北朝鮮の法律にはアメリカ、韓国、日本が核兵器による攻撃対象であることが明記されているらしい。
このままウクライナ紛争をこじらせていけば、北朝鮮が日本や韓国に向けて核兵器による先制攻撃を仕掛けてくる可能性が高まってくるのかもしれない。
つまり、核兵器を使用したくないロシアが北朝鮮に何らかの形でやってもらうという線もあるのかもしれない。
(北朝鮮が韓国と日本に勝利するには先制核攻撃でもやるしかないが、現時点で北朝鮮がそこまでやる動機があるとも思えない。北朝鮮はNFUを宣言しておきながら「先制核打撃」を公言しているが、それは北朝鮮が2つの戦争を想定しているからだという研究レポートがある。)
ロシアとウクライナの紛争は第二次世界大戦のような激しい戦闘になっているため、アフガニスタン紛争のような10年や20年といった長期にわたる戦いにはなり得ず、ある時期に一気に決着をつけるのか、それともとりあえず休戦し、紛争としては長期化するということになるのか、そのどちらかになるのだろう。
つまり、軍事資源が続かないのだからそうならざるを得ない。
休戦せずに攻撃の手を緩めれば相手に領土を取られてしまうし、今のペースで戦闘を続ければ弾切れになって核兵器使用に踏み切ることになってしまう。
今のNATOがやっていることは、ロシアがどうしても核攻撃をせざるを得ない状況へと追い込んでいっているようにしか見えない。(NATOとロシアのプロレスでもなく、決着をつけるわけでもなく、NATOがロシアに悪役を演じさせてウクライナを滅ぼそうとしている。)
それを避けたいロシアとしては、イスラエル・パレスチナや朝鮮半島などで戦争状態になり、アメリカの軍事資源や世間の関心がウクライナから他の地域へ移ることが望ましいのだろう。
テレビ朝日では
「国際社会がウクライナに注力しないように仕向けること。これが今のプーチン政権の外交方針の中心的な課題となっていることは間違いない。」
という記事を載せているが、確かにNATO(特にアメリカ)の軍事資源がウクライナに集中しないような状況になればロシアにとっては好都合になる。
実際、アメリカは既に空母打撃群をイスラエル沖に派遣しており、イスラエルが必要な武器を提供すると表明している。
また、ロイターには数日前に「北朝鮮による核実験の可能性は否定できない」とする記事が出ているが、近いうちに7回目の核実験に踏み切るのかもしれない。
【参考】
アメリカ国防総省は2023年10月10日、イスラム原理主義組織「ハマス」によるイスラエルへの大規模な攻撃を受け、同国を助けるために空母「ジェラルド・R・フォード」を中心とした艦隊が東地中海に展開するよう命令を下したと発表しました。
ロイド・オースティン国防長官は、アメリカはイスラエルを支持すると明言しており、すでにイスラエルのヨアヴ・ガラント国防大臣と話をして、イスラエルが自衛するのに必要な武器を援助する用意があると回答したそうです。
【参考】
北朝鮮の最高指導者である金正恩は、2013年に「経済建設と核武力建設の並進路線」をみずからの総路線とする談話を発表し、核保有の恒久化を宣言した。また、2016年以降、北朝鮮が核保有国であることを正式に認めている。2013年4月、北朝鮮は「自衛的核保有国の地位をより強固にする法律」を採択し、「敵対的核保有国」であるアメリカ、米韓相互防衛条約を結んでいる韓国、日米安全保障条約を結んでいる日本を「核兵器による攻撃対象」に定めた。
【参考】2023年10月5日の記事
【参考】2023年03月29日の記事
【参考】
【参考】2021年3月26日の記事
北朝鮮が約1年ぶりに弾道ミサイルを発射したのは、バイデン米政権の出方を探る狙いがあるとみられる。使用したのはトランプ前大統領が米本土に届かないため問題視しなかった短距離弾道ミサイルだが、新政権も国連安全保障理事会決議に反する挑発を黙認すれば、国際協調や日米韓の安全保障協力を重視する新政権の基本理念を踏み外しかねない。
北朝鮮は21日にも、中部の平安南道・温泉から巡航ミサイルと推定される2発を発射。米韓政府が「国連決議に違反する弾道ミサイルでない」(米政府高官)として静観姿勢を示すと、短距離弾道ミサイルを発射して挑発の度合いを強めた。
一方で、米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射は2017年11月から自制している。トランプ氏がICBMさえ発射しなければ、同盟国の日本と韓国が射程に入る近距離弾道ミサイルを発射しても問題視しなかったためとみられる。
【参考】
(CNN) ベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、ウクライナに武器を供与することで米国がロシアを核兵器の使用に踏み切る状況へと追い込んでいるとの認識を示した。
南西部ブレスト州にある軍の施設の視察中、ルカシェンコ氏は「あくまでも私見だが、米国人がロシア人を追い込んで、最も恐ろしい兵器を使わせようとしている印象を持っている。彼らはウォロディミル・オレクサンドロビチ・ゼレンスキーと彼の軍隊を武装し、長距離ミサイルを供与する。300キロ飛べるミサイルまで与えている」と語った。
その上で、もしそうしたミサイルがロシアの領土に撃ち込まれれば、ロシア政府は反撃せざるを得なくなると指摘。反撃は核兵器による極めて大規模なものになるとの見方を示唆した。
ルカシェンコ氏によれば、国同士の対立の激化はロシアに核の使用を促すが、米国人は自分たちの安全に不安を感じていないという。「なぜなら彼らは海の向こう側にいるからだ」
ルカシェンコ氏によれば、米国がウクライナに反転攻勢のペースを上げるよう求めるのは、ウクライナの戦場での勝利を利用してバイデン大統領の支持率を引き上げる狙いがあるためだという。
「政治的な状況から、この戦争はバイデン氏や米政権の権威を高めていない。彼(バイデン氏)は既にあらゆる世論調査で敗北している。彼には何らかの勝利が必要だ。勝つためには何かを提示してみせる必要がある」(ルカシェンコ氏)
・追記
【参考】
振り返ってみれば、2013年3月末日に金正恩が党中央委全員会議で行った演説は、北朝鮮が朝鮮半島で起きうる二つの戦争を想定し、それぞれについての核使用の原則をもつことを示唆していた。その一つは、ブッシュ(子)政権により公言された「先制攻撃論」のような米国からの直接の核攻撃である。もとより、北朝鮮が米国との核戦争を戦い抜くことを考えているわけではない。北朝鮮は最初の核実験以来、核先制不使用(NFU)を宣言し、その後もそれに相当する宣言を行っていたが、そのとき想定された戦争とは米国からの直接の核攻撃であった。北朝鮮は爆発力を高めるべく核実験を繰り返しつつ、米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、2017年11月の「火星-15」の発射では「国家核戦力の完成」を謳い上げたが、NFUと第1撃を受けた後も残存する秘匿化された第2撃能力でニューヨーク、ワシントンなど人口稠密な大都市に対価値攻撃を行う抑止態勢は、インドなどで公式化される最小限抑止に相当する。金正恩がこの演説で言及した「戦争抑止戦略」は、最小限抑止と同義と考えてよい。
他方、北朝鮮は冷戦期からみられた南北間の武力衝突に米軍が介入してエスカレートする核戦争も想定している。ただし、通常兵力で米韓連合軍に対して劣位に立つ朝鮮人民軍に戦争勝利は望めない。したがって、北朝鮮は南北間の武力衝突が発生したとき、そこに米軍が介入してエスカレートすることを抑止するために核使用を考えなければならない。米韓連合軍に核がないことを考えたとき、それは核先制使用となるが、ソウルなどの人口稠密な大都市を標的にするよりは、在韓米軍の軍事施設、司令部などの狭小な標的に命中させる能力を示すことで、米国に介入を躊躇させることを目的とする。そこで核兵器は、米軍の介入を阻止するための作戦に組み込まれる形で使用される。この演説で金正恩が言及した「戦争遂行戦略」とは、「エスカレーション阻止」に相当する。
北朝鮮はこれら二つの核抑止態勢を同時に追求している。金正恩の発言、あるいは党機関紙などの公式文献が、NFUを宣言する一方で「先制核打撃」を公言するのは、曖昧性を意図しているのではなく、そもそも北朝鮮が二つの戦争を想定し、それぞれに異なる核使用の原則を掲げているからに他ならない。二つの核使用原則は、2021年1月の第8回党大会での金正恩による報告でも貫かれていた。ここで金正恩は、「侵略的な対外勢力がわれわれを狙って核を使用しない限り、核兵器を濫用しない」と述べる一方、「万が一、いかなる勢力であれ、わが国家の安全を脅かしたら、われわれを標的にして軍事力を使用しようとしたら、私はわれわれの最も強力な攻撃的な力を先制して総動員して膺懲する」として、核先制使用の立場を明らかにしていた。
【参考】
短距離弾道ミサイル(たんきょりだんどうミサイル、英語: short-range ballistic missile, SRBM)は、弾道ミサイルのうち射程が概ね1,000km以下のもの。準中距離弾道ミサイルとの差異は射程がやや短いのみで、厳密な区分はない。ただし、そのうち核弾頭を持つもので射程500km以下のものは戦術核兵器に分類され、500kmを超える射程を持つものは、中距離核戦力全廃条約の対象となっており、それぞれ別の核軍縮条約により制限及び撤廃されている。