☆☆新型コロナウイルス感染:ウイルスの残留性 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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本論文は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残留性に関する重要な情報を示しています。

  

N Engl J Med March 17, 2020(米国)DOI: 10.1056/NEJMc2004973

要約:SARS-CoV-2の残留性について、空気中、銅、ダンボール、ステンレス、プラスチック表面を用いて検査しました。少なくとも、空気中では3時間、銅表面は4時間、ダンボール表面は24時間、ステンレス表面は48時間、プラスチック表面は72時間ウイルスの残留が認められました。また、ウイルス残留の半減期は、空気中では1.1時間、銅表面は4時間、ダンボール表面は3.5時間、ステンレス表面は5.6時間、プラスチック表面は6.8時間でした。なお、SARS-CoV-2(今回のCOVID-19の病原ウイルス)のウイルス残留性は、SARS-CoV-1(2002年のSARSの病原ウイルス)のウイルス残留性とほぼ一致しました。

 

解説:本論文は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残留性に関する重要な情報を示しています。空気感染も起こり得ること、ステンレスやプラスチックは2〜3日前に付着したウイルスからも感染する可能性があります。これらの材質のものでは消毒の際に特に注意が必要です。

 

下記の記事を参照してください。

2020.3.18「☆新型コロナウイルス感染:ISUOG学会ガイドライン

2020.3.17「新型コロナウイルス感染:ダイヤモンド・プリンセス号の対応

2020.3.12「☆新型コロナウイルス感染 その4

2020.3.6「☆新型コロナウイルス感染:産婦人科学会ガイドライン

2020.2.27「☆新型コロナウイルス感染 その3

2020.2.14「☆新型コロナウイルス感染 その2

2020.2.5「☆☆新型コロナウイルス感染