☆新型コロナウイルス感染:ISUOG学会ガイドライン | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

ISUOG(国際産婦人科超音波学会)から発表された妊娠中の新型コロナウイルス感染に関する医療従事者のガイドラインをご紹介します。

 

Ultrasound Obstet Gynecol 2020 Mar 11(香港)doi: 10.1002/uog.22013

1 妊娠中にCOVID-19感染が確認された場合には、第3次医療機関に搬送し治療を行う。

2 陰圧換気の個室で、陣痛から分娩、新生児のケアを行う準備をしておく。

3 COVID-19感染の流行中は、最近の旅行、仕事、クラスターへの濃厚接触の有無、症状をきく。

4 COVID-19感染を疑う場合には、胸部CTを撮影する。

5 COVID-19感染を疑う場合には個室で、診断のついた場合には陰圧換気の個室で、重症の患者さんは陰圧換気のICUで管理する。

6 COVID-19感染の診断のついた妊婦は陰圧換気の個室で陣痛から分娩まで管理し、その部屋には限定した医療スタッフのみの入室とする。

7 COVID-19感染患者に対応するスタッフは、防御体制をしっかりする。

8 COVID-19感染患者に対応するスタッフは、産婦人科、ICU科、麻酔科、助産師、ウイルス・微生物専門家、新生児科、感染症専門家のチームで対応する。

9 分娩方法と分娩時期については、患者さんの状態・妊娠週数と赤ちゃんの状態から個別に判断する。

10 麻酔方法は、患者さんの状態を考慮し麻酔科医と協議の上決定する。

11 限られたデータしかないが、現在までのところ、COVID-19の垂直感染(母体→胎児)の証拠はない

12 現在までのところ、母乳の安全性や母児同室可能かどうかについては十分なデータがない。母体が重症の場合は母児は別々に管理すべきであり、搾乳を実施する。母体が軽症か無症状の場合は母乳を与え、母児同室で隔離する。

13 産科管理を行う医療スタッフは、人工呼吸器の操作に習熟しておく。

14 COVID-19感染患者あるいは感染の疑いのある患者に超音波検査を実施する際には、プローブの感染防御対策や消毒を確実に実施する。

 

下記の記事を参照してください。

2020.3.17「新型コロナウイルス感染:ダイヤモンド・プリンセス号の対応

2020.3.12「☆新型コロナウイルス感染 その4

2020.3.6「☆新型コロナウイルス感染:産婦人科学会ガイドライン

2020.2.27「☆新型コロナウイルス感染 その3

2020.2.14「☆新型コロナウイルス感染 その2

2020.2.5「☆☆新型コロナウイルス感染