淑女との戯れ ダットサン フェアレディ -43ページ目

淑女との戯れ ダットサン フェアレディ

フェアレディSP311の再生記事を中心に、あれこれと気ままにつづっています。

そうきたか~ さて右に考えるか左に考えるか?

 
一応の面研も終了したことで、漸く燃焼室の測定に取り掛かりました。
圧縮比を決めるためには、歪んでいたヘッド故に、燃焼室サイズは均一ではないはずですので、確認して調整しておかなければならないのです。
 
R型エンジンのヘッドの燃焼室形状は、シルビアCSP311、フェアレディSP311,ブルーバードR411の3車種に限り、ピストンの上部が半球面になって盛り上がった凸面形状の為、ヘッド側にはその分がえぐれた形状になっています。
これは、圧縮比アップを狙った設計であると思われます。
因みに同時期(1966年)のH20型エンジン(キャブオール用)では、ピストン形状はフラットからやや凹んだもので、ヘッド側はフラットでハート型燃焼室です。
圧縮比については、8.2となっており、上記3車種用は9.0です。
参考として、SR311のU20型では9.5となっています。
 
それでは、測定作業に入っていきます。
パッと見た目でわかるように、1番と4番、2番と3番の燃焼室のえぐれ部分のサイズが違うのが確認できます。
弓なりに歪んでいたヘッドをそのまま研磨していますので、当然、容量は違うはずです。
 
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測定に当たって準備したもの。
 ・バルブ一式
 ・スパークプラグ(廃品でよい)
 ・注射器
 ・アクリル板(一ヶ所穴を開けてある)
 ・グリス
 ・測定液(エンジンオイルに灯油を混ぜたもの)
 
まず始めに、ヘッドにスパークプラグとバルブを取り付けます。バルブにはバルブシート面にグリスを少々塗布し取り付けます。密閉を保つためです。
次に、グリスをヘッド面の燃焼室外周部に塗布し、アクリル板を押し付けて密着させます。その際に、穴を空気が抜けるように上部に来るようにセットします。
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測定液を50cc注射器に吸い込みます。
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アクリル板の穴から測定液を注入し充填させます。溢れないところでストップします。
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注射器に残った量をメモリから読み取ります。この場合は、7ccとなりました。
つまり、差し引きして燃焼室に入った容量は43ccということになります。
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今回の測定結果は、1番と4番が43cc、2番と3番が46ccということになりました。
 
さて、この容量差を揃えなくてはなりません。
本当は、この中途半端なえぐれたスキッシュエリアは、面研前にアルゴン溶接などで埋めてしまい、フライス加工をするのが王道ですが、今回はあえてしてませんので、1番と4番の燃焼室を少々削って容量を合わせるように考えています。
 
気づかれた方も居られるかもしれませんが、凸面形状のピストンはこんなに面研してしまったら当たってしまうので使えません。実は既にフラット形状に近いピストンはブロックに装着済みですのでその問題は回避されています。
 
とりあえず、圧縮比をどのあたりに決めていくのか、その為にヘッドガスケットについても考えなければならないようです。
日産純正の入手済みのガスケットの厚みは1.5mm程度あります。
これだと、現状では圧縮比が計算上8.9くらいになってしまうようです。
市販のメタルガスケットはないので、銅版で作成してみようかなどとまた余計なことを考えてしまっています。
さて、どうする?

再度仕上げに向けて面研をばしてみるのであります。

 
バルブガイドの挿入を終えた時点での歪みは0.05mmでしたが、酷いフライスの傷跡も含め面調整を行うために再度の面研を実施しました。
 
本来、面研は圧縮比を高めてしまうため過剰な研磨はしない方がよいとされています。
むしろそのような必要性のあるヘッドは部品としては交換しなければなりません。
けれどもこれを実施していくのです。
 
まずは例によって窓ガラスの廃品利用の定盤です。
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こちらに空研ぎペーパーをスプレー糊を使って貼り付けていきます。
 
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これにヘッドを乗せて摺り合わせていきます。
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こんなに傷だらけだったものが・・・
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このようにかなり綺麗な状態にまで研磨しました。
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0.04mmのシックネスゲージが、どの方向からの計測でも差し込むことが出来ないほどに歪みはなくなりました。
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概ね良好です。
面表面は更に仕上げる予定ですが、続いて燃焼室の計測をしてから調整後に実施します。

自分の中では幻の部品でした・・・

 
我が淑女は、SP311としては極初期のタイプで、ブローバイガスの再循環などのシステムはなく、なんともおおらかな事に大気開放となっております。
そのガスの排出にはブリーザーチューブなるものが付いているはずでしたが、以前のオーナーによって取り外されたままで紛失しておりました。
入手してからず~っとずっと探していたものの先頃まで情報さえなく幻のパーツとなっていて、何か似たようなものをこしらえるかな~と画策していたのですが、ひょんなことから31ワゴンさんから”あるかもしれないです!探してみます!”と思いがけないお言葉をかけていただき期待していたところ、”ありましたよ!”と、嬉しい返答がありお譲りいただくこととなりました。
31ワゴンさん!感謝しております!
 
やってきたのは、いわゆる日産ブルーを纏ったブリーザーチューブでした。
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仕切りみたいなものが付いています。
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末端は斜めにカットした形状
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そのまま組みつけてしまおうかと思いつつ、やはりお化粧直しをしてからにすることにしました。
日産ブルーのスプレー缶を入手するのが常套でしょうが、小生は、これの刷毛塗りで対処しています。 
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以前は黒を混色して色味をより日産ブルーに近づけていましたが、最近は横着してそのまま塗っています。
少々明るく爽やかな色味ですが悪くないと自負しております。
オーシャンブルーという色です。
 
さて、脱脂して、ペーパーで下地調整とアシ付けをして、ちゃちゃっと塗ります。
刷毛目も残らず、まずまずの仕上がりになりました。
 
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エンジンに取り付けるに当たっては、ボルトを介することになります。
ワッシャーはパーツカタログから樹脂製であることを確認しましたので、いつものようにボトルキャップから作成しました。
 
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もちろん確認済みなのですが、取り付けのためにはブロック側にメスネジが切ってなければなりません。
というのは、今回の再生に当たって用意したブロックは、後期以降の5ベアリングブロックだったからです。
この時期のエンジンはブローバイガスは再循環対策がされているので、メクラ蓋によって塞がれているのです。
ところが、このブロックにはありがたいことにメスネジが切ってあり、あたかも待っていたかのように静かにその身を潜めてくれていました。(無駄な加工がされていたようにも思いますが、輸出仕様等の様々な要因で大気開放仕様の需要もあったのでしょう。)
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さて、あるべきところに取り付けて長年の問題の解決に至りました。
 
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色味が少々ずれておりますが、その内汚れますのでわからなくなってしまうでしょう
 
しかし、この年式のR型エンジンの色は本当は黒なんですよね~
G型は赤だったような気もしますが、記憶違いかも。
 
今では当たり前のように日産ブルーと云われていますが、いつごろ切り替わったのでしょうね?
やはり、組みつけの主体がインチねじからメートルねじに切り替わった時点でしょうか。
当時の整備士さんとしても色で識別できるので、ねじを間違えることなく作業できたのだろうと。恐らくその為の塗色変更だったのではないかと推測しております。
つまり、日産ブルーのエンジンはメートル規格ですという内規なんじゃないかなという推測です。
ぜひとも本当のことを知りたいですね~。
 
 

このためだけに修正器やタップは買いたくない!のです。

 
プラグホールが何らかの原因で、ネジ山がおかしくなったり、油泥が詰まりプラグが抜き差ししにくくなったりすることは良くあるものです。無理にプラグをねじ込んで更に悪化させてしまうことは避けたいものですね。
 
しかし、プラグホールの修正には修正器やタップが必要となるわけですが、汎用性もなく高価ですのであまり買いたくないのです。
 
そこで、即席プラグホール修正器を作ってみました。
何のことはない、使い古しのスパークプラグのねじ山部分をヤスリで切込みを入れただけのものです。
写真よりも、もう少し深く切り込んだ方が切りくずも回収されやすいです。
使用時にはグリスを塗って行うと粘着作用でごみが燃焼室内に落ちにくくなります。
 
それでも、最後はプラグホールから掃除機でゴミを吸ったほうが良いですね。
 
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大体の数字を掴んでみたい

 
バルブスプリングレートを測るには、バルブスプリングテスターなるものが必要です。
アマチュアにとって縁もなければ見たこともない。プロであってもあまり使っているのを見たことがない。
ノーマルスプリングなら測る必要性などないし、強化品を購入すると恐らく○○kgなどと表記されているのだろうからその必要もないし、交換すればそれでよしとするチューニングが主流だろうから。
 
毎度のことですが、寄せ集めの部品なのでプロフィールが全くわからず、大体近い数値の部品をそろえる必要性から今回の計測を実施します。
これらの部品は、R型から外したもの、RB20Sエンジンから外したもの、カワサキのニンジャについていたもの、その他、解体屋さんで見た目に似たものを適当にもらってきたものなどごちゃごちゃとありましたので、その中からチョイスしました。
 
さて、まず用意しなければならないのは、バルブスプリングテスターです。
もちろんありません!
なので、身近なものの組み合わせでそれらしい計測が出来るように工夫してみます。
 
それがこれです。
卓上ボール盤に体重計を載せたものです。
要は、沈み込み量に対するその時点での力を知ることが出来れば事足りるわけです。
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計測のポイントは2点としました。
 ・シリンダーヘッドにスプリングをセットしたときの長さ
 ・カムが回転してフルリフトしたときの長さ
 
これらを確認するために、「a,b」の木片を切り出しそれぞれの定規としてみました。
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ボール盤のハンドルによって軸を下げていき、板を介してスプリングの圧縮が始まります。aの定規に板が当たるところがセット長になるのでその時点での重さを計測します。これがセット時のスプリングレートになります。
モーターを使った自動装置のようにはピタリといきませんので、何度か上げ下げしながら数字を探ります。上の写真のスプリングは30kg程度と判断しました。
 
同様に、の定規を使いフルリフト時のレート計測をします。
 
そして、沢山のスプリングの計測を終えた結果です。
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上段がセットレート、下段がフルリフトのレートです。
同じように見えても意外と数字がばらばらです。
この中からどのように組みつけていくか考えるのも楽しいものです。
全部同じだったらそれはそれでよかったんですけどね。
 
因みに、カワサキニンジャのものはフルリフト前に密着してしまったのであきらめました。
しなやかで良さそうだっただけにちょっと残念に思っています。
 
 

半分削れるんだ・・・

 
手元にある部品で再生を試みておりますが、状態の悪い部品との格闘。
妥協と工夫でナントカしようとしておりますが、今回はロッカーシャフトです。
 
手元にある4本のロッカーシャフトの内3本はアメリカからの帰国子女。そのうち2本はあばずれのズベ公でどうにも更生しようがない酷い状態です。残りの2本も特有の消耗状態を示しています。
本来は交換すべき状況かもしれませんがこれの内1本を活かしていこうと思います。どちらにするかはまだ決めてませんが、1本は元々小生の鉄ヘッドに装着されていたものです。
 
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4本の状態は拡大で比較すると一目瞭然です。
左の2本は、光のラインが乱れていて表面の状態が凸凹になってしまっているのが確認できます。
右の2本は比較的良好・・・に見えますが・・・
 
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横からも観察してみます。
全周に渡って、削れて凸凹です。オイル管理がスコブル悪かったことでこのようなことになっているようです。カジリも酷いです。
これは使えません。
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比較的ましな方は、
シャフト上部は全く問題ないのですが、下半分は妙に光沢を放っています。
これは、半分だけ磨耗してしまっているということです。
 
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ロッカーアームも確認してみますと、
シャフトに接する内面の下側が磨耗しています。カジリも確認できます。
楕円の部分は、シャフトのオイルギャラリーの面取りがされていないので、その為の局部的な磨耗になっていると推測しています。
 
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上面は、寧ろ当たりがなかったかのようにちょっと残念な切削加工の地肌のままみたいな感じです。
 
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何故このような偏った磨耗が発生するかというと、構造的に下部のみに力がかかってしまうからです。
ロッカーアームに対してかかる力は、プッシュロッドからの突き上げによる力と、バルブスプリングの反発から来る力です。その両方からの力はロッカーアームを持ち上げる方向にのみ働くためにその接点であるロッカーシャフト下部の消耗が激しくなってしまう傾向であるというわけです。
 
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このシャフトにもオイルによる潤滑をしているわけです。
シャフトには、シリンダーヘッドよりオイルポンプの圧力によって供給されるオイルによって潤滑がまかなわれています。
シャフトは、その空転を防ぎ、オイルギャラリーからの供給を確実の行うために、セットスクリューによってセットホールに位置決めされて固定されています。
 
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ロッカーシャフトのオイルギャラリーには、[a]地点にある穴を介し、シャフト内を通りそれぞれのロッカーアームの内側にシャフト上下の穴からオイルが供給されます。
 
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仕組みはわかったので、磨耗してしまう問題点の善処と、磨耗している部品の再使用について考える必要があります。
もう大体の構想は出来ているので、実践はまた機会にすることにします。
 
本当にクルマにとってオイル管理の大切さが部品の状況から再確認させられますね。
 

前期後期なんて単純な話じゃなかった・・・

 
淑女に搭載のR型エンジンは、当初はシルビア、フェアレディ、ブルーバードのスポーティ車3種に採用されたH型エンジン系列の1600ccOHVエンジンです。
 
H系列とは、基本になったエンジンがH型というセドリックに搭載された1900ccだからなのですが、その系統には、元になるG型1500ccエンジンがあります。
 G型は当初、セドリックに搭載され、その後フェアレディにも搭載されました。当時の日産はエンジン型式名が排気量ごとに違う名前がつけられていましたので構造も違うように感じますが、基本は同じエンジンです。その後のL型やA型では、L20,L24,A12、A14といったように数字を添えて排気量がわかりやすい表記になりました。H系列ではH20型がその例です。G型については、スカイラインやローレルに搭載されたG型エンジンがありますが、これは、プリンス自動車設計によるもので全く別物エンジンです。
 
H系列エンジンは、汎用エンジンでしたので、商用車のトラック、バス、フォークリフトにも搭載され、キャブオール、ホーマー、クリッパー、キャラバン、ジュニア、エコー、シビリアン、日産と小松のフォークリフトと一大勢力を誇っていました。
フォークリフトからスポーツカーにまで搭載されたエンジンはこの系列くらいかもしれませんね。
1960年代初頭から2000年代まで45年近くにもわたって製造されていました。
その中でもH25型はフォーク用ですが、どのようなスペックなのかが気になるところです。
G型の1500ccに対して2500ccですから!
 
また、上記4気筒エンジンのほかに、6気筒化したK型 (2800cc)、H30 (3000cc)があり、セドリックスペシャル、プレジデントに搭載されていました。
その他の派生型式として、OHC化したU20をフェアレディSR311用に、ディーゼルのSD22,SD23。H20の製造設備を利用したFJ20エンジンがあります。これは特に互換があるわけではなく、シリンダーのボアピッチが同じH20型の生産設備をそのまま利用して製造だというレベルのようで別物です。
 
さて、R型エンジンについて大きな分類には、前期と後期があるというのが良く知られた話です。
前期は「鉄ヘッド、3ベアリングブロック」、後期は「アルミヘッド、5ベアリングブロック」というものが語られていますが、概ね1966年から67年頃に順次変更されているようです。この時期にインチ規格ねじからミリ規格へと変更になっています。(国内向けのみ)
今回はヘッドについて考察していきます。
 
まず、我が淑女についていたオリジナルの鉄製ヘッドを、物置から出してきました。
 
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本来はこれを再生してというのが筋なのですが、錆によるウォーターアウトレットの固着が激しく、壊さずに外すことを断念しそのまま保管ということになっていました。
 
 (最近、上手く取り外せそうな妙案が頭に浮かんできましたので、時期が来たらやってみようと思っています。)
 
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4つのヘッドを比較してみます。
左から、65年鉄ヘッド、66年頃アルミヘッド、67年以降と思われるアルミヘッド、対米輸出用と、国内用
右の国内用以外はインチ規格のねじでした。
 
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日産発行のサービス週報やパーツカタログから調べていくといろいろなことがわかってきました。
まず、R型を最初に採用したのはCSP311シルビアで、65年3月発行のサービス週報によるとG型との違いは、外観、形状は変わらずに燃焼室の容積と形状を変更しているとあります。同4月発行のSP311のサービス週報でも同様の旨が記載されていました。 
 
ところが、同6月発行のブルーバードのサービス週報では、アルミ合金を採用し、CSP311と同じウェッジ形燃焼室を採用となっています。ウォーターアウトレットもあわせてアルミ合金製を採用ともあり、取り付けも3本ボルト締めから2本ボルト締めになったことが記載されています。 
 
つまり、ブルーバードSSS(R411)が最も早くアルミヘッドになったことがここでわかります。なお、ブローバイ還元をヘッドカバーに戻したのもこの時点でブルーバードで実施されています。
したがって、その後、順次シルビアとフェアレディに実施されたようです。
 
簡単な比較をしてみます。
正面から見たところです。まず一番気になったのは、ウォーターアウトレットのホース取り付け高さに差異があったというのは始めて気が付きました。
これは恐らく、何らかのトラブルで冷却水が減少してしまっても、ある程度までは空気をミックスすることなく冷却水が循環して冷却作用の効率が落ちることがないように配慮した為と思われます。
 
シルビアとフェアレディは共通なのでこの変化があったわけですが、ブルーバードではキャップなしのアウトレットなので形状は全く違います。
 
オルタネーターステイの取り付け部分も、鉄製ではエンジンハンガーを兼ねた別部品であるのに対し、アルミでは成型によって増設されています。
 
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上から見てみます。
ボルト3本締めか2本締めかの違いがわかります。
サービス週報には、2本締めにすることで、ヘッドの長さを短くしたとも記載があります。
 
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上方から全体の比較です
 
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上記のほかに、大きな変化としては、バルブシート部分の形状が変わっています。
鉄製と、初期のアルミ製については、段つき形状になっており、後期以降については段つきがありません。
 
  鉄 製 
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 アルミ合金製 初期
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 アルミ合金製 後期
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そして、それぞれに使う「バルブステムシール「「リング」は、こんな感じです。
左から、後期用、前期用に近いもの(J型エンジン用)、リング、参考の為に並べたL型エンジン用となります。
 
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後期用は、これ以降のアルミ、鉄ヘッドすべてに採用されています。(H20,R,U20)
初期の段付きヘッドに取り付けは可能ですが、段のある分浮いてしまい、バルブスプリングも圧縮気味になって好ましくありません。このためには、段付を切削して無くす加工も必要になります。
 
初期の段付ヘッドでは、元々、リングのみの採用で、ステムシールは採用されていませんでした。
写真は、ツバ付のJ型エンジン用ですが本来はツバのない形状と思われます。ただ、ツバがついていても、上にあるスプリングシートの代わりとなりますので問題ありません。アウター側のみスプリングシートを使用してセットします。因みにスプリンシートはアルミ合金製ヘッドへの鉄製スプリングからの影響を回避するために採用されていると推測しています。
 
また、何故段付である必要があったのか?
ということに関しては、今では当たり前に思えるダブルのバルブスプリングも60年代ではシングルでの使用は珍しくありませんでした。エンジンの高回転化の必要性からダブルスプリングの採用となっていったいきさつがあります。
したがって、シングルで組む場合にスプリングがずれないようにあえて段付き形状となっているのではないかと推測しています。
 
次に、それぞれの刻印を見てみます。
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上から、鉄、アルミ初期、アルミ対米輸出用、アルミ後期国内用です。

 

 
鉄製が一番しっかりと刻印されています。
初期アルミはうっすらとしていて鋳造技術も途上だったのか巣が多いです。
対米輸出用には、刻印はそこそこで、排気ガス対策の為の2次空気導入用の穴が開けられています。
国内用は刻印が前のオーナーによって削られてしまっています。2次空気導入用の穴の台座?が未加工で確認できます。国内ものだけ見ていると何のための突起かわかりませんよね。
 
今回、R型エンジン用のヘッドを調べていてわかったこと、なんと、わかっただけで、8種類のヘッドが存在するということでした。
66年と67年に一番変更点が多いようですが、シルビアとフェアレディの同年のパーツカタログが手元にない為に調べ切れませんでしたが、ブルーバードのものとほぼ同様と思われるので、そんなに違いはないことでしょう。
 
65年から67年のブルーバードのアルミ合金ヘッドは、5種類確認できました。
①当初の初期ヘッド、②その改良型、③ミリ規格に変更と段付を無くしたもの、④⑤その改良型が2種、です。
その他、レース用オプションヘッドがありました。
 
商用車に関しては、66年のキャブオールで採用されたH20用の鉄製ヘッドは、R型のホーマーとも共通部品として採用され、少なくとも1983年まで同一部番で同じ部品が使い続けられたようです。
 
系列としての、H型、G型にも数種類の鉄製ヘッドが存在します。
U20のOHCヘッド、フォークリフト用H20、タクシー用H20・・・・・
まだまだありますが、こんなところで、やめておきます。
 
 
歪んだヘッドを再生してる。だからこうして帳尻合わせしてみた。

このヘッドは、真ん中が持ち上がるように弓なりに歪んでいたので、上下両面の面研を実施しました。
その為に、バルブの高さが狂ってしまうというのは初めからわかっていたことです。
つまり、バルブシート面から見て2番3番が弓なりに持ち上がった分上がっているということです。
その狂いは、気にしなくても組み立てることは出来るのですが、ロッカーアームの角度がその狂い分変わってしまうという現象が発生します。バルブタイミングなどにどれだけの影響があるのかはわかりませんが、バルブステムの突き出し高さをそろえることでロッカーアームへの影響を及ぼさないように処置してみます。

今回のやり方も実験みたいなものなので正解なのかどうか、単なる辻褄あわせなのか意見の分かれるところではありますが、アマチュアの遊びなので忖度でお願いします。

まずは、ヘッドにバルブをすべて差し込み、そのバルブステムの突き出し誤差をステンレス定規を当てて図ってみます。
ヘッドを逆さにすることで、バルブが抜けることもないので測定は容易になります。

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要は、バラつきがないかの確認の為に定規を当てるわけです。
長いものは持ち上がります。凸凹のないようにして測ります。

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1番と4番の高さに合わせてすべてのバルブステムに定規を当てると、歪んでいる分2番と3番にその狂い分が持ち上がることになり、上面ではバルブが閉まっていない状態を確認することが出来ます。

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ポートからライトを当てると光の漏れでよく確認できます。
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そこで、この長すぎる部分をグラインダーなどで切削して高さをそろえます。
切削面は鏡面仕上げをします。
ここは、ロッカーアームが直接あたる部分だからです。

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おさらいしますと、グリーンの曲線のように歪んでいたものを面研してフラットにしてはいますが、その内側に当たるバルブシート面はレッドの曲線のように弓なりのまま補正することが出来ないので、その補正をバルブステムの高さで行うという方法をとってみました。

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バルブステムを切削して短くすると、リテーナーの取り付けに変化が現れてしまいます。
突き出し量が状況によっては足りなくなる場合もあるでしょう。
今回は、ギリギリ突き出し量が残っているのでそのままでも良いのですが、リテーナーの取り付けに工夫をして余裕を持てるようにすることにします。
左は、切削加工したもの、右は、ノーマル、突き出し量に違いがあります。

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以前、リテーナーの考察をしたときに比較検討していますが、その中の方法で突き出し量を少しばかり多く出すようにしてみます。

そのときの比較がこの写真です。解説を入れました。
赤丸で囲った組合せが適当と考えていますので、組立にはこちらを採用します。
ややスプリングを押し付ける設定ですが、さほど大きな支障はないでしょう。

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各タイプの部品展開は以下の通りです。

Aタイプは古いタイプで、Oリングを装着し、これによりオイル下がりを抑制する働きを持たせていたと思われます。

Bタイプでは、Oリングがなく、オイルステムシールの採用で、オイル下がりを防止する機構のエンジンに装着されていました。

今回は、この両タイプの組み合わせによって取り付け高さを変更する予定です。

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左から、切削加工品にBタイプで組んだもの。切削加工品にAB組合せで組んだもの。未加工品にAB組合せで組んだもの。になります。突き出し量は十分です。

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一応、このような方向で考えていますが、実際の組み付け時にはフリクションロス削減の観点から、Bタイプのみで組み付けるかもしれません。
まだまだ、考えています。

磨き作業は地道な作業

 
前回はバルブの上面の作業紹介でしたので、今回は下面、燃焼室側の研磨作業をしていきます。
実際の作業では、上面と下面は連続作業で、重量を測り確認し、微調整しながらの作業でした。
 
さて、バルブの下面を研磨作業をするのにはボール盤では加工面が下を向くためにとても作業しづらく目視もままなりません。
 
そこで、万力にドリルを挟み込み倒立させて、上面作業できるようにしてみました。
万力を固定しているのは、廃棄されていた木製のスピーカーボックスです。
強度もあり、縦横自由にでき、移動も簡単で重宝しています。
この状態で20年以上使っています。
今回は、立てて使いましたので、安定させるための重石として定盤を乗せています。
 
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ドリルチャックにバルブをセットします。
若干磨いていますが、日産マークが純正品を物語ります。
 
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まずは、現時点で一番軽いバルブを研磨し、最終の仕上げまでしてしまいます。
 
この最初に研磨したバルブの重さを基準として、
2本目以降のバルブの重さを合わせるように研磨作業をしていきます。
吸気バルブは、83g、排気バルブは76gに決定し目標値としました。
 
重量あわせでは、上面も下面も適宜そぎ落とすことで重量を近づけていきます。
感覚的要素が大きいかもしれませんがやりながら感を掴んでいけばいいでしょう。
ただし、やりすぎには注意して、作業を進めましょう。
一度仕上げたものを、再度荒削りしてやり直すことも多々あります。
せっかく鏡面にしたのにもう一度80番を当てるのは気持ちも複雑になりますが、結果オーライの気持ちで。
 
では、上面同様、80番のフラップホイールで荒く研磨して行きます。
適宜取り外して重量の確認をしながらの進めていきます。 
 
日産マークがあったのは、既に過去となってしまいました。
 
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順次、各種ペーパーがけをしていきます。
これでも十分いい感じですね~
 
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仕上げとしてピカールで鏡面に近く仕上げていきます。
 
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吸気バルブはこんな感じでした。
 
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作業工程は、左から、未加工、荒研磨、ペーパー研磨、ピカール研磨の流れです。
 
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最終的な重量は、吸気バルブは、4本で332gとなり、1本は83gです。
 
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排気バルブは、4本で304gとなり、1本は76gです。
 
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全部出来たところで並べてみました。
あの汚いバルブだったとは思えないくらいに美しくなりました。
 
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新品みたいになって満足です。
 
45度面についても、しっかりと当て木を使って研磨して面調整は行いました。
 
バルブについては、実はもう一点行った加工があるのですが、それは次回といたします。

汚いバルブをピカピカにしよう!

 
以前にも書いたと思うのですが、シリンダーヘッドがいくつか集まったものの、まともなものがひとつもなかった・・・・・
 
そんなハズレの部品の寄せ集めから、”まし”な部品をチョイスし綺麗に仕上げていこうというのがこの趣旨で、むしろ修正しなければ使用に耐えないものを修正加工することでチューニングヘッドにしてしまおうというというわけなのです。
 
今回はバルブの研磨と重量合わせをしていきます。
写真は加工しながらでは撮れないので、実際の作業での手元は写っておりませんのでなんとなくイメージしてください。
 
さて、汚れたバルブです。
カーボンの付着具合はそれほどでもないですね。
これを軽量しつつ鏡面加工して行こうと思うのです。
 
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まずは、第一回目で行いましたモノタロウの強力パーツクリーナーによる漬け置き洗浄です。
あれから半年ほど経過してしまいましたね~
 
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一晩で結構溶け落ちてくれます。
洗浄作業が終わって、それぞれの重量を測りましたところ、
 
・吸気バルブ:86g、84g、84g、86g
・排気バルブ:78g、77g、77g、76g  という状況でしたので、
 
吸気は83gか84gに、排気は76gにそろえる目標とします。
 
目標が決まりましたので、ボール盤へセットして磨き作業に入ります。
 
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軽く表面のみを磨いてみました。
これだけでも、いい感じですね。
 
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この後は、軽量しての重量あわせと、鏡面仕上げまでしていきますので、使った道具を紹介します。
・ 大リューター 80番のフラップホイールで大胆にそぎ落としを行います。
・ 小リューター ゴム砥石は、荒削りでの小加工に使用し、
           400,600,1000番のホイールは、仕上げ前処理につかいます。
           仕上げ最後はピカールを使用。
・布やすり 80番 これを主体にリューター荒仕上げ後の表面調整を行います。
           120番は補足程度に使用。
・空とぎペーパー 180,320番 ホイール仕上げ前の表面調整に使用。
・当て木      ペーパー作業の補佐として、平滑にするのに必要。
           小生は古いゴム印の柄を利用しています。硬くてよいです。
・ピカール     鏡面仕上げの研磨に使用。
・スピードコントーラーは、大リューターの速度を上がり過ぎないようにするために使用します。
・ボール盤    バルブをチャックにくわえての研磨作業に使います。
・ドリル      スピードコントローラーつきでしたので、適宜速度調整。
          後で作業を紹介します。
・万力      ドリルを固定するのに使います。
 
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ボール盤を回転させながら、80番のフラップホイールで荒削り作業をします。
 
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次に、80番布やすりで表面を平滑にしていきます。当て木をうまく使います。
光沢感が出てくるので、表面は平滑になってきたのが良くわかります。
 
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更に、ペーパーの180番、320番、ホイールの400,600、1000と番手を上げて更なる平滑を目指します。当て木を使ったり、指の腹で押さえたりと適宜表面をみなからの研磨作業です。
 
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最後にピカールで仕上げます。
適当鏡面なので、フェルトまでは使わず、ジーンズの切れ端を利用しての研磨で終了としました。
 
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裏側は、次回に続きます。