『岩石』
第4回
「堆積岩」
火成岩は地下のマグマが地表へと上昇する間に冷えて固まって結晶化することでできた岩石で、いろいろな鉱物の結晶が集まって出来ています。マグマが地表や地表近くで急激に冷やされて固化して形成された岩石が火山岩です。それに対して、地下深くで、マグマがゆっくりと冷え固まって形成された岩石が深成岩です。
こうしてできた火成岩は、やがて地表で浸食や風化で砕けて、そして水や風の影響で堆積し堆積物となります。この堆積物が圧力や化学物質によって変化し、再び固まったものが堆積岩です。
次に火成岩や堆積岩が、熱や圧力などの変成作用を受けて変質したものが変成岩です。いずれにせよ岩石の起源の大本は火成岩です。
Ⅱ 堆積岩(たいせきがん)
堆積物が固まってできた岩石。既成の岩石が風化・侵食を受けてできた砕屑物が水や風や氷河により運搬され、水底や陸上に堆積したものが続成作用により固結して形成された岩石を堆積岩といいます。
堆積物が積み重なり、続成(ぞくせい)作用を受けることにより固結(こけつ)してできた岩石のことをいいます。続成作用には圧密(あつみつ)作用、膠着(こうちゃく)作用、再結晶(さいけっしょう)などがあります。圧密作用とは重なったものの重さ(圧力)によって押し固める作用、膠着作用とは土砂と土砂との間にある隙間を他の物質が埋めていき固化を進める作用(主に貝殻などをつくる炭酸カルシウムが水にとけ出し、粒どうしをくっつけるのりの働きをする)再結晶とは新しい鉱物ができあがる作用のことです。
堆積岩のもととなるのは、いろいろな起源を持つ粒子で、粒子のサイズで分類されます。
砕屑物の堆積により形成された砕屑性堆積岩(砕屑岩)、生物の遺骸の堆積により形成された生物的堆積岩(生物岩)、水中に溶解していた化学物質の沈殿や析出により形成された化学的堆積岩(化学岩)の3種がある。砕屑岩は固結したものの種類によって、礫が固結した礫岩、砂が固結した砂岩、泥が固結した泥岩などに分けられます。 火山砕屑物(火山灰など)が固結したものは凝灰岩と呼ばれます。
堆積するときに生物の死骸などが一緒に堆積すると骨などの腐りにくい部分が化石になって残ることがあります。そのため、化石を含むことがあり古代環境の手掛かりとなるのが堆積岩の特徴です。
(1)砕屑岩(さいせつがん)
地表の岩石の風化や侵食で破砕されてできた砂や泥の粒子が、積み重なって形成された岩石のこと。砕屑岩は、砕屑物の粒子の粗さで細分されます。
砕屑岩は地層をつくる代表的な岩石で、砕屑物を堆積の場まで運んだ媒質の違いから、水成岩、風成岩、氷成岩を区別することがあります。砕屑物の岩石学的あるいは鉱物学的特徴は、砕屑物を供給した後背地の地質、堆積するまでの環境や時間、堆積の仕方などを反映しており、堆積構造とあわせて当時の古環境解析の手掛りとなります。
① 泥岩(でいがん):粒の大きさが1/16mm 以下の粘土や細かい粒が固まってできたもの。
シルトと、さらに粒子の細かい粘土岩があります。
・シルト:泥岩の中で平均粒径が1/256mm以上1/16mm以下のもの。
・粘土岩(ねんどがん):泥岩の中で平均粒径が1/256mm以下のもの。
② 砂岩(さがん):粒の大きさが1/16mm ~2mmの砂粒が固まってできたもの。
③ 礫岩(れきがん):粒の大きさが2mm以上の小石が固まってできたもの。
(2) 凝灰岩(ぎょうかいがん)
砕屑物の中で火山灰が固まって出来たもの。堆積するときに、生物の死骸などが一緒に堆積すると骨などの腐りにくい部分が化石となって残ることがあります。そのため、化石を含むことがあるのが堆積岩の特徴。
① 石灰岩(せっかいがん):サンゴや貝など石灰質の骨格や殻をもつ生物の死骸が堆積して固まってできたもの。
② チャート:沈殿した石英やケイ酸質の殻をもつケイ藻や放散虫の死骸が堆積して固まって出来たもの。
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(担当 G)
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