しなやかな背骨の動き
「上体を右に回す動き」でボールを打つというこのブログの主張には、まだ熱烈な賛成意見(!)は寄せられていません。「上体を右に回して腕が左へ振れる筈がない」という感じでしょうか。もしそう感じたら、短いクラブを両手で握り、右脚外側からヘッドを左へ振ってみて下さい。
腰の左への移動あるいは回転で引き戻すと、インパクト時点ではフェースが開き気味あるいは閉じ気味になりながら、リストが回って振り抜けます。これに対して、先ず上体を右に回す動きを試し、この動きを使ってヘッドを左へ引き抜くと、ヘッドが「インパクト面」(ボールのライの平面)上を真っ直ぐ左へ引き抜かれます。この違いは極めて安定的なものです。自分の小さなスイングの動画でこれらの動き、特にスクエアにヘッドが引き抜かれる動きを見た時のショックは忘れられません。
この動きの基本は背骨の動きです。以前はダウンで腰は左に回ると考えていました。この場合、骨盤帯(腰周り)の動きで、背骨は右前方向に傾くことが知られています。嘗て切手の図案にも用いられた、浮世絵師菱川師宣の「見返り美人図」の動きです。腰が左を向き、背骨を傾けて右を見る女性の姿は、右の敵を見て左へ逃げる「右敵左逃」(06-03-26)の姿にも見えます。絵の場合は逃げるつもりはなく、逃げる雰囲気を漂わせている様子を描いたものでしょう。
先日、目のイメージより速い動きを別の動きで捉えるという話(「動きの源泉は?」(06-04-07))で、動きの始まりはどこからという哲学的な議論に近づいた時、古くからの友人が神経内科医ラマチャンドランの著書「脳の中の幽霊、ふたたび」(山下篤子訳 角川書店 2005年)を送って呉れました。ざっと眺めると、12世紀に作られたシバの女神像の写真が目に入ります。
このブロンズ像は、神経科学の視点から著者が提案するピークシフトと呼ぶ芸術上の法則に基づき、男には難しい女性の姿勢の特徴を誇張し、見る人はそこに美しく神々しい女神を見るという説明があります。となれば、「見返り美人図」もまたその一例ということになりましょう。
ところが、描き出された優美な姿勢は、「頭がどちらかに傾き、体幹がその反対に傾き、腰がまた反対に傾く」という三重の屈曲から構成されているという説明があります。これは、「背骨は回る?」(06-03-25)で話を後回しにした、背骨の動きの簡潔な表現なのです。背筋を真っ直ぐ伸ばせと教えられて来た日本男児には、難しい動きなのかも知れません。このような動きは、背骨を構成する椎骨の回転的な動きが生みます。腰椎は左に引かれながら右に回って体幹を右に振り、胸椎が右に引かれながら左に回り腕が振られるのです。詳しい話は次回に。
腰の左への移動あるいは回転で引き戻すと、インパクト時点ではフェースが開き気味あるいは閉じ気味になりながら、リストが回って振り抜けます。これに対して、先ず上体を右に回す動きを試し、この動きを使ってヘッドを左へ引き抜くと、ヘッドが「インパクト面」(ボールのライの平面)上を真っ直ぐ左へ引き抜かれます。この違いは極めて安定的なものです。自分の小さなスイングの動画でこれらの動き、特にスクエアにヘッドが引き抜かれる動きを見た時のショックは忘れられません。
この動きの基本は背骨の動きです。以前はダウンで腰は左に回ると考えていました。この場合、骨盤帯(腰周り)の動きで、背骨は右前方向に傾くことが知られています。嘗て切手の図案にも用いられた、浮世絵師菱川師宣の「見返り美人図」の動きです。腰が左を向き、背骨を傾けて右を見る女性の姿は、右の敵を見て左へ逃げる「右敵左逃」(06-03-26)の姿にも見えます。絵の場合は逃げるつもりはなく、逃げる雰囲気を漂わせている様子を描いたものでしょう。
先日、目のイメージより速い動きを別の動きで捉えるという話(「動きの源泉は?」(06-04-07))で、動きの始まりはどこからという哲学的な議論に近づいた時、古くからの友人が神経内科医ラマチャンドランの著書「脳の中の幽霊、ふたたび」(山下篤子訳 角川書店 2005年)を送って呉れました。ざっと眺めると、12世紀に作られたシバの女神像の写真が目に入ります。
このブロンズ像は、神経科学の視点から著者が提案するピークシフトと呼ぶ芸術上の法則に基づき、男には難しい女性の姿勢の特徴を誇張し、見る人はそこに美しく神々しい女神を見るという説明があります。となれば、「見返り美人図」もまたその一例ということになりましょう。
ところが、描き出された優美な姿勢は、「頭がどちらかに傾き、体幹がその反対に傾き、腰がまた反対に傾く」という三重の屈曲から構成されているという説明があります。これは、「背骨は回る?」(06-03-25)で話を後回しにした、背骨の動きの簡潔な表現なのです。背筋を真っ直ぐ伸ばせと教えられて来た日本男児には、難しい動きなのかも知れません。このような動きは、背骨を構成する椎骨の回転的な動きが生みます。腰椎は左に引かれながら右に回って体幹を右に振り、胸椎が右に引かれながら左に回り腕が振られるのです。詳しい話は次回に。
フェースが開くバックは危険
インターネットには、ボビー・ジョーンズとも親交があったというスポーツ作家グラントランド・ライス(Grandtland Rice)の言葉として、「一番良いリズムは、葉巻たばこの吸い殻やタンポポの花に向けたスイングに表れる」(意訳)が登場します。慌てて振り上げ振り下ろす初心者の動きを諫めるものと受け取られるようですが、全く別の受け取り方も可能です。
実際にクラブを持って、地面の上にある吸い殻や草の株などを打つことを考えてみましょう。普通に考えれば、ヘッドのソールを具合良く目標物の下に打ち込む事に集中します。この場合、フェースを目標物に向けたまま軽く引き上げるように右に振り、そこからソールが目標物の下を通り抜けるように振ります。これがごく自然な動きであり、スイングの最重要の動きです。
ところが、体を大きく動かしてクラブを振ることに熱中すると、体の動きに意識が集中し、本来の目的を忘れてしまいます。そんなことはあるまいと考えるかも知れませんが、ラウンドの途中で、クラブをトップの位置に上げたまま、そこからクラブが下ろせないと鳴き声で同伴者に訴えるゴルファーを見たことがあります。この例は問題点の内容を明確に示す点で貴重なものだと思います。手でクラブを引き下ろせば良いのです。
タンポポの花の場合も、ヘッドの向きに集中し、目指す動きを実現しようとすれば、誰にでも簡単にクラブが振れるわけです。インパクトの一瞬のこの動きを確保する手の動きを注意深く検討すれば、必要な体の動きがどんなものかは決まる筈です。目指すヘッドの動きを確保する体の動きを追求することがスイングの練習の眼目ということになります。
この場合、体の動きと手(グリップ)の動きの関係がぐらついては、良い動きを確立し維持することが至難になります。そこで右腕一本でクラブを握り次の実験をしてみます。先ずフェースが地上のボールを睨みづける形で右に振ります。この時右グリップは内側に回り、腕全体は「魔法の動き」の形に固まります。ここでヘッドを前後に揺すってみます。腕全体が重く動きます。
次に、ヘッドの先端を先行させる(開く)ようにして右に振ります。この時は、右グリップは外側に回ります。そこで右に振られたヘッドを前後に揺すると、肘の回転の動きで楽に大きく動きます。これではスイングの安定化は難しい。腰の回転でバックに入るとこの動きになります。またクラブ自身がこの動きに引き込むものもあります。フェースが開くバックは危険です。
実際にクラブを持って、地面の上にある吸い殻や草の株などを打つことを考えてみましょう。普通に考えれば、ヘッドのソールを具合良く目標物の下に打ち込む事に集中します。この場合、フェースを目標物に向けたまま軽く引き上げるように右に振り、そこからソールが目標物の下を通り抜けるように振ります。これがごく自然な動きであり、スイングの最重要の動きです。
ところが、体を大きく動かしてクラブを振ることに熱中すると、体の動きに意識が集中し、本来の目的を忘れてしまいます。そんなことはあるまいと考えるかも知れませんが、ラウンドの途中で、クラブをトップの位置に上げたまま、そこからクラブが下ろせないと鳴き声で同伴者に訴えるゴルファーを見たことがあります。この例は問題点の内容を明確に示す点で貴重なものだと思います。手でクラブを引き下ろせば良いのです。
タンポポの花の場合も、ヘッドの向きに集中し、目指す動きを実現しようとすれば、誰にでも簡単にクラブが振れるわけです。インパクトの一瞬のこの動きを確保する手の動きを注意深く検討すれば、必要な体の動きがどんなものかは決まる筈です。目指すヘッドの動きを確保する体の動きを追求することがスイングの練習の眼目ということになります。
この場合、体の動きと手(グリップ)の動きの関係がぐらついては、良い動きを確立し維持することが至難になります。そこで右腕一本でクラブを握り次の実験をしてみます。先ずフェースが地上のボールを睨みづける形で右に振ります。この時右グリップは内側に回り、腕全体は「魔法の動き」の形に固まります。ここでヘッドを前後に揺すってみます。腕全体が重く動きます。
次に、ヘッドの先端を先行させる(開く)ようにして右に振ります。この時は、右グリップは外側に回ります。そこで右に振られたヘッドを前後に揺すると、肘の回転の動きで楽に大きく動きます。これではスイングの安定化は難しい。腰の回転でバックに入るとこの動きになります。またクラブ自身がこの動きに引き込むものもあります。フェースが開くバックは危険です。
ホーガンとジョーンズのダウンの実態
このブログで主張する、ダウンを「腰の左への移動で始めない」という見方は、多くの人々から疑いの目で見られていると思います。実際、マスターズの始祖ボビー・ジョーンズは、スイングで最重要な動きは、腰の巻き戻しでダウンの動きを始めることだと言い、ダウンでは顕著な体重の右から左への移動があるとしています。ベン・ホーガンもこの動きで一気に右脚から左脚に体重が移動すると述べています。
しかし、ここで重要な事は、腰の巻き戻しの動きの実態はどうなのかということです。右下腿を失ったアーネスト・ジョーンズの場合、回復後の最初のラウンドで、前半38というスコアで回った事実があります。もしダウンの巻き戻しが急激な左への体重移動を必然的に含むものであれば、左一本脚では体の安定を保てなかった筈です。
体の動きの感覚、特に背骨の動きが関わる場合は、動きがどのようなものかは直感的には理解し難く、外から見てもその実態は捉え難いものです。そこでインターネット上(http://www.megspace.com/sports/moetown/videos/)で見られるベン・ホーガンとボビー・ジョーンズの動画像を注意深く検討してみました。
ホーガンの場合、動きの方向転換が発生するところで、腰が左方向に動くのが見えます。しかしこの段階ではまだクラブヘッドは左へ動いています。この動きが終わったところからダウンの動きに入ります。この段階以降では腰の左移動はなく、逆に尻が右方向に押し戻されています。ジョーンズの動画にも同じような動きが見られるものがあります。腰が左へ回る動きに入るのは、インパクトが終わってフィニッシュに入る段階からです。
この観察結果は、普通のゴルファーを悩ませて来た、脚腰がダウンの体勢に入ってもまだクラブが上がって行くという一見不可解な動きが、実はバックスイングの極限で発生する方向転換の動きであることを示します。「魔法の動き」を一貫して実行すれば、この動きはグリップの方向転換の動きに伴って発生する脚腰の体勢の変化として明確に確認できます。
ホーガンやジョーンズのダウンの腰の動きの表現は、ダウンの動きの準備動作としてのバックスイングの最終期の動きを、ダウンの最初期の動きと捉えているのです。これを文字通りに受け取る普通のゴルファーは、腰の左移動でダウンに入ります。これでは、腕はボールに向けてクラブを振れません。実際は、ダウンでは一気にクラブを振り下ろしているのです。
しかし、ここで重要な事は、腰の巻き戻しの動きの実態はどうなのかということです。右下腿を失ったアーネスト・ジョーンズの場合、回復後の最初のラウンドで、前半38というスコアで回った事実があります。もしダウンの巻き戻しが急激な左への体重移動を必然的に含むものであれば、左一本脚では体の安定を保てなかった筈です。
体の動きの感覚、特に背骨の動きが関わる場合は、動きがどのようなものかは直感的には理解し難く、外から見てもその実態は捉え難いものです。そこでインターネット上(http://www.megspace.com/sports/moetown/videos/)で見られるベン・ホーガンとボビー・ジョーンズの動画像を注意深く検討してみました。
ホーガンの場合、動きの方向転換が発生するところで、腰が左方向に動くのが見えます。しかしこの段階ではまだクラブヘッドは左へ動いています。この動きが終わったところからダウンの動きに入ります。この段階以降では腰の左移動はなく、逆に尻が右方向に押し戻されています。ジョーンズの動画にも同じような動きが見られるものがあります。腰が左へ回る動きに入るのは、インパクトが終わってフィニッシュに入る段階からです。
この観察結果は、普通のゴルファーを悩ませて来た、脚腰がダウンの体勢に入ってもまだクラブが上がって行くという一見不可解な動きが、実はバックスイングの極限で発生する方向転換の動きであることを示します。「魔法の動き」を一貫して実行すれば、この動きはグリップの方向転換の動きに伴って発生する脚腰の体勢の変化として明確に確認できます。
ホーガンやジョーンズのダウンの腰の動きの表現は、ダウンの動きの準備動作としてのバックスイングの最終期の動きを、ダウンの最初期の動きと捉えているのです。これを文字通りに受け取る普通のゴルファーは、腰の左移動でダウンに入ります。これでは、腕はボールに向けてクラブを振れません。実際は、ダウンでは一気にクラブを振り下ろしているのです。
ダウンの技を確認する
ゴルファーには、クラブを振る動きはこう作るものだ、という思い込みがあります。経験に裏付けられた思い込みは極めて強固なもので、これに対抗することは殆ど不可能です。
このブログで提案して来た打法の中心イメージは、上体を右に回すように脚腰で押し返すインパクトの動きです。ところがこれは、アメリカのゴルフ教師の教えにもしばしば見られる、ボディーの大きな動きで腕とクラブを引っ張り、インパクトを遠心力で振り抜く、というイメージに真っ向から対立するもので、現在のゴルフの世界では簡単には受け入れられそうにありません。
この中心イメージは、一般的な、先ず体を左に動かし、そのエネルギーを取り込んでインパクトという、ごく自然に見えるイメージとはかけ離れています。しかし、「魔法の動き」が決めるスイングの基本型(06-04-13)のドリルで、その動きはゆっくり体感することができます。ここでは動きの速さを際だたせる、特徴的な動きについて観察してみることにします。
クラブを持たずにアドレスの体勢で両腕を自然にぶら下げ、ここから右腕の動きを検討します、右手に野球ボールを持つと考え、右腕を回してボールを右耳外側にまで上げ、その位置から右腕をダウンの動きで振ります。ダウンの最初に腰が左へ動くとボールを持つ手は一旦右に振り下ろされ、そこから腰の動きでインパクトに向けて腕が振られます。
この場合は手の中のボールを横から投げる動きになります。これに対し、我々の中心イメージに従えば、ボールを上から一気に右足前に投げつけるように腕が振られます。この動きで伸びる右腕は最後に右手を左へ振り抜きます。両者の主な動きの違いは、大まかに言えば横手投げと上手投げの違いになります。
上から一気に投げ下ろす腕の動きを急速に実行してみると、左の脚腰が左腰を右に押し返すように踏ん張ることが分かります。一方右の脚腰は右腰を後ろに押し返すように踏ん張ります。これらの動きで上体が右に回るように押し返されます。これで腕の急激な振り下ろしを支えているわけです。一旦これらの動きを体感すれば、スローモーションでも動きの内容が確認できます。
左腕の動きについても、手をグリップの形に軽く握って振れば、同じ脚腰の動きで急激な引き下ろしと左への振りが実現することを確認できます。一般のボール投げでは、横手投げに比べ上手投げが強力であることは知られています。クラブを振る場合にも同じ結果になる筈です。
このブログで提案して来た打法の中心イメージは、上体を右に回すように脚腰で押し返すインパクトの動きです。ところがこれは、アメリカのゴルフ教師の教えにもしばしば見られる、ボディーの大きな動きで腕とクラブを引っ張り、インパクトを遠心力で振り抜く、というイメージに真っ向から対立するもので、現在のゴルフの世界では簡単には受け入れられそうにありません。
この中心イメージは、一般的な、先ず体を左に動かし、そのエネルギーを取り込んでインパクトという、ごく自然に見えるイメージとはかけ離れています。しかし、「魔法の動き」が決めるスイングの基本型(06-04-13)のドリルで、その動きはゆっくり体感することができます。ここでは動きの速さを際だたせる、特徴的な動きについて観察してみることにします。
クラブを持たずにアドレスの体勢で両腕を自然にぶら下げ、ここから右腕の動きを検討します、右手に野球ボールを持つと考え、右腕を回してボールを右耳外側にまで上げ、その位置から右腕をダウンの動きで振ります。ダウンの最初に腰が左へ動くとボールを持つ手は一旦右に振り下ろされ、そこから腰の動きでインパクトに向けて腕が振られます。
この場合は手の中のボールを横から投げる動きになります。これに対し、我々の中心イメージに従えば、ボールを上から一気に右足前に投げつけるように腕が振られます。この動きで伸びる右腕は最後に右手を左へ振り抜きます。両者の主な動きの違いは、大まかに言えば横手投げと上手投げの違いになります。
上から一気に投げ下ろす腕の動きを急速に実行してみると、左の脚腰が左腰を右に押し返すように踏ん張ることが分かります。一方右の脚腰は右腰を後ろに押し返すように踏ん張ります。これらの動きで上体が右に回るように押し返されます。これで腕の急激な振り下ろしを支えているわけです。一旦これらの動きを体感すれば、スローモーションでも動きの内容が確認できます。
左腕の動きについても、手をグリップの形に軽く握って振れば、同じ脚腰の動きで急激な引き下ろしと左への振りが実現することを確認できます。一般のボール投げでは、横手投げに比べ上手投げが強力であることは知られています。クラブを振る場合にも同じ結果になる筈です。
「魔法の動き」が決めるスイングの基本型
これまで肩と腕の「魔法の動き」を利用するスイングについて、動きの細部の議論をして来ました。その結果、動きの文化の壁にまで話が発展しましたが、ゴルファーの皆さんには大して役に立たない話に見えたようです。ここで、大切なことを忘れていたのを思い出しました。「魔法の動き」が生み出すスイングの全体像の体感的把握です。これがこのブログの主目的でした。
クラブを持たずにアドレスの体勢を作り、左手の親指の背を右手の平で覆い、両手の後ろ三本の指を握りしめてグリップの形に固めます。(グリップの形に自信が持てない場合は、これから書く「魔法の動き」によるスイングの基本型に併せて最適な形に調整します)
この体勢から、左腕をグリップ、前腕、肘、肩の順に「外側」に回し、右腕もこの順番で「内側」に回します。この動きで後ろ三本指が内側に巻き込まれ、左手は手の平側に巻き込まれ(掌屈)、右手は手の背中側に反ります(背屈)。この両腕の「魔法の動き」に伴ってグリップが右に引かれます。この時体の動きは腕の動きに任せます。
グリップの右への動きは、体の動きを意識的に加えない限り、右脇前で止まります。ここまで来たら、肩の動きで更に「魔法の動き」を強めると、上体が右に回る動きが現れ、グリップが方向転換する動きに入ります。この時両脚に掛かる負荷を受け止めるように両脚を踏ん張ります。そのまま「魔法の動き」を続けると、グリップが左脇前まで引き戻されます。
この時の両足内側がしっかり踏ん張ります。これで、「魔法の動き」によるスイングの動きの基本型が完成します。簡単です。上体の右への動きを維持したままグリップの引き戻しを実行するところがポイントです。これからはこの動きの反復練習がスイングの動きの基本的なドリルになると思います。
スイングの大きさを変えるには、「魔法の動き」によるバックの動きで自然に現れる、上体を右に回す動きを意識的に大きくして、スイング・アークを拡大すれば良いのです。この場合も「魔法の動き」を一貫して実行し、グリップの動きの方向転換とこれに続く引き戻しを、上体が右に回る動きで実行することがポイントです。
動きの型が納得できたら、ウェッヂなどで実際の動きを確認します。始めはごく小さなスイングから始めます。それでもヘッドはしっかり走ります。次第にバックを大きくし、トップの切り返しの動きを確認して一気に引き下ろします。フィニッシュは忘れて振ります。ダウンで上体が目標方向に回る動きが出たらスイングは失敗です。
クラブを持たずにアドレスの体勢を作り、左手の親指の背を右手の平で覆い、両手の後ろ三本の指を握りしめてグリップの形に固めます。(グリップの形に自信が持てない場合は、これから書く「魔法の動き」によるスイングの基本型に併せて最適な形に調整します)
この体勢から、左腕をグリップ、前腕、肘、肩の順に「外側」に回し、右腕もこの順番で「内側」に回します。この動きで後ろ三本指が内側に巻き込まれ、左手は手の平側に巻き込まれ(掌屈)、右手は手の背中側に反ります(背屈)。この両腕の「魔法の動き」に伴ってグリップが右に引かれます。この時体の動きは腕の動きに任せます。
グリップの右への動きは、体の動きを意識的に加えない限り、右脇前で止まります。ここまで来たら、肩の動きで更に「魔法の動き」を強めると、上体が右に回る動きが現れ、グリップが方向転換する動きに入ります。この時両脚に掛かる負荷を受け止めるように両脚を踏ん張ります。そのまま「魔法の動き」を続けると、グリップが左脇前まで引き戻されます。
この時の両足内側がしっかり踏ん張ります。これで、「魔法の動き」によるスイングの動きの基本型が完成します。簡単です。上体の右への動きを維持したままグリップの引き戻しを実行するところがポイントです。これからはこの動きの反復練習がスイングの動きの基本的なドリルになると思います。
スイングの大きさを変えるには、「魔法の動き」によるバックの動きで自然に現れる、上体を右に回す動きを意識的に大きくして、スイング・アークを拡大すれば良いのです。この場合も「魔法の動き」を一貫して実行し、グリップの動きの方向転換とこれに続く引き戻しを、上体が右に回る動きで実行することがポイントです。
動きの型が納得できたら、ウェッヂなどで実際の動きを確認します。始めはごく小さなスイングから始めます。それでもヘッドはしっかり走ります。次第にバックを大きくし、トップの切り返しの動きを確認して一気に引き下ろします。フィニッシュは忘れて振ります。ダウンで上体が目標方向に回る動きが出たらスイングは失敗です。
技(わざ)は体力の有効利用
前回マスターズの優勝者フィル・ミケルソンのゆったりとした歩き方の印象に触れましたが、テレビやインターネット上の画像で見る限り、彼のスイングは常に極めて安定しています。動きに合理性があるわけです。ところが、彼の優れた体格を見ると、動きの文化の問題以前に、体力の相違があるのではという意見が出そうです。
ここで登場するのが、天才的なゴルファーであった戸田藤一郎プロの特徴的な技です。手許にある早瀬利之氏の力作「右手」(立風書房版1988年)によれば、彼は二回目の渡米で冬のツアーに参戦中、右手の合理的な使い方を中心とする新しい打法を開発し、5尺2寸の体で大活躍をしています。5尺2寸といえば160センチに達しない小柄な体格です。彼のスイングについては、「日本刀を振り回す」ようなとの印象が紹介されています。
この打法の特徴的な動きは右腕と右手の使い方にあり、この動きを支える体の動きが問題になります。杉山悟氏の「プロの極意」(白馬出版 1987年)には、戸田プロの極意として「からだは回さず、ひねりを使う」があります。右手のボクシングのパンチのような突きの動きを、この体の動きで支えるのです。重い右腕の動きを、体重を掛けた背骨の動きで支える打法に見えます。
更に、「左手首をスエーさせないように止めておいて、右手で打つ」という説明もあります。この打法の開発で、ドライバーの飛距離が200ヤードから300ヤードに伸びたとのことで(浜 伸吾編著 ゴルフ 日本のテクニック ベースボール・マガジン社 1986年)、ボクシングの打撃動作、あるいは日本刀の急速な振りの体の動きが、160センチ足らずの体格でも米国のプレーヤーと互角に戦うことを可能にしたことが分かります。
早瀬氏の「右手」によれば、戸田プロの打法は日本の優れたプロゴルファーに伝授されということですが、残念ながら「和魂洋才」の支配するこの国では、アメリカのゴルフ教師の言説が重視され、戸田式打法は少なくとも普通のゴルファーの世界には定着しなかったように見えます。その原因は、動きの構造に常識的には捉え難いものがあったためと考えられます。
皮肉なことには、現在のアメリカのゴルフ教師の言説には、脚で腕を振る「洋魂和才」風の動きを勧めるものがあります。日本に紹介されるこれらの教師の打法は、ボディーの大きな動きで腕とクラブを引っ張り、インパクトを遠心力で振り抜くというダウンの動きを勧めるように見えます。これでは日本刀を振り下ろす感覚の動きにはなりません。背骨の動きが消えているのです。
ここで登場するのが、天才的なゴルファーであった戸田藤一郎プロの特徴的な技です。手許にある早瀬利之氏の力作「右手」(立風書房版1988年)によれば、彼は二回目の渡米で冬のツアーに参戦中、右手の合理的な使い方を中心とする新しい打法を開発し、5尺2寸の体で大活躍をしています。5尺2寸といえば160センチに達しない小柄な体格です。彼のスイングについては、「日本刀を振り回す」ようなとの印象が紹介されています。
この打法の特徴的な動きは右腕と右手の使い方にあり、この動きを支える体の動きが問題になります。杉山悟氏の「プロの極意」(白馬出版 1987年)には、戸田プロの極意として「からだは回さず、ひねりを使う」があります。右手のボクシングのパンチのような突きの動きを、この体の動きで支えるのです。重い右腕の動きを、体重を掛けた背骨の動きで支える打法に見えます。
更に、「左手首をスエーさせないように止めておいて、右手で打つ」という説明もあります。この打法の開発で、ドライバーの飛距離が200ヤードから300ヤードに伸びたとのことで(浜 伸吾編著 ゴルフ 日本のテクニック ベースボール・マガジン社 1986年)、ボクシングの打撃動作、あるいは日本刀の急速な振りの体の動きが、160センチ足らずの体格でも米国のプレーヤーと互角に戦うことを可能にしたことが分かります。
早瀬氏の「右手」によれば、戸田プロの打法は日本の優れたプロゴルファーに伝授されということですが、残念ながら「和魂洋才」の支配するこの国では、アメリカのゴルフ教師の言説が重視され、戸田式打法は少なくとも普通のゴルファーの世界には定着しなかったように見えます。その原因は、動きの構造に常識的には捉え難いものがあったためと考えられます。
皮肉なことには、現在のアメリカのゴルフ教師の言説には、脚で腕を振る「洋魂和才」風の動きを勧めるものがあります。日本に紹介されるこれらの教師の打法は、ボディーの大きな動きで腕とクラブを引っ張り、インパクトを遠心力で振り抜くというダウンの動きを勧めるように見えます。これでは日本刀を振り下ろす感覚の動きにはなりません。背骨の動きが消えているのです。
動きの文化の壁を科学で超える
西欧ではノコギリを押して使い、日本では引いて使うという、一見単純な思い付きが持つ深い意味に圧倒されながらこのブログを書いています。これまでゴルフについて書いて来ましたが、その内容はゴルファーには歓迎されていないという感じが強まるばかりでした。その原因が西欧と日本を隔てる動きの文化の相違にあることが明白になって来たのです。
この事を科学的に説明するのは、力を出す動きを作る時の背骨の使い方です。ノコギリを使って丸太を切る動きで具体的にその違いを明らかにしてみましょう。地面に横たわる大きな丸太を日本型の手前に引くノコギリで切る場合には、一旦腕の動きで切り込みを作り、木の抵抗が大きくなると両足の足場を固め、両脚を踏ん張って両腕を引っ張ります。この動きに応じて背骨が固まり、脚と腕の動きを繋ぐ固定軸として働きます。
これに対して、重いノコギリを押して地面の丸太を切る時には、先ず背骨で体重を腕に掛けて押し、同時にこの動きを受けて脚が踏ん張り腕を前に押します。腕や脚は背骨の動きに導かれ、目的とする強い力を発揮します。背骨が主なエンジンで、脚や腕の筋群は背骨の動きに応じて力を発揮します。
これと対比すれば、日本人風にノコギリを引く場合は、先ず脚が踏ん張って腕を引くというように、体の外側の筋群の利用が主体となり、内側の背骨はこれらの動きの心棒として働く、という違いが明らかになります。このような背骨の使い方の違いは、歩行動作の違いをも生み出します。
嘗ての名優ヘンリー・フォンダの扮する海軍士官が悠然と歩く姿は印象的でした。ゆったりとしたテンポで腕が振り出されていた記憶があります。今年のマスターズの勝者、フィル・ミケルソンのゆったりとした歩みも、ゴルファーにとっては印象的なものでしょう。この歩き方の特徴は、背骨を前に引き出す動きと共に、腕が前に振り出される動きです。腕を後ろに振って脚を引き上げ、脚を踏み下ろして腕を前に振る、ちょこまかとした歩き方とは動きの仕組みが全く異なるのです。
これまでこのブログで議論して来たスイングの動きは、すべてこの背骨の動きの積極的利用を目指すもので、肩と腕の「魔法の動き」を手懸かりに捉えたものです。最終的な飛距離と方向性の確保については、背骨を固定軸として脚と腕の動きで作り上げるスイングと、背骨を主エンジンとするスイングでは格段の相違があります。体の動きの文化(型)の壁を科学的接近で乗り越えない限り、日本のゴルファーはローカルな文化を超えられないのです。ここまで来ると、この壁を一気に乗り越えた日本人第一号、戸田藤一郎プロの偉大さが見えて来ます。
この事を科学的に説明するのは、力を出す動きを作る時の背骨の使い方です。ノコギリを使って丸太を切る動きで具体的にその違いを明らかにしてみましょう。地面に横たわる大きな丸太を日本型の手前に引くノコギリで切る場合には、一旦腕の動きで切り込みを作り、木の抵抗が大きくなると両足の足場を固め、両脚を踏ん張って両腕を引っ張ります。この動きに応じて背骨が固まり、脚と腕の動きを繋ぐ固定軸として働きます。
これに対して、重いノコギリを押して地面の丸太を切る時には、先ず背骨で体重を腕に掛けて押し、同時にこの動きを受けて脚が踏ん張り腕を前に押します。腕や脚は背骨の動きに導かれ、目的とする強い力を発揮します。背骨が主なエンジンで、脚や腕の筋群は背骨の動きに応じて力を発揮します。
これと対比すれば、日本人風にノコギリを引く場合は、先ず脚が踏ん張って腕を引くというように、体の外側の筋群の利用が主体となり、内側の背骨はこれらの動きの心棒として働く、という違いが明らかになります。このような背骨の使い方の違いは、歩行動作の違いをも生み出します。
嘗ての名優ヘンリー・フォンダの扮する海軍士官が悠然と歩く姿は印象的でした。ゆったりとしたテンポで腕が振り出されていた記憶があります。今年のマスターズの勝者、フィル・ミケルソンのゆったりとした歩みも、ゴルファーにとっては印象的なものでしょう。この歩き方の特徴は、背骨を前に引き出す動きと共に、腕が前に振り出される動きです。腕を後ろに振って脚を引き上げ、脚を踏み下ろして腕を前に振る、ちょこまかとした歩き方とは動きの仕組みが全く異なるのです。
これまでこのブログで議論して来たスイングの動きは、すべてこの背骨の動きの積極的利用を目指すもので、肩と腕の「魔法の動き」を手懸かりに捉えたものです。最終的な飛距離と方向性の確保については、背骨を固定軸として脚と腕の動きで作り上げるスイングと、背骨を主エンジンとするスイングでは格段の相違があります。体の動きの文化(型)の壁を科学的接近で乗り越えない限り、日本のゴルファーはローカルな文化を超えられないのです。ここまで来ると、この壁を一気に乗り越えた日本人第一号、戸田藤一郎プロの偉大さが見えて来ます。
和魂洋才とシャフト・プレーンの罠
明治以後、「和魂漢才」に代わり、日本人の心で西欧の知恵を利用するという「和魂洋才」が流行になりました。この傾向は現在も変わらず、横文字全盛です。ゴルフも横文字全盛ですが、ここには落とし穴があります。体の動きの型には文化が影を落とし、横文字で語りながら動きは日本人の知恵(文化)を利用する、「洋魂和才」の危険があるのです。
具体例について検討してみましょう。スイングの技術に関係する言葉で、最も権威ありげに聞こえるのは、やはり「スイング・プレーン」(スイング面)でしょう。しかしこの言葉の曖昧さは本場でも著しく、日本ではその解釈に「和才」(日本人の知恵!)が活躍することになります。
本場での曖昧さは、現在も様々な人が様々に定義をしている事から明らかですが、これらに共通する本質はクラブの動きが描き出す面のイメージです。バックあるいはダウンの動きを「スイング・プレーン」の標準的なイメージに沿って実行する、などと言えば至極常識的に聞こえます。
ところが、「スイング・プレーン」が言葉として定着すると、インパクト圏での「スイング・プレーン」=「シャフト・プレーン」(アドレスの位置でのシャフトとボールと目標地点を含む平面)という解釈が生まれます。
この解釈は、棒状のシャフトの動きに注意を引き付け、立体的な構造を持つヘッドの動きからゴルファーの目をそらせてしまいます。このブログではこの危険を回避するために「インパクト面」の考えを導入しましたが、ここでは更に別の意外な危険に注目してみます。
ここからの話は、自身の苦い経験に基づく気楽な話です。アドレスの構えから軽く右に振り、正面のボールを打つためにクラブを引き戻す動きを考えます。ここで日本人特有の、ノコギリを手前に引く動きでクラブを「シャフト・プレーン」に引き戻すと、頭が前に引き出されて背骨が左に引かれ、顔が左に回り、左足外側に体重が掛かり、腕の動きが「反魔法」型になります。
これに対して、西欧人に特有な、ノコギリを押して木を切る動きでインパクトに入ると、背骨が右側に引かれて両脚内側が踏ん張り、顔が右に向きます。「魔法の動き」が生み出すスイングのインパクトではこの動きが現れます。「理」は洋の東西を問わず、の感じですが、一方、前の場合のように横文字で語っても、動きが日本人であると「洋魂和才」の危険が生まれます。実は、この一見奇抜な観察には、驚くべき深い意味が隠されていたのです。その話は次回に。
具体例について検討してみましょう。スイングの技術に関係する言葉で、最も権威ありげに聞こえるのは、やはり「スイング・プレーン」(スイング面)でしょう。しかしこの言葉の曖昧さは本場でも著しく、日本ではその解釈に「和才」(日本人の知恵!)が活躍することになります。
本場での曖昧さは、現在も様々な人が様々に定義をしている事から明らかですが、これらに共通する本質はクラブの動きが描き出す面のイメージです。バックあるいはダウンの動きを「スイング・プレーン」の標準的なイメージに沿って実行する、などと言えば至極常識的に聞こえます。
ところが、「スイング・プレーン」が言葉として定着すると、インパクト圏での「スイング・プレーン」=「シャフト・プレーン」(アドレスの位置でのシャフトとボールと目標地点を含む平面)という解釈が生まれます。
この解釈は、棒状のシャフトの動きに注意を引き付け、立体的な構造を持つヘッドの動きからゴルファーの目をそらせてしまいます。このブログではこの危険を回避するために「インパクト面」の考えを導入しましたが、ここでは更に別の意外な危険に注目してみます。
ここからの話は、自身の苦い経験に基づく気楽な話です。アドレスの構えから軽く右に振り、正面のボールを打つためにクラブを引き戻す動きを考えます。ここで日本人特有の、ノコギリを手前に引く動きでクラブを「シャフト・プレーン」に引き戻すと、頭が前に引き出されて背骨が左に引かれ、顔が左に回り、左足外側に体重が掛かり、腕の動きが「反魔法」型になります。
これに対して、西欧人に特有な、ノコギリを押して木を切る動きでインパクトに入ると、背骨が右側に引かれて両脚内側が踏ん張り、顔が右に向きます。「魔法の動き」が生み出すスイングのインパクトではこの動きが現れます。「理」は洋の東西を問わず、の感じですが、一方、前の場合のように横文字で語っても、動きが日本人であると「洋魂和才」の危険が生まれます。実は、この一見奇抜な観察には、驚くべき深い意味が隠されていたのです。その話は次回に。
「肩のコネクション」
腕の動きは、肘から上の上腕と、肘と手を結ぶ前腕と、手(手首を含む)の動きで出来上がっています。良く使われる両肩をグリップに繋ぐ「腕の三角形」のイメージは、実際の腕の動きを捉えるには不十分で、前にも書いたように、両肩と両上腕の作る(両肩と両肘を頂点とする)「上腕四辺形」と、両前腕とグリップが作る(両肘とグリップを頂点とする)「前腕三角形」の動きに分けて捉える必要があります。
このように腕の動きを捉えると、上腕四辺形を体に繋ぐ「肩のコネクション」(腕を体に繋ぐ仕組み)の効果的な動きが捉えやすくなります。直感的に分かるのは、「肩のコネクション」がしっかりしなくては、体の動きがグリップに十分に伝わらないということです。
腕を振る体の動きの作り方で、「肩のコネクション」が変わります。これを体感的に検証するのは簡単です。椅子に腰掛けて机(食卓など)の上に両肘を付けます。この時、左前腕を手前、右前腕を外側に置き、体重を両肘に掛けて「上腕四辺形」の形を決めます。
「上腕四辺形」を固めたところで、両肘を左に振る動きを作ります。腕だけでは力が入りませんから、体の動きで振る努力をする事になります。この時「肩のコネクション」が働き、両脚と背骨の動きでダウンの腕振りの動きが生まれます。両足が床を右に押しながら踏ん張り、上体が右回りに押し返される動きが現れます。
これに対して、腰を右に押し、左に押す、あるいは腰を右に回し、左に回す動きを実行してみると、腕と体の繋がりは固まらず、上体が右に左にと回るように動きます。「上腕四辺形」が動かない感じで、両肘の動きに力が入りません。腕を振る「肩のコネクション」が働かないのです。
ここで最初の実験では何故右に振る動きなしに左へ振る動きに入ったのか、という疑問が生まれるかも知れません。実は右への動きでは、両肩を右方向に押し上げる必要があったのです。これには両足で床を押し下げる動きが必要です(「回転椅子ドリル」のバックの場合も、動きを力強く実行するには、この両脚の押し下げの動きを十分に実行する必要があります)。ダウンではこの動きで生まれる背骨の体勢が更に強まる形で両肘が左へ振られます。
この簡単な実験でも、腰の動きで腕の振りを生み出すというスイングのイメージに含まれる危険性が明らかになります。コネクションが働かなくなりやすいのです。
このように腕の動きを捉えると、上腕四辺形を体に繋ぐ「肩のコネクション」(腕を体に繋ぐ仕組み)の効果的な動きが捉えやすくなります。直感的に分かるのは、「肩のコネクション」がしっかりしなくては、体の動きがグリップに十分に伝わらないということです。
腕を振る体の動きの作り方で、「肩のコネクション」が変わります。これを体感的に検証するのは簡単です。椅子に腰掛けて机(食卓など)の上に両肘を付けます。この時、左前腕を手前、右前腕を外側に置き、体重を両肘に掛けて「上腕四辺形」の形を決めます。
「上腕四辺形」を固めたところで、両肘を左に振る動きを作ります。腕だけでは力が入りませんから、体の動きで振る努力をする事になります。この時「肩のコネクション」が働き、両脚と背骨の動きでダウンの腕振りの動きが生まれます。両足が床を右に押しながら踏ん張り、上体が右回りに押し返される動きが現れます。
これに対して、腰を右に押し、左に押す、あるいは腰を右に回し、左に回す動きを実行してみると、腕と体の繋がりは固まらず、上体が右に左にと回るように動きます。「上腕四辺形」が動かない感じで、両肘の動きに力が入りません。腕を振る「肩のコネクション」が働かないのです。
ここで最初の実験では何故右に振る動きなしに左へ振る動きに入ったのか、という疑問が生まれるかも知れません。実は右への動きでは、両肩を右方向に押し上げる必要があったのです。これには両足で床を押し下げる動きが必要です(「回転椅子ドリル」のバックの場合も、動きを力強く実行するには、この両脚の押し下げの動きを十分に実行する必要があります)。ダウンではこの動きで生まれる背骨の体勢が更に強まる形で両肘が左へ振られます。
この簡単な実験でも、腰の動きで腕の振りを生み出すというスイングのイメージに含まれる危険性が明らかになります。コネクションが働かなくなりやすいのです。
反射的な動き
先日久しぶりに尋ねてきた友人と外で食事をしました。「鶏釜飯」が出て来たところで、蓋を取ろうとした瞬間左腕が飛び上がりました。指先が熱い釜に触れたと分かったのはその後で、左腕の動きはまさしく「反射的」なものだったのです。体のバランスが急変する時に思わず体が反応する動きも反射的です。これらの動きに特徴的なものは動きの速さです。
クラブをトップの位置に上げ、首を回して形を確認し、そこからダウンして一発打つ、という練習をする人を見かけます。これに対して、バックのスタートでヘッドの動きを目で追うな、という教えもあります。目で動きを追うことに問題があることが分かります。目で考えていては、速いスイングの動きは期待できないのです。
プロのスイングを見ると、ダウンで腰が左へ動くのが見えます。これを見る人は、当然腰を左へ移動させてクラブを振っていると思い込みます。ところが、インターネット上で見られるトリック・ショットの画像に、面白いものがありました。曲打ちのプロがいろいろ不安定な条件でも見事にボールを打ちますが、恐ろしく長いクラブを振る画像では、始めに腰を左に動かすとクラブが右に落ちて振れず、体が左へ出ないように踏ん張って振り下ろすと見事に振り抜けています。
体のバランスがスイングの動きに大きく関わることが分かります。ところが、バランスをとる動きは頭で考えて作る動きよりは速いのです。目で動きを見ると、頭で考えて体の動きを作るようになります。これを繰り返すと、実際のスイングも頭で考えて動きを作るようになります。必然的にスイングの動作が遅くなり、持っている体力に不相応の飛距離に止まることになります。
この急速な動きを体感するには「回転椅子ドリル」が効果的です。このドリルでは座席が回転するオフィス・チェアを利用します。転倒の危険がないことを十分確認しながら座席の上に立ち、左手の親指を右手の平で覆い両手を握り合わせたグリップでアドレスの体勢に入ります。ここから「魔法の動き」でグリップを引き上げ、その場から一気にグリップを引き下ろします。これだけです。これで腕が急速に左へ振り抜かれます。
これに対して、腰を左へ引く動きでグリップを引き下ろすと、腕の動きが全く変わり、左への振り抜きの速度は落ちます。一旦これらの体の動きに慣れたところで、安定した床の上で同じようにして振ってみると、矢張り同じような違いが認められます。頭で考えて腰を左に動かすと腕は速く振られず、思い切って一気に引き下ろすと腕が急速に左へ振り抜かれるのです。
クラブをトップの位置に上げ、首を回して形を確認し、そこからダウンして一発打つ、という練習をする人を見かけます。これに対して、バックのスタートでヘッドの動きを目で追うな、という教えもあります。目で動きを追うことに問題があることが分かります。目で考えていては、速いスイングの動きは期待できないのです。
プロのスイングを見ると、ダウンで腰が左へ動くのが見えます。これを見る人は、当然腰を左へ移動させてクラブを振っていると思い込みます。ところが、インターネット上で見られるトリック・ショットの画像に、面白いものがありました。曲打ちのプロがいろいろ不安定な条件でも見事にボールを打ちますが、恐ろしく長いクラブを振る画像では、始めに腰を左に動かすとクラブが右に落ちて振れず、体が左へ出ないように踏ん張って振り下ろすと見事に振り抜けています。
体のバランスがスイングの動きに大きく関わることが分かります。ところが、バランスをとる動きは頭で考えて作る動きよりは速いのです。目で動きを見ると、頭で考えて体の動きを作るようになります。これを繰り返すと、実際のスイングも頭で考えて動きを作るようになります。必然的にスイングの動作が遅くなり、持っている体力に不相応の飛距離に止まることになります。
この急速な動きを体感するには「回転椅子ドリル」が効果的です。このドリルでは座席が回転するオフィス・チェアを利用します。転倒の危険がないことを十分確認しながら座席の上に立ち、左手の親指を右手の平で覆い両手を握り合わせたグリップでアドレスの体勢に入ります。ここから「魔法の動き」でグリップを引き上げ、その場から一気にグリップを引き下ろします。これだけです。これで腕が急速に左へ振り抜かれます。
これに対して、腰を左へ引く動きでグリップを引き下ろすと、腕の動きが全く変わり、左への振り抜きの速度は落ちます。一旦これらの体の動きに慣れたところで、安定した床の上で同じようにして振ってみると、矢張り同じような違いが認められます。頭で考えて腰を左に動かすと腕は速く振られず、思い切って一気に引き下ろすと腕が急速に左へ振り抜かれるのです。