☆新型コロナウイルス感染:ビタミンDが有効!? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

本論文は、新型コロナウイルス感染の予防にビタミンDが有効である可能性を示唆しています。

 

Nutrients 2020; 12: pii: E988(米国)doi: 10.3390/nu12040988(レビュー)

要約:ビタミンDは感染防御に働いており、カテリシジンとディフェンシンの誘導作用により、炎症性サイトカイン減少と抗炎症サイトカイン増加が生じます。また、多くの研究でビタミンDサプリによるインフルエンザ感染の予防が報告されています。新型コロナウイルス感染では、感染症状や重症度とビタミンD濃度に負の相関が認められ、新型コロナウイルス感染のハイリスクとされている状態(加齢、喫煙、高血圧、糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患)とビタミンD濃度にも負の相関が認められます。ビタミンDサプリ投与により、炎症性サイトカインのIL6が有意に減少し、CRPやARDSが有意に減少します。ビタミンDサプリを最初は10,000IU/日服用し、維持量として5,000IU/日服用し、25OH-VitD濃度を40〜60 ng/mL以上にすることを新型コロナウイルス感染の予防策として推奨します。

 

解説:本論文は、新型コロナウイルス感染の予防にビタミンDが有効である可能性を示唆してるのですが、疫学研究や観察研究のみであり、これだけでは断定できません。確定するためには、ランダム化試験が必要です。ただし、興味深い切り口からの論文であり、今後の研究に期待したいと思います。

 

下記の記事を参照してください。

2020.4.12「☆新型コロナウイルス感染:妊娠中の感染 その2

2020.4.12「☆新型コロナウイルス感染:妊娠中の感染

2020.4.3「☆新型コロナウイルス感染症対策:妊婦の方々へ

2020.4.3「☆新型コロナウイルス感染に対する対策:BCG接種は?

2020.3.21「☆☆新型コロナウイルス感染:ウイルスの残留性

2020.3.18「☆新型コロナウイルス感染:ISUOG学会ガイドライン

2020.3.17「新型コロナウイルス感染:ダイヤモンド・プリンセス号の対応

2020.3.12「☆新型コロナウイルス感染 その4

2020.3.6「☆新型コロナウイルス感染:産婦人科学会ガイドライン

2020.2.27「☆新型コロナウイルス感染 その3

2020.2.14「☆新型コロナウイルス感染 その2

2020.2.5「☆☆新型コロナウイルス感染