こんにちは。文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。
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昨年末、本場のウツボカズラ飯を求めて、ボルネオ島サラワク州クチンへ行った旅の記録です。
私たちに待ち受けていたものは。
前回の記事の続きです。
市場を巡り、無事にウツボカズラ飯と出会うことができた日、
この日はクチンの最後の夜でした。
翌日の朝にはクチンを発ち、その日の夕方には日本に戻ります。
夕飯をホテルのカフェで食べ、名残惜しい気持ちでhiyokoさんとサラワク川沿いを歩きました。
出発前夜はちょうどクリスマスイブ前日で、クチンの街全体がクリスマスムード。
サラワク川沿いには露店が立ち、ストリートパフォーマンスも披露され、
多くの人で賑わっていました。子供達が可愛い光る風船を持っていました。
毎日ホテルの窓から見えた州議会議事堂がご機嫌なクリスマスカラーに染まり、
カジノのような外観になっていました。
この日初めてここを訪れる人は、あれが州議会議事堂とは絶対に思わないでしょう。
喧騒の中、演歌調の現地の人の歌声を聞きながら、川から吹く熱帯の夜風を心地よく感じ
寒い日本に帰るのかと思いました。
熱帯で過ごすクリスマスは今まで経験したことのない感じで、
それでいてずっと前からこう過ごすことが決まっていたかのような不思議な既視感もあり、
忘れられない夜になりました。
この既視感は、どこから来るのかと思っていましたが、
もしかしたら子供の頃から紀行文が好きで繰り返し読んだ旅の記録から来るものかもしれません。
本で読み、いつかこういう体験をしてみたいと憧れた子供時代、
今は自分は同じように書いている不思議。
ウツボカズラ飯を巡る旅は、子供の頃の自分だったら読みたかった物語です。
旅はそろそろ終わりに近づいています。
続きます。
ウツボカズラ飯の記事
前回までの記事のまとめ