迪化街の阿媽の家で買った、婦女救援基金会制作のドキュメンタリー映画(2014年)。台湾の慰安婦のおばあちゃんたちの生活や、セラピーに密着。

1998年に制作された『阿媽の秘密』と二枚セットになってて、これがよかった。

『阿媽の秘密』のほうは、まだ沈黙を破ったばかりのおばあちゃんたちの、被害者としての一面ばかりが取り上げられていたのが、『葦の歌』では、歌を歌ったり旅行に行ったり(もちろんその間には裁判のために日本に行ったり)。ほんとにみんな、ぱっと見、よく笑って品があって、ふつうのおばあちゃんと何も変わらんの。

ただ悲しむことだけに人生を費やすのはやめて、失われた何かを、たぶん取り戻せないとわかっていても、取り戻そうと歩き出すおばあちゃんたちの勇敢さ。

何かに似てると思ったら、最近調べてた水俣病の患者たちとかぶったんでした。双方とも、日本という国家に傷つけられ、無視され、それでも毎日を生きていく。

日本のAmazon調べたら、売ってないみたいだったんですが、興味のある方は台北の阿媽の家に来たらぜひ手に入れてください。

・・・・・・・・・・・・・
 
●台湾の本(隠居の本棚より)
 
『満里奈の旅ぶくれ』(渡辺満里奈さんの台湾食い倒れ・飲み倒れ本)
 
『渡辺直美のたら福まん腹台湾』(日台ハーフの渡辺直美さんが食べまくる本)
 
『台湾で日本を見っけ旅』(おがたちえさんの、台湾に残る日本を探す漫画)
 
『台湾人には、ご用心!』(台湾研究者の酒井亨が台湾と台湾人を徹底解剖!)
 
『台湾論』(小林よしのりさんの台湾マンガ。台湾と日本の深い縁がよくわかる)
 
『李登輝学校の教え』(台湾の元総統・李登輝さんと小林よしのりさんの対談)
 
『わたしの台南』(日台ハーフの一青妙さんの、台南ガイド本)
 
『私の箱子』(一青妙さんの自伝的エッセイ)
 
『台湾人と日本精神』(日台の歴史を体現したような焜燦さんの本
 
『海角七号 君想う、国境の南』(大ヒットした台湾映画のノベライズ)
 
『恋する台湾移住』(旅作家の歩りえこさんの台湾移住エッセイ)

・・・・・・・・・・・・・

●拙著出てます