先週から風邪気味、喉も若干ガラガラで「新宿2丁目のママ」のような声になって居ります。皆様もお気を付けくださいね。
▼生き残りをかけた変革
時代の変革期にあたって厳しい環境に置かれている外食産業ですが、大手企業も生き残りをかけた施策を打ち始めています。
全体的な傾向として、小型の業態開発、居抜店舗の利用、要するに初期投資を抑える動きが目立ちます。
郊外型の独立店舗であれば1億円前後の投資が必要となっていたわけですが、「水もの」と呼ばれる飲食業、どんなに事前調査・立地分析を行っても、実際にはふたを開けてみないとわからないのがこのビジネスの宿命。投資が大きくなればなるほど方向転換が難しくなり、結果的に不採算店舗を抱えることにつながります。
先が見えにくい時代だからこそ、こういった展開になるのは必定でしょう。
また客単価を抑えた業態の開発も活発で、当分低価格競争に明け暮れるかもしれません。
もっとも、この傾向の真逆を行く「チャレンジ」をした企業もあります。以前もご紹介しましたが、外苑前銀杏並木に「ロイヤルガーデンカフェ」を出店した、ロイヤルホールディングス(ロイヤルホスト)。新聞紙上などでは、苦戦する外食産業の象徴のように取り上げられておりますが、ファミレスに漂う「体温を感じない」サービス、オペレーションと一線を画す新店舗は、実験店舗とはいえ、外食産業の「雄」としての「改革の狼煙」と言えるかもしれません。
いずれにせよ、大量消費・大量供給がいろんな面で社会的な歪を生じさせたのは事実。正しい方向に変革してゆくことを祈りましょう。
▼消費者の意識改革
そんな中、立ち退きを求めるビル側との攻防でも有名な新宿駅ビルの老舗カフェ「ベルク」の店主・井野さんのコラムが先週の朝日新聞に掲載されていました。タイトルは、「個人経営の長所を見直そう」。
顧客ニーズをダイレクトに受けかつ素早く柔軟に対応できる個人経営ならではの長所を見直そうといる一文です。
ここ数年の好景気の間に、「投資とリターン」の机上の計算から弾き飛ばされ、個性的な個人経営飲食店が次次と姿を消して行きました。一種テーマパークのような表面的な「個性」はあるものの、肝心の料理やサービスは判で押したような店が幅を利かす状況が続いておりました。
出店者、ビル側(開発業者)の問題もありますが、需要と供給の経済原則がある以上、ユーザーが作り上げた状況でもあります。
「安心安全」と「本物志向」が食に対するキーワードになりつつありますが、ユーザーである我々も、外食に対する意識を変えることが求められていると言えるでしょう。
ではまた。
⇒ヌースコンサルティングオフィスは、成功する店舗出店をお手伝いいたします。