ゴルフ直線打法 -52ページ目

「魔法の動き」は両肩を引き上げる

先日深いトップに引き込む動きに成功した仲間と共に、今日も練習場に出かけました。尻の動きにも注意してバックを実行することを勧めたのですが、今日は先日の飛びが現れません。見ると、グリップが全く悪い動きに入っています。手首が固められず、コックの混じった奇妙な動きに入るのです。本人はこれで「魔法の動き」を実行しているつもりなのです。

手首の動きが固まらなくては、クラブは安定して振れません。「魔法の動き」では、両腕の全体の動きで、右腕の内側回しと左腕の外側回しを実行します。手首だけでこの動きを実行しようとするのは、最悪の誤解です。「魔法の動き」では、グリップを固めたまま、右前腕回内、左前腕回外を実行するのです。これで肩もこの動きに参加するようになります。

「初心忘るべからず:両肩の「魔法の動き」(07-04-29)では、この場合の肩の動きを、「右肩甲骨上部を背骨に向けて引き、左肩甲骨下側を前に引き出す形の動き」になると書いてあります。問題はこの肩の動きの目的意識です。これが明瞭でないと、動きが上手く作れません。

肩と腕の「魔法の動き」の目的は、腕を振る最強の筋(広背筋)を引き伸ばし続けて、強力な腕の振りを実現することです。このためにはバックからダウンに掛けて、一貫して両肩が引き上げられる形の動きが必要になります。肩が下がる瞬間に、腕と体の強い繋がりは消えます。バックのスタートの動きで試してみて下さい。

このしっかりした両肩の動きを作り出すには、これを生む背骨の動きが必要になります。グリップをしっかり固めたまま、背骨の動きで両肩を引き上げるようにして右腕を内側、左腕を外側に回してみて下さい。これで強力なバックが実現する筈です。この緊張感を保ったまま深いトップまで引き込み、一気に腕を振るダウンに繋ぎます。

さて、仲間の手首の不要な動きが消え、左腕の外側回しの動きが深いトップまで継続するようになった途端に、再び強烈なショットが飛び出しました。ただし、ダウンで左へ振る意識の動きが現れると、確実にショットが悪くなります。ダウンでは、両脚が踏ん張って一気に両腕を振り下ろし振り切る意識が必要です。

練習場でこの辺りの話をしている中に、自分自身の体の動きもしっかりして、弱っていた脚腰に元気が戻って来ました。ただしこれには、昨日までの踵のすり減った普段履きの靴を、真っ当なゴルフ靴に変えてクラブを振ったためであるかも知れません。足下を固めることは、確かにスイングの第一歩です。

初心忘るべからず:尻の動きに気をつける

前回、両膝の踏ん張りについて書きましたが(初心忘るべからず:「両脚を固めて両膝を内側に引くダウン」(047-04-30)、これは自分の膝の弱りに気を取られた枝葉末節の話であったように思われます。地球との結びつきを考えると、体の中で大きな目方を持つ尻の動きが大切で、これが上手くできれば必要な脚腰の動きもできる筈です。

常識的な、バックで右脚体重、ダウンで左脚体重というイメージでは、尻は体に引かれて動くだけで、重いクラブを振るには役に立ちません。バックの過程で脚腰のバネを巻き上げるには、クラブの動きに抵抗して尻が左に押し戻されるような動きが必要です。これがはっきり現れるのが深いトップへの動きで、この時は明瞭に尻が左に引かれるように両脚が踏ん張ります。

この動きは、すぐれたプロのダウン直前の動きを見れば確認できます。一見ダウンに先行して腰を左に戻す動きに見えますが、実態は深いトップにクラブを引き込む上体の右後ろ方向への動きに動きに対抗して、尻が左前方向に動く動きです。体の重心回りの動きに対してバランスを取る、いわゆるカウンターウェイト風の動きになるわけです。

このように考えると、深いトップの動きで左に引き込まれた尻を、一気に引き戻す意識でダウンを実行すれば、クラブは前に引き出されて左へ振られることになります。これは全く合理的なイメージで、実際にこれを意識してバック、ダウンの動きを実行すれば、「魔法の動き」の目指す地球との強い結びつきが完全に実現します。

ところで、今日も仲間と共に練習場に出かけてみました。自分の動きは見えなくても、人の動きはよく見えます。近くに熱心にクラブを振っている人がいましたが、バックのスタートに次いでそのままトップ、そこからのダウンという感じで、体の捻りを利用する深いトップに入る動きが見えないのです。これでは力不足になるでしょう。

思い切り元気にクラブを振り回す人もいましたが、フィニッシュに向けて振りまくる感じで、ダウンのパワーも方向性の確保も難しいのではないかと人ごとながら気になりました。それでは自分はどうかと言えば、脚腰の弱りのために、嘗てのように体の動きを意識しながら振る元気が出ません。そこでその反省を込めて動きを見直した結果が今日のブログです。

騙されたと思って、一度尻をクラブの動きの反対方向に動かして、バックとダウンを実行してみて下さい。スイングの動きが締まるのが感じられると思います。

初心忘るべからず:両脚を固めて両膝を内側に引く

このブログでは、これまで繰り返し両膝の締まりの重要性を指摘してあります。肩や腕の動きを検討してみても、脚腰、特に両膝の踏ん張りの動きを誤ると、思うようにクラブを振ることはできません。方向性の良い力強いショットを願う人は、まず脚もとを固める必要があります。

そこで、あらためて膝の動きの効能を確認してみます。まずアプローチ・ウェッヂを振りやすい右手で握り、右腕一本で小さなチップ・ショットを打ってみます。はじめに右膝に注目し、右脚を固めて右膝を内側に引き込むようにしてクラブを振ってみます。これでボールが真っ直ぐ打てる筈です。注意してみると、この時左脚も緊張するのが分かります。

そこで今度は左脚の動きに注意して、左脚を固めて膝を内側に引く動きでボールを打ってみます。これでもボールは真っ直ぐ飛びます。この時左膝が外側に引かれると、右腕がシャンク風の動きに入ります。当然方向性の確保は困難です。右脚を緩めて右膝を内側に引いても同じような悪い動きが現れます。

左腕一本でクラブを振る場合でも、両脚の踏ん張りを保って膝を内側に引けば、ボールの方向性が確保できることが簡単に確かめられます。この踏ん張りがありさえすれば、右か左の何れの腕で思い切りクラブを振っても、ヘッドが安定して振り抜けることが分かります。この時の体の動きは、腰を左に回す意識とは正反対の動きで、体の正面を保持する形の動きになります。

これを確認するために、右あるいは左の膝の動きに注意しながら、両脚の踏ん張りと膝の内側引き込みを実行して上体の動きに注目すると、以前に指摘した上体が右に回る形の動きが現れることが分かります。これが、前回に議論した両肩の「魔法の動き」を強める体の動きになります。これで腕を振る最強の筋、広背筋が引き伸ばされ、強力な腕の左への引きが実現するわけです。

宇宙空間を漂う地球に引き付けられ、両脚でぶら下がっているゴルファーが、クラブを振り回すことに熱中すると、地球の反作用のお陰でクラブが振れていることを忘れます。クラブを振るには、一旦地球に働きかけ、そこから戻って来る体の動きで振る必要があり、最終的に自分が望む動きと反対の動きが要求されることになります。この間、両膝は一貫して締まる必要があります。

ゴルフが好きな人は、こういう面倒な問題と対決しながら頭と体を鍛えているわけです。

初心忘るべからず:両肩の「魔法の動き」

サンディエゴへの往復で体力を消耗し、十分にボールを打つ力が出ないままに、仲間を誘って練習場に出かけました。このような状態ですぐに分かることは、膝に力が入らないことです。膝に締まりがないと、体の動きが地球に伝わらず、当然クラブはしっかり振れません。そこで、練習仲間の動きにコメントするという楽な方法で、スイングの動きの要点を確認することにしました。

まず決定的な要件として、グリップの確認があります。これは「一貫してリストを固めて振る」(07-04-15)動きの基礎になるわけで、後ろ三本指を内側に巻き込む動作が基本になります。これでクラブを体の前に水平に構え、そこから上体の前傾でヘッドを地面に近付け、最後にソールを押し下げます。この動きで両肘に外側への張りが現れて腕と肩の体勢が固まります。

ここから上体(背骨)の動きでヘッドを右に引き、上に引き上げ、深いトップへの動きでダウンに向けての方向転換を実行します。もちろん一貫して肩と腕の「魔法の動き」でクラブを引きます。深いトップに入れる動きが、スイングの成功確保の決定的な動きになります。

この深いトップにしっかり入れる動きを仲間に要求したところ、目も覚めるようなドライバー・ショットが飛び出しました。この動きを確認するために、自分自身も踏ん張ってクラブを振ってみたところ、ボールの頭を打つような納得の行かないショットがしばしば現れるのです。

これには明瞭な原因があります。深いトップへの動きを強調して説明する中に、「魔法の動き」の肩の動きを崩す動きのイメージに引き込まれたのです。

腕の動きを体に繋ぐ肩の動きは、右肩甲骨上部を背骨に向けて引き、左肩甲骨下側を前に引き出す形の動きでなくてはなりません。漠然と上体を右に回すイメージで深いトップへの動きを実行すると、逆に右肩甲骨の下側を後ろ、左肩甲骨の上側を前に引く動きが現れるのです。これでは肩が右に回るだけで、腰と腕の間の繋がりは緩くなってしまいます。

この点に注意して両肩の動きを確認すれば、深いトップへの動きで脚腰に緊張が発生し、これを利用して一気にダウンに入ることができます。両肩の動きを誤ると、ダウンで脚腰がグリップを一気に引き下ろす体勢に入れず、上体が左に回る動きに入ってしまいます。

以前、トップの切り返しがスイングの決定的な動き、というプロの指摘を読んだ記憶がありますが、一貫して実行する「魔法の動き」が生む、両肩甲骨の「左回り」の動きがこの決定的な動きの成功の鍵であることが分かります。

これについては以前にも「初心に返る:「魔法の動き」でトップの切り返しからダウンを振る」(06-12-12)で議論してありますが、体の緩みが要点を忘れさせます。「初心忘るべからず」です。試してみて下さい。

一貫してリストを固めて振る

これまでゴルフの書物を数多く眺めて来た人は、どこかでインパクトのリストの動きの話が目に入った筈です。体の前でクラブを左右対称に振る意識があると、どうしてもインパクト圏でグリップの動きが発生します。この場合には、右から左にリストを回すリスト・ターンか、右に折れていた手首を左へ折り返すスナップの動きが要求されます。

このどちらの動きでも、インパクトで左手が背側に反る動きが現れます。この動きが現れる瞬間に、それが無かった場合に比べてみると、左前腕が内側に回る動きが加わることが分かります。この左前腕の動きは、クラブのフェースを開きながらヘッドを右に押し戻す動きを生みます。猫の手も借りたいインパクトの瞬間に、これは迷惑千万な動きです。

この動きを避けるには、リストを固めたままインパクトを振り抜く動きを作ればよいのです(これには後ろ三本の指を内側に巻き込むようにグリップを固める必要があります)。更に、インパクトの瞬間にグリップ(とヘッド)の直線的な動きを安定して確保することを考えれば、両腕を伸ばし切った状態でボールを打ち抜く必要があることも分かります。

このように考えて来ると、グリップと腕の仕組みが緩みなく一体化する形で、スイングの動きを作ってみれば全てが決まることが見えてきます。この場合、どこにも緩みがありませんから、スイングの動きの再現性が確保されます。練習場で毎回何十発もボールを打ち、これではじめて安定した動きを再確認するというような経験はしなくてもよいことになります。

一貫して緩みのないグリップを振る体勢は、右腕を内側、左腕を外側に回す、肩と腕の「魔法の動き」の確実な実行で確保されます。この動きを一貫して持続しながらクラブを振ろうとすれば、必要な脚腰背骨の動きが要求されることになります。

「魔法の動き」は左腕と右腕の「十文字(クラックス)」に交叉する動きを要求する「革命的イメージ」の産物です。というわけで、リストの動き一つを深く追求するだけでも、「核心打法」(クラックス打法)に到達できることが分かります。

リスト・ターンの動き

カルフォルニアのサンディエゴを訪問する機会があり、そこでは朝6時半頃からバッグを背負ってホテルのロビーを歩くゴルファーの姿を見ました。仕事の関係の何人かの人とゴルフの話をしましたが、皆体を左に回して腕を引き付ける動きでボールを打っているようでした。

日本に帰り、ある会合で年配のゴルファーの元気な話を聞きました。飛距離では他人に引けを取らなかったという話も、尻の大きさを見れば納得できます。それでも加齢には勝てず、遂に最近は飛ばなくなったと言います。彼の飛ばしの秘訣は、インパクトでリスト・ターンを効かせて打つ事だそうです。

そこで動きに注目すると、インパクトのリスト・ターンが「反魔法型」(右前腕回外、左前腕回内)になっています。これでは掬い打ちになり、ダフるか当たっても飛ばないと指摘すると、もう一人がなるほどと納得します。ダウンでは体の正面を固定し、一気にグリップを引き下ろして振り抜けばよいと説明すると、理屈は分かるが実用になるかと不安げな顔をします。

リストだけの動きでは力は出ませんが、リスト・ターンと言えば動きは分かり易い気がします。そこで今回は、この動きの意識でスイングの動きを引き出すことを試みます。腕の動きが一貫して体の動きに固く結びつくには、肩と腕の「魔法の動き」が必要です。したがって、リストの動きも、一貫して右腕を内側、左腕を外側に回す動きの中で生まれます。

ここで最重要の観察は、正しいダウンスイングのリスト・ターンの動きは、インパクト時点で実行するものではなく、ダウンの最初に現れるものであり、その結果として両腕が伸び切る所でインパクトに入るということです。インパクトでリスト・ターンを実行しているようでは、腕は伸びません。試してみればすぐ分かります。

そこで、この動きを意識してクラブを振ってみると、これでもまだ安定して強力な動きは得られません。腕の動きでダウンに入ろうと意識するだけで、腕が体に引き着けられてしまうのです。この問題を解決するには、深いトップから、その場で、両脚の踏ん張りでグリップを引き下ろせばよいのです。

テークバック、引き上げ、トップの切り返しの順に、左脚、両脚、右脚の踏ん張りが強まります。そこでダウンでは、当然右脚、左脚共に一気に踏ん張ってグリップを引き下ろします。これで、「切り返しの動きで深いトップに入ることを確認した所から、体の正面で背骨を固定する意識で一気にクラブを引き下ろす」という「核心打法」(クラックス打法)の動きが実現します。

この時のグリップの急激な動きを体験すれば、「インパクトでリスト・ターン」などと言っていると、全く間の抜けた動きになることが良く分かります。リストの動きで固まったトップから、両脚の踏ん張りで地面を押し、一気にグリップを引き下ろすダウンを実行すれば、強力な直線的動きでクラブ・ヘッドが引き抜かれる、「打ち抜き」の動きが現れます。試してみて下さい。

左右の交叉するダウンの動き

さて今回もイメージの誤りの訂正に関係する話です。「核心打法」(クラックス打法)が身についている人には、余計な話に思えるかもしれませんが、頭の体操ということで読んでみて下さい。

これまで「交叉打法」ということで、左右の動きが交叉して働く様子を見てきましたが、実は「核心打法」のダウンの動きには、この交叉する動きが大きく働いています。これを確認するには、ダウンの引き下ろしの動きを検討すればよいのです。

アプローチ・ウェッヂ(他のクラブでもOK)を右手で握り。シャフトを肩に掛けて深いトップの右腕の体勢を作ります。ここから右腕を引き下ろす動きを試すのです。実際にクラブを振る必要は無く、ただしっかり右腕が引き下ろしの体勢に入るか否かを確認するのです。これを先ず右脚の踏ん張りで試し、次ぎに左脚の踏ん張りで試します。

右脚の踏ん張りで右手を引き下ろそうとすると、グリップ・エンドが左方向を向くように引かれます。下に向けて引く動きになりません。これに対して、左脚の踏ん張りで引き下ろそうとすると、肘が体に引きつけられてグリップ・エンドが下向きに引かれます。

次ぎに左腕で同じような実験をしてみます。左手でクラブを握り、シャフトを肩に掛けて深いトップの体勢を作り、ここからまず左脚、ついで右脚の踏ん張りで引き下ろす動きを試します。左脚の踏ん張りではグリップ・エンドが左向きに引かれてしまいます。これに対して、右脚の踏ん張りで引き下ろそうとすると、グリップ・エンドが下向きに引かれる体勢に入ります。

これではっきりすることは、ダウンの最初に左脚に体重を移動すると、左グリップの引き下ろしができなくなることです。実はこれで右グリップにもグリップ・エンドを左に引く動きが現れてしまいます。これに対して両脚の踏ん張りで引き下ろせば、右グリップも左グリップも下向きに引き下ろされることが確認できます。

この動きの構造を意識して実際にクラブを振ってみると、確かに実験通りの動きが現れることが分かります。これでダウンで左脚に飛び乗る意識は極めて危険なものであることが確認できます。しかし、実際のスイングでは、このような動きの細部を意識していてはクラブが振れません。背骨で引き上げ、これに逆らう両脚腰で一気にダウンという「核心打法」に専念して下さい。

インパクトの体の動きを確認する方法:続き

前回は、ベッドでインパクトの動きを確認する方法を書きましたが、これは面倒だと思われるかも知れません。そこで、前回の話の内容を理解したところで、これに代わる簡便な方法を試みることにします。

これは簡単です。両手をグリップの形に握り合わせ、左腕の外側を柱に当てて構えます。この状態から、左腕の外側を柱に押しつけるように左へ引きます。この動きで、脚腰背骨の踏ん張りが現れて、背中で腕を引く形の動きが現れます。これだけです。

ここで念のため、始めの体勢から腹で左腕を左へ引いてみます。左腕が後ろに引かれて柱を押すことができません。前回に確認した通りの結果がこれで得られます。立った姿勢での実験の良い点は、床を押す脚や膝の動きの違いが明確に確認できるところです。簡単ですから試してみて下さい。

インパクトの体の動きを確認する方法

このブログでこれまで苦労して来たのは、インパクトを作る体の動きをどう説明するかです。これまでのいろいろな説明では、何となくインパクトが掴めきれないと感じる人のために、簡単な確認方法を考えてみましょう。

これは「魔法の動き」の原点である「革命的イメージ」に力を吹き込む動きです。そこで面倒でもベッドの上で動きを作ることにします。枕に頭を乗せて横になり、左上腕外側を右手の指先で押さえ、左手指先を右肘外側に掛けて、スイングの上腕の体勢を固めます。この体勢のまま上体を左に回し、左腕外側がベッドを押す体勢を作ります。脚腰はこれに伴い自然に左に回ります。

この体勢では、左腕を体から離して左に振ることは出来ません。ベッドが「左の壁」になるわけです。この体勢でベッドに押しつけるように左腕を振る動きを作ってみます。

ここで二通りの動きの作り方が出来ます。一つは腹で両腕を左へ引き、もう一つは背中で両腕を左へ引くものです。簡単ですからこの二つの動きを試してみて下さい。

腹で引こうとしても、殆ど力が入りません。この場合、腰が左に動けば上体が右に回って逆に腕が右に振られ気味になることが分かります。これに対して、背中で引こうとすると左腕が強くベッドを押します。この場合も上体は右に回るように動きます。

この背中の動きでは自然に脚腰に緊張が生まれ、尻が右に引かれるように動きます。これまでに検討してきた全ての動きが、この動きを作るためであったことが分かります。簡単な実験ですから、是非試してみて下さい。

この実験で、「左の壁」の意味が体感できます。腹で振ると壁は現れないのです。自分のスイングのイメージがどちらの動きに近かったを検討してみて下さい。

体の正面で背骨を固定する意味

「核心打法」(クラックス打法)は、切り返しの動きで深いトップに入ることを確認した所から、体の正面で背骨を固定する意識で一気にクラブを引き下ろすという、簡単な打法です。しかし、この説明では動きのイメージが湧かない、という不満が聞こえて来そうです。そこで、この動きの仕組みのイメージと、実際の構造について書いてみます。

これまでの話の出発点は、ベッドに縛り付けられた状態で左右の腕を振ってみることで到達した「革命的イメージ」です。このイメージは、左腕を右に振り、左に振る動きに右手を添えると、右腕は右手を引き上げ、引き下ろす動きになるというものです。

右手の上げ下げの右腕の動きと、左手を右に振り左に振る左腕の動きを両手のグリップで繋ぐと、右前腕回内、左前腕回外の動きが現れ、これに伴い右上腕内旋、左上腕外旋の動きと共に、右肩(肩甲骨)が背骨の方に引かれ、左肩(肩甲骨)が前に引き出される「魔法の動き」が現れます。

バックのスタートで、右手の引き上げと左手の右への引きの動きを実行すれば、この「魔法の動き」が実現して、グリップを固く体に結びつける体勢が出来上がります。この体勢を確保したまま、「革命的イメージ」に従って、右手の引き上げ引き下ろしと左手の右への引きと左への引き戻しを実行すれば、左右上下の動きが十文字に交叉して「核心打法」が実現します。

この動きが難しく感じられるのは、両腕を一本化して振る、「振り子打法」あるいは「回転打法」と異なり、右腕と左腕の独立した動きを合成してスイングの動きを作るためです。望ましいヘッドの動きの確保にはこの方が有利なのですが、両腕の動きの協調が難しいのです。しかし、「魔法の動き」を実行すれば、独立して動く両腕を体の動きで振るという体勢が確保されます。

この場合、バックは上体の動き、ダウンは脚腰の動きで実行します。当然体の捻れが生まれますから、ダウンの途中の動きの方向性などを細かく考えても無駄で、インパクトの体勢の確保だけを考えます。これが「体の正面で背骨を固定する意識で一気にクラブを引き下ろす」動きです。

問題は、このイメ-ジのダウンで何を実現するのかです。これはインパクトの時点でのクラブ・ヘッドの強力な左への引きの動きです。この時の両脚腰と背骨の体勢を確認するには、これまで何回も繰り返し見て来たように、フェースの前縁を机の脚に押しつけて、体で強く左へ引く動きを作ってみればよいのです。

「体の正面で背骨を固定する意識で一気にクラブを引き下ろす」動きは、この最重要の動きを実現する、強力なパワ-を引き出す動きなのです。当然両脚腰が背骨を強力に地球に結びつけて腕を引く動きを作り出します。体感してみて下さい。