ニュータイプの時代/山口周 21081 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

ニュータイプの時代/山口周 21081

 

★★★★★

 

今まで考えもしなかったことを次々と目に前に突きつけられる

戸惑いと面白さを感じる本。

 

 「わからなさ」の重要性―他者は氣づきの契機である

 自分を変えるきっかけになるのは「わからない」という状況です。

 この「わからなさ」の重要性を「他者」という概念を軸足にして、

 生涯にわたって考察し続けたのが、

 20世紀に活躍した哲学者のエマニュエル·レヴィナスでした。

 

 レヴィナスのいう「他者」とは、文字通りの「自分以外の人」という

 意味ではなく「わからない者、理解できない者」という意味です。

 なぜ、そのような「他者」が重要なのでしょうか。

 レヴィナスの答えは非常にシンプルです。

 それは、「他者とは「氣づき』の契機である」というものです。

 自分の視点から世界を理解しても、

 それは「他者」による世界の理解とは異なっている。

 このとき、他者の見方を「お前は間違っている」と否定することもできます。

 実際に人類の悲劇の多くは、そのような

 「自分は正しく、自分の言説を理解しない他者は間違っている」

 という断定のゆえに引き起こされています。

 このとき、自分と世界の見方を異にする「他者」を、

 学びや氣づきの契機にすることで、

 私たちは今までの自分とは異なる世界の見方を

 獲得できる可能性があります。

まさにこの本は「わからない」ことだらけだが、

自分にとっての「意味」をひしひしと感じる。

何度も読んでみようと思う。

 

知的戦闘力を高める 独学の技法/山口周 19009