動などを実践し、県民との意識のずれをただすとのこと。委員からは「監査委員を務めたことがあるが、今までの体制では不正はチェックできない。精神面の見直しだけでなく、物理的な面での見直しも必要」「意識の改革が根本。県職員は入庁しても研修がなく、上司を見よう見まね。幹部になっていく過程での意識改革も必要」などの意見が出されたとか。26日も委員会を開き、県が進める「県政再生プログラム」に反映させるため、白橋国弘議長への中間答申を行うとのこと。

環境省がつくば市に補助金返還を命じた

 読売は9月25日に「風車回らず交付金返還命令、環境省がつくば市に」を配信。

 記事は、茨城県つくば市が市立小中学校に設置した小型風車が回っていない問題で、環境省が25日、「事実と異なる前提の申請があった」として、同市に風車設置の交付金計1億8500万円の全額返還を命じたと報じる。同市は、16年度から3年間で市内の小中学校に計75基の風車を設置することで、年間約60万キロ・ワット時の発電量を確保する計画を立て、16年度は19校に23基を設置し、環境省は同年、計1億8500万円を交付したが、設置された風車はほとんど回らず、発電量が当初見込みを大幅に下回るなどしたため、事業は凍結されたとのこと。環境省が検証したところ、実際に設置された風車の羽根が直径5メートルだったのに、発電量の試算は同15メートルの風車で計算していたとみられる点などが判明したとか。この問題では、同市が、計画を委託した早稲田大とメーカーに約3億円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴しており、地元の市民団体も、市長ら市幹部に設置費約3億円の賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こしていると記事は伝える。

私立大への施設整備費補助金の審査を改善

 読売は9月22日に「浅井学園の経費流用、文科省が19億円返還命令」を配信。

 記事は、学校法人・浅井学園(札幌市)の前理事長(57)らによる学園経費私的流用事件で、文部科学省が22日、同学園に対し、13年度から17年度までに交付した補助金のうち、加算金を含めた計約19億4700万円の返還を命じたと報じる。同省私学助成課は「13年に行われた耐震補強工事で不正が行われるなど、学校法人の管理運営体制が不適切だった」と理由を説明したとのこと。処分を受けた同学園は、学校の運転資金のほか積立金の一部を取り崩し、さらにハワイの不要資産売却益などを充てることで、早ければ来週中にも一括返還する方針で、理事長は「一連の不祥事を巡って社会に大きな迷惑をおかけしたことを心からおわびする」と話しているとか。同省は併せて、私立大への施設整備費補助金の審査について、<1>同省への提出書類の見直し、<2>現地調査の実施、<3>競争入札の導入、などの運用改善策を新年度から実施すると発表したと記事は伝える。

職員レクリエーションへの公費支出を咎める動き

 9月21日付け日本経済新聞大阪夕刊19面に「「芋掘り」に公費5000万円、神戸市昨年度までの5年で」の記事。

 記事は、神戸市職員や家族が参加する芋掘りなどのレクリエーション費用を、市が昨年度まで公費から支出していたと報じる。市の説明では、少なくとも13年度から5年間で計約5千万円に達していたとのこと。市に情報公開請求している「市民オンブズマン兵庫」は「私的団体に公費が支出されており、非常に不適切」とし、住民監査請求する方針とか。神戸市厚生課によると、レクリエーションは職員の任意団体「神戸市職員親和会」が主催しているもので、23年前から芋掘りやハイキング大会を開く際、「福利厚生費の委託料」として公費が支出されていたとの由。

道路機構の資産計上ミス

 読売は9月20日に「旧道路4公団の引き継ぎ資産、結局83億円の過小計上」を配信。

 記事は、日本高速道路保有・債務返済機構が20日、旧道路4公団から引き継いだ資産について、過大計上が970億円、過小計上が1053億円あり、差し引き83億円の過小計上だったと発表したと報じる。同機構は18年度決算で資産額を修正するとのこと。算出ミスは、道路面積の二重計上や、単純な入力ミス、建物の計上漏れなどが原因としていると記事は伝える。国土交通省は同日、同機構と六つの高速道路会社に対し、文書で注意するとともに、厳正な資産管理を行うよう是正を求めたとか。民営化後の行政指導は初めてとのこと。今年6月、首都高速道路会社が資産を約67億円過大計上していたことが会計検査院の指摘で発覚したほか、同機構でも約70億円過小計上していたことも判明したため、国交省が再検証を指示していた経緯がある。

高知県警は12月に調査結果をまとめる

 読売は9月21日に「捜査費不適正支出 監査指摘1791万円と大差 市民団体「論評に値せず」」を配信。

 記事は、高知県警が不適正な支出だったとして347万円を県に返還すると報告した20日、鈴木基久本部長が県議会で陳謝し、県警本部でも村田達哉警務部長らが頭を下げたが、県監査委員の特別監査で違法、不適切とされた額1791万円とは歴然の差があり、国費と高知署を除く県内15署の県費についても調査中で、早急な全容解明が待たれると伝える。調査は領収書の内容を確認し、捜査員ら計405人に聞き取ったもので、この日の結果報告によると、返還すべき〈問題執行〉とされた捜査費は、▽「本来、利用できないもの」「国費の代わりに使ったもの」が約12万円ずつ、▽「手続き上問題があったもの」が約252万円、▽「具体的な執行状況の供述が得られなかったもの」が約17万円、の計約293万円で、いずれも執行手続き上の誤りに起因し、私的流用や「プール金」などは認められないとしたとか。また、12年度の本部鑑識課の捜査費の一部約54万円は「高額な謝礼を協力者に渡すなど、必ずしも十分な妥当性を有しない」とし、自主的に返還することにしたとか。県警本部で村田警務部長と斉藤照夫会計課長が臨んだ記者会見では、報道陣から「特別監査で『違法・不当』『不適切』とされた額と開きがありすぎる」との質問が相次いだが、村田警務部長は「監査委員の認定過程がわからず判断できないが、県警の調査に対し、聞き取り対象者は真実をありのまま話した」と説明し、国費と15署の調査結果は、「12月の県議会で報告したい」としたとか。

総務省で航空賃の過払い

 読売は9月19日に「総務省の出張旅費水増し1976万円、86人処分」を配信。

 記事は、総務省が19日、職員による出張旅費の水増し請求が13年4月からの4年半で1380件(607人)に上り、過払い額は計1976万円に達したと発表したと報じる。同省は悪質性や請求回数などを考慮し、うち2人を国家公務員法に基づく戒告処分、66人を訓告などの内規処分とし、旅費取り扱いの責任者18人も内規処分を行うことを決めたとか。過払い分は8月までに全額が返納されたとのこと。同省によると、過払いを受けた職員は割引運賃やパック料金で航空券を購入しながら、それより高い正規料金で請求しており、中には、14回で計35万8800円の過払いを受けた職員もいたとか。パック料金の場合には、旅行会社から正規運賃の領収書を受け取っていた例がかなりあったとか。全体の9割近い1223件は、総合通信局、管区行政評価局などの地方の出先機関で起きていたとのこと。今回の水増し請求は、会計検査院が昨年11月、16年度の決算検査報告で財務省と厚生労働省での出張旅費の過大支給を指摘したのを受け、総務省でも関係文書が保存されている13年以降の国内出張を対象に調査したことで発覚したもので、旅費の過払いは法務省などでも見つかっていると記事は伝える。