以下のBloombergの記事は偶然発見したものだが、ぎんぎつねの動画で紹介されていた内容と酷似している。
アメリカ財政の禁じ手!金の価格操作で7,000億ドルを生み出す? - youtube (2025年2月18日の動画)
記事によれば、「金の再評価」のアイディア自体は2023年時点で既にあったらしい。
それを実行すると米財務省は国債を発行せずに巨額資金を得ることができるが、FRBにとっては現在行っている量的引き締め(QT)に反することになってしまうため、「FRBに『厄介』な結果」になるとも言われている。(FRBのバランスシートの資産側にある「金兌換預金残高」が増加し、正常化目標から遠ざかることで、量的引き締めを大幅に延長することになるらしい)
また、「金の再評価」を実行すれば、「政府の借り入れ余力が尽きる『Xデー』が現在の予測である2025年8月頃から26年2月以降に先送りされるだろう」とのことであり、もしやらなかった場合は今年の8月頃に予算問題が深刻化するらしい。
しかし、やったとしても半年ほど延命できるだけであり、どうやら今年から来年にかけてアメリカ政府はヤマ場を迎えることになるようだ。
アメリカでは巨額の国債借り換えが毎年続くと言われているため、今年は乗り切ることができたとしても今後しばらく厳しい状況が続くようだ。
【参考】2025年2月19日 の記事
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再評価すれば財務省の金準備の担保価値は約7500億ドルに増加
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新たなQEに匹敵するほどの影響-バランスシートの圧縮長引く
米財務省が保有する金準備の評価替えは、債務上限の制約の観点からは魅力的に見えるかもしれないが、金融システムに広範な影響を及ぼし、流動性を高め、連邦準備制度のバランスシート圧縮を長引かせることになるだろうと、ライトソンICAPが分析した。
財務省は保有する現物金地金を米連邦準備制度に担保として差し入れ、その見返りとして現金を受け取ることが認められている。2023年にも浮上した評価替えの案は、政府が金準備をブレトン・ウッズ体制の名残である1オンス当たり42.22ドルという評価から市場価格に変更すべきだという考えに基づいている。
ライトソンICAPによると、それにより財務省の金準備の担保価値は、現在の約110億ドル(約1兆円7000億円)から約7500億ドルに増加する。
この案は現政権では真剣に検討されていないと伝えられているが、債務上限に関する合意が成立するまでの間、財務省の支払い能力を拡張するものとして、ここ数週間で議論が活発化している。
バークレイズによると、財務省の連邦準備銀行口座の残高増加は、同省がそれだけの金額を国債を発行せずに支出できることを意味する。ストラテジストのジョゼフ・アベイト氏は18日のリポートで、これにより国債供給量が約12%減少し、政府の借り入れ余力が尽きる「Xデー」が現在の予測である2025年8月頃から26年2月以降に先送りされるだろうと試算した。
しかし、連邦準備制度理事会(FRB)にとっては、この価格調整によりバランスシートの資産側にある金兌換預金残高が増加し、同時に負債側にある一般会計(TGA)の現金残高も増加することになると、ICAPのエコノミスト、ルー・クランドール氏は17日のリポートで説明。
「バランスシートの観点から見ると、これは事実上、新たな量的緩和(QE)策に相当するものだ」と指摘した。
当局が金準備を再評価するというのは現時点では臆測でしかないが、22年6月に開始された量的引き締め(QT)として知られるバランスシートの圧縮という現在進行中の政策にも反する。
当局はこれまでにバランスシートを2兆ドル余り縮小させたが、システム公開市場口座には約6兆8000億ドルが残っており、これは新型コロナウイルス感染症流行前の水準である約4兆ドルを大きく上回っている。
QTがいつ終了するかは議論の余地がある。ウォール街のストラテジストの多数派は3月末までの停止を予想しているが、終了時期の見通しを25年後半に変更したストラテジストも多く、26年の終了も視野に入っている。
FRBの資産が増加すれば、正常化目標から「さらに遠ざかる」ため、QTの期限は「大幅に」延長されるとクランドール氏は指摘する。追加の余剰流動性を吸収するには、現行の月400億ドルのペースならQTを1年半延長する必要があるとICAPは推計している。
FRBに「厄介」な結果も、米国の金準備評価替えなら-ICAP - Bloomberg
以下の記事で「金の再評価」の噂についてベッセント財務長官自身が次のように述べている。
「米国の借り入れ必要額の削減や政府系ファンド創設の資金調達を目的として政府が保有する金準備を評価替えする可能性があるとの最近の市場の臆測については一蹴し、議題に上っているか問われると『それは私の考えていたことではない』と答えた。」
つまり、現時点では財務省にそのような計画はなく、誰かの作り話だと言っているようにも思えるが、「この案は現政権では真剣に検討されていないと伝えられているが、債務上限に関する合意が成立するまでの間、財務省の支払い能力を拡張するものとして、ここ数週間で議論が活発化している」という記事もあるため、荒唐無稽な話ではないようだ。
【参考】 2025年2月20日の記事
米国の借り入れ必要額の削減や政府系ファンド創設の資金調達を目的として政府が保有する金準備を評価替えする可能性があるとの最近の市場の臆測については一蹴し、議題に上っているか問われると「それは私の考えていたことではない」と答えた。
現在、金準備は1オンス当たり42.22ドルで評価されているが、これは数十年前の公式価格。今の市場価格に基づいて評価替えすれば、現在の110億ドル(約1兆6500億円)からおよそ7500億ドルに増加する計算となる。
ベッセン米財務長官、中長期債の発行増やすのは「まだ先」 - Bloomberg
これも偶然見つけたものだが、どことなく最近話題になっている「金の再評価」関連の噂に似ているように思える。
現在の欧州諸国(ユーロ圏)では、
「ユーロ圏加盟国は、各国の中銀が裁量的に貨幣を発行することができません」
https://www.fidelity.co.jp/page/strategist/vol109-what-if-ust-defaults
ということになっているため、ユーロという通貨が不安定になっていたり、紙幣増刷によって高インフレになっていたりするわけではない。
「歳入不足を紙幣増刷で補ったため高インフレと為替変動が常態となった」という話は現在のアメリカに当てはまるのだろう。
そして、「『金本位制』の採用を融資条件にすれば紙幣増発がやみ、インフレも為替変動も収まる」という話も、現在、アメリカの一部で盛り上がっている噂話と似ている。
【参考】2023年9月8日 の記事
日本は第1次世界大戦では連合国側に付き、人手不足の連合国からの戦時需要で産業が急速に伸びた。しかも、稼いだ輸出収入で金準備も増えたので英、仏に貸し出しをするまでになった。そのため21世紀初めに驚異的成長を遂げた中国に商談を求めて米国資本が群がったように、当時の米国資本は日本に群がった。
20世紀初めの中国経済も有望だったが、20年代に内戦が激化したためマーケットは嫌い、ますます日本経済に目を注いだ。
日本に融資したモルガンには世界的に金本位制を再開させて、それを梃子(てこ)に第1次大戦前の安定した経済を復活する大望があった。
大戦後の欧州諸国の財政は脆弱(ぜいじゃく)になり、歳入不足を紙幣増刷で補ったため高インフレと為替変動が常態となった。もしここで民間資本が政府に十分に融資すれば、政府は通貨発行に頼らずに済む。その際民間資本が、金価値との連携で通貨を安定させる仕組み「金本位制」の採用を融資条件にすれば紙幣増発がやみ、インフレも為替変動も収まる。安定した経済の復活だ。
どの民間資本が行動するかだが、ロンドンは大戦で打撃を受けて対外貸し出し能力を喪失したので、モルガン中心の米ウォールストリートが主役になるしかなかった。
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/takemori/11.html
【参考】
1971年に金本位制が終了して以降、通貨の価値は急速に下落しています。グラフによれば1913年の1ドルの価値は、2020年換算では約25ドルの購買力があったとしています。そして特に1971年以降、大きく減価し、50年以上で90%以上の購買力が失われた計算になります。しかし米国を含む世界中のインフレが最も高くなったのは2022年ですので、現在はさらに通貨の購買力が減少しているということです。
https://www.youtube.com/watch?v=P_aZbE61Kps
※一部でロン・ポール下院議員がFRBの監査責任者に任命されるのではないかという情報がある。この人物は「End the Fed」(連銀を終わらせる)の著者であり、FRBによる無制限の紙幣増刷がアメリカをインフレ不況に陥れていると主張している。
https://www.youtube.com/watch?v=P_aZbE61Kps
【参考】
ポールは著書『連銀を終わらせる』の中で、連邦準備制度は銀行が困難に陥ったときに救済するために設立されたと主張している。彼は、これは大手銀行を強化するため、銀行業界の競争にとって悪いことだと述べている。
ポール氏は、FRBは腐敗しており違憲であると主張している。同氏は、FRB制度は現在、ワイマール共和国やジンバブエ共和国とほぼ同水準で通貨を膨張させており、この行為は米国をインフレ不況に陥れ、世界の準備通貨である米ドルが深刻な価値下落に見舞われる恐れがあると断言している。
この作品の主要テーマは、戦争をはるかに容易にする隠れた税金としてのインフレという考え方である。人々は直接税の増税という考えを拒否するため、インフレは戦争によって生じた膨大な負債の返済に役立てられる。その結果、大衆の購買力は低下するが、ほとんどの人はそれに気付いていない。ロン・ポールの理論によれば、この低下は逆進税であるため、低所得者に最も大きな影響を与える。ポールは、現在、 CPI には食料とエネルギーが含まれていないが、これらは貧困層の収入の大部分が費やされる項目であると主張している。
さらにポール氏は、ジョージア州沖の私設クラブでモルガン家とロックフェラー家によって創設された連邦準備制度が、実際には彼らの個人的な利益に反して機能していることにほとんどの人が気づいていないと主張している。ポール氏は、連邦準備制度は人々を守るどころか、現在では「救済が目的」のカルテルとして機能しており、つまり利益は民営化され、損失は社会化されていると主張している。
ポール氏はまた、中央銀行の創設と戦争の間には歴史的なつながりがあると主張し、君主制から民主主義まで多くの政府が過去にインフレと通貨切り下げを戦争資金調達手段として利用してきた経緯を説明しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/End_the_Fed
以下の記事によれば、「トランプ政権は4%以上の金利で借り換えを望んでいない」とあり、今年はできるだけ金利を下げることを目標としているらしい。
そのため、ベッセント財務長官は「自身とトランプ氏は米国債の『魅力を高める』ことにも注力している」と発言していたのだろう。
米財務長官、トランプ政権の目標は経済の再民営化-国債利回り低下へ - Bloomberg
債券需要が高まることで金利は低下していくため、それによって借り換えコストを抑えようとしている。
トランプ政権は国を救うためになるべく低い金利で借り換えをできるようにしたり、財政赤字を削減したりする仕事をしている。
それによってリセッションや株式市場の下落が伴うが、破産するよりはずっといいということなのだろう。
しかし、その仕事がうまくいくのかどうかは現時点では分からないため、8月頃とされる「Xデー」に近づくと市場は不安定になるのかもしれない。
【参考】2025年3月5日の記事
ドナルド・トランプが市場の暴落を望んでいる理由
…短期的には↓
下のチャートは、現政権の行動の背後にある理由と、それが市場に悪影響を及ぼしている理由をまとめたものです。
1. 今後6か月で返済しなければならない7兆ドルの債務があります。返済できなければ、借り換えが必要になります。
2. トランプ政権は4%以上の金利で借り換えることを望んでいません。今年のある時点で10年債は4.8%でした。
3. 10年債(金利)を引き下げるにはどうすればよいでしょうか。市場は成長の弱さを示し、DOGEは実際に機能していると認識され、金利は引き下げられる必要があります。
そのためには、短期的には成長を鈍化させる可能性のある大きな不確実性、つまり関税を作り出し、債券市場が株式に触れることを恐れてできるだけ早く債券を購入し始めるようにすることです (これにより利回りが低下し、これが債務の借り換えに必要なことです)。そして、それが連邦準備制度理事会に金利を引き下げる権限を与え、利回りを引き下げ続けます。
つまり、関税はインフレを招き、10年国債(金利)は関税が上がれば急騰するはずだと通説では言われているものの、実際には下落している。なぜなら、関税が株式市場に大きな不確実性をもたらし、人々が株を売って債券を買っているからだ!
これはまさに、借り換えコストを下げるためにトランプ政権が短期的に起こしたいことなのだ。
短期的な痛みは長期的な利益のためか?
https://x.com/amitisinvesting/status/1896972241415344477
※以下の動画では、FRBが妙に高額な費用を掛けて改修工事をしていることに触れているが、そのことについてGeminiに質問をしてみた。
3000万オンスの金は誰の手に?世界経済を揺るがす極秘取引! - YouTube
【参考】
FRBの改修工事に25億ドルもの予算が使われているというWSJの記事があるが、その理由として、「鉄鋼・セメント・木材などの建材費が『標準的なコスト上昇率をはるかに上回る』ため、プロジェクト全体のコストが膨れ上がったとしている」とある。しかし、単なる改修工事にしては巨額過ぎると指摘しているyoutubeの動画がある。2024年10月、その改修工事の現場では巨大な穴があり、その穴の中には「まるで輸送コンテナほどのサイズを持つ、巨大な鉄の箱」が鎮座していたという。同じ頃、金市場で「謎の買い手」が3000万オンスもの金を買い占めたとその動画では語られている。その「謎の買い手」とは、もしかしたらFRBなのではないか、そして改修工事で金を保管するための特別な部屋を用意していたのではないか、といった憶測を生む内容となっている。アメリカはインフレと高金利などの問題に直面していることで、FRBはこれまでのように無制限に紙幣を増刷できなくなりつつあるようだが、「一部の情報筋」によれば、FRB自身が金を大量保有することで「金とデジタル通貨を組み合わせたハイブリッド金融システム」を計画しているのだという。その金融システムは、「金の価値を基盤としながらも、中央銀行が発行するデジタル通貨を用いる新たな経済体制なのです」とその動画で語られている。本当にそのような計画があるのだろうか?また、本当にFRBの改修工事で3000万オンスもの金が地下に保管されたのだろうか?3000万オンスという金の価格は約600億ドルになるらしいが、FRBがその「謎の買い手」なのだとしたら、FRBは紙幣を増刷して金を購入したのだろうか?
FRBの改修工事と金市場の動向に関するご質問ですね。提示された情報に基づき、現状で公開されている情報と、憶測として語られている内容を整理してご説明します。
FRBの改修工事について
* 予算と理由:
* ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事によると、FRBの改修工事に約25億ドルの予算が投じられています。
* その主な理由は、鉄鋼、セメント、木材などの建設資材費が「標準的なコスト上昇率をはるかに上回って」いるためとされています。
* つまり、インフレーションによる建設コストの高騰が、工事費を押し上げていると考えられます。
* 工事内容に関する憶測:
* YouTube動画などでは、この改修工事の規模が異常に大きく、地下に巨大な施設が建設されているとの憶測があります。
* 2024年10月には、工事現場で巨大な穴が発見され、その中に「輸送コンテナほどのサイズの巨大な鉄の箱」が設置されていたという情報も語られています。
* これらの情報から、FRBが金を保管するための秘密の施設を建設しているのではないかという憶測が生まれています。
金市場の動向とFRBの関与に関する憶測
* 「謎の買い手」の存在:
* 同時期に、金市場で「謎の買い手」が3000万オンスもの金を買い占めたという情報があります。
* この「謎の買い手」がFRBである可能性が指摘されています。
* 3000万オンスの金は約600億ドルに相当します。
* ハイブリッド金融システムへの憶測:
* 一部の情報筋によると、FRBは金とデジタル通貨を組み合わせた「ハイブリッド金融システム」を計画しているとされています。
* このシステムは、金の価値を基盤としながら、中央銀行が発行するデジタル通貨を用いる新たな経済体制であると説明されています。
* FRBが大量の金を保有する事で、デジタル通貨の信用を担保するという憶測です。
* FRBの資金調達:
* FRBが「謎の買い手」である場合、巨額の資金をどのように調達したのかという疑問が生じます。
* 通常の金融政策では、FRBは国債などを購入することで資金を供給しますが、金の購入に際しては、新たな資金調達手段を用いた可能性があります。
* 紙幣を増刷して金を購入した可能性も指摘されています。
現時点で公開されている情報と、憶測について
* FRBの改修工事に巨額の予算が投じられていることは事実です。
* しかし、地下施設の存在や金購入に関する情報は、現時点では憶測の域を出ていません。
* FRBが公式にこれらの疑惑についてコメントを発表しているわけではありません。
* WSJの記事にありますように、インフレによる建設コスト高騰が理由である可能性は高いと考えられます。
今後の動向
* FRBの改修工事の進捗や、金市場の動向を注視する必要があります。
* FRBが公式に情報公開を行う可能性もあります。
* また、FRBがデジタル通貨の発行を計画していることも事実です。
* デジタル通貨と金の関係性についても、今後の情報公開に注目する必要があります。
ご質問いただいた内容について、現時点で公開されている情報と、憶測として語られている内容を整理しました。