グラズノフ  バレー音楽 『四季』 作品67 (1899年) | クラシックばっか 時空間

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 今日 2月19日は、グラズノフ(グラズーノフ)のバレー音楽『四季』作品67(1899年)が初演された日である。

 アレクサンドル・コンスタンティノヴィチ・グラズノフ(1865~1936)はロシア帝国末期およびソビエト連邦建国期の作曲家であり、音楽教師・指揮者である。

 

1906~17年にかけてペテルブルク音楽院の院長を務め、ペトログラード音楽院およびロシア革命後のレニングラード音楽院への組織改革をおこなった。

 

1930年まで音楽院長の肩書きは残っていたが、1928年にソ連を出国してからというもの、再び帰国することはなかった。

 

 

 グラズノフは、ロシア楽壇における民族主義(ペテルブルク楽派)と国際主義(モスクワ楽派)を巧みに融和させることにおいて重要な役割を果たした。

 

グラズノフはバラキレフ(1837~1910)の国民楽派の直系であるが、ボロディン(1833~1887)の叙事詩的な壮大さ、リムスキー=コルサコフ(1844~1908)の巧みな管弦楽法、チャイコフスキー(1840~1893)の抒情性、タネーエフ(1850~1918)の対位法の腕前(うでまえ)など、他の多く作曲家の影響を受け、吸収した。

 弟子である新進気鋭の作曲家のセルゲイ・プロコフィエフ(1891~1953)やショスタコーヴィチ(1906~1975)は、グラズノフの作品は時代遅れだとみなしていた。

 

しかしそれでもグラズノフが、国内情勢の変化と激動の時期において、依然として際立った名声と不動の影響力をもった芸術家であるということは認めていた。

 

  作品は、8つの交響曲とその他多数の管弦楽曲、5つの協奏曲、7つの弦楽四重奏曲、2つのピアノ・ソナタとその他のピアノ曲など、さまざまな器楽曲のほか、歌曲を作曲している。

 

 

  今日ご紹介する バレー音楽『四季』作品67 はアレクサンドル・グラズノフが1899年にマリウス・プティパ(帝政ロシアで活躍したフランス人で、バレエダンサー・振付師・台本作家) の依頼で作曲した1幕4場のバレエ作品である。

 

初演は1900年の今日(2月19日)、サンクトペテルブルクのエルミタージュ劇場にて、リッカルド・ドリゴ指揮、プティパの演出で行われた。

 

  冬に始まり秋で終わる4つの季節から構成され、物語性は特に無いが、自然の情景を表現している。

I .冬
  1. Introduction  (序奏)
 2. Four Variations  (4つの変奏曲)
 3. Frost  (霜)
 4. Ice    (氷)
 5. Hail   (霰(あられ))
 6. Snow (雪)
 7. Coda (終結部)

 

Ⅱ.春
 8. Scene(情景)

 

Ⅲ.夏
 9. Scene(情景)
 10. Waltz Of The Cornflowers & The Poppies
    (矢車菊とケシのワルツ)
 11. Barcarolle(舟唄)
 12. Variations(変奏曲)
 13. Coda(終結部)

 

Ⅳ.秋
 14. Bacchanale & Appearance Of The Seasons
  (Winter-Spring-Bacchanalian Dance-Summer)
     乱舞と四季の様子(お祭り騒ぎの冬と春 - 夏の踊り)
 15. Adagio(アダージョ)
 16. Scene & Apotheosis (情景と神格化)

 

(※春と夏の部分の最初は楽曲構成の上からは区別される部分であるが、一連の連続的な流れとして形成(演奏)される。)


    ↓ リンク(URL)をクリックしてお聴きください。↓
                        (演奏時間:約38分)

■■ バレー音楽『四季』作品67(1899年)□ Lenárd conducts Glazunov - The Seasons (complete ballet) - YouTube

 

20190218

エルネスト・アンセルメ指揮 スイスロマンド管弦楽団



□参考□(演奏はともかく、冬春夏秋がとてもわかりやすく紹介されています。)
■参考■ バレー音楽『四季』作品67(1899年)□ Glazunov - The Seasons - YouTube