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1,426円
★★★★★
今まで考えもしなかったことを次々と目に前に突きつけられる
戸惑いと面白さを感じる本。
「わからなさ」の重要性―他者は氣づきの契機である
自分を変えるきっかけになるのは「わからない」という状況です。
この「わからなさ」の重要性を「他者」という概念を軸足にして、
生涯にわたって考察し続けたのが、
20世紀に活躍した哲学者のエマニュエル·レヴィナスでした。
レヴィナスのいう「他者」とは、文字通りの「自分以外の人」という
意味ではなく「わからない者、理解できない者」という意味です。
なぜ、そのような「他者」が重要なのでしょうか。
レヴィナスの答えは非常にシンプルです。
それは、「他者とは「氣づき』の契機である」というものです。
自分の視点から世界を理解しても、
それは「他者」による世界の理解とは異なっている。
このとき、他者の見方を「お前は間違っている」と否定することもできます。
実際に人類の悲劇の多くは、そのような
「自分は正しく、自分の言説を理解しない他者は間違っている」
という断定のゆえに引き起こされています。
このとき、自分と世界の見方を異にする「他者」を、
学びや氣づきの契機にすることで、
私たちは今までの自分とは異なる世界の見方を
獲得できる可能性があります。
まさにこの本は「わからない」ことだらけだが、
自分にとっての「意味」をひしひしと感じる。
何度も読んでみようと思う。