本来であればアメリカは去年の時点でリセッション入りしていたのだが、一見するとなぜか経済は好調だった。

バイデン政権が行っていたことは巨額の「債務発行ラッシュ」によってわずかな延命をしていただけであり、それは「100日ごとに1兆ドルずつ急増」するという恐ろしい債務増加ペースで「ステルス景気刺激策」を続けるというものだった。

イーロン・マスク氏が率いるDOGEは「この債務時限爆弾を解除すること」に取り組んでおり、「破滅的な傾向を元に戻すプロセスは、必然的に景気後退をもたらす」とZeroHedgeでは語られている。

ベッセント財務長官は「メディアがバイデン政権下で経済は好調だと国民を誤解させていたこと」について、フェイス・ザ・ネイション説明している。

「市場と経済は過剰な政府支出にとりつかれて中毒になっており、デトックス期間がやってくるだろう」とベッセント財務長官が述べているように、今後は中毒患者と化したアメリカ経済が正常に戻るまで毒抜きをする期間が必要になるようだ。

また、トランプ大統領も以前と似たフレーズで今後のアメリカ経済について自身のSNS(Truth Social)で語っているが、その内容は

「これはアメリカの黄金時代となるだろう!痛みはあるだろうか? ええ、あるかもしれない(ないかもしれない!)」

「我々はアメリカを再び偉大な国にする。そして、それは支払わなければならない代償に見合う価値があるだろう

というものであり、「痛み」や「代償」という文言が付け加えられている。

そして、FOXニュースでのインタビューでは、今年の不況を予想しているかと聞かれたことに対して

「そのようなことを予測するのは嫌いだ」

「移行期がある。我々がやっていることは非常に大きなことだからだ。我々はアメリカに富を戻している。それは大きなことだ。そして、常に少し時間がかかる時期がある。少し時間がかかる。しかし、我々にとって素晴らしいことだと思う。本当に素晴らしいことだと思う」

https://x.com/Acyn/status/1898739018348847516

と答え、一定の期間を経て、「本当に素晴らしいこと」があるらしい。

さらに、株式については次のように述べている。

多少の混乱は起きるかもしれない。株式市場を実際に監視することはできない。中国を見れば、彼らは100年の展望を持っているが、我々は四半期ごとに見ている。我々がやっているのは、未来のための基盤を築くことだ。」

これはバイデン政権時に巨大バブルと化した株式市場が調整入りすることを暗示するようなものであり、トランプ政権は目先の株価や操作されたGDP成長率などではなく、「未来のための基盤を築くこと」に重点を置いているようだ。

バイデン政権が行ってきた経済政策は後で必ず反動が出るやり方だったため、現政権がそのツケを払うことになるのは仕方ないのだろう。

 

【参考】2025年3月11日の記事(現地時間)

1か月前、イーロン・マスクのDOGEが政府の資金洗浄機構からどれだけの資金を削減しているかを初めて認識したとき、私たちは(当時)物議を醸す観察をしました。それは、(ディープステートが洗浄した)多額の資金が経済から流出しようとしているため、米国はまずワシントンDCマイケル・ハートネットらがその後確認した)、その後米国全体で不況に陥るだろうというものでした。

我々は、特にトランプ支持者からの反発の大きさに驚いた。しかし、これは政権に就いてまだ数週間しか経っていない新政権に対する批判を意図したものではなかった。むしろ、米国経済がずっと以前に不況に陥らなかった唯一の理由は、 2023年夏に初めて説明したバイデンの前例のない債務発行ラッシュ(「バイデンノミクスの背後にある1兆ドルの「ステルス景気刺激策」とは」を参照)のせいであり、米国の債務は100日ごとに1兆ドルずつ急増したと、我々はずっと前に説明していた。

しかし、今やその借金パーティーは終わりを迎えつつあるようだ。

当然ながら、この債務時限爆弾を解除することこそが、まさにイーロン・マスクが着手したことであり、バイデン政権下で頂点に達したすべての破滅的な傾向を元に戻すプロセスは、必然的に景気後退をもたらすだろう(債務の山が記録的な急上昇を続けるのを許したことが、避けられない経済減速を遅らせた唯一のものであったのと同じように)。

(中略)

まず、トランプ大統領の財務長官スコット・ベッセント氏が先週、フェイス・ザ・ネイションで、メディアがバイデン政権下で経済は好調だと国民を誤解させていたこと、そしてトランプ政権が誕生して雰囲気が急変したことを(正しく)説明した。もちろん、彼の主張は、トランプ氏が自ら経済を批判できるほど長く政権に就いていないということだ。

https://x.com/Breaking911/status/1896288837506060399
数日後、ベッセント氏は、バイデン氏の最後の数年間に経済がなぜ「好調」だったのかについても説明した。同氏は基本的に、2年前に私たちが「バイデン経済の背後にある1兆ドルの「ステルス景気刺激策」とは」で述べたことを繰り返した。その記事では、米国経済が崩壊しなかった唯一の理由は、政府が100日ごとに1兆ドルの債務を発行していたためだと説明した。ベッセント氏の言葉を借りれば、「市場と経済は過剰な政府支出にとりつかれて中毒になっており、デトックス期間がやってくるだろう」ということだ。

https://x.com/realdogeusa/status/1898199240033370488

これは、トランプ政権のハワード・ラトニック商務長官が、Fox Newsに対し、技術的景気後退を回避するために、政府支出をGDP報告から切り離すことを検討していると語った理由も説明している。これは、イーロン・マスクのDOGEが推進する支出削減が景気後退を引き起こす可能性があるかどうかという質問(ここで初めて提起された)に対する回答である。「ご存知のように、政府は歴史的にGDPを操作してきました」とラトニック長官はFox News ChannelSunday Morning Futuresで述べた。「政府は政府支出をGDPの一部としてカウントしています。ですから、私はこの2つを切り離して透明性を確保します。」

トニック氏の発言は、政府支出は経済に価値を生み出さないというXに関するマスク氏の主張を反映したものである。GDPをより正確に測定するには、政府支出を除外する必要があるとマスク氏はXについて書いている。「そうしないと、人々の生活を向上させない物事にお金を使うことで、GDPを人為的に高く拡大してしまう可能性がある」 ラトニック氏の見解はもう少し微妙ではあったが、同じ方向性で「政府が戦車を購入すれば、それはGDPだ。しかし、戦車購入について考えるために1,000人の人々にお金を払うのはGDPではない。それは無駄な非効率であり、無駄なお金だ。そして、それがGDPに表れている間は、それを削減してなくすつもりだ」と述べた。

(中略)

ゴールドマンのデルタ・ワン取引責任者リッチ・プリボロツキー氏は、景気後退前のこうした発言について、「債務の持続可能性と支出(コロナ禍で加速した)の長期的な不均衡に対処しようとするのは称賛に値するが、これが短期的な経済的影響を及ぼさないとは考えにくい」と述べ、事実上、1か月前にわれわれが述べたことを繰り返した。 ラボバンクは、「トランプ大統領は今のところ株式について言及しておらず、ワシントンからの発表では、彼らの焦点はウォール街ではなくメインストリートにあり、少なくとも今後6~8か月は「混乱」を容認する用意があり、それをバイデン氏のせいにし、トランプ大統領が考えるGDPの目的に基づいた成長を可能にする枠組みを整えるつもりだという」とさらに明確に述べている。 しかし、おそらく、米国が現在、非常に痛みを伴う明らかな「フェーズシフト」を経験していると最もうまく説明したのは、野村のチャーリー・マケリゴット氏だっただろプロのサブスクライバーにはいつもの場所で全文が利用可能

私の言うことを鵜呑みにしないでください。彼らは戦略をあなたに伝えているのです。そして、私たちが「景気後退を仕組む」中で、「フェーズシフト」は痛みを伴う部分となるでしょう。

スコット・ベッセント財務長官は昨日、ニューヨーク経済クラブで「官民一体」と「ウォール街>>メインストリート」という米国の成長と富の不平等のリセットのテーマについてさらに熱心に語った(制裁から銀行や規制の役割まであらゆることに関する他の質の高い洞察の中で…しかしそれはまた別の機会に)。

(中略)

これらすべてをまとめると、浮かび上がってくる状況は明らかです。私たちが1か月前に言ったことは正確であり、米国を積極的に不況に追い込むわけではないかもしれませんが、トランプ氏とベッセント氏は間違いなくそれを歓迎するでしょう(特に中間選挙が近づいているため)彼らには、私たちが最初に説明したように、長い間経済を浮揚させてきたバイデン政権とその膨大な債務増加を非難する数か月の猶予があることを知っているからです...

....そして経済と市場がリセットされれば、おそらく景気後退が起きれば介入せざるを得ない議会からのさらなる巨額の財政刺激策の恩恵を受けて、経済と市場は2026年11月の中間選挙に向けて一気に浮揚し、たとえ近い将来にかなり深刻な痛みを伴うとしても、共和党の権力掌握がさらに強固なものとなるだろう。

https://www.zerohedge.com/economics/trump-trying-push-us-recession

https://indeep.jp/trying-to-push-usa-into-a-recession/

 

 

 

 

 

※トランプ大統領は9日のFOXニュースでは、今年の不況を予想しているかと聞かれたことに対して「そのようなことを予測するのは嫌いだ」と答えていたが、11日のホワイトハウスではリセッションを「全く予想していない。この国は好景気になるだろう」とコメントしている。しかし、さすがに今年のアメリカ経済、世界経済が力強い成長をしていくということはないはずであり、大なり小なりリセッションはあるのだと思われる。また、ベッセント財務長官は13日、CNBCのインタビューで「市場が大きな調整局面を迎えやすいことは知っている」「我々が注目しているのは実体経済だ」と発言しており、株式市場よりも中長期的に見た実体経済を重視しているらしい。さらに、「いまは無駄な歳出や規制を削減する『デトックス(解毒)』期間だ」と説明している。今後のアメリカ経済は少なくともその期間中は巨大バブルになってしまった株式市場、巨額の財政支出による一時的な景気下支え、見せかけのGDP、といったことに関しては大幅な調整があるようだ。バイデン前大統領は去年、「経済学者の間で『財政支出をしてもしすぎることはない』との圧倒的合意がある」と語っており、自らの財政出動を正当化しているが、その付けが現政権に回ってきており、恐らく「経済学者」の認識は甘かったのだろう。

バイデン氏、経済で足跡残したが… 巨額の財政出動、大きかった代償 [アメリカ大統領選挙]:朝日新聞

 

(大統領や財務長官という立場なのだから、「私はこれから深刻なリセッションに陥ると思う」とか、「私はこの難局を乗り切ることは非常に困難だと思う」といったことを言うはずはなく、立場上、当然のことを言っているのだろう。)

 

【参考】2025年3月12日の記事

トランプ米大統領は11日、関税政策が米経済を低迷させるとの懸念で株式相場が急落したことを深刻視しない考えを示し、米国がリセッション(景気後退)に陥るとは予想していないと述べた。

  トランプ氏はホワイトハウスで、リセッションを「全く予想していない。この国は好景気になるだろう」とコメント。相場は上昇したり下落したりするが、「われわれは国を再建しなければならない」と付け加えた。

  金融市場は3週間にわたり不安定な展開が続き、11日の取引では、米最大の貿易相手国カナダに対する新たな関税引き上げの可能性を大統領がちらつかせたのを受け、株価が下落。S&P500種株価指数は一時、2月の高値から10%下落する場面もあったが、買い注文が入り下げ渋った。

  その後、トランプ氏がカナダに対する50%の鉄鋼・アルミニウム関税の警告を見直す意向を示したことで下げ幅縮小につながったものの、S&P500種はなお前日比マイナス圏で取引を終えた。

最近の相場急落の背景には、関税導入や連邦政府の支出・職員の大幅削減で米経済が厳しい局面を迎える可能性があるとの大統領や政府高官の警告があった。トランプ氏は9日にFOXニュースが放送したインタビューでリセッションの可能性を否定しなかった。

  トランプ氏は長らく市場を、自身の経済政策の正当性を映す尺度とみなしてきたが、ここ数週間はそれを重要視せず、11日も引き続きそうしたスタンスを維持した。

  市場の不安定さについて問われたトランプ氏は「いや、気にしていない」と答え、「株式や債券など、あらゆるものを買うことで、一部の人々が大きな利益を得ることになると思う。偽りの経済ではなく、真の経済が生まれるだろう」と語った。

トランプ米大統領、リセッション予想せず-市場混乱は気にしない - Bloomberg

 

【参考】2025年3月14日の記事

【ワシントン=高見浩輔】ベッセント米財務長官は13日朝、米CNBCのインタビューで急落した株価について「3週間程度の変動は気にしていない」と述べた。市場は短期的な調整に入っているが、中長期的には米経済が新たな好循環に入ると説明した。

市場に35年間も関わってきたとして「市場が大きな調整局面を迎えやすいことは知っている」と指摘。「我々が注目しているのは実体経済だ」と強調したうえで、連邦議会指導部と調整している減税法案も夏場には作業が完了すると見通しを述べた。

ベッセント氏は「持続不可能な水準の政府支出から移行を迫られている」と述べ、いまは無駄な歳出や規制を削減する「デトックス(解毒)」期間だとの説明を繰り返した。「適切な政策を導入すれば、実質所得と雇用が増え、資産が継続的に増える基盤を築くことができる」と自信を示した。

関税など政策の不透明さが株安の原因ではと問われると、貿易相手国と同じ水準まで関税を引き上げる「相互関税」は相手国の判断によっては関税をお互いに引き下げる動きにもつながると解説した。

実際には、トランプ政権が一方的に引き上げた関税を巡って欧州連合(EU)やカナダが相次ぎ報復措置を打ち出すなど貿易戦争の様相となっている。

米財務長官、株価急落「気にしてない」 短期調整と指摘 - 日本経済新聞