「わたしをとめるな。わたしの怒りは彼らにむかって燃え、彼らを滅ぼしつくすであろう」(エクソダス) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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寺子屋・集中講座はかなりハードだと思うのですが、まとめて学ぶ良さにあふれていて、楽しい企画です(今週末に追加開催します)。異なる分野の内容が深いところでつながっていることに気付く瞬間は学びの醍醐味です。

3月は「現代物理学の風景」、4月は「哲学の風景」がそれぞれ企画されています。その後、春季集中講座をやり、またもしかしたら語学系(ラテン語や漢文などがあります)や再び数学?などいろいろニーズに合わせた企画をやりたいと思います。

コンテンツを繰り返し、様々な視点から学び直すとまた楽しいと思います。


ということで、今回はエクソダスです!
旧約聖書のモーセ五書の1つである出エジプト記(エクソダス)について少し書きます!

エクソダスの中で僕が好きなシーンはいくつかあります。

しかし、エクソダスというのは基本的にはモーセという不世出のリーダーの英雄物語です。ですから、完全に神話です。もちろん史実を踏まえた神話です。


*ミケランジェロのモーセ像です。角が生えています。


その中で最も好きなのは、先にも紹介したこのシーンです。

彼は怒りに燃え、手からかの板を投げうち、これを山のふもとで砕いた。(エクソダス32:19)


*レンブラント

かの板というのは「彼の板」ですので、当然ながら十戒が刻まれた神様からいただいた板です。それを打ち砕いたのですw

楽しすぎるモーセさま!

その前の話もとても楽しいです。

まず、アロンが金の子牛を造ります。
それを神が見咎めて怒ります。
それをモーセがなだめます。
モーセがなだめるのです。誰を?
神を、です。
で、神はそのなだめを受け入れます。

で、モーセはシナイ山を降りて、、、、、民を見て、、、、ブチ切れます。

それがこのシーンです。

彼は怒りに燃え、手からかの板を投げうち、これを山のふもとで砕いた。(エクソダス32:19)

怒りに燃えてもいいのですが、せっかくいただいた律法の元である石版を砕いちゃダメでしょうw


ちょっと振り返りましょう。
まずアロンと金の子牛です。


*『金の子牛の礼拝』(ニコラ・プッサン作、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)Wikipediaより

(引用開始)
民はモーセが山を下ることのおそいのを見て、アロンのもとに集まって彼に言った、「さあ、わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセはどうなったのかわからないからです」。

アロンは彼らに言った、「あなたがたの妻、むすこ、娘らの金の耳輪をはずしてわたしに持ってきなさい」。

そこで民は皆その金の耳輪をはずしてアロンのもとに持ってきた。

アロンがこれを彼らの手から受け取り、工具で型を造り、鋳て子牛としたので、彼らは言った、「イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である」。

アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そしてアロンは布告して言った、「あすは主の祭である」。

そこで人々はあくる朝早く起きて燔祭をささげ、酬恩祭を供えた。民は座して食い飲みし、立って戯れた。(32:7)

(引用終了)

アロンが民に命令し、金を供出させて、「工具で型を造り、鋳て子牛とした」。

アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そしてアロンは布告して言った、「あすは主の祭である」。

ということは明らかに首謀者はアロンということになります。
モーセのお兄さんです。

このお祭り騒ぎを受けて、神はすぐに言います。

(引用開始)
主はモーセに言われた、「急いで下りなさい。あなたがエジプトの国から導きのぼったあなたの民は悪いことをした。(32:7)

彼らは早くもわたしが命じた道を離れ、自分のために鋳物の子牛を造り、これを拝み、これに犠牲をささげて、『イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である』と言っている」。(32:8)

主はまたモーセに言われた、「わたしはこの民を見た。これはかたくなな民である。(32:9)
(引用中断)

そして、神はブチ切れます。

(引用再開)
それで、わたしをとめるな。わたしの怒りは彼らにむかって燃え、彼らを滅ぼしつくすであろう。しかし、わたしはあなたを大いなる国民とするであろう」。
(引用終了)

神に従って、エジプトを脱出し、がんばっている人びとが自分たちのゴールドで子牛をつくっただけで、怒り狂う神様。。。。

それに対して、「まあまあ」とモーセがなだめます。

モーセがなだめて、神はそれを受け入れます。

(引用開始)
モーセはその神、主をなだめて言った、「主よ、大いなる力と強き手をもって、エジプトの国から導き出されたあなたの民にむかって、なぜあなたの怒りが燃えるのでしょうか。

どうしてエジプトびとに『彼は悪意をもって彼らを導き出し、彼らを山地で殺し、地の面から断ち滅ぼすのだ』と言わせてよいでしょうか。どうかあなたの激しい怒りをやめ、あなたの民に下そうとされるこの災を思い直し、

あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルに、あなたが御自身をさして誓い、『わたしは天の星のように、あなたがたの子孫を増し、わたしが約束したこの地を皆あなたがたの子孫に与えて、長くこれを所有させるであろう』と彼らに仰せられたことを覚えてください」。

それで、主はその民に下すと言われた災について思い直された。

(引用終了)

相変わらず、自分が言ったことを覚えていない神様は(その全知性を活用できない神様は)、モーセに言われて思い出します。そして「思い直され」ます。

ところが、その次が面白くて、モーセが民の姿を見てキレます。

(引用開始)
モーセは身を転じて山を下った。彼の手には、かの二枚のあかしの板があった。板はその両面に文字があった。すなわち、この面にも、かの面にも文字があった。
その板は神の作、その文字は神の文字であって、板に彫ったものである。(略)

モーセが宿営に近づくと、子牛と踊りとを見たので、彼は怒りに燃え、手からかの板を投げうち、これを山のふもとで砕いた。

(引用終了)

神様から頂いた石版を割るだけには飽きたらず、、、、

(引用開始)
また彼らが造った子牛を取って火に焼き、こなごなに砕き、これを水の上にまいて、イスラエルの人々に飲ませた。(引用終了)

驚くべき虐待っぷりです。

そして、まだまだ驚くべきはモーセは神様を誘導して、民を殺させています。

(引用開始)
モーセは主のもとに帰って、そして言った、「ああ、この民は大いなる罪を犯し、自分のために金の神を造りました。

今もしあなたが、彼らの罪をゆるされますならば―。しかし、もしかなわなければ、どうぞあなたが書きしるされたふみから、わたしの名を消し去ってください」。

主はモーセに言われた、「すべてわたしに罪を犯した者は、これをわたしのふみから消し去るであろう。

しかし、今あなたは行って、わたしがあなたに告げたところに民を導きなさい。見よ、わたしの使はあなたに先立って行くであろう。ただし刑罰の日に、わたしは彼らの罪を罰するであろう」。

そして主は民を撃たれた。彼らが子牛を造ったからである。それはアロンが造ったのである。

(引用終了)

神様のもとにわざわざ帰ってきて、ご注進申し上げた上で、無口とは思えない巧みな話術で、自分の手を汚さず、神に罰を下させています。「そして主は民を撃たれた」のです。
なぜ、殺されたのか?
その理由はシンプルです。

彼らが子牛を造ったからである。

しかし、造ったのは誰でしょう?

それはアロンが造ったのである。


しかし、モーセの兄アロンはお咎め無しです。


エクソダス、楽しすぎます!!!


*寺子屋で知の壁を突き破りましょう!!!