☆新型コロナウイルス感染:妊娠中の感染 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

本論文は、妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合の最新情報を示しています。

 

Acta Obstet Gynecol Scand 2020 Apr 7(スウエーデン)doi: 10.1111/aogs.13867

要約:2020年4月4日までに報告された妊娠中の新型コロナウイルス感染に関する18論文108例を解析しました。なお、新型コロナウイルス感染はPCRにて診断し、査読がない論文は除外しました。ほとんどの報告では、妊娠後期に発熱(68%)、(34%)、CRP増加(70%)とリンパ球減少(59%)がみられました。91%が帝王切開で出産し、 3例がICU管理となりましたが、妊産婦死亡はありませんでした。また、新生児死亡1名子宮内胎児死亡1名を認めました。

 

解説:本論文は、妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、ほとんどの妊婦および赤ちゃんに問題はありませんが、重症のケースが母子ともにありえることを示しています。現在のところ、垂直感染は完全には否定できませんので、注意深く経過をみることが必要です。

 

日本産婦人科感染症学会では、妊娠中の新型コロナウイルス感染について、最新情報をアップデートしていますので、併せてご確認ください(医療者向けの最新情報はこちらから)。

 

下記の記事を参照してください。

2020.4.3「☆新型コロナウイルス感染症対策:妊婦の方々へ

2020.4.3「☆新型コロナウイルス感染に対する対策:BCG接種は?

2020.3.21「☆☆新型コロナウイルス感染:ウイルスの残留性

2020.3.18「☆新型コロナウイルス感染:ISUOG学会ガイドライン

2020.3.17「新型コロナウイルス感染:ダイヤモンド・プリンセス号の対応

2020.3.12「☆新型コロナウイルス感染 その4

2020.3.6「☆新型コロナウイルス感染:産婦人科学会ガイドライン

2020.2.27「☆新型コロナウイルス感染 その3

2020.2.14「☆新型コロナウイルス感染 その2

2020.2.5「☆☆新型コロナウイルス感染