先日のNAVI旅vol.5で、
三輪恵比須（みわえびす）神社へ
行ってきました。
三輪駅からも
ほどちかいここは、
日本で最初にひらかれた
海石榴市（つばきいち）という
市場を守護していたといいます。
難波津（なにわつ）からのびる
大和川（やまとがわ）は
貿易のかなめであり、
当時の
大和朝廷にもほどちかい
大和川の上流部は
初瀬（はつせ）とよばれ、
船着き場が
あったといいます。
この古代の市場は
４世紀ころには
すでに存在したようです。
海石榴市（つばいち・つばきいち）
の語源は、
第12代・
景行（けいこう）天皇が
九州平定のさいに、
椿（つばき）の木をつかって
槌を造り、
土蜘蛛を滅ぼしたとあり、
その槌を造った地を
つばき市（ち）と
いったことにはじまるようです。
この言葉がなぜ、
大和の市場に転用されたのか、
それはよくわかりませんが、
ここからは
考察を書いてみようと思います。
つばき市の地は、
速見村（はやみむら）といい、
現在でいう
大分県杵築（きつき）市のあたり
ともいいます。
これは
四国の伊予から、
カヤの木が流れ着いたのが
語源だといいますが、
木が着くほどの
穏やかな入り江は、
港としても最適だったことでしょう。
ここで、
三輪恵比須神社の
祭神をみてみますと、
八重事代主命（やえことしろぬし）
八尋熊鰐命（やひろくまわに）
加夜奈流美命（かやなるみ）
とあります。
ホツマツタヱでは、
２代目事代主を
『ツミハ』といい、
鴨都波（かもつば）神社では
積羽八重事代主命として
祀られています。
初代事代主・クシヒコの
孫にあたり、
静岡・大阪・奈良・淡路・四国と
忙しく飛び回っては、
各地を取り持ち
治めていたといいます。
ツミハは、
ワニ舟に乗って
タマクシ姫のもとに
通いつめたことから、
記紀では、
大きな鰐（わに）に化けたとも
書かれています。
一時は、
金刀比羅宮 (コトヒラグウ)にて
四国を納めたといいますから、
和邇・鰐・金毘羅・クンビーラと
つながりそうですね。
この、
ツミハとタマクシ姫の子が
媛蹈鞴五十鈴媛
（タタライスズヒメ）であり、
初代・神武天皇の
后になられます。
また、おなじく子の
クシミカタマは、
ホツマツタヱの前半を
編纂されたといいます。
これは
国つ神の系図ですね。
つまり
タタライスズヒメと結ばれた
初代・神武天皇は、
天つ神と国つ神の
仲を取り持ったとも
いえるようです。
そんな国つ神代表の
クシヒコの孫であり、
各地を転々としていた
ツミハであれば、
市場の守護神としても
最適かもしれません。
境内には、
琴比羅（ことひら）神社もあり
祀るといいます。
クシヒコの称え名が
大国主（おおくにぬし）ですから、
ここではダイコクと転じても
納得がゆきますね。
ところで
本殿に配祀されている
『カヤナルミ』ですが、
記紀やホツマにも
書かれていない
不思議な神さまです。
杵築市に流れ着いた
カヤの木にも
関係しているのかもしれません。
岡山を拠点にしていたという
賀陽（かや）氏との関係も
気になるところですが、
『出雲国造神賀詞
（いずものくにみやつこのかむよごと）』によれば、
カヤナルミは、
アチスキタカヒコネらとともに、
出雲（いずも）から
飛鳥（あすか）にいったと
あるようです。
出雲といえば、
クシヒコの実家でもある
出雲大社ですが、
かつては
杵築（きづき）大社ともよばれ、
杵築という地に鎮座しています。
また、カヤは
伽耶国にも繋がり、
カヤノヒメのように
渡来人ともとれるのかも
しれません。
こうなると、
「あすか」の「か」と
「いずも」の「も」で
「かも」となり、
またまた
カモ考がはかどりそうです。
ほかにも、
地図でみると、
大和と伊予と杵築は
中央構造線沿いにあるというのも
なにかしら関係がありそうです。
三輪恵比須神社は
遷座しており、
その元宮は、
７００メートルほど東にある
大行事社（だいぎょうじしゃ）
だといいます。
↓よければクリック
↓お願いします。
☆大和国のホツマツタヱ全記事リスト☆
大和国のホツマツタヱ① ～ホツマツタヱ～
大和国のホツマツタヱ② ～石上神宮 その１～
大和国のホツマツタヱ③ ～石上神宮 その２～
大和国のホツマツタヱ④ ～桃尾の滝～
大和国のホツマツタヱ⑤ ～石上神社～
大和国のホツマツタヱ⑥ ～事代主クシヒコ～
大和国のホツマツタヱ⑦ ～大和神社～
大和国のホツマツタヱ⑧ ～大神神社～
大和国のホツマツタヱ⑨ ～久延彦神社～
大和国のホツマツタヱ⑩ ～鳥見社の勾玉池～
大和国のホツマツタヱ⑪ ～小夫天神社～
大和国のホツマツタヱ⑫ ～三輪恵比須神社～
大和国のホツマツタヱ⑬ ～志貴御縣坐神社～