【マンガ感想】
『風雲児たち 幕末編 16巻 (みなもと太郎)』
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【あらすじ】
中条省平氏、激賞!! 『あまりに壮大で…』七転八倒の幕府と諸藩、大騒ぎの日本は…歴史大河ギャグ!!あまりに壮大で破天荒な近代日本の序曲。『風雲児たち 幕末編』と比べれば、『坂の上の雲』さえ、ささやかな後日談にすぎない。(学習院大学教授・中条省平)
幕末・・・に入る少し前の時代を描いている歴史マンガです。
この作品は、ナント1979年から連載がスタートしているらしく、
何度か不遇な扱いを受けつつも、連載誌を変えて20年以上も連載されている大作です。
潮出版社時代には、本屋でこの作者の作品を見かけることはあまりできませんでしたが、
2001年にリイド社に移籍してからは、各種メディアにも取り上げられる機会も増え、
ありがたいことに、普通の本屋さんでも最新刊を手に入れやすくなりました。
現在は、『幕末編』と名称を変えて連載を続けておりまして、
坂本竜馬・勝海舟・吉田松陰・村田蔵六・桂小五郎・島津斉彬・西郷隆盛・土方歳三など、
幕末に影響をもたらした人物や、幕末で活躍する人物を掘り下げながら、
スローペースで描かれております。
ただ注意点がありまして、間違っても、『幕末編』からこのマンガを買ってはいけません。
この『幕末編』は、20冊(ワイド版)ほど発売されている作品の続編であり、
そちらを読んでから『幕末編』を読まないと、面白さは半減以下であると思います。
もちろん、そのオリジナル作品は、定価で買う価値のある魅力的な作品ですので、
興味のある人は、ぜひとも『オリジナル』をご覧くださいませ(^^ゞ。
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ここからは、16巻の感想。
16巻では、『安政の大獄』を起こす引き金となった『戊午の密勅(ぼごのみっちょく)』のイベントが
詳しく描かれまして、時代がさらに幕末に向かって動き始めております。
そんな16巻のメインとなるのは、もちろん『戊午の密勅』でしょう。
この『戊午の密勅』とは、安政5年に『孝明天皇』が『水戸藩』に密勅(手紙)を下賜した事件でして、
この『戊午の密勅』をきっかけとしてあの『安政の大獄』が起こってしまったという重要イベントです。
私自身、このイベントは名前こそ知っていましたが、どのようなイベントであったのかは知らなかったので、
この漫画を読むまでは、「天皇から密書を貰ったのが大事件?」と思っていたのですが、
天皇 「水戸藩さ~、幕府に変わって主導権を握って政治を執っちゃいなよ!」
とかいう意味合いの密書(注:手紙の内容はそういうことは書かれていない)であったことを知って、
「なるほど、歴史に残るだけのイベントだったんだな~」と改めて理解できました(^^;。
で、本編では、
この天皇の手紙がきてしまったため、水戸藩は天皇からの勅命であるため逆らうことが出来ず、
幕府には極秘で幕府から主導権を奪うために動き始めるわけですが、すぐに幕府も動き出します。
水戸藩は当初、この密書は天皇直々の勅命であるため、幕府もペコペコしながらやってくるのかと
思っていたのですが、ナント、幕府は“水戸藩のみ”が受け取ったと思われていた密書と同じ物を持って、
水戸藩主・『徳川慶篤』を訪れてきます。 ここら辺を詳しく書くと長くなるので簡単に書くと、
朝廷内でも幕府側に付いている関白・『九条尚忠』が2日遅れで幕府に同じ密書が届くように細工を
していたためであり、このことを知らなかった水戸藩としては幕府に極秘に動いていたはずなのに
実はその極秘の行動がバレバレであったことが判明し、藩主は顔面蒼白になってしまいました。
(↑絶望する水戸藩主・『徳川慶篤』)
このイベントが終わると、この『戊午の密勅』にかかわりを持った人物が逮捕されていきます。
その中で、水戸藩にこの密書を届けた水戸藩士の『鵜飼吉左衛門』・『鵜飼幸吉』の親子の逮捕により
『井伊直弼』を暗殺するというクーデター計画が幕府にバレてしまうというイベントの影響力は凄まじく、
このイベントにより安政の大獄へ向かっていくこととなりました。
恐らく、次巻以降は、『吉田松陰』がメインとして描かれることとなり、
あの安政の大獄が本格的に起きるのだと思います。 次巻以降も楽しみです。
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【総評】
徐々にですが、安政の大獄が近づいてきました。
やっとタイトル通り、幕末へ向かっていきそうですね。
点数的には
88点
です。
では、ここまで。
