『センゴク天正記 4巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『センゴク天正記 4巻 (宮下英樹)』

 

4063617661 センゴク天正記 4 (4) (ヤングマガジンコミックス)
宮下 英樹
講談社 2009-03-06

by G-Tools

 

 

過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻  12巻  13巻  14巻  15巻

               センゴク外伝桶狭間戦記 1巻

               センゴク天正記 1巻  2巻  3巻

 

 

【あらすじ】

長篠・設楽ヶ原の地に当代最強の武将たちが集結。鳴り響く押し太鼓とともに武田最強の赤備え・山県隊が突撃し、ついに天下分け目の合戦は始まった!! 押し寄せてくる武田軍を迎え撃つ、織田信長の新たなる鉄砲戦術とは!? かつてない長篠合戦譚、最高潮!!

 

 

『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。

圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。

現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。

 

この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、

実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。

あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。

時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、

その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。

戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!

 

さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。

 

誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、4巻表示されておりますが、

この作品は、実質的『センゴク』の19巻目に当たります。

つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。

やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。

 

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さて、ここからは4巻の感想を。

 

ついに、天下分け目の長篠の戦が始まった。

武田軍は、山県昌景軍に徳川家康軍を、馬場信春軍に佐久間信盛軍を当てて一気に中央突破を図る。

中央突破を図ってくる武田軍の先陣は、後にあの『真田幸村』を生み出すこととなる真田軍で、

その中央部分は主人公・『仙石権兵衛秀久』が守っていた・・・。

 

ついに今巻、あの有名な『長篠の戦』が始まりました。

兵力だけを見れば、織田・徳川連合軍の方が圧倒的に多いわけですが、

徳川軍が武田軍に惨敗した『三方ヶ原の戦い』から判るように武田軍は負け知らずの常勝軍団で、

『武田信玄』を失ったとはいえ優秀な武将は存命で現時点で戦国最強であることは間違いありません。

主人公・『仙石権兵衛秀久』は、その武田軍(真田軍)を最前線で迎え撃つこととなり、

まさしく生き残りをかけて、部下と共に武田軍と戦うこととなりました。

 

この戦で気になるところは、あの『3000丁の火縄銃による三段撃ち』がどのように描かれるのか、でしょう。

一般的には、織田・徳川軍が騎馬よけの柵を作り、そこへ突っ込んでくる武田騎馬軍に対して、

『3000丁の火縄銃による三段撃ち』を行うことにより、一気に戦を終わらせたというのが有名ですが、

この作品では、今回も、その定説を『疑問が残る』という言葉でばっさりと否定していまして、

この作品らしい解釈の下、この作品らしい『3000丁の火縄銃による三段撃ち』が描かれました。

 

その『この作品らしい3000丁の火縄銃による三段撃ち』とは、

中央突破を図り、主人公達が守っていた第1・第2の柵を突破してきた『真田軍』・『内藤軍』に対して、

5方向からの『殺し間』を仕掛けることでして、命中精度の低い火縄銃の弱点を補いつつも、

相手に逃げる隙を絶対に与えることの無い、まさしく絶望的な作戦であります。

 

この作戦により、『真田軍』・『内藤軍』が一瞬により全滅してしまい、

武田軍の有利の状況から一変し、武田軍の撤退(殿戦)が始まることになります。

織田信長の軍神・武田信玄をも超えていく才覚を開花させたこの作戦は見事としか言う言葉はなく、

この戦で織田信長は『魔王』と呼ばれるに相応しい存在になったのだと思います。

 

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【総評】

о(ж>▽<)y ☆ 面白いです。

5方向からの『殺し間』は、この作品だからこそ描くことの出来た壮絶なシーンだと思います。

このシーンを見るだけでも、今巻を買う価値はあったのではないでしょうか(^^ゞ。

 

点数的には

100点

です。
 

 

では、ここまで。

 

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