公会計の動向 -40ページ目

融通が利く科学研究費を新設

 毎日jpは4月16日に「最先端研究:3000億円支援基金、政府新設へ 柔軟運用可能に 」〔元村有希子〕を掲出。

 記事は、最先端研究で日本の国際競争力を高めようと、政府は3000億円規模の研究支援基金を新設する方針を決めたと報じる。運用期間は5年だが、従来に比べ運用が柔軟で、若手の海外派遣を重視したものとなっており、15兆円規模の経済危機対策の一環で、今年度の補正予算案に盛り込むとのこと。計画では、政府の総合科学技術会議に専門家を加えた有識者会議を発足させて、世界級の研究に発展する可能性がある約30課題を選び、2700億円を投じ、残り300億円は「世界で戦える研究者」を育てるため、若手研究者の海外派遣(最大3万人)に充てるとのこと。現在の公的研究費には、日本学術振興会の「科学研究費補助金」などがあり、今年度予算で約3800億円が計上されているが、年度をまたぐ支出が難しく、使途が限定されており、また、研究責任者が申請書や報告書作成に追われ、研究に集中できないとの指摘があったとか。そこで、基金は運用を弾力化、プロジェクトを支援する独立行政法人や企業に事務処理を担ってもらうとのこと。政府は今後、配分先の選定や支援機関の監督法など、公正な運営方法を詰めると記事は伝える。

民主党が与党に先行して経済対策の補正予算案

 産経は4月9日に「民主党が対案「経済対策」発表 補正争点化に意欲 」〔斉藤太郎〕を配信。

 記事は、民主党の政策決定機関「次の内閣」(NC)が8日、政府・与党の先手を打つ形で、平成21年度第1次補正予算案の対案となる緊急経済対策をまとめたと報じる。会合には小沢一郎代表も出席し、経済対策に本腰を入れる姿勢をアピールしたとか。ただ、民主党のアイデアを政府・与党が次々と経済対策として盛り込む「パクリ」(民主党の山岡賢次国対委員長)状況は続いており、どうやって違いを出すか、悩みは尽きないと記事は評する。小沢氏はNCで、「国民の生活を豊かにすることが日本経済をよくすることになる。われわれの施策を実行すれば、可処分所得の2割程度の増加を実現できる」と強調し、首相の「全治3年」に対抗して、「2年間で景気回復と雇用拡大を目指す」と訴えたとか。経済対策の規模は2年間の財政支出分で約21兆円となっており、有権者の目を引き付けるため、大胆な公約を打ち出す「小沢流」の手法と記事は評する。「子ども手当」創設や高速道路無料化など、従来の目玉政策を前面に掲げながら、雇用対策や環境政策、子育て支援を拡充しており、財源は「埋蔵金」の活用も見込んだ上で、「予算編成の仕組みを変えれば、財源を捻出できる」(小沢氏)としているが、直嶋正行政調会長は記者会見で「若干の国債発行もやむを得ない」と本音を語ったとか。政府に先行して発表したのは「経済対策は民主党が本家本元」と、世論に印象づける狙いがあり、山岡国対委員長は8日の衆院の各委員会筆頭理事らの会合で、「与党は、民主党の政策をパクりまくっている」と指摘した上で、「補正が審議入りするとみられる5月の連休明けが大きな戦い。4月から臨戦状態だ」と語ったとか。民主党が補正予算を争点化するのは、補正予算案への民主党の対応次第で衆院解散を実施するとの趣旨の、3月末の首相発言があるためで、「政権交代が最大の景気対策。首相は抵抗する口実をくれた」(幹部)というわけだが、「抵抗しても首相は解散しないのではないか」(幹部)との疑念はあり、景気悪化の中、審議の引き延ばしへの世論の反発もあって、表向き対決しながら、与党と折衝して衆院解散に踏み切らせる「話し合い解散」を模索する動きも出てきそうと記事は伝える。小沢氏は8日夜、都内の料理店で中堅議員と会食し、「自民党には6月の衆院選が有利だろう。だが、首相がそう認識しているか分からない。なかなかすぐに解散は難しいな…」とこぼしたとか。

対馬市が政府の期待に反して定額給付金を差し押さえ

 読売が4月1日に掲出した「対馬市の給付金差し押さえ、鳩山総務相「正直困る、残念だ」 」は、鳩山総務相が1日、長崎県対馬市が定額給付金を振り込んだ税滞納者約50人分の預金口座を差し押さえていたことについて、「正直言って困る。定額給付金は生活支援と景気刺激という趣旨。趣旨としてやってもらいたくなかった。残念だ」などと総務省内で記者団に語ったと報じる。総務省は市区町村に対し、税滞納者の定額給付金の差し押さえについて、「定額給付金の趣旨に合致しない」との通知を出しているが、市区町村による差し押さえを止める規定などはないとの由。

林業公社解散論

 MSN産経ニュースは3月17日に「林業公社って必要? 長期債務総額1兆1794億円 」を掲出。

 記事は、都道府県が設置する全国40の林業公社の長期債務が平成20年3月時点で総額1兆1794億円に上り、返済困難になっていることが、農林水産省と森林整備法人全国協議会の調査で分かったと報じる。莫大な借金はさらに増加傾向にあるが、国は「誰も手入れしない森林を公社が管理し、荒廃を防いでいる」と存続を主張しているが、都道府県では「これ以上、赤字を増やされてはかなわない」と、解散する動きも広がりつつあると記事は伝える。林野庁によると、林業公社は、民有林を管理し、育てた木材を伐採・売却して収入を得ている公益法人で、設立時の資金は都道府県が出資しているが、原則として自治体の収支とは別会計で、木材収益で独立経営を行うことになっているとのこと。しかし、最近では収益が伸びず、多くの公社では運営費を借金で穴埋めしており、原因は、木材価格の長期低迷で、外国から安い木材が流入したため、国産木材の価格は昭和58年ごろのピーク時と比べて7~8分の1程度になっていて、その結果、公社の木材収益は落ち込み、債務が膨らんだとの由。現在、長期債務がないのは40公社のうち2公社だけで、34公社は債務が100億円を超え、多くの公社は「現状の木材価格では、とても返済できない債務レベル」(林野庁)とか。2つの林業公社を持つ滋賀県では債務の合計は1080億円にもなるとか。債務のほとんどは政府系金融機関と設立主体の自治体からの借金で、返済見通しのない公社に、多くの公費がつぎ込まれている形だが、それでも国や多くの自治体は存続を主張するとのこと。その理由を林野庁は「誰かが森林を管理しなければ、自然環境悪化や山崩れなどの原因になる」と説明するが、存続派の自治体には天下り先の確保という思惑もありそうと記事は評する。国は、政府系金融機関からの貸し付けの返済期間を20年延長し、年間20~50億円の税金を投じ利子支払いも補助していて、政府系金融機関に新たな貸し付けも行わせ、存続を後押ししているとまこと。これに対し、一部の自治体では数年前から「このままでは債務が膨らむばかり」と、公社解散を求める声が高まっており、岩手と大分両県は計約820億円の債務を抱えた公社を実際に解散、神奈川県も22年度には解散する方針とのこと。各県の担当者らは「公社を解散し、自治体が直接、民有林を管理すれば、山は荒れないし、人件費などの費用を削減できる」と主張しているとか。ただ、公社を解散しても借金が消えるわけではなく、自治体が背負わなければならず、自治体が貸し付けた資金も返済されないが、それでも神奈川県の担当者は「返済のあてがないなら、今でも実質は県の借金のようなもの。公社という別会計組織に借金を計上して、隠れ借金になるなら、解散した方が財政も健全化する」と話しているとか。

緑資源機構の幹線林道事業が自治体で継続されていない

 毎日jpは3月16日に「林道整備:緑資源機構の「幹線事業」曲がり角 継続自治体は半数以下 」〔宇城昇、上村里花〕を掲出。

 記事は、独立行政法人・緑資源機構(19年度末で解散)が進めてきた「幹線林道事業」が、曲がり角に差し掛かっていると報じる。未完成区間を抱える広島県は1月、関連事業費を21年度予算案に盛り込むことを見送ったとか。背景には県財政の悪化があるが、ツキノワグマなど希少な動植物の生活を脅かすと生態学者らが反対してきた経緯もあり、事業の是非を争う訴訟も広島地裁で係争中とか。広島市の北西約40キロ、島根県境に近い細見谷(ほそみだに)は西中国山地国定公園内にあり、標高1000メートルを超える山々を縫うように細見谷川が流れ、舗装されていない林道が続くとのこと。沢沿いには、6キロにわたってブナやミズナラなどがうっそうと茂っており、本州屈指の規模を誇る「渓畔林(けいはんりん)」だとか。ツキノワグマを頂点に、キツネ、オオタカ、サンショウウオや、中国地方の一部にしか生息していないイワナ亜種のゴギなど、豊かな生態系を保ち、「生物多様性の宝庫」との由。戦後、細見谷の上流では杉を中心とした人工林化が進んでおり、残された渓畔林が、本来の自然の豊かさを伝えているとの由。ここには、昭和62年に国が認可した「幹線林道計画」があり、林業や観光業の従事者には、舗装し幅を広げることで交通をスムーズにし、地域振興に期待する声があるが、一方、舗装道路ができて車両が入りこめば、生態系への影響は避けられず、環境保護団体は「手つかずの豊かな自然を楽しむエコツーリズムの舞台に」と反対しているとのこと。全国の幹線林道計画は1970年代、旧森林開発公団が始め、7カ所の山地に林業圏の中核道路として計画され、事業費は約9400億円で、全国32路線2025キロのうち1319キロが完成したが、各地で反対運動が起き、全線開通したのは5路線のみとか。同公団は平成11年に改組され、引き継いだ緑資源機構も官製談合事件(平成19年)で廃止され、林野庁が「山のみち地域づくり交付金」事業として継承したとの由。ただし、継続するかどうかの判断を地方自治体に委ねていて、自治体側が「不要」と考えれば計画は中断できることになったとか。その結果、未完成区間を抱える15道県のうち、工事継続を決めたのは7県にとどまっており、青森県は交付金事業としての中止を決定していて、広島県は「保留」、その他も「調査」として計画を再検討しているとのこと。広島県は3路線5区間計43キロ(事業費計約163億円)について今年1月、21年度の継続を見送っており、林野庁の交付金を活用すれば事業費の8割を補助金で賄えるが、県はそれをしなかったとか。「09年度は他の大型公共工事を優先する」と「保留」の理由を説明しており、背景には財政難と、環境意識の高まりがあると記事は伝える。特に根強い反対があるのが、渓畔林を含む戸河内(とごうち)-吉和区間の未着工部分約12キロ(広島県安芸太田町-廿日市(はつかいち)市)で、日本生態学会は15年、計画の中止と自然公園法に基づく特別保護地区への指定を求める要望書をまとめたとか。

成田の滑走路延長は2010年3月完成

 日経が3月7日に掲出した「成田空港の発着、年25万回に増便 「アジアのハブ」へ競争力 」は、国土交通省と成田国際空港会社(NAA)t@2010年以降の成田空港の発着回数を現行比25%増の年25万回にする方向で検討を始めたと報じる。2本ある滑走路のうち短い方を延長し、年22万回に増やす従来計画に加え、滑走路の運用面の工夫で年3万回をひねり出すとのこと。景気悪化で航空機利用は低迷しているが、航空各社の首都圏発着便への需要は強く、羽田空港とともに「アジアのハブ」空港に向けて、東京の競争力向上を目指すと記事は伝える。成田空港の滑走路は長さが4000メートルと2180メートルの2本あり、合計年間20万回の発着をこなしているが、年間発着回数6万5000回の短い方の滑走路を10年3月に2500メートルに延長する工事を終え、増便が可能になるとの由。

土地開発公社から先行取得地を事業化の予定がないまま買い戻した事例

 東京新聞は3月4日に「名古屋市「塩漬け」土地買い戻し 公社から8億8000万円 」〔中日新聞〕を掲出。

 記事は、名古屋市土地開発公社が購入後、17年にわたって、用途がないまま「塩漬け」になっていた名古屋地裁南側の土地(同市中区三の丸)を、名古屋市が昨年3月に8億8千万円で買い戻していたと報じる。ことし3月末から暫定的に広場として開放するとのこと。この土地は広さ354平方メートルで、名城公園の一部として公園整備するとして、3年に同公社が5億1千万円で取得したが、事業化が遅れて放置してきたため利子や維持費が累計で3億7千万円も膨らんだとのこと。市緑政土木局は「早く買い戻すべきだったが、予算も限られており、時機を逸してしまった」と話しているとか。事業化に先駆けての先行取得は、地価が右肩上がりの時代には合理性があったが、地価は下落の一途をたどり、現在の実勢価格は1億1千万円と当初購入時の5分の1とか。市は買い戻したものの、公園に本格整備するメドは立っておらず、草刈りをしたり、整地するなど必要最小限の手を加え、市民が使える広場にするとのこと。同局は「お金を掛けないで使うことが、(税金で高い金で買い取ったことへの)せめてもの償い」としているとか。

裏金の証言は虚偽だった

 産経は3月1日に「日テレ「バンキシャ」が誤報で陳謝、検証 」を掲出。

 記事は、日本テレビ系報道番組「真相報道バンキシャ!」は1日の放送で、昨年11月に放送した岐阜県庁で新たな裏金作りが発覚したとする番組で、証言した男性の証言内容が虚偽だったとして、陳謝するとともに検証報告を行ったと伝える。問題となったのは、昨年11月23日に放送された「岐阜県庁で新たな裏金作りが発覚」と報じた内容で、匿名男性が、県土木事務所職員が工事代金を水増しする手口で裏金を捻出していたと証言していたが、検証番組では、この男性が放送後、別の公金詐欺事件で逮捕されており、この事件で使った口座などを岐阜県に置きかえて話した、などと証言を覆したことを説明したとのこと。福澤朗キャスターが岐阜県ら関係者に「大変ご迷惑をおかけしました」と陳謝したとか。この問題について、岐阜県は1日、「事実はなく、証言は虚偽」として、証言した男性を偽計業務妨害で岐阜県警に告訴したと発表しているとのこと。

20年度の減収補填債は9233億円

 日経が2月27日に掲出した「総務省、08年度の減収補てん債9233億円 」は、総務省が27日に、地方自治体が20年度に発行する減収補てん債が総額で9233億円になると発表したと伝える。景気悪化で地方税収が当初見積もりを下回るため、足りない歳入を穴埋めするもので、発行する自治体は合計で220団体となっており、発行予定額をみると、都道府県別では愛知県の1363億円、市区町村では大阪市の312億円が最も大きいとか。

年金積立金管理運用独立行政法人が大赤字の見通し

 読売は2月27日に「年金積立金、過去最大5兆円赤字…運用利回りマイナス6% 」を掲出。

 記事は、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人が27日に20年度第3四半期(10~12月)の市場運用実績を発表し、それによると、運用利回りはマイナス6・09%で、5兆7398億円の過去最大の赤字幅を記録したと報じる。利回りも過去2番目の悪さとか。20年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの 破綻に端を発する世界的な金融危機による株価下落や、円高の加速化が要因とのこと。同法人は、国民年金と厚生年金の積立金を国内外の債券や株式などで運用し、20年12月末の運用資産額は総額116兆6299億円で、市場運用分が90兆4349億円を占め、資産構成は国内債券68・91%、国内株式12・20%、外国株式8・59%、外国債券10・08%などとなっており、残りは国債の一種である財投債で運用しているとのこと。資産別運用状況は外国株式の利回りがマイナス34・05%(3兆4763億円の赤字)で最も悪く、次いで国内株式のマイナス21・11%(2兆6638億円の赤字)、外国債券のマイナス11・25%(1兆1103億円の赤字)とか。外国株式・債券はドル安やユーロ安も響いているのに対し、国内債券は1兆5105億円の黒字で損益を下支えし、利回りは2・49%のプラスだったとか。20年4~12月の市場運用実績は計8兆6738億円の赤字で、運用利回りはマイナス9・13%。1月以降も世界的に株価は低迷しており、19年度の5兆8400億円の赤字に続き、通年でも赤字になる見通しとのこと。市場運用による累積黒字は08年3月末で10兆円以上あったが、12月末では約1兆7000億円に減っているとか。