ゴルフ直線打法 -45ページ目

フライング・エルボー

フライング・エルボー(flying elbow)は、ダウンでアウトサイド・インの形に振り込む、スライスの原因になる動きを生むものとして知られています。これを直すのは難しいということで、いろいろな矯正用の器具が考案されたりしています。

インターネット上でもこれに関係する記事は数多く見られますがその内容は様々です。トップで右肘が外側に飛び出すという形だけを問題にし、その原因が明瞭に捉えられていないのです。

肩と腕の「魔法の動き」に慣れた目から見ると、この動きの原因は明らかです。バックで右上腕を外側に回す(外旋する)と、この動きが現れるのです。クラブを大きく振ろうとして、上体を右に回してヘッドを左一杯に引き込むと、この右上腕外旋が現れます。自分の動きで確認してみて下さい。

臍を右に向け、左に向けるように腰を回して腕を振る限り、フライング・エルボーは避けられません。上体の動きではなく、「魔法の動き」で右腕を固めてクラブを上げれば、体が腕の動きに逆らうように踏ん張って左腕が伸び、フライング・エルボーの動きは出なくなります。

フライング・エルボーが現れる限り、一貫して右腕を内側、左腕を外側に回す「魔法の動き」はできていないのです。これは大切な点です。

ここで一つのアイデアが生まれます。右腕の引き上げの動きでバックスイングをリードし、前回の要領に従い、右脚の踏ん張りで左腕を引き下ろしてダウン、左脚の踏ん張りでインパクトに向けて右腕を振るのです。「魔法の動き」で腕を振るスイングの全体像は、これで決まります。極めて簡単です。言葉通りの「魔法打法」の誕生です。

これまでのスイング論が難しかったのは何故か。動きの制御が難しい左腕の動きを中心にして、スイングの動きを作っていたからです。上げる動きを右腕主導、ダウンを右と左の脚の動きで振り抜けば、左腕も十分活躍するわけです。

タイミング

実際に重いクラブを振る時には、クラブを引っ張る腕の動きが問題になります。この時、右腕と左腕では違いが生まれます。急激な動きが必要なダウンスイングでは、特にこれが問題になります。

「深いトップ」の体勢では、右腕は折れ曲がってグリップが肩に近く、左腕は伸びて肩からグリップまでが遠くなります。当然右腕は振りやすく、左腕は振り難くなります。

したがって、ダウンでまず左腕を振り、インパクトで右腕の振りを加えるのが合理的と考えられます。

これを実行するには、「深いトップ」で右に上がる腕とクラブの荷重を支えている右脚の踏ん張りでダウンの左腕を振り、右に下りる荷重を支える左脚の踏ん張りでインパクト圏の右腕を振ればよいことが予想されます。

実際に、右脚の踏ん張りで左腕を引き下ろしてダウン、左脚の踏ん張りでインパクトに向けて右腕を振る、という意識で振ると、肩と腕に緩みが生まれることなく、引き締まったダウンが実現します。

この振り方は短いクラブでのアプローチでもしっかり働きます。試してみて下さい。

腰の回転イメージの危険

尻の先端中央部を正面向きに固定してインパクトと言うと、これでは腕が振れないのではと思う人がいるかも知れません。そこで、地球にぶら下がってクラブを振るゴルファーのイメージを利用して、この疑問に対する答えを引き出してみます。

安定なショットが打てるゴルファーならば、頭を安定に保って腕を振っている筈です。この時、体が地球を押す動きに対する反作用が、肩を通って腕の動きを生み出していると考えることができます。

このように考えると、頭が安定に保たれていれば、足が地球を押す動きの反対方向の動きがグリップの動きとして外に出て行くことになる筈です。したがって、インパクト圏でグリップを直線的に左へ引くには、両足は地面に食いついたまま地球を右方向に押さなくてはなりません。

この足の動きは腰を左に押します。これを引き止めなくては腕を左に引く力が失われてしまいます。両脚はこの腰の動きを引き止めるように踏ん張らなくてはならないのです。これが尻の先端中央部を正面向きに固定する動きを生みます。試してみれば体感的に確認できる筈です。

腰の動きがあると、脚腰の筋群の生み出すエネルギーがこれに使われ、インパクト圏で腕を左に引く動きが弱まるわけです。このことから、腰の横回転があると、腕を振る動きが弱まると同時に、インパクト時のヘッドの向きを確保するのが難しくなります。

わざわざ能率の悪い動きで難しい球を打つより、まず尻の先端中央部分を正面向きに保って腕を振る動きを試して下さい。これで「回転」というイメージの含む危険がわかります。

体重移動の危険

ゴルフと言えば体重移動の話が出ます。バックで右脚に体重を移し、ダウンで体重を左脚に戻してクラブを振るというのは至極自然な動きに見えます。しかし、なぜこのような動きをするのでしょうか。その理由はこれで重いクラブが楽に動かせるからです。これは、地球にぶら下がってクラブを振るゴルファーのイメージから明らかになります。

重いクラブを振って先端のヘッドを小さなボールに当てるには、体を安定に保って動きを作る必要があります。体の重心が腰骨(腰椎)の前辺りにあることを考えると、この部分を安定に保って動きを作るには、クラブと肩と腕の仕組みを支える体の上部の動きに対して、脚腰の仕組みを反対方向に動かしてバランスをとる必要があります。

そこで、クラブを体の右で上げるには、体の重みを右の下に移して支えれば楽に上げられることになります。このクラブを更に深いトップに入れるために、背中の上で左に振ろうとすれば、これに対抗して下半身は更に右に動きます。これは楽な動きです。しかしここで問題が生まれます。ダウンをどうするかです。

深いトップへの動きに引かれている下半身を、ダウンで引き戻すのは自然な意識です。そこで一気に体重を左に移します。当然腕とクラブは右に振り出されます。折角の体の動きの生み出すエネルギーを、目標の反対方向へのヘッドの動きに使うのです。しかも一旦右に戻った腕とクラブの重みをインパクトに向けて引き戻すには、一段と大きく脚腰を左に動かさなくてはなりません。

ここで更に問題が生まれます。左に出た脚腰でクラブをインパクトに向けて引くには、尻を後ろに引き込む以外に方法がなくなります。ところがこの動きでは、グリップ・エンドを手前に引き込む、両腕を縮める形の腕の動きが現れます。これでは腕を振る背中の筋群の有効利用が難しくなります。両腕が伸び切る形でインパクトに入る動きに比べ大いに不利です。

地球にぶら下がってクラブを振るイメージからは、クラブを上げて引き下ろす動作の重要性が明らかになります。体の左右の動きは、この上下の動きの有効利用に必要な範囲で、最小限に止めるべきです。このように考えると、腰の動きの範囲は極めて限られたものになる筈です。

以上の話は、極めて初等的な物理的見方から引き出されたものです。ところが、世界的に有名なプロの動きの動画を見ても、腰の左右の動きは実際に極めて少ないことが確認されるのです。腕で上げ、脚で引き下ろして振る要領を身につける方が得策のようです。

スイング面の構造確認

これまでにスイング面(swing plane)の構造を具体的かつ明確に書き出した例を見たことがありません。漠然としたイメージの話ばかりです。肩と腕の「魔法の動き」を利用すれば、グリップの動きが決まり、これでスイング面の基本構造が確認できます。

脚腰の動きを受け身に保てば、「魔法の動き」で実現する、バック、トップ、「深いトップ」の動きが確認できます。これを具体的に見るには、両手をグリップの形に握り合わせ、椅子に腰を掛けて両脚を固定したまま、「魔法の動き」でこれらの動きを順に実行してみればよいのです。これでバックスイング面の構造が確定します。

問題はダウンスイング面の構造です。この場合は脚腰が積極的に働きますから、脚腰の動きを可能にするために椅子に腰を浅く掛け、両足の間を十分広くとります。まず肩と腕の「魔法の動き」で「深いトップ」までの動きを確認し、ここから脚腰の踏ん張りでダウンの動きを実行します。

この場合は、「深いトップ」の状態から、両足で床を押してグリップを引き下げます。これで両膝が左に引かれながら足が床を押し、グリップが右脇前に引き下ろされて止まります。この動きは右グリップを縦に引き下ろす形の動きで、これに続くインパクトへの動きの平面にグリップを引き下ろす形になります。これがダウンの引き下ろしです。

ここまでの動きで体勢が固まった所から、腰が浮くように両足で床を押す力を強めると、両肩が右に傾くようにして押し上げられ、グリップが右膝前方に引き下ろされてから直線的に左脇前まで引かれます。インパクトの動きです。この間、両腕は強く引き伸ばされます。この時両脚は膝が外側に引かれて踏ん張り、尻の先端中央部が正面向きに固定されます。

以上の動きが確認できたら、立ってアドレスの構えから、バック、トップ、ターン(「深いトップ」)、ダウン、インパクトと、既に確認したグリップの動きを実行して下さい。ダウンでインパクトの面(「インパクト面」)に入り、そこから両腕が伸びてインパクト圏に突入する動きが確認できます。これらの動きは、「核心打法」で捉えた動きそのものです。

ここで明瞭になったことは、腰を積極的に回す動きがどこにもないことです。「インパクト面」でインパクトに向けた動きに入ると、両肩が右上方に押し上げられる動きが現れ、この時の腰の動きが腰を「縦に」回す形になります。これに続く脱力の過程で始めて腰が左にまわる動きが現れます。腰を回して打つと思い込んでいる人には捉えられない動きです。

腰を左に回す動きでダウンを実行すると、「核心打法」のダウンとこれに続くインパクトで地球を縦に押す強力な脚の力が使えなくなるのです。

「魔法の動き」が「核心打法」を生む

前回の「螺旋打法」の話は、足と手の「螺旋」の動きの繋がりに注目したものです。この「螺旋イメ-ジ」に潜む危険は、手と足の動きに気をとられ、「魔法の動き」が、「左腕は右左、右腕は上下」の動きという、「革命的イメージ」から生まれたのを忘れることです。

「バックを腕で上げる」というのは、この右腕の上への動きに引かれ、左腕が右に伸びながらグリップを上げる動きです。「魔法の動き」の右腕は内側回りに回りながらグリップを引き上げます。漠然と腕でクラブを上げると、右前腕が外に回る危険があります。左腕が伸びる体勢でクラブを上げるには、左腕を外側に回す必要があり、このためには右腕の内側回しが不可欠です。

この場合の両腕の動きが、右脇下で左の横と右の縦の動きが交叉する「核心打法」を生みます。この左右の腕の動きによりクラブが安定に保持され、特にダウンの決め手となるバックスイングが確実に実行できます(参考:「実技基礎訓練:肩と腕の「魔法の動き」でバックスイング」(07-07-02))。

バックスイングの動きで「深いトップ」までグリップを引き込めば、地球に食いつく足の「螺旋」の動きが強まり、その場で脚腰を固めて踏ん張るだけで、思い切りダウンの振り抜きができる体勢に入ります。右腕の上下の動きが、その場で一気に引き下ろす動きを生みます。

「螺旋イメ-ジ」の議論の中で、体のバランスを保って動きを実行する必要性に触れましたが、腰骨(腰椎)の前辺りにある体の重心を安定に保つには、ここから上の体の仕組みと脚腰の仕組みが、この点を中心に対称的な動きをする必要がある筈です。この考えに従えば、右後方上方への「深いトップ」への動きでは、尻が左前方下方に引かれることになります。

実際に動きを試してみると、これが事実であることがわかります。この動きが現れると、その場で脚腰を固めて踏ん張るだけでクラブが強力に引き下ろされて振り抜かれます。クラブを体の左右の動きで振るという直感的イメージとは異なり、地球との関係(「螺旋」)を重視する動きになります。「深いトップ」への動きが不十分の場合、このダウンの動きは実現できません。

練習場では、「深いトップ」への動きを見せる人は少なく、クラブを振り上げるだけのトップから、腰を左回りに引いてクラブを左前に振り出す人が多く見られます。この型のスイングでは、打球の方向性が安定しません。尻が上体の動く方向と逆の方向に動くような「深いトップ」に入れ、その場で脚腰を固めて踏ん張り一気にダウン、という動きを試してみて下さい。

スイングの完成:手の「螺旋」でリード

足の「螺旋」は、踵を軸に足先の地面の掴みに力を加えて、上体の動きを変えるものです。これは、椅子に腰を掛けてこの動きを試すだけで簡単に確認できます。これに対し、グリップを固めて前腕を回してみても、同じような動きが現れます。この場合は、右前腕は回内(内側回し)、左前腕は回外(外側回し)で試して下さい。

足を床に着けて右腕でこの動きを試すと、腕の動きに対応して足の「螺旋」の動きが現れることがわかります。右腕を限度一杯内側に回し切ると、体が固定します。ここからは足の「螺旋」でグリップを引き下ろし、左へ引き抜くことしかできません。これだけの実験で、右腕の「魔法の動き」で「深いトップ」に入れると、足の「螺旋」で踏ん張ってダウンする以外に方法がないことがわかります。

そこでもう少し詳しく右腕の「魔法の動き」を確認します。右腕を右脇にぶら下げた状態で右手をグリップの形に握り、腕全体を内側に回す動きを試すと、まずグリップ後端(小指側)が僅かに右に引かれてグリップが固まり、後ろ三本指が固まる形で止まります。更に動きを強めると、グリップ後端が右45度後方に引かれます。更に動きを強めると、右90度方向で止まります。

ここから更に腕を内側に回すと、グリップ後端が右30度前外側、更に回すと45度前外側に向いて止まります。立って右腕を伸ばし、これらの動きを十分大きく実行すると、バック、アップ(上げ)、ターン(方向回転)、ダウン、インパクトなどの動きに入る節目(ふしめ)節目の転換点で、グリップの回転が発生することがわかります。左腕の外側回しの場合も同様です。

これらのグリップの動きは、地球を掴む足の「螺旋」の動きに対し、クラブという小地球を掴む手の「螺旋」の動きになっています。しかも、バックの動きは手の「螺旋」が先導し、ダウンは足の「螺旋」が先導して、手の「螺旋」の動きを完成させる形になっています。これが「腕で上げ、脚で引き下ろして振り抜く」動きを実現するのです。何と明快な仕組みではありませんか。

もはやスイングの仕組みを思い悩む必要はありません。アドレスの構えで手の「螺旋」が足の「螺旋」に繋がる体勢を固めれば、後はバック、トップ、ターン(「深いトップ」への動き))と腕でクラブを振り、これで緊張する脚腰の踏ん張り返しで、ダウンとインパクトの振り抜きを一気に実行するだけです。

大切なことは、体のバランスを保ってこの動きを実現することです。これは自転車に乗る練習と同じで、何回かの繰り返しで体得すればよいのです。もちろん、「魔法の動き」を正しく実行することが大前提で、これで快適なショットを楽しむことができます。

これまでのイメージと区別するため、今回のスイングのイメージを「螺旋イメージ」と呼び、このイメージによる打法を「螺旋打法」と呼ぶことにします。この打法を支える裏方は背骨です。腕の動きと脚腰や背骨の動きとの繋がりの細部については、これからも可能な限り話を続けることにします。

実技基礎訓練3:バックの決め手

これまでの実技基礎訓練の話から、重いクラブを一気に「深いトップ」に入れるバックスイングの動きが上手くできれば、反射的な脚腰の引き戻しで理想的なダウンが実現することがわかります。結局、この重いクラブを一気に「深いトップ」まで引き込む動きが、スイングの決定的な動作であることがわかります。

この動きの実行上の問題点は、バックスイングを肩と腕の「魔法の動き」で実行すると意識するだけでは、十分な力が出ないということです。特に腕力のないゴルファーにとって、これは大変な動きです。この問題の解決には、「体の動きには裏があれば表もある」(07-05-09)に書かれている、次の文章を思い出す必要があります。

「体の動きに関わる筋群の働きには、地球との結びつきを確保するため、表には裏、外には内、前には後ろ、という具合に常に対抗(拮抗)する動きが必要になります。ところが凡人の悲しさで、一方の動きの意識で良い結果が現れると、反対側の動きの存在を忘れます。こうして開眼、閉眼(?)を繰り返すのが、ゴルファーの宿命ということになります。この辺りに注目して、並を越えて「超」の字のつくゴルファーを目指そうではありませんか。」

肩と腕の「魔法の動き」の場合には、肩は主に背中の動きで、これだけでは重いクラブは思うようには振れません。背中があれば胸があるというわけで、腕と胸を結ぶ筋群の意識的な利用が必要になります。これには、反対側の手で胸と腕を繋ぐ辺りに触れながら、「魔法の動き」を実行してみれば、動きが大きくなるにつれてこの辺りの筋の緊張を感じとることができます。

そこで、バックのスタートから終期に向けて、この緊張の強まりを意識してクラブを振ってみます。両手をグリップの形に握り合わせて腕を振るだけでも、この意識による動きの効果は確認できます。グリップが大きく伸び伸びと「深いトップ」まで振り込まれます。この動きの練習が「実技基礎訓練3」です。

実際に重いクラブをこの意識で振り、「深いトップ」にまで振り込むと、ダウンはこのクラブの動きに対抗して、反射的に脚腰でクラブを引き下ろし振り抜くだけの動きになります。これまでの面倒な話はすべて忘れて、一気にクラブが振れるようになります。ひょっとすると、これで「並を越えて「超」の字のつくゴルファー」が生まれるのでは?

実は、ここでスイング動作全般に関わる、大変面白いイメージが浮かび上がって来るのです。これを検討すると、スイング動作が極めて簡潔に捉えられ、バックからダウンまでの全ての動きが自然に引き出されます。その話は明日のブログに回します。

実技基礎訓練2:ダウンの動き

基本的なことですが、「魔法の動き」は腕とグリップとクラブを一体化する動きです。したがって、意識の中ではこれらは区別されることなく、ある時は腕、ある時はグリップ、ある時はヘッドの動きとして捉えられます。更にこの動きは脚腰に繋がります。上手な人がアドレスで足とグリップの繋がりを確認している姿はしばしば見られます。

前回の実技基礎訓練は、「真・真髄イメージ」(07-06-27)の第一の要点、腕で上げる動きの実行法でしたが、この場合左腕に外側に回る「魔法の動き」がないと、肘が折れ曲がって十分なバックスイングができません。この点に注意が必要です。「真・真髄イメージ」の第二の要点は、脚で引き下ろす動きで、これがスイングの成否を分けます。今回はこの動きの要点を確認します。

この動きを成功させるには、バックスイングの終期に、クラブの重みに引かれる感じで肩を引き込み「深いトップ」に入れます。この動きに伴って「螺旋」の動き(両足の踏ん張り)が発生し、脚が腕を引き下ろす体勢に入ります。これがダウンを成功させる決定的な条件です

この時の両脚の体勢が、ダウンの初期条件になります。正しい体勢に入ると背骨は右に傾き、両脚の踏ん張りを強めると、尻が左へ引かれ、グリップを左前方にあるボールに向けて引き下ろす動きに入ります。この時、右の尻が前に引き出されないように、足の「螺旋」で踏ん張る必要があります。これで両肩が引き止められます。

この引き下ろしの動きのままでは、グリップは右脇前で止まります。ここで「螺旋」の踵の踏ん張りを強め、尻の背中を正面に向けるて止めるように両脚を踏ん張ると、両肘が伸びてグリップがボールに向け押し出されます。実際のダウンでは、これらの動きが一気に実行されます。

このダウンの動きを壊すのは、深いトップからヘッドをボールの先を目がけて振り出す動きです。この意識があると、上体が一気に左に回り、ボールの上をヘッドが通る形に腕が振り出されてしまいます。ダウンでは、腰が左へ前進してクラブを引き下ろす動きに入る「螺旋」の動きが決定的に重要で、これがなくては脚でクラブを引き下ろす動きはできません。

今回の実技基礎訓練2は、右上方からボールに向けてグリップを引き下ろす体勢に入る動きの確認です。ボールを右斜め上方向から見る、「深いトップ」の位置に頭が引き止められたまま、両膝が左前方向に引き出されてグリップが体側に添って引き下ろされるように、両脚の「螺旋」の動きを作ります。これが実技基礎訓練2の内容です。

この動きは、これまで「sit-down motion」(座り込み動作)と呼ばれて重要視されて来た動きと思われますが、決して座り込む動きではなく、「螺旋」の動きに伴う脚腰の緊張が生む体勢です。これに続く両脚の踏ん張りで尻の先端(背骨の下端部分)が正面向きに引き止められると、尻が押し上げられて両腕が伸び、強力な振り抜きが実現します。

実技基礎訓練:肩と腕の「魔法の動き」でバックスイング

前回の基礎訓練の最重要点は、「左の脚腰が上体の動きに逆らって腰の右回転を引き止める」動きの確認でした。バックではダウンのためのエネルギーを脚腰背骨の体勢の中に蓄えるために、両脚が踏ん張って両足を地面に食い込ませ、上体の動きに逆らうわけです(「「左の壁」より両腰と地球の結びつきが大切」(07-05-16))。

一方、「真・真髄イメージ」(07-06-27)の説明では、腕と肩の繋がりがしっかりしないと重いクラブは上がらないので、左腕を体の前面に添って十分右に引き、右腕でグリップを引き上げ、これで現れる「魔法の動き」で肩と腕の体勢を固め、そのまま更にクラブを上げると背骨が引き込まれて「深いトップ」に入ると書かれています。

これらの見方を綜合すると、バックスイングの実行が基本的な実技になることがわかります。これについては、このブログでの議論は全て肩と腕の「魔法の動き」に依存して進められて来たことを考えれば、肩と腕の「魔法の動き」を忠実に実行することでバックスイングを完成させればよいことになります。

この場合、右肩甲骨を背骨の方に引きつけ、左肩甲骨を左前下方に引き込む、肩の「魔法の動き」が重要な役割を果たします。立ってこの動きを実行してみると、「両脚が踏ん張って両足を地面に食い込ませ、上体の動きに逆らう」動き、すなわち「螺旋」が現れます。両手をグリップの形に握り合わせてこの肩の「魔法の動き」を実行すれば、肩と腕の「魔法の動き」が現れ、その極限で更に「魔法の動き」が強まって「深いトップ」に入ることが体感できます。

実際に重いクラブを持ってこの動きを実行し、一気に「深いトップ」に入れるようにバックスイングを実行すれば、文字通り反射的な脚腰の引き戻しの動きで、「真・真髄イメージ」(07-06-27)のダウンの動きが一気に実現します。「真髄イメージ」の「腕で上げる」動きの陰には、やはり「魔法の動き」があったのです。

このことが確認されると、「肩と腕の「魔法の動き」でクラブを一気に「深いトップ」まで振り込む」動作が身につくまで練習することが、最重要な実技の基礎訓練になることがわかります。この動きを確認した所で、脚腰の引き戻しで一気にダウンを実行すれば、強力な振り抜きが実現するようになります。これで「真・真髄イメージ」の内容が明確に捉えられます。