同好会の部室
トン子
オフィーリア、父親のポローニアスに言われたからって、
ハムレットからのデートのお誘い断ったり、
手紙や贈り物を返したりして…
そりゃ、ハムレットも怒るよね。
瑠菜
それな。でもね、多分オフィーリアはそうするしかなかった。
ポローニアスは、娘の気持ちとか全く考えず、
スキャンダルになったら困るから、とか、
自分の保身のことばかり考えて、
オフィーリアを操って、ハムレットを、試したりして…。
トン子
従順なのが、よき女性とされたからか。
母親のもいなかったし、
廷臣の父親に従うしかなかった。
まさか自分が、利用されてるなんてね。
ハムレットはオフィーリアに
気付いて欲しかったのかも。
ポローニアスとグローディアスに、
駒として利用されてること。
でもそれは難しかった。
それに気づいたとしても、
オフィーリアはそんな事実には、
耐えられなかったかもしれない。
瑠菜
そもそも、親に逆らうとか疑うとか、
そういう発想そのものもなかっただろうし、
どうやって、自分の気持ちを主張すればいいのか、
とか、誰も教えてくれなかったんだろう。
トン子
あー、それが二人の悲劇の始まりでもあるのね。
瑠菜
もちろん手紙や贈り物返されたのも、
父親に言われたことだということは、
察してたろうけれどね。
だけどハムレットは
あまりにも父親にいいなりのオフィーリアに、
絶望しちゃったんだろうな。
トン子
従うしかなかったっていう
彼女のその事情までは、
理解してなかったのかも。
瑠菜
うん。
まぁ、察したとしても、
もうそれに関しては、
切り捨ててしまったのかもな。
頭では分かってても、
受け入れられなかったとかね。
それにハムレットは、ポローニアスやグローディアスが
聞いていることに何となく気づいてたよね。
父親はどこか、なんて聞いてるしね。
だから、あんなに激しい言葉を
彼女に投げ掛けてしまった。
本当は宮廷に向けられた言葉だった。
尼寺へ行け!!って、言ったのは、
ポローニアスや、グローディアス王から離れて、
安全なところへ避難して欲しいっていう気持ちが、
無意識に出たのかもしれない。
でも、オフィーリアには、ただ罵られたとしか
思えなかっただろう。
トン子
オフィーリアの狂気って、静かな怒りだよね。
本当に狂ったわけではない。
わざわざ狂乱の体で王宮に出向いてるしね。
信頼していた父親と国王に駒にされて、
ハムレットに罵られ、
おまけにその父親のポローニアス自身が
ハムレットに殺されてしまった。
そして、そのことすら、隠蔽された。
瑠菜
うん。何でこんなことになったのか、
誰も教えてくれない。
それを察してしまったとき、
彼女は壊れた。
どうすればよかったのか、
わからないまま、
事態は最悪な方向へいってしまった。
トン子
あの、有名なオフィーリアの絵あるじゃない、
水に沈んで、花をもってるやつ。
瑠菜
ミレーの?
トン子
あの絵のオフィーリア、目も開けてるし、
何かを訴えてる感じするよね。
瑠菜
それな。


