公会計の動向 -2ページ目

合併で大きくなった上越市が三セク持ち株会社を設立

 上越タウンジャーナルが25年9月1日に掲出した「上越市の三セク持株会社設立 2年後の全社黒字化目指す 」は、新潟県上越市の第三セクター7社を傘下に置く持株会社「J─ホールディングス」の設立記念式典が9月1日に同社の本社となる同市西本町4の直江津屋台会館で開かれたと報じる。観光を中心とした各社の収益構造を改善し、2年後の全社黒字化を目指すと記事は伝える。市町村合併により同市では温浴施設など類似の三セクが多く、財務体質のぜい弱さなど経営面での課題があり、市は22年から持株会社化に向けて検討を進めてきており、今回、同市が50%以上出資する7社による持株会社が設立されたとのこと。社長には公募で選ばれた同市出身で元JCB北海道監査役の伊藤利彦氏が就任し、式典で伊藤社長は「7社がそれぞれの独自性を発揮し、上越市の魅力を高める存在になるようにしたい。道は大変厳しいが、人材と素材は揃っている」とあいさつし、また取材に対して「来年度には7社の黒字化のめどを付けて、翌2015年度には持株会社を含む全社の黒字化を目指す」と目標を語ったとか。村山秀幸市長は「会社設立はゴールではない。各施設の魅力を向上させてそう遠くない時期に利用者や地域に持株会社化のメリットを還元してもらいたい。地域観光のリーディングカンパニーになってほしい」と期待したとのこと。


松戸市が土地開発公社を解散へ

 千葉日報サイトが25年8月29日に掲出した「市土地開発公社解散へ 負債82億、市が肩代わり “塩漬け”は2万平方メートル 松戸 」は、松戸市の本郷谷健次市長が28日の定例会見で、市が100%出資する外郭団体「松戸市土地開発公社」を来年3月をめどに解散させる方針であることを明らかにしたと報じる。

国庫補助を受けるために三セクを解散して一部事務組合へ

 紀伊民報サイトが25年8月23日に掲出した「紀南環境整備公社が9月30日解散を決議 一部事務組合に引き継ぎ」は、和歌山県の紀南広域でごみの最終処分場の建設計画を進める財団法人「紀南環境整備公社」(理事長=真砂充敏田辺市長)が28日、田辺市内で理事会・評議員会合同会議を開き、9月30日での解散を決めたと報じる。事業、財産は一部事務組合に引き継ぐとのこと。代表清算人には真砂市長を選任したとか。公社によると、設立当初に比べリサイクルが進み、紀南地域の産業廃棄物が減少しており、処分場の規模を縮小した現計画は、国庫補助の対象外になるとのこと。一方、地方公共団体が実施主体であれば、現計画の規模でも交付金の対象となり、国の財政支援を受けるため、公社は事業主体を一部事務組合に変更することを決めたとの由。受け皿となる一部事務組合「紀南環境広域施設組合」は、今月1日に設立された。みなべ町以南の北山村を除く10市町で構成し、管理者は田辺市長とのこと。公社は県知事の認可を経て正式に解散後、一部事務組合に全財産を寄付するとか。公社の会議は今回で最後で、真砂市長は「事業の引き継ぎがスムーズに進むよう努めたい」、産業界から参加していた副理事長の橘一郎田辺商工会議所会頭は「事業主体を離れるが、事業のさらなる推進に協力したい」と述べたと記事は伝える。

美作市の三セクが解散へ

 山陽新聞サイトが8月7日に掲出した「美作市、三セク特別清算へ 赤字2500万円、ずさんな経理」は、美作市が、出資する第三セクター「東粟倉工房株式会社」(同市後山、社長・安東美孝元市長)を特別清算させる方針を固めたと報じる。24年度決算が約2500万円の赤字見込みとなったのに加え、経理処理にずさんな点があるのが理由で、8月末にも同社が岡山地裁に申し立てるとのこと。市は同社の債務を全額引き受ける方針だが、累積債務約2300万円に一部未払い金などが加わり、さらに膨らむ見込みとか。債権回収の中で同社の工場や店舗、土地の不動産などを取得する方向だが、資本金8400万円のうち7900万円を占める市の出資金は回収困難とみられると記事は伝える。市によると、問題は今年4月、同社が資金繰りの悪化を市に相談して表面化したもので、市が職員を派遣して調査を始めたところ、数十万円程度の黒字が続いていた同社の決算も、24年度決算見込みで約2500万円の経常赤字となったとか。市の調査の結果、商品輸送費の増加や、労働基準監督署の勧告に従い、休日出勤手当を定額から労働時間に応じた制度にしたことなどで経費が膨らんだことが分かり、また、調査の過程で、納品関連伝票の一部が確認できなかったり、売り上げの一部を個人口座で管理するなど不適切な在庫管理や経理も確認したとの由。

高知県の県産品県外売り込みは成長している

 日経サイトが7月3日に掲出した「
高知県地産外商公社、大型成約獲得へ外商増員
」は、高知県産品を県外に売り込み、地域産業の活性化を目指す「地産外商」事業の中核を担う同県の外郭団体、県地産外商公社(東京・中央)が体制強化を進めていると報じる。21年8月の設立から着実に取引実績を伸ばしてきたが、1件当たりの取引額が伸び悩んでいるためで、公社の組織も見直し、課題解消に動き出したと記事は伝える。県地産地消公社の24年度の事業報告書によると、公社の仲介で県内企業が県外の小売店や飲食店などとの取引に成立したのは2603件と、前の年度の約2倍に増えており、取引金額も約2倍の7億6800万円となっているとか。しかし、成果が着実に出つつある一方で、課題だった1件当たりの取引額は、多くが100万円台にとどまるなど、金額拡大にはつながってこなかったとか。このため同公社は今年4月、きめの細かい営業ができるよう、小売店や飲食店などへの営業担当者を2人増やして7人体制にし、同月に新設した宣伝部門には7月から1人増員したとのこと。人員増に併せて、これまでは営業部門を小売店と飲食店の2つの担当制にしていたのを、新たに卸や通販会社などの担当を増やし、5つの分野に細分化して営業活動する体制にしたとか。販売手法も商品だけを売り込むのではなく、飲食店には県産品を使ったメニューを、小売店などに対しては商品の陳列方法などを併せて提案するようにしたとも。同公社の合田和穂事務局長は「取引先の購買担当者に具体的な販売方法を提案することで、相手先の社内会議などで承認を得やすくし、導入実現の可能性を高める」と狙いを話しているとか。東京での営業強化と並行して、県内で商品を製造する企業へのサポート体制を充実させ、県外での販売額が伸び悩んでいる企業などを公社職員が訪問、営業現場で聞いた取引先の感想など生の声を伝え、商品改良に向けたアドバイスをするなど、県産品の魅力向上に取り組むと記事は伝える。

政務活動費で所属政党の書籍を購入

 琉球新報サイトが7月1日に掲出した「政務費で「大阪維新本」購入 浅田府議会議長が充当」〔共同通信〕は、日本維新の会政調会長の浅田均大阪府議会議長(62)が、橋下徹大阪市長率いる政治団体「大阪維新の会」が「初の公式本」と銘打った書籍250冊の購入費20万円のうち、半分の10万円の支払いに24年度の政務活動費を充てていたことが1日、府議会が公開した収支報告書で分かったと報じる。浅田氏は大阪維新府議団代表も務めていて、日本維新結成直前の昨年8月に出版された「〔図解〕 大阪維新」は浅田氏が自ら編集しており、購入費は同11月、出版元のPHP研究所(京都市)に支払っているとのこと。

公営企業法の適用拡大へ

 日経サイトが6月21日に掲出した「全公営企業に民間会計基準、18年度にも 経営改革促す」は、総務省が30年度にも、上下水道など地方自治体の公営企業に対し、民間企業並みの会計基準を全面的に導入する検討に入ったと報じる。約8800あるすべての公営企業への適用を目指すもので、人口減で経営が悪化する企業が増えているが、会計基準が特殊で住民にわかりにくかったため、経営実態を明らかにし、自治体に施設の統廃合や住民から徴収する料金の引き上げなどの経営改革を迫ると記事は伝える。水道、病院、地下鉄、電力といった約3千事業には26年度予算から民間並みの会計の導入を義務付けていたが、扱いが未定だった下水道や簡易水道など残りの約5800事業にも導入する方向となり、会計の抜本的な見直しは昭和41年以来と記事は伝える。今の会計基準は資金の大まかな流れを記した資料だけの公表や長期の借入金を資本とみなす特殊な処理を認めており、民間会計なら債務超過の事業が資産超過になる場合も多く、実態を表していないと指摘されており、経営改善の必要性も住民に伝わりにくかったと記事は説く。新しい基準は損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の作成を義務付け、外部から損益、資産・負債、現金の状況がわかりやすくなり、特殊な会計基準を改めるほか、退職金など将来支払うお金もあらかじめ負債に計上し、収益性の低下した資産の帳簿価格を下げる減損処理も採用するとのこと。経営の苦しさが明確になれば自治体も住民に事業の存廃や統廃合を提案しやすくなり、存続に向けて料金を上げる場合の理解も得やすくなると記事は説く。民間企業に事業取得や運営受託を促すことができ、経営改善の選択肢も広がるとも。公営企業の決算規模は約17兆円で、9割が黒字だが、実態は自治体の一般会計から年3兆円超を繰り入れて運営費を賄っており、公営企業の施設の老朽化が進み、更新費用は増加の一途で、放置すれば、一般会計の負担も増すとのこと。自治体に連結ベースでの財政立て直しを促す法律が20年度に施行されたのを機に、公営企業の健全化に取り組む自治体は増えており、青森県黒石市は19年度から下水道の使用料を平均12%引き上げており、北海道釧路市は24年度から10年間の改革案をつくり、下水処理場などの民間委託で管理費を抑える方針を示しているとか。総務省は会計の透明性を高めることで、住民の理解のもとで改革が進みやすくなるとみていると記事は伝える。全面適用は7月をメドに有識者らによる検討会を設けて協議し、全事業に導入を強制するか一部を任意にとどめるかも詰め、早ければ来年の通常国会に地方公営企業法の改正案を提出するとのこと。

関連ページ:地方公営企業法の適用に関する研究会

給食費を公会計化して収納率が低下した海老名市

 神奈川新聞社サイトが5月30日に掲出した「
海老名市の学校給食費収納率は98・42%、約536万円/神奈川
」は、海老名市が29日、24年度から始めた学校給食費の公会計化について、収納状況をまとめ、28日現在で未納件数が235件、未納額が約536万円で、収納率が98・42%だったと報じる。小学校で98・4%、中学校98・89%だったとか。公会計化前の23年度は99・57%で、収納率は下がっており、市は公会計化で、それまでの学校での現金徴収やPTAが協力しての収納から、市税と同じく口座振替や納付書送付となったため、「納付を失念する家庭が増えたのでは」とみていると記事は伝える。内野優市長は「公会計化すると収納率は下がるものだが、不公平をなくすためにも100%にしないといけない」と収納率向上への意欲をみせており、市では今後、給食費の児童手当からの充当制度や、コンビニ収納制度の導入、教諭から児童・生徒を通じて家庭への支払い督促の送付などを検討しているとのこと。また、今回の調査では、給食費を滞納していた教職員が小中学校で計5人いたことも判明しており、全額納入させ、学校長から口頭注意処分としたとか。公会計化は、それまで私会計で監査の対象にもならなかった給食費の公正、透明化を図るため、海老名市で横浜市と並んで昨年度から始められた経緯があるとか。

 公会計になって収納率が低下するのは、私会計で第三者補填が恒常化していたためではないのか?

24年度一般会計税収は43兆円超え

 日経サイトが6月21日に掲出した「12年度税収、リーマン後最大の43兆円台後半 1兆円上振れ」は、2月の補正予算時に42兆6千億円と見積もられていた24年度の一般会計の税収が、43兆円台後半となり、リーマン・ショック後の21年度以降では最大となったもようと報じる。24年度は前年度の税収実績を3年連続で上回っており、税収が43兆円を超えるのは、20年度の44兆3千億円以来とか。税収増加をけん引したのは法人税で、安倍晋三政権による経済政策「アベノミクス」への期待などから円安・株高が進行し、25年3月期決算の企業業績が大きく改善したとのこと。この期に決算を迎えた企業から法人税率(国税)が引き下げられたため、企業業績が回復しても税収が増えるかは不透明だったが、結果的に業績改善の効果が税率引き下げの影響を上回り、法人税収が伸びたとの由。政府は見積もりを上回った税収と24年度予算の余りを国債発行の圧縮や25年度補正予算の財源などに充てる考えとか。一般会計の税収は21年度に20年度比で約1割減の38兆7千億円と大きく落ち込んだ後、景気の回復に伴い、増加傾向にあり、25年度の税収は当初予算では43兆1千億円を見込んでいるとのこと。

三セク株の売却を町長選挙直後に執行

 MSN産経ニュース関東ページが6月6日に掲出した「落選前町長、三セク株大量売却 茨城・河内」は、5月19日に行われた河内町長選で落選した前町長(70)が、落選後の任期中に町やJAなどで設立した第三セクターの株の90%を売却していたと報じる。任期満了直前、町の財産でもある株の売却には、町民の間から疑問の声があがりそうと記事は伝える。売却したのは、町やJA稲敷などで平成9年に第三セクターとして設立した農産物直売センター「ふるさとかわち」(同町長竿)の株で、町は250株(16年に譲渡で100株に)を所有して筆頭株主になり、前町長が社長に就任したとのこと。前町長の任期は5月28日までだったが、落選直後の同月22日に開かれた取締役会で審議し、90株を同社の役員ら5人に売却することを決め、24日売却したとの由。担当職員は「選挙前に株の譲渡申請があり、同月10日に前町長に伝えると売却を指示された」と話しているとか。同社には町が借入金の債務保証をしているほか、当初の土地取得や設備投資などを行い「町の所有物」ともいえる存在で、雑賀正光町長は5日、「このままでは町の債務保証に町内から疑問の声が出る」と述べており、一方、前町長は産経新聞などの取材に対し、「国の指示(三セクの抜本的改革)に従った。私の一存ではできないので町職員と相談してやったこと」と話しているとか。