【タイトル】
X-メン(原題:X-Men)
【Podcast】
Apple Podcastsはこちら
Google Podcastsはこちら
Spotifyはこちら
Anchorはこちら
Stand FMはこちら
【概要】
2000年のアメリカ映画
上映時間は104分
【あらすじ】
突然変異により超能力を得たミュータントたちが周囲から迫害を受ける近未来。体の傷を回復させる能力を持つウルヴァリンは、触れた者の力を奪う能力を持つローグと出会う。
【スタッフ】
監督はブライアン・シンガー
音楽はマイケル・ケイメン
撮影はトム・シーゲル
【キャスト】
ヒュー・ジャックマン(ローガン/ウルヴァリン)
パトリック・スチュワート(チャールズ/プロフェッサー)
イアン・マッケラン(エリック/マグニートー)
アンナ・パキン(マリー/ローグ)
ジェームズ・マースデン(スコット/サイクロップス)
ファムケ・ヤンセン(ジーン・グレイ)
ハル・ベリー(オロロ/ストーム)
【感想】
「X-メン」はマーベル・コミックが発刊するコミックで1969年に初登場し、後にアニメ化やゲームなど多くのメディアで登場していた。実写映画化の動きは1980年代からあったが、長い時を経て2000年にようやく実現した。全世界で3億ドル近い売り上げを記録したが、批評家からの評価はボチボチといったところに留まった。
当然シリーズ化を見込んでの第1作ということなので、振り返って本作を見るとやはりキャラクターの紹介という意味合いが大きく、映画としてエンジンがかかり始めたところで終わったような印象はある。これほどのキャラクターが登場したのに、映画の上映時間は実質1時間半程度とかなり圧縮されている(映画化に向けてかなり多くの脚本家が携わったようだ)。
本作の始まりは、1944年のポーランドからである。ご存知のように、ナチスドイツはユダヤ人などを収容所送りにして、アーリア人以外の人種を絶滅させようとしていた。本作がメインで描く時代では人間の進化したミュータントを人間が迫害しようという世界になっている。当然のことながら、アメリカのみならず全世界において、人種や性におけるマイノリティが迫害されてきた歴史はあり、現在進行形の問題でもある。そういったマイノリティたちを受け入れるコミュニティがあったり、マイノリティ同士で意見が異なり時に暴力という手段に出る者がいたりするところはリアリティがあるところだ。また、冒頭に登場したマグニートー少年が成人した姿をイアン・マッケランが演じている。彼は1988年にゲイであることを公表し、LGBT援護運動に積極的に関与している俳優でもある。そういった人物をキャスティングすることにも意義を感じるし、何と言ってもヒュー・ジャックマンはオーストラリア出身、パトリック・スチュワートとイアン・マッケランはイギリス出身、ファムケ・ヤンセンはオランダ出身、アンナ・パキンはニュージーランド出身、アイスマンを演じたショーン・アシュモアはカナダ出身と非常に国際色豊かなのもアメリカという国の成り立ちを思わせるところがある。ただ、この当時だからこういったメンツだが、おそらく20年も後に製作されていれば、ヒスパニック系やアジア系などの俳優がキャスティングされたことだろう。
ミュータントでもマグニートーはかなりの強硬派。政府の要人の集まる場所で人間をミュータントに変えようとしている(このエピソードは3部作の最終章「X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)」で真逆のエピソードとして回収される)。それを同じミュータントのプロフェッサーらが阻止するお話となっている。あくまでミュータント内での内輪揉めみたいな感じになっており、人間側にキーキャラクターが必要だったと感じる(その問題は次回作「X-MEN2(2003)」で解消される)。
後のシリーズ化やスピンオフなど多くの作品を生み出す最初の作品として、キャラクター紹介もできているので及第だろう。ただ、アクションシーンはやや地味でクライマックスも明るくない場所で展開されるのでやや物足りなさは感じる。
【音声解説】
参加者
├ブライアン・シンガー(監督)
├ブライアン・ペック(脚本)
上記2名による対話形式の音声解説。解説の終盤で次回作「X-MEN2(2003)」の撮影があと1ヶ月であると話しているので、2002年10月頃に収録されたものと思われる。ブライアン・シンガー監督は原作ファンではないがSF映画を撮りたいと思い本作の企画に携わった話、オープニングから序盤をどう描くかについて考えた話、ヒュー・ジャックマンが撮影1か月半前にキャスティングされた話、アメリカ人以外の俳優が多数参加している話、実写とCGの違いや、CGを学ぶために「タイタニック(1997)」や「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(1999)」のセットを訪れて学んだ話、予算が足りずに断念した箇所の話、ラストのチェスの場面でパトリック・スチュワートもイアン・マッケランもチェスをしたことがなくわざわざチェスの名人を呼び寄せた話など聞き応えは十分にある。
【関連作品】
「X-メン(2000)」…シリーズ1作目
「X-MEN2(2003)」…シリーズ2作目
「X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)」…シリーズ3作目
「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)」…「ウルヴァリン」3部作の1作目
「X-MEN:ファースト・ジェレネーション(2011)」…シリーズ4作目
「ウルヴァリン:SAMURAI(2013)」…「ウルヴァリン」3部作の2作目
「X-MEN:フューチャー&パスト(2014)」…シリーズ5作目
「デッドプール(2016)」…「デッドプール」シリーズ1作目
「X-MEN:アポカリプス(2016)」…シリーズ6作目
「LOGAN ローガン(2017)」…「ウルヴァリン」3部作の3作目
「デッドプール2(2018)」…「デッドプール」シリーズ2作目
「X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)」…シリーズ7作目
「ニュー・ミュータント(2020)」…スピンオフ
取り上げた作品の一覧はこちら
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
映像特典
├未公開シーン集
├ブライアン・シンガー監督のインタビュー
├TVスポット集
├サウンドトラック・プロモーション
├オリジナル劇場予告編集
├X-MEN特番:『ミュータントを警戒せよ』
├メイキング映像
├ヒュー・ジャックマンのスクリーン・テスト
├アニメーション・ストーリーボード集
├アート・ギャラリー(キャラクター・デザイン/プロダクション・デザイン)
├『タイタンA.E.』ビデオ予告編
├隠しコマンド
<DVD(2枚組/アルティメット・エディション)>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ブライアン・シンガー(監督)、ブライアン・ペック(脚本)による音声解説
映像特典(Disc1)
├未公開シーン集
├舞台裏映像
映像特典(Disc2)
├ブライアン・シンガーによるイントロダクション
├メイキング集
├アート・ギャラリー
├ストーリーボード集
├アニメーションVS実写
├「X-MEN2」劇場予告編
├「デアデビル」オリジナル予告編
<DVD(2枚組/新生アルティメット・エディション)>
本編(5種)
├通常
├未公開シーン付き
├未公開シーン+舞台裏映像付き
├ブライアン・シンガー(監督)による音声解説付き
├未公開シーン+音声解説付き
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
映像特典(Disc2)
├ブライアン・シンガーによるイントロダクション
├エボリューションX
├X-MENに命を吹き込む作業
├X-ファクター
├X-MENの特殊効果
├制作クルーのスクラップ・ブック
├X-MENの特殊効果
├X-MENの反響
├X-MEN2製作現場からプレヴュー
├劇場予告編集
<BD>
本編(5種)
├通常
├未公開シーン付き
├未公開シーン+舞台裏映像付き
├ブライアン・シンガー(監督)による音声解説付き
├未公開シーン+音声解説付き
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
映像特典
├『X-MEN』への軌跡(ピクチャー・イン・ピクチャー)
├イン・ムービー・ギャラリー
├未公開シーン集
├X-メン特番:『ミュータントを警戒せよ』
├ブライアン・シンガー監督のインタビュー
├アニメーション・ストーリーボード集
├アート・ギャラリー
├TVスポット集
├サウンドトラック・プロモーション
├マーベル・ユニバース予告編集
├隠しコマンド
<4K ULTRA HD+BD2枚>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え(2種)
├ソフト版
├テレビ朝日版
※テレビ朝日版の吹替は4K ULTRA HDのみの収録
音声特典
├ブライアン・シンガー(監督)、ブライアン・ペック(脚本)による音声解説
映像特典(BD1枚目)
├上記BDと同様
映像特典(BD2枚目)
├上記2枚組DVD(新生アルティメット・エディション)のDisc2と同様