公会計の動向 -75ページ目

あおぞら銀行が年度内に公的資金を完済へ

 朝日は5月15日に「あおぞら銀、年度内に公的資金完済へ」を配信。
 記事は、経営破綻した旧日本債券信用銀行を前身とし、米サーベラス傘下で昨秋、東京証券取引所第1部への株式の再上場を果たしたがあおぞら銀行が15日に今年3月期連結決算を発表し、それによると、融資先企業の業績回復に伴う不良債権処理費用の「戻し益」が前年同期より大きく減ったことなどの影響で、当期利益が前年同期比32.1%少ない815億円となっており、能見公一会長が、残る約1700億円の公的資金について「返済資金は確保済み。07年度内の完済をめざして当局と交渉したい」と述べたと報じる。経営の健全度を示す3月末の自己資本比率は15.98%だったが、現在の株価は低迷しており、そのため、公的資金完済などを経て、現在3%の配当性向を20%程度に引き上げるなど中期的な経営目標を明らかにしたとのこと。

独法が労働基準監督署から是正勧告を受けた

 読売は5月14日に「理研に労基法違反で是正勧告、時間外賃金200万円未払い」を掲出。

 記事は、理化学研究所和光研究所(埼玉県和光市)が、研究員や技術員に対し違法な時間外労働を行わせているとして、さいたま労働基準監督署から2006年6月と12月の2回にわたり是正勧告を受けていたと報じる。監督署では未払いの時間外労働賃金を支払うよう求めており、総額は200万円前後にのぼるとみられると記事は伝える。是正勧告の対象となっているのは、同研究所の中で裁量労働制の労使協定が結ばれていない3研究センターを中心とする研究職、技術職の職員650人で、同研究所によれば、このうち任期制職員396人については給与に超過勤務手当相当額が含まれているものとみなして労務管理を行ってきたが、労働契約書や就業規則には明記しておらず、このため労働基準法に反していると指摘されたとのこと。また、任期制以外の職員については月15時間分の超過勤務手当が定額支給されているが、これを超える場合には手当の支払いが必要とされたとか。同研究所では4月までに、任期制職員に対して超過勤務手当が給与に含まれていることを承知していたかどうかの確認書を配布し、研究ノートなどを参考にした勤務実態の把握や、所属長による超過勤務命令の有無を調査した結果、未払い分の支払いを求める職員十数人について、6月にも過去2年にさかのぼり手当を支給することにしたとの由。同研究所の大河内真理事は「そもそも研究者に時間外労働や超過勤務手当の概念はなじまないので、裁量労働制の導入に向けた交渉を進めている。ただ現状では労働基準法に照らして問題があることは事実だ」と認めているが、職員からは「研究所の業務のために時間外労働になることもある。所属長が超過勤務命令を出したと認めない場合も多く、未払い分全額が支払われるのかは疑問」との声も出ているとか。

鑑定額との開差が5割以内であれば違法とは言えない

 京都新聞サイトは5月11日に「取引は「おおむね適正」 新駅周辺の土地先行取得問題」を掲出。
  記事は、栗東市土地開発公社による新幹線新駅予定地周辺の土地先行取得問題で、同市の第3者検証委員会が11日、取引の中に再鑑定額に比べて最高で44%高値のケースがあったものの、価格設定や取得手続きは「おおむね適正」との結果を発表し、同時に、取引交渉過程の資料を公開してこなかったことなどを指摘し、改善を求めたと報じる。調査対象は、新駅周辺整備のために市の委託を受けて同公社が先行取得した11件(計5ヘクタール)のうち、12年に取得した2件で、取引価格が高額などと問題になったため、市は調査を行い、昨年10月に「不透明な事実はない」とした報告書をまとめ、同時に公認会計士や不動産鑑定士ら5人に市の調査の再検証を依頼していたとのこと。同委員会は、2件の取得経過や公社の経理に「違法性はない」などとした上で、取引当時の土地価格を再鑑定し、2件の取得には土地購入とともに代替地の売買も行っていたが、いずれの取引も価格は再鑑定額を上回り、公社は5・6%から44・1%高く土地を売買していたとか。弁護士である委員長は「価格の妥当性は、用地の必要性や適正価格などを総合判断する。再鑑定と取引価格の隔たりは5割以内に収まっており、過去の判例からは違法とはいえない」と説明したとのこと。一方、昨年末に同委員会の調査で判明した、代替地(滋賀県竜王町)の買収価格よりも低額の鑑定書を栗東町(当時)が公表していなかった問題で、取引の妥当性を「左右するものではない」としたが、「説明責任の観点で問題があり、市に強く自戒を促す」と指摘したとか。

精神疾患による病気休暇が長期化した事態

 読売は5月13日に「月出勤4・5日で満額給与5年、病気休暇の大阪地裁事務官」を掲出。

 記事は、大阪地裁の男性事務官(45)が約5年4か月間、月平均4・5日しか出勤していないにもかかわらず、満額となる月約35万円の給与を受けていたと報じる。地裁が「休職」ではなく「休暇」扱いにしていたためで、年間18日の勤務だった場合でも全額を支給されていたとか。地裁は「休暇は不適切だった」として、今年4月から休職扱いに切り替えたとのこと。地裁によると、事務官は14年1月以降、精神疾患による病気休暇を取得しており、14~18年の出勤日数は年間18~127日で、今年も10日だけだったとか。地裁は、主治医の意見を踏まえ、病気休暇を承認してきたが、「療養に専念すべき」と判断して4月23日に休職に切り替えたとのこと。休職の場合、1年間だけ給与の8割が支払われるとか。

公的年金支給停止制度の利用者は1箇月間で18人

 読売は5月11日に「年金辞退、現在18人…最高年170万円、厚労相も返上組」を掲出。

 記事は、社会保険庁のまとめによると、4月から始まった公的年金支給停止制度を利用し、自主的に厚生年金などの受け取りの辞退を届け出た人が4月末時点で18人いると報じる。返上者の内訳は、男9人、女9人で、地域別だと、北海道2人、本州11人、四国3人、九州2人とか。返上者の年金総額は年額約1500万円、個別額では同約170万円が最高で、いずれも5月分から支給が止まるとのこと。柳沢厚生労働相もこの制度を利用しているとか。返上はいつでも撤回して再び受給することもできるが、返上分を将来上乗せして受け取ることはできず、返上による特典はないと記事は伝える。

466万人中41万人が保険料加入記録に異議申し立て

 読売は5月9日に「「加入記録に不備…」58歳の41万人が社保庁に調査要請」を掲出。

 記事は、社会保険庁が9日の衆院厚生労働委員会で、58歳に達した年金加入者を対象に保険料の加入記録を事前に通知した計約466万人(16年3月から18年12月まで)のうち、約41万人が「過去の勤務先の加入記録がない」などとして、加入記録の調査を求めていたことを明らかにしたと報じる。事前通知制度は、年金給付開始前に加入者に年金額などを確認してもらうため、16年に始まっているとか。生涯一つの番号で加入記録を管理する基礎年金番号が9年に導入される前は、転職のたびに異なる年金手帳記号番号が発行され、加入者が複数の加入記録を持つケースが多かったとのこと。今回の41万人分の調査では、加入記録の修正で解決することが多いとみられるが、<1>加入者の勘違い<2>加入者が勤務していた事業所(従業員5人以上)が厚生年金に入っていなかった<3>社保庁の管理ミス――などの事態も想定されると記事は伝える。

地方公営企業2643のうち72が債務超過

 日経サイトは5月2日に「地方公営企業、72事業が実質債務超過」を掲出。

 記事は、公立病院や公営バスなど全国の地方公営企業のうち、少なくとも72の事業が17年度末で実質債務超過に陥っていたことが、日本経済新聞の集計で分かったと報じる。債務超過額の合計は2300億円とか。20年度から連結ベースで自治体の健全性を評価し早期の再生を促す再建制度が始まる予定で、今後、赤字事業への税金投入や抜本的な事業再建を迫られると記事は伝える。集計の対象は総務省の「地方公営企業年鑑」で貸借対照表を開示している2643事業で、地方公営企業は設備の建設などのための借入金を「借入資本金」と呼び、資本の部に含める独特の会計処理をするが、借金に変わりはないので、「資本合計」から除いて独自に算出したとのこと。

国立大学法人運営費交付金を教育と研究に分割する意見

 朝日は5月3日に「大学交付金、「教育と研究に区分を」 規制改革会議」を掲出。

 記事は、教育改革の焦点となっている大学・大学院改革で、政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が、運営にかかわる交付金を「教育目的」に一元化し、研究への助成は成果に応じた配分とするよう求める意見書をまとめたと報じる。公費の支出目的を教育と研究に明確に区分したうえで、競争原理の導入をめざす狙いで、近く、政府の教育再生会議や文部科学省などに提出すると記事は伝える。意見書では、「教育」に必要な経費と「研究」に対する助成の区分があいまいな国立大学法人運営費交付金(年間約1兆2000億円)などの配分方法の見直しを求めており、「国が一部の専門家の評価に基づき評価し、配分する仕組みはとるべきでない」と記し、文科省の裁量による予算配分をなくすための具体策を示しているとか。運営費交付金は教職員数などに応じて配分されているが、意見書では、これを教育目的の公費として「学生数に応じて配分額を決定」と明記し、民間機関による教育内容の評価を踏まえて学生の人気が高いところに、重点配分されることにし、同時に学生の定員数を学校側の判断で決められる制度を設ける必要性も指摘しているとか。研究目的の公費は、民間学術団体などが研究成果を評価し、それに基づいて研究者個人やチームを対象に配分するよう求め、学校の「格」よりも研究の「成果」に審査基準を定める形とか。2月の経済財政諮問会議では、民間議員が運営費交付金を「大学の努力と成果」に応じて配分するよう提案しているが、これに対し文科省は、競争原理の導入によって国立大全87校のうち47校は交付金が半減すると試算し、「経営が成り立たなくなる」と反発しているとのこと。

グリーンピアの処分後の状況

 朝日は5月4日に「グリーンピア、再開の全9施設赤字 公金投入も8億円超」を掲出。

 記事は、巨額の年金資金がつぎ込まれ、国内13カ所につくられた大型保養施設「グリーンピア」の跡地で、ホテル事業などが再開された9カ所は初年度の収支がすべて採算割れの状態だったと報じる。各施設が昨年度までに出した損失は公表分だけで約7億円にのぼっており、跡地を所有する地元自治体からは、赤字穴埋めや施設改修などで新たに8億円以上の公費が投入されたとか。経営難で全廃された施設の再生が新たな公費補填を招き、再び国民の側にツケが回されている構図が浮かんだと記事は評する。グリーンピア跡地をめぐっては、南紀(和歌山県)で、中国の開発業者がホテル再開を見送り、再生の事業計画が全国で初めて頓挫する事態になっているとか。グリーンピアは13施設の多くが経営不振に陥り17年中に全廃されており、運営主体の年金資金運用基金(18年3月解散)は高知、鹿児島県の2施設を民間に売却し、残る11施設を所在地の県市町村へ計35億円余りで払い下げたが、うち南紀と恵那(岐阜県恵那市)以外の9施設は16年2月から昨年7月にかけて、自治体直営や民間が経営を請け負う形でホテルやレジャー事業を再開させたものの、朝日新聞の調べによると、9施設は再開初年度の収支がすべて赤字だったとか。具体的な経営状況を公表した6施設について昨年度までの損失額を計算すると、計6億9055万円にのぼっているとのこと。赤字穴埋めなどに公費を投入していたのは、大沼(北海道森町)を除く8施設の所有自治体で、計8億5486万円を運営費や施設改修費などとして支出したとのこと。各施設から自治体側に入る施設賃貸料などの収益分を除いても、半分近い約4億円が回収できていないことになるとか。岩沼(宮城県岩沼市)は市がスポーツ施設を直営しており、赤字額は最初の16年度が約3億円で、今年度も7000万円を超す見通しとか。これまでに県の補助金8000万円を含む約5億円の公費が投じられており、運営資金やプール、浴場などの改修費にあてられたとのこと。温泉設備がある二本松(福島県二本松市)は、16年度から毎年6000万円前後の赤字で、市は運営元の公社に対し、公費での全面補填を続けているとのこと。グリーンピア時代から20年近く使っているボイラーは燃費がかさむが、財政難で取り換えられず、市の担当者は「このままでは市民の理解を得られない。民間委託を考えるべき時がくるかも」と話しているとか。田老(たろう)(岩手県宮古市)も再開の17年度、運営財団がグリーンピア時代の積立金1億円を取り崩し、市も公金1500万円を持ち出して赤字を埋めており、昨春から「民間頼み」でホテル経営を東京の外食大手に委ねたが、宿泊客は減り続けているとのこと。ただ、過疎の地元では、施設は地域住民ら約60人の雇用先で、市企画課は「雇用や経済効果を考えれば廃止させるわけにはいかない」と頭を抱えるとか。ホテル経営会社が運営する安浦(広島県呉市)は当初の17年度に約800万円の利益を見込んだが、設備投資がかさんで逆に3360万円の赤字だったとか。中越地震の被災地にある津南(新潟県津南町)は震災1年後の17年秋に再開したが、スキー客らは暖冬の影響もあってグリーンピア時代より年間1万~2万人減っているとのこと。

首長の退職手当1か月加算を廃止する流れ

 読売は5月1日に「首長の退職手当1か月加算、8県市除き廃止へ…読売調査」を掲出。

 記事は、自治体首長の任期1期(4年=48か月)の退職手当について、1か月分多い49か月分が支給されているケースが各地で発覚した問題で、昨年の時点で49か月分を支払う制度があった238自治体のうち230自治体が、すでに制度を改めたり、改正を検討したりしていることが、読売新聞社の全国調査でわかったと報じる。議会などからの「お手盛り批判」や、48か月分への是正を求めた総務省の通知を受けての動きだが、残る8県市は「ほかの自治体の状況をみて考えたい」などとするにとどまっていると記事は伝える。今回の調査対象は、昨年4月と同10月時点の調査で「支給額は49か月分」と答えた31府県と207市町村(誤って「49か月」と回答した2市は除外)で、4月1日現在の状況を再度、追跡調査したところ、29府県と145市町村は「昨年度中に制度を(48か月分に)改正した」と回答し、長野県と55市町村は「改正を検討する」としたとのこと。昨年度中に改正した174自治体の退職手当は、1期あたり総額約8000万円が節減される計算になるとのこと。一方、残る8県市のうち栃木県鹿沼市と三重県鈴鹿市、群馬県藤岡市、和歌山県御坊市は「当面、改正の予定はない」と回答しており、「制度の運用で実際は48か月分しか支給していない」(鹿沼市)、「周辺の動きをみて検討する」(藤岡市)などとしているとか。また、現知事の退職手当については特例条例で支給しないとする宮城県と、「制度の内容の研究をする」とした群馬県館林市、さらに同県伊勢崎市、大分県佐伯市の4県市は、改正の予定に関して明確な態度を示していないとのこと。49か月分の支給となるのは、首長の在勤月数を「着任日の属する月から退任日の属する月まで」などと条例で規定し、月の途中から任期が始まるケースでも着任月と退任月をともに丸1か月とカウントするため。総務省は「住民の理解を得られない」として、昨年8月と同10月に見直しを通知しているとの由。