世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術 水野学 山口周 23279 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術 水野学 山口周 23279

 

★★★★★

定番になりつつある山口周さんと、

水野学さんという方の対談。

期待以上に面白い。

 

 山口  一つお伺いしたいのは、ターゲットを明確化すればするほど、

 市場規模が小さくなるという点です。

 ビジネスとしては不利になるわけで、

 企業の人たちはそれを嫌がりませんか?

 

 水野  そこが面白いんですけど、

 「嵐を好きな人って何人いますか?」という話です。

 

 山口  どういうことですか?

 

 水野  ターゲットって必ず、いくつかの円の重なり合いなんです。

 複雑化したベン図(集合関係を視覚的にわかりやすくした図のこと)というか。

 たとえば「嵐を好きな人のグループ」という大きな円があって、

 それに「『& Premium』を読んでいる人のグループ」という円、

 さらに「スープストックをよく利用する人の円」が重なるとします。

 重なった中心部分がコアターゲットですが、ターゲットは三つの円すべて、

 ベン図全体を目指しています。

 

 山口  ターゲットはエクスクルーシブじゃないっていうことですね。

 

 水野  でも、コアターゲットはかなり雑誌で決まるんですよ。

 特に女性は雑誌の数だけセグメントされているところがあります。

 『JJ』を読む人は、『CanCam』を下に見ているかもしれないし、

 『CanCam』を読む人は『JJ』を下に見ているかもしれない(笑)。

 こういうのを読み解けば、たいていのコアターゲットはセグメントできます。

 

おお、女性を雑誌でセグメントする。なるほどねぇ!

グロービス経営大学院のマーケティングの

セグメンテーションの講義のところにどうにか入れたいが、

この面白さは一部の方にしか伝わりそうに無いし

混乱させてしまいそうなので止めておくか。。。

 

 山口  自分の好き嫌いを知ることも、センスを磨くための第一歩ですね。

 

 水野  はい。といっても、会議の場で自分の好みにだけ

 固執されるのは困るんだけど(笑)。

 自分はそれが好きか嫌いか。「なぜ」好きなのか。

 嫌いな場合、どこが変われば好きになれるのか。

 好き嫌いの理由までつきつめるくせをつけると、

 感覚が磨かれていく。

 

 僕はだいぶ業界から浮いていて(笑)、

 できるだけデザインを言語化しようと努めているし、

 ブラックボックスを開けていこうとしています。

 でもそれって結局、マジシャンのネタばらしで、

 デザインを、誰にでもできるようにしてしまうということ。

 これは一方で、自分がやったマジックに対して

 「つまらない」と批判できる人を世の中に増やすことでもあるんです。

 

 これまで多くのデザイナーは、

 デザインが魔術であることの恩恵を受けてきた。

 「これを操れるのは才能がある自分たちだけだ」

 ということにしておけば、自分たちが安泰なので。

 でもこれからは、みんながセンスや美意識を

 当たり前のスキルとして持たないと、やっていけないです。

 

ここの「デザイン」のところに「経営戦略」「マーケティング」「武道」を

入れ替えて読んでみても面白いし、

それこそ私が今していること、したいこと。

 

 

仕事選びのアートとサイエンス/山口周 23243

 

ビジネスの未来――エコノミーにヒューマニティを取り戻す/山口周 23215

 

人生を守るための最後の時間術/山口周 23210

 

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント/山口周 23199

 

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術/山口周 22353

 

仮想空間シフト/尾原和啓 山口周 22280

 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口周 22217

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口周 21098

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口周 18255

 

外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~/山口周 21250