【タイトル】
ニュー・ミュータント(原題:The New Mutants)
【概要】
2020年のアメリカ映画
上映時間は94分
【あらすじ】
ネイティブアメリカンの保留地に暮らすダニーは、その地を襲った竜巻で唯一生き残った少女であり、ミュータントの隔離施設に収容されることになる。
【スタッフ】
監督はジョシュ・ブーン
音楽はマーク・スノウ
撮影はピーター・デミング
【キャスト】
メイジー・ウィリアムズ(レイン)
アニャ・テイラー=ジョイ(イリアナ)
ブルー・ハント(ダニー)
アリシー・ブラガ(ドクター・セシリア)
【感想】
「X-MEN」のシリーズでは通算13作目だが、過去作のキャストは一切登場しない。また、20世紀フォックスはディズニーに買収されたことを受け、20世紀フォックスによる「X-MEN」シリーズとしては最後の作品となった。また、当初は2018年の公開を予定していたが、度重なる延期の末、コロナ禍での公開となり、比較的低予算の6,700万ドルの予算に対し、全世界で4,900万ドルしか売り上げることができず、2000年に始まる「X-MEN」シリーズの売り上げとしては最低のものとなり、当初3部作を予定していたが、それも叶わぬものとなってしまった。
本作は「LOGAN ローガン(2017)」のジェームズ・マンゴールドがかつて監督した「17歳のカルテ(1999)」を思わせるところがある。「17歳のカルテ(1999)」で舞台となる精神病院が本作の舞台となる施設に重なり、本作のダニーやレインは、ウィノナ・ライダーと、本作のイリアナはアンジェリーナ・ジョリーと重なるところがある。
また、本作はジョン・ヒューズ監督の「ブレックファスト・クラブ(1985)」を思わせるところがある。普段は交流しない若者5人が次第に交流していく様子などはまさに重なるところがある。そして、2010年代以降、ジョン・ヒューズ監督の影響にある作品は「ピッチ・パーフェクト(2012)」や「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017)」など多数つくられており、ある種のブームと言えよう。
監督も語るように上記のジョン・ヒューズっぽさと、スティーヴン・キングのホラー小説を混ぜ合わせたような作品ではある。ただ、これは「X-MEN」シリーズの1作目「X-メン(2000)」がキャラクター紹介に終わった映画だと感じたのと同様に、本作もあくまでキャラクター紹介がメインで、次回作以降に本格的に物語が動いていくのかと感じた。新たなミュータントの誕生を描く作品が、施設内で始まり施設内で終わるのではどう考えても物足らないだろう。当初3部作を検討しながら本作限りとなると、完全に映画史に埋もれてしまうだろう。ヒット作も生み出し、長くシリーズを続けてきた「X-MEN」シリーズの最後の作品がこれとは製作者側もファンもがっかりだろう。
【関連作品】
「X-メン(2000)」…シリーズ1作目
「X-MEN2(2003)」…シリーズ2作目
「X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)」…シリーズ3作目
「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)」…「ウルヴァリン」3部作の1作目
「X-MEN:ファースト・ジェレネーション(2011)」…シリーズ4作目
「ウルヴァリン:SAMURAI(2013)」…「ウルヴァリン」3部作の2作目
「X-MEN:フューチャー&パスト(2014)」…シリーズ5作目
「デッドプール(2016)」…「デッドプール」シリーズ1作目
「X-MEN:アポカリプス(2016)」…シリーズ6作目
「LOGAN/ローガン(2017)」…「ウルヴァリン」3部作の3作目
「デッドプール2(2018)」…「デッドプール」シリーズ2作目
「X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)」…シリーズ7作目
「ニュー・ミュータント(2020)」…スピンオフ
取り上げた作品の一覧はこちら
【予告編】
【ソフト関連】
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言語
├オリジナル(英語)
※日本語吹き替え版は収録されていません
音声特典
├ジョシュ・ブーン(監督)、ビル・シェンキェヴィチ(原作者)による音声解説
映像特典
├未公開シーン
├原作と映画
├5人のミュータント
├劇場予告編