恐怖の舞台~ハムレットにはまった
女子高校生の物語
 
「教室は舞台だった。でもあてがわれた役は、
明らかに自分ではなかった。
だからわたしは、ハムレットになった」
 
 
 
 
 
 
第2話 to be or not to be 論
 
 
ピア爺せんせいの授業
 
 
ピア爺先生
to be or not to be.  
生きるべきか、死ぬべきか
 
to be and not to be 
生きるべき、そして死ぬべき
 
to be =not to be
生きることは死ぬこと
 
ええっと、
 
生徒
先生、早く教科書!!テストも近いし、
 
ピア爺先生
ああ、ごめんね、
うん、じゃあ教科書やろうか
 
 
*****
 
放課後
同好会の部室にて
 
トン子と瑠菜が本を読みながら話をしている

 

 

トン子

ハムレットの独白おそろしいわ。

 

瑠菜 

to be or not to be  …のとこ? 

 

トン子 

そのフレーズそのものでなくて、

そのあとの部分よ 

 

in the sleep of death what dreams may come 

……

死の眠りのなかで、どんな夢をみるのか…

 

これって、皆が普段考えないようにしてることよね。 

それをまざまざと目の前に突きつけられたのよ。

死後の世界って、天国とか地獄とかって語られることが多いけど、 

結局誰も知らない、不気味に真っ白な

未知の世界っていうか。

ぞっとするわ。

だって、誰もそこから帰ってきてないのよね。

 

 

瑠菜

そう。それな。そこやっぱり一番怖いとこよ。 

はじめのto be or …のフレーズは、

ちょっと注目させるためのフックみたいなもん。

 

生きるべきか死ぬべきか…って訳されてるけど、 

もはや、この世にもあの世にも救いとかないのよ。

この世はひどい。あの世は未知。 

 

トン子 

もうどうにもにらない。

 

瑠菜 

だからなんというか、

生きることの矛盾っていうかな。

もう、存在しちゃってるしね。

どうするの?って感じ。 

 

トン子 

ヤバいね、ハムレット

 

そもそもさ、to be or …のフレーズ要らなくない? 

生きるべきか死ぬべきか?、とか

そんな悠長な話じゃないのよ!! 

 

瑠菜 

確かにね。

 

 

トン子

to love or not to love … 

 

瑠菜? 

 

トン子

やっぱり恋愛にも救いってなくない?

本当に両思いになるなんてことある?

そして、幸せになるとか?

 

 

瑠菜

ロミオとジュリエットとか?

 

トン子

でも死んじゃったじゃない?

 

瑠菜

ハムレットとオフィーリアも

破局したしね。

 

トン子

狂気までまとってね。

 

 

瑠菜

あー、そうね。 

愛ってそもそも信じられないし、

愛しても辛い

愛さないのもつまらない 

愛されるとうっとうしい 

愛されないと死ぬほど辛い 

 

 

トン子 

そうそう、あー、もう八方塞がりよね 笑笑

 

 

この物語はフィクションです。登場人物はすべて架空の人物です。

無断転載などは禁止します。

内容は随時変わる可能性があります。

 

 

 

次へ  第3話 モテ男の恋

 

目次

 

登場人物

 

 

 

to be or not to ne…実はいらないフレーズ~ちよっと誤解されてる文学

 

 

目次

 

 

 

序章

 

登場人物

プロローグ ~キューピッドの矢のゆくへ

 

第一章 2年E組

 

1 朝の儀式と鏡と神~鏡に現れた謎の青年

2 to be or not to be…論

3 モテ男の恋

4 トン子の恋~私なんて嫌い

5 モテ男と演鶴子の恋

6 恐怖の合唱練習

7 牢獄と胡桃の殻~消された自分

8 影との戦い~影とは自分の弱さ

9 人魚姫の歌声~声は奪われても

10 ハムレット論

11 オフィーリア論

12 行け!!尼寺へ

13 タピオカの涙~クラスの同調圧力の恐怖

14 真実の混乱~真実はこうして捏造される

15 ビーナスの支配~演鶴子による恐怖の支配

16 オフィーリアの夢~真っ白い死の世界

17 狂気の夢~壊れずに生き延びる、それが一番難しい役

18 笑いと狂気と自由~自分をまもるために

19 観劇の夢 ~観客席はいかか?

 

 

 

第2章 3年E組

 

20 プールサイド~存在とは何だ?

21 ハムレット観劇

22 自由の歌~凍てつく大地に春が来る

23 スカーレットはいかが~それより恐ろしい正義のヒロイン

24 ホレーシオ論

25 出演の夢~私は誰?

26 ハムレット論2~名作"ハムレット"の秘密

27 バーナムの森~食われているのは私たち

27 恐怖の舞台~正義と友情の正体

28 死の舞台とダフネの変身

 

 

終章

 

 

エピローグ~再生の舞台

 

 

 

 

小説家になろうでも公開「恐怖の舞台」~ハムレットに魅せられて(内容は当ブログと同じです。ただし、トン子と瑠奈のハムレットの哲学論の回は省略しております)

 

 

この物語はフィクションです。登場人物はすべて架空の人物です。

無断転載などは禁止します。

内容は随時変わる可能性があります。