公会計の動向 -91ページ目

国立大学法人がリストラをする

 東京新聞サイトは11月11日に「法人化で交付金減、ピンチ 国立大リストラの波」を掲出。
 記事は、16年4月に法人化された関東地方の国立15大学が、教員数や人件費の削減を進めたり、検討したりしていることが、東京新聞が実施したアンケートで分かったと報じる。法人化後、文部科学省からの競争的資金の割合は増えたが、大学経営の基礎となる運営費交付金が削減されたため、多くの大学が資金難に陥っているとみられ、日本の高等教育への公財政支出は先進国中、最低レベルで、こうした現状を放置したまま競争を強化した結果、各大学の人的基盤が揺さぶられている現状が浮き彫りになったと記事は伝える。調査は今年7-8月に、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の1都6県の18国立大に郵送方式で行い、15大学から回答があったとか。それによると、すべての大学が人件費を削減しており、東京外語、横浜国立、東京海洋、千葉、埼玉、茨城の6大学は教職員の削減も決めていたとのこと。電気通信、東京農工、群馬の3大学は人員削減を検討中とし、東京、一橋、東京芸術、東京医科歯科、筑波、宇都宮の6大学は、人員を削減するかどうか不明だが、人件費を減らすことを決めていたとか。千葉大は22年度までに現在1358人いる教員を約80人削減する予定で、茨城大も教職員926人のうち教員30人、職員10人を21年度までに減らすとしているとのこと。法人化後に運営費交付金が減らされたことについて、多くの大学から批判の声が相次いでおり、少人数教育を実施している東京外大は「今後、非常に深刻な事態を引き起こすと予想される」と指摘し、東京芸大も「マンツーマンの少人数教育を重視している本学としては耐え難く、例外的措置を要望したい」と、改善を求めているとか。文科省の「教育指標の国際比較」によると、対国内総生産(GDP)比の高等教育に対する公財政支出は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で極端に少なく、デンマークやフィンランドの4分の1以下で、米国の3分の1、英国の半分程度とか。

高速道路6社の不要資産の処分が進んでいない

 読売サイトは11月12日に「高速道6社の不要不動産処分は15%、簿価55億残る」を掲出。
 記事は、高速道路6社が昨年10月1日の民営化時に、旧道路関係4公団から引き継いだ不要な不動産の処分が、8月末までに、物件数ベースで15%であることがわかったと報じる。未処分資産の簿価は計約55億円で、固定資産税などの経費を抑えるためにも、国から速やかな処分を求められており、「取り組みが甘く、会社として自立できていない」という指摘もあると記事は評する。不要資産は、新路線の用地買収時に地権者に提供する代替地として取得した土地や路線から外れて余った用地、保養所、分室などだが、民営化時に6社で531件を引き継いだが、8月末までに入札などで売却したり、地方自治体に移管したりできたのは82件で、未処分の449件の敷地は計約21万3000平方メートルに上り、今年度、固定資産税や管理費などで計約5400万円の経費を支出したとか。会社別の処分率は、最も低いのが西日本の4・1%、次いで東日本の7・1%、阪神の19・3%、首都22・8%、本州四国連絡25%、中日本34・8%の順で、処分が進まない理由として、西日本は境界画定作業の難航を挙げ、売れ残る87件の土地5万3000平方メートルのうち、49件の3万9000平方メートルで作業中だが、買収時に打ち込んだくいが朽ちるなどして、大半で境界が分からなくなっているとのこと。このため、社宅や利用価値の高い土地とセットで販売する方法も模索しているが、「隣接の所有者に購入を断られれば打つ手がない」(阪神)など今後も処分には時間がかかりそうと記事は伝える。旧公団の債務は計40兆円に上り、不要資産について政府の道路関係四公団民営化推進委員会から「早く処分すれば、債務返済や料金引き下げに回せたはず」と指摘され、国土交通省とも民営化までに処分することで合意したが、あまり進まなかったとのこと。民営化に伴い、債務は独立行政法人「日本高速道路保有・債務返済機構」に引き継がれ、6社は45年以内に債務を返済する計画で、収益のアップと経営の効率化が求められていると記事は伝える。

自治体の資金調達先に民間が増える

 11月12日付け日本経済新聞朝刊1面に「自治体の資金調達、民間依存、65%に、来年度、最高を更新、金利格差も拡大」の記事。

 記事は、都道府県や市町村など地方自治体が、資金調達で民間への依存度を急速に高めており、これは財政投融資の縮小などが背景で、新規の資金調達に占める民間資金の割合は12年度に40.8%だったのが、18年度は62.3%になり、19年度は65.9%と過去最高を更新する見込みと報じる。自治体ごとの財政力の違いをもとに、公募地方債や銀行融資の金利差もじわりと広がり始めたとか。総務省の19年度の地方債計画案によると、全自治体の民間からの資金調達額は、銀行借り入れや公募地方債の発行などを合わせて8兆7700億円になるが、国は財政投融資による自治体への貸し出しを削減しており、日本郵政公社も19年度に地方債引き受けを廃止する状況で、自治体は銀行や機関投資家からの資金調達に頼らざるを得なくなっているとのこと。銀行は地方企業への融資が伸び悩み、自治体を有力な貸出先とみており、国内銀行の自治体向け融資残高は8月末時点で13兆2千億円と前年同期を10%上回ったとのこと。17年度は岩手銀行が自治体向けの融資残高を前年度比25%増やし、みずほフィナンシャルグループも23%増だったとのこと。北海道夕張市が財政破綻するなど財政格差が目立つなかで、資金調達コストは徐々に違いが出てきており、公募地方債の発行金利は、東京都が10月に発行した債券(期間10年)が国債利回りに0.13%上乗せする水準だったのに対し、北海道の上乗せ幅は0.33%と0.2ポイントの差が生じており、11月発行分も神戸市が0.3%だった半面、埼玉県は0.16%にとどまるとのこと。銀行も自治体の財政状況や地方債の発行金利などを参考に、貸出金利の差を広げ始めており、「財務内容が悪く、公募地方債が発行できない自治体への金利はさらに高くなる」(大手銀行)とのこと。

りそなが民間資金を導入してでも公的資金を返済したいらしい

 11月11日付け日本経済新聞朝刊4面に「りそなの公的資金、8000億円、民間出資で返済、新健全計画、提携先、年内に決定も」の記事。

 記事は、りそなホールディングス(HD)が今月中旬にまとめる「経営健全化計画」の骨格について、約2兆9千億円に上る公的資金の返済については、利益剰余金のほか7千億―8千億円分を機関投資家などから調達して早期完済を狙い、最終年度の2009年度には3300億円前後の連結純利益を目指すと報じる。中期目標を固めたことで、りそなは今後、営業力の強化に向けて事業提携するパートナー選びを本格化すると記事は伝える。経営健全化計画は公的資金の注入行が2年に1度、内容を見直して金融庁に提出するもので、りそなが抱える公的資金は、今月時点で「優先株式」が2兆5315億円、「劣後ローン」が8百億円、「普通株式」が2937億円、合計で2兆9052億円あり、このうち国が保有する普通株は3千億円弱の発行価額に対し、時価換算すると2兆円規模に膨らんでおり、株価への影響を抑えるため、複数年度に分けて市場で売却してもらうよう国に要請するとみられるとか。新計画は07年3月期を含め4期分の利益計画を示すが、当初、最終年度の利益は3千億円程度にする方向だったが、貸し出しの増強やリストラなどを織り込み、1割程度上乗せして3300億円前後とするとのこと。りそなが返済にあてる利益剰余金は、9月中間期の純利益を上乗せすると推定で1兆2千億円超あり、公的優先株のうち、早期健全化法に基づいて注入され、早く返す必要がある8680億円分の返済原資は、すでにたまった計算とか。残る1兆6千億円について、新計画は09年度までに利益剰余金を9千億円から1兆円程度積み上げて返済する道筋を示しているが、それでも足りない7千億―8千億円は、国内外の金融機関などと資本・業務提携して調達したり、機関投資家などから出資を募る方向と記事は伝える。りそなはすでに、複数の国内外の金融機関などから出資・提携の提案を受けており、経営基盤の強化に向けた提携協議の行方が大きな焦点となっていて、年内にも提携先が決まる公算もあるとのこと。りそなHDの全額出資子会社である近畿大阪銀行の株式上場は、健全化計画では明記しないが上場を視野に入れて検討するもようとか。りそなは今月中旬に同計画を提出したい意向で、今後、金融庁と調整するが、健全化計画は国の認可制を取っているため、金融庁の意向によっては、計画の中身が変わるなど流動的な要素も残っていると記事は締め括っている。

長崎県庁の「預け金」を業者は別途管理し、支出の度に雑収入で受入れ

 長崎新聞サイトは「11月10日のながさきニュース」として「県庁裏金 「預け」流用 業者交際費で立て替え」を掲出。

 記事は、県庁の裏金問題で、県職員の私的飲食費を業者管理の「預け」と呼ばれる裏金で支出する際、業者側はいったん自社の交際費名目で立て替えた後に裏金残高と相殺し、正当な会計処理を装っていたと報じる。飲食費支払いに業者が難色を示すと、県側は「断るならほかの業者に頼む」と高圧的な態度を示したとか。証言した業者は、金子知事が「預け」全廃を指示する以前の話としたが、県職員による私的流用と裏金の処理方法の一端をうかがわせる内容と記事は評する。業者は、県職員が飲食店で飲み食いした分の請求書を受け取り、自社の交際費から支出したよう内部処理し、支出分を裏金から雑収入などとして引き落としていたとし、「帳簿上は適正な会計処理になっていた」と話したとのこと。事務用品の架空取引で捻出された裏金は、業者側にプールされた後、使っても県庁側に領収書などを提出する必要がなく、業者は「裏金はあらゆる使い方ができるが、飲み食いの支払いを強要する県職員側にも問題があった」と指摘したとか。この業者が県職員の私的流用に応じていたのは6年ごろまでで、業者は「当時の裏金の額は、今回公表された額(11年6月現在で約1億8千万円)の比ではなかった。8年ごろがピークだった」とし、当時の帳簿類は既に廃棄しているとか。

長崎市の裏金は「預け」と「書き換え」

 11月10日付け西日本新聞夕刊の「長崎市も裏金600万円 01年度から5年 市長が午後会見」は、長崎市の農林部や教育委員会などで、13年度から17年度までの5年間に物品を購入したように装って業者に公金を管理させる「預け」と呼ばれる裏金が約600万円あり、また、業者に架空請求書を作らせ、高額な物品購入に流用する「書き換え」と呼ばれる不正会計処理も約300万円あったと報じる。今のところ私的流用は確認されていないとか。伊藤一長市長が10日午後、記者会見して発表すると記事は伝える。関係者によると、同市は長崎県庁で裏金問題が発覚した10月末から、内部調査を実施しており、各部署から消耗品や備品の納入リストを提出させ、業者や担当者への聞き取り調査を行っていたとのこと。今回発覚した不正会計処理のうち、農林部では裏金が約220万円あったほか、業者の協力を得て、少額の消耗品を大量に購入したように装い、高額の備品を購入する不正会計処理が約110万円確認されたとか。長崎県では、県庁のほか、佐世保、雲仙、島原の3市でも裏金づくりが発覚しているとのこと。

緑資源機構の談合は森林開発公団時代から

 読売は11月4日に「緑資源機構、談合は10年以上前から」を配信。

 記事は、農林水産省関連の独立行政法人「緑資源機構」(川崎市、前田直登理事長)が発注する林道の測量・建設コンサルタント業務を巡る官製談合疑惑で、同機構が独立行政法人に移行する前から、組織的な談合が繰り返されていた疑いが強いことが、関係者の話でわかったと報じる。公正取引委員会も談合が長年続いていたとみて、官製談合防止法の適用を視野に、発注者の関与について調査しているとのこと。同機構の前身は、11年10月に、旧森林開発公団と旧農用地整備公団が統合して発足した緑資源公団で、同公団が15年10月、独立行政法人に移行し、同機構になっている。関係者によると、10年以上前の旧森林開発公団時代から、工事前になると、受注予定業者が、それ以外の入札参加業者に対して、あらかじめ入札額を指示する慣例になっていたとか。こうした談合は、組織が機構に移行してからも続き、緑資源幹線林道事業を担当する本部森林業務部、発注を担当する全国8か所の地方建設部などが、調整の中心的役割を果たしたとみられると記事は伝える。年度当初、各地方建設部から工事計画を報告させ、同機構側が、工事前の測量や環境調査などコンサルタント業務の受注予定者について、過去に請け負った業務との関連性や実績を基に決定しており、受注予定業者には、予定価格に関する情報も伝えられたとか。現在は、森林業務部の担当理事が、受注調整に関与しているとされ、公取委は、この理事からも事情を聞いているとのこと。

簡易保険が縮小している

 11月6日付け日本経済新聞朝刊3面に「4―9月、郵政公社、簡保、新規契約22%減――商品内容魅力乏しく」の記事。

 記事は、日本郵政公社が扱う簡易保険の4―9月の新規契約数が約125万6千件と前年同期比22%減っており、このペースでは今年度も前年度実績(299万7千件)を下回るのが確実と報じる。新契約数の減少は17年度まで7年連続で、直近のピークである10年度(665万3千件)の半分以下に落ち込む見通しとか。契約が振るわない最大の理由は民間の生保と比べて商品内容が劣っていることで、主力の養老保険は満期を迎えると金利を加えた保険料が戻ってくる仕組みだが、長引く低い金利で魅力が薄れたとのこと。全商品の平均予定利率は17年度に年2.76%と13年度に比べて0.78%下がっているとか。売り物は「無審査・即時払い」だが、一方で保険金の上限額は1千万円と民間生保より低く、掛け捨て型の保険と比べると主力の養老保険の保険料も割高とされるとのこと。民間の生保は簡易保険について「国の信用のもとで契約を増やし、市場をゆがめている」と批判しているが、郵政公社はこのまま契約減が続けば「簡保の事業が成り立たなくなるおそれがある」(生田正治総裁)とし、民営化の準備企画会社、日本郵政は民営化後、早期に限度額を引き上げることを要望していると記事は伝える。

長崎県庁の裏金に私的流用の存在の疑い

 11月6日付け日本経済新聞西部夕刊20面に「裏金、私的流用の疑い、内部調査職員申告懇親会の景品購入、長崎県」の記事。

 記事は、長崎県の裏金問題で、物品を購入したように見せ掛けて公金をプールした裏金を使い、懇親会の景品などを買った職場があったことが県の内部調査で分かり、金子原二郎知事が6日午後に、こうした私的流用の疑いが濃厚な裏金の使途について、外部調査委員会の第1回会合に先立ち、記者会見して公表すると報じる。県の調査に対し、職員側から自主申告があったもので、このほか複数の業者は取材に「食料品や換金できる数十万円分の商品券を納入したこともある」と証言しており、県は、複数の部署で裏金の一部が私的に使われた疑いを強めていると記事は伝える。長崎県の裏金は金子知事が10月31日に記者会見して存在を認め、11年に県庁全体で約1億8千万円あったことを明らかにしており、物品の架空請求書に基づき支出した公金を業者側の口座に管理させていて、使途について県は「大半は帳簿記載や決裁をしない事務用品購入などに使った」と説明していて金子知事は「私的流用は確認できていない」と話していた経緯がある。

雲仙市と佐世保市で不正経理

 毎日は11月4日に「裏金作り:長崎の雲仙市、佐世保市でも」〔山崎太郎〕を配信。

 記事は、長崎県庁の裏金問題で、同県雲仙市と佐世保市でも裏金作りなどの不正な会計処理があったと報じる。このうち雲仙市では選挙の際に国や県から交付される費用を裏金に回す例もあったとか。両市とも詳しい実態を調べていると記事は伝える。雲仙市によると、裏金作りが行われていたのは、昨年10月の合併前の7町のうち国見、瑞穂、吾妻、南串山の旧4町で、総額は判明しているだけで約210万円で、県と同様、実際は購入していない事務用品などを購入したことにして裏金を作っていたとのこと。年度末に余った予算を消化する狙いとか。また、佐世保市の不正経理は、文具など少額の消耗品を大量に購入したように装い、パソコンなど高額の備品を購入する手法で、業者から領収書を小口に分けて出させ、処理していたとのこと。同市は、県と同様の裏金がなかったかどうかも調査しているとか。