『岩石』第3回 火成岩②―深成岩 | 奈良の鹿たち

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『岩石』

第3回

「火成岩②ー深成岩」

 

火成岩は基本的にはまず、マグマが冷え固まって結晶化することで生まれます。急速に冷え固まったものが火山岩、ゆっくりと冷え固まったものが深成岩です。

 

 

 

Ⅰ・火成岩(かせいがん)

(1) 火山岩(かざんがん)第2回で既述

 

(2)深成岩(しんせいがん)

マグマが温度の高い地下深く(地殻の深部)で長い時間をかけてゆっくりと冷え固まってできたのが深成岩。長い時間をかけて冷やされていくため、結晶が充分に成長し、大きさの似通った粗粒の結晶が集まった組織(等粒状組織)をなしているのが特徴。火山岩に比べ、岩石中の鉱物の粒が大きい。また時間をかけて冷却していくため、低温で結晶化する正長石や石英なども充分成長し等粒状組織となっています。

深成岩を区分するときは、それらに含まれる有色鉱物(黒雲母、角閃石、輝石、かんらん石)の色指数(体積%)を使います。白っぽければ(色指数が低ければ)花崗岩、黒っぽければ(色指数が高ければ)斑れい岩、その間であれば、白いほうから花崗閃緑岩、閃緑岩のように区分します。

シリカ(二酸化ケイ素)SiO2:ケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質の一つとして重要です。圧力、温度の条件により、石英(水晶)以外にもシリカ鉱物(SiO2)の多様な結晶相(結晶多形)が存在します。マグマの粘性を左右する物質でもある。

 

 

 

①  花崗岩(かこうがん)(graniteグラニット)

  

花崗岩の等粒状組織では、黒い部分が黒雲母、白い部分が長石、灰色の部分が石英。
地下深部で形成された深成岩で、主成分が石英と長石、他に10%程度の有色鉱物(黒雲母・石英・長石等)を含み全体的に白っぽく見えるもの。さらに成分中にナトリウムとカリウムの含量が少ない非アルカリ岩質であることが花崗岩の条件とされます。花崗岩は大陸や島弧などの陸地を構成する岩石の中では非常に一般的なもので各地で見つかります。御影石とも呼ばれ、建材や墓石などによく使われています

このように花崗岩はごくありふれた存在だが、太陽系の地球以外の岩石天体にはほとんど見出されません。花崗岩の形成に水の関与が必要で、海の存在する地球でのみ花崗岩が大量に作られてきたものと考えられています。

 

①  閃緑岩(せんりょくがん)(dioriteダイオライト)

主成分である無色鉱物が斜長石で、輝石、角閃石などの有色鉱物を比較的多く含む(約30%)ものを指します。花崗岩と斑れい岩の中間的な化学組成を持つ深成岩で、主に斜長石、角閃石、輝石(単斜輝石、斜方輝石)、黒雲母と少量の石英を含む。有色鉱物は輝石よりも角閃石が多いのが特徴で、この点で斑れい岩と区別できます。

 

①  斑れい岩(はんれいがん)(gabbroガブロ)

石英を含まないので、白色鉱物はすべて斜長石。黒っぽい輝石類と、白っぽい斜長石がごま塩状に見える。その他に角閃石やカンラン石を含むものもあります。

 

 

 

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次回は 第4回「堆積岩」

 

 

(担当 G)

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