【作品#0515】ウルヴァリン:SAMURAI(2013) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ウルヴァリン:SAMURAI(原題:The Wolverine)

 

【Podcast】


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【概要】

2013年のアメリカ映画
上映時間は126分
※エクステンデッド・エディションは138分

【あらすじ】

長崎の原爆からローガンによって救われた矢志田は、年老いて死が迫っていた。矢志田は部下のユキオを使ってローガンを東京に呼び寄せる。

【スタッフ】

監督はジェームズ・マンゴールド
音楽はマルコ・ベルトラミ
撮影はアミール・モクリ

【キャスト】

ヒュー・ジャックマン(ローガン/ウルヴァリン)
TAO(マリコ・ヤシダ)
福島リラ(ユキオ)
真田広之(シンゲン・ヤシダ)
ファムケ・ヤンセン(ジーン・グレイ)
パトリック・スチュワート(チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX)※ノンクレジット
イアン・マッケラン(エリック・レーンシャー/マグニートー)※ノンクレジット

【感想】

「X-MEN」シリーズ通算6作目で、「ウルヴァリン」3部作の2作目。全世界で4億ドルを超えるヒットとなったが、舞台となった日本では8億円程度の売り上げにとどまった。また、当初はダーレン・アロノフスキーが監督を務める予定だったが、長期海外ロケを懸念して降板して、ジェームズ・マンゴールドが監督を務めることになった。そのジェームズ・マンゴールド監督とヒュー・ジャックマンは「ニューヨークの恋人(2000)」以来のタッグとなった。

「ウルヴァリン」3部作の2作目だが、前作「ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)」とは関係のない独立した作品らしい。それを知らなければ、本作の冒頭は前作で描いたメインの時期より前なので、「セイバートゥースは?」となるはずだ。そして、本作の描く現代は「X-MEN」3部作の後の話にまで飛躍する。

ミュータントの出てくる世界観なので何でもありに感じるが、それでもやはりロボットが出てくると「それは違うんじゃない」と思ってしまう。さらに、本作はそもそもミュータント自体がほとんど出てこない。その中でも、Dr.グリーン(ヴァイパー)はかなり重要なキャラクターなのだが、扱いも雑だし、キャラクターとしての印象もかなり薄い。

さらに物語を日本に移す契機となるヤシダという男だが、ウルヴァリンに命を助けてもらったのに、死に際になってわざわざ呼び寄せて「死ぬことができないのはつらいだろう」と言って殺そうとする。なぜ恩を仇で返すようなことをするのか。ヤシダがなぜこう考えてこういった行動をしたのかの心情もさっぱり理解できない。

そもそも日本が舞台である理由もいまいち伝わってこない。原作でも日本を舞台にした話はあるそうだが、この物語を日本でやる理由はいくらでも付け足せたとは思うのだが、少し考えても思いつかない。なぜウルヴァリンは日本軍に捕まったのか。なぜウルヴァリンが原爆の爆破からヤシダを守っただけで放射能の被害などをヤシダが受けていないのか。冒頭のちょっとしたシークエンスだけで疑問だらけである。さらに、おかしな日本が登場するのも仕方ないが、割と真面目にドラマを作り上げようという意識が見えてしまうものだから、どうもアンバランスに感じる。

日本人だからこそ、見覚えのある場所で登場人物が瞬間移動してしまうおかしさや変な日本観を突っ込みながら見るには良いかもしれないが、日本である意義を感じない物語になってしまうなら、まだアメリカ内で完結する話にして作った方がよっぽど気にならずに済んだと思う。残念ながら、2000年に始まる実写版「X-MEN」シリーズでは最低の出来。

【関連作品】


X-メン(2000)」…シリーズ1作目
X-MEN2(2003)」…シリーズ2作目
X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)」…シリーズ3作目
ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)」…「ウルヴァリン」3部作の1作目
X-MEN:ファースト・ジェレネーション(2011)」…シリーズ4作目
「ウルヴァリン:SAMURAI(2013)」…「ウルヴァリン」3部作の2作目
X-MEN:フューチャー&パスト(2014)」…シリーズ5作目
デッドプール(2016)」…「デッドプール」シリーズ1作目
X-MEN:アポカリプス(2016)」…シリーズ6作目
LOGAN/ローガン(2017)」…「ウルヴァリン」3部作の3作目
デッドプール2(2018)」…「デッドプール」シリーズ2作目
X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)」…シリーズ7作目
ニュー・ミュータント(2020)」…スピンオフ



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【予告編】

 

 

【ソフト関連】

 

下記のように本作のソフトは様々なタイプが発売されている。3Dで見たければ対応Discが収録されているものを、エクステンデッド・エディションが見たければ4枚組を購入しなければならない。

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声/映像特典

├なし

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

映像特典

├映画化までの道のり

  ├映画化の実現

  ├製作秘話

  ├キャスト&スタッフ

  ├ヒュー・ジャックマンの挑戦

  ├ウルヴァリンの進化

├オリジナル劇場予告編

├もうひとつのエンディング

├「X-Men: Days of Future Past(原題)」セットツアー

├セカンド・スクリーン

 

<BD(2枚組(3D+2D))>

 

本編

├3D(Disc1)

├2D(Disc2)

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

映像特典

├上記BDと同様

 

<BD3枚(3D1枚+2D2枚)+DVD1枚>

 

本編

├3D(Disc1/BD)

├劇場公開版(Disc2/BD)

エクステンデッド・エディション(Disc3/BD)

├劇場公開版(Disc4/DVD)

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

ジェームズ・マンゴールド(監督)による音声解説※エクステンデッド・エディションのみ収録

映像特典

├上記BDと同様※Disc2にのみ収録