ゴルフ直線打法 -41ページ目

「螺旋」の動きはコルクを抜く動き

足の「螺旋」の動きは、「膝に角度を持たせて足に体重を掛け、膝を内側に引いて脛(すね)を回すと、足が地面に食い込んで背骨の動きが地球に繋がり、足がコルクの栓抜きのように内回りの螺旋状の動きで地球に食い込む」動きです(「螺旋(スクリュー)の動きで地球を掴む」(07-05-21))。

背骨の安定な動きがあれば、この「螺旋」の動きがそのまま手のグリップに伝わります。これを確認するために、左手の親指を右手の平で握りグリップの形を作ります。この左手の親指をワインのコルクを抜く螺旋状の栓抜きの握りと考え、左回りに回します。これで丁度栓抜きの動作になります。

立って実際にワインの栓を抜く時の構えを作り、腕に力を入れてグリップを左回しに回してみます。この時両足の動きに注意してみると、脚腰の踏ん張りで両足に「螺旋」の動きが現れます。一旦腕での左回しが止まったところで、更に回そうとすると、今度は脚腰の踏ん張りでグリップの左回りの動きが現れます。

背骨が安定に働いていれば、足の「螺旋」の動きは、グリップのコルク抜きのスクリュー(螺旋)回しの動きと一体なのです。一言で言えば、「足の「螺旋」の動きはグリップの「螺旋」の動き」ということになります。この意識で足と手の動きの繋がりを検討すれば、対応する背骨の基本的な動きが身に付きます。

「螺旋」の動きは背骨の動きの現れ

前回と前々回に、「螺旋」の動きと脚腰の踏ん張りについて書きましたが、これらはいわば体の動きの要点の再確認です。詳しい動きの話は面倒で簡単に忘れてしまいます。そこで要点の復習をしたわけです。

これらの最近の話の基本は、「螺旋」の動きをグリップの動きに伝える背骨の動きです。結局最近の話の内容は、背骨の動きが確実に理解できていれば、一々考えなくても済むようになります。

脚腰に繋がる背骨の動きは、大きく分ければ腰椎部分の動きと、脊椎部分の動きになります。「魔法の動き」によるスイングの場合、左の脚腰の動きが腰椎の動きに繋がり、右の脚腰の動きが脊椎の動きに繋がると考えれば、左の脚腰の踏ん張りでバック、右の脚腰の踏ん張りで「深いトップ」、右の脚腰の踏ん張りでダウン、左の脚腰の踏ん張りが加わってインパクト、となります。

背骨の動きは極度に複雑ですから、この動きの捉え方が本当か否かは、自分の動きで確かめる以外に方法はありません。それには以前の話「更に背骨の動きの仕組みを考える」(07-06-23)などに書かれている背骨の動きの話が参考になります。

背骨の動きを思いつきでいじるのは危険で、自然でゆっくりした動きの中で検討する必要があります。

左の脚腰の踏ん張り再検討

前回の話は、バックの左の脚腰の踏ん張りが、左腰の右への流れを引き止めるということでした(「足の「螺旋」の不思議」(07-08-19))。この動きは、以前にも繰り返し議論して来た,上体の動きに逆らう「螺旋」の踏ん張りという、基礎的な動作が生むものです(「基礎訓練:基礎動作の確認」(07-07-01))。

この動きの確認のために以前に試みた方法を思い出し、あらためて書いて置きます。

まず、1キロ弱の重さの石工用ハンマーの柄を、直径2センチ程の長い棒の先端に結びつけます。これでヘッドの重いクラブに相当する道具が出来上がります。これを両腕でヘッドを右に運んでその位置に保ちます。左手は外側、右手は内側から握ります。もちろん両手の間隔は十分に開けなくてはヘッドを支え切れません。

この体勢からヘッドを引き上げようとすると、左の脚腰の踏ん張りがなくては上がりません。右足に体重を移動させるとこれができなくなります。バックの動きの重点が、ヘッドを引き上げることであることを考えれば、この左の脚腰の踏ん張りが大切であることが良く分かります。バックのスタートで体重を右足に移動させては駄目なのです。

足の「螺旋」の不思議

今日は体の動きについての「謎」の話です。

足の「螺旋」の動きは、踵を中心に足先を内側に回す下腿の動きです。「魔法の動き」によるスイング動作は、一貫して両足の「螺旋」の動きが支えます。

まず立って右腕を自然に下げ、ここから右足の「螺旋」の動きを作ってみます。これで右腕が内側に回る「魔法の動き」が現れることを確認します。踵に荷重を掛けて足先を内側に回してみれば、この動きが現れます。

ここで疑問が生まれます。足の「螺旋」は左右共に足先を内側に回します。今右足で確認した結果が正しければ、左足の「螺旋」の動きでは左腕が内側に回る「反魔法の動き」になるのではないか。

理屈の上では確かにそうなるように思われます。実際は、この左足の「螺旋」の動きを生む、左の脚腰の踏ん張りが、バックスイングの決め手になります。

この動きを確認する簡単な方法は、左腰の外側を柱に当てた状態で、バックの動きを作ることです。バックの動きで腰が柱から離れて右に動いては駄目です。腰が柱から離れないように「螺旋」の動きを作ってみると、左腕が外側に回る動きが現れます。これで左足の「螺旋」が確認できます。

グリップの固め方

どんなに頑張ってクラブを振ってみても、グリップが悪ければ体の動きがヘッドに上手く伝わりません。グリップはバックのスタートでしっかり固まらなくてはいけません。分かり切ったことに思われるのですが、ここには誤解の危険があります。

この動きを確認するには、クラブを握る要領でハンマーの柄を握り、ハンマーのヘッド右側面を柱などに当て、ヘッドを右に引きます。この時の両手の握りが、固まったグリップの形になります。バックのスタートの動きで、グリップはこの形に入らなくてはだめです。

ヘッドを右に引く体勢が固まったところで、手首を緩めて体の正面に引き戻します。この時の体勢がアドレスの腕とクラブの構えです。腕の後ろと肘に緊張があり、腕とクラブのシャフトとの間にしっかりした角度があります。ここで肘の緊張が緩むと、腕が伸びてシャフトとの間の角度が大きくなります。

この腕が伸びた構えからバックに入ると、右肘を引き込む動きが現れて「魔法の動き」には入れなくなります。結果はフライング・エルボーです。

右手が背側に反りながら手首が内側に回り、左手が内側に巻き込まれながら手首が外側に回る、という複雑な動きでグリップは固まります。この固まりを一貫して強めながらスイングを実行するのが「核心打法」です。

体の大きな動きに気をとられる前に、このグリップの固め方を検討し確認する必要があります。ゴルフの動きというのは、何とも面倒なものです。

体の動き簡便確認法

肩と腕の「魔法の動き」でバックをリ-ドし、足の「螺旋」でダウンをリードするという、簡単なイメージでクラブを振るには、これをサポートする体の動きが必要です。肩と腕の「魔法の動き」は、前回(07-08-16)の肩の「魔法の動き」の確認ができれば、ほぼ問題なく実行できるようになります。

こうなると、残りはダウンからインパクトを実現する体の動きです。これは、肩と腰の相対的な位置を決める背骨の動きで決まります。そこで今回はこの背骨の動きを確認する、簡単な練習法を考えてみます。

まず右手の生命線を左手の親指の外側に当てる形に右手で左親指を握り、右手のグリップを固めます。右小指も左親指に巻き付けます。これで右グリップを中心にした動きの確認ができます。この右グリップの内側を、正面にある柱の右側面に当て、グリップを力一杯左に引きます。

ここで、グリップが柱を左に押す力が最大になるように、脚腰の体勢を調整します。これで足の「螺旋」の動きや、「上体を右に回す」動きなどが確認できます。

面白いのは、この動きでグリップの位置が右脇前に来るように、脚腰が踏ん張ることです。この腰を左に引く動きに対抗して上体が右に回るように動き、右肩が後ろ上方、左肩が前下方に引かれます。これが「核心打法」のインパクトの体勢です。

両腕の体勢なども検討しながらこの練習法を実行すれば、柱がなくてもインパクトの体勢を再現できるようになります。脚腰の体操としても役に立つかも知れません。

盲点?:右腕の動き

バックスイングからダウンスイングへの方向転換、あるいは切り返しの動きとして、「深いトップ」に入れる動きの重要性をこれまでに繰り返し議論してきました(例えば。「ダウンの鍵:「深いトップ」への動き」(07-05-30)、「「深いトップ」の重要性」(07-06-08)、「「深いトップ」の重要性再論」(07-06-09))。

ここで問題があります。「魔法の動き」が会得できている人にはこれらの話の内容は分かり易いものですが、「魔法の動き」に慣れていない人には、この「深いトップ」の切り返しの動きの内容が捉えられない可能性があるのです。動きに一定の先入観があると、これに従って動きの内容を捉えてしまうのです。

これに対処するには、動きの基本的なイメージの転換が必要です。このことに注意すると、「深いトップ」の切り返し動作の理解には、右腕の動きのイメージが決定的であることが分かります。「核心打法」の要点は、左腕の左右の動きと右腕の上下の動きが、体の右側で交叉する「十文字」イメージの実現です。

この場合、左腕をバックで右に振り、ダウンで左に振るという意識には抵抗がなくても、バックで上がりダウンで下がるという右腕の動きの意識には馴染めない可能性があります。そこで、「魔法の動き」の基礎練習として、グリップを引き上げ、そこで方向転換をし、それから引き下ろす、という動作を提案します。

これを実行するには、右脇前に自然な形に下げた右腕のグリップを固め、これを右肩脇まで引き上げ、そこで頭の方を向いているグリップの小指側を外側に回し、これで前を向いたグリップの内側を、そのまま右脇下に向けて引き下ろします。

この切り返しの動きの実行で、右の肩甲骨を背骨の方に引き込む動きが会得できます。注意して見ると、これに対応する左の肩甲骨の動きが現れることが分かります。この右腕の方向転換の動きを会得することで、肩の「魔法の動き」が体感的に確認できます。

加齢と共に肩が硬くなり、これに伴って動きの適応性が低下するのが通例です。トップの切り返し動作の確認練習で、肩の柔らかさと共に、スイングの動きの考え方の柔軟性も恢復できるかもしれません。

ザ・グリップ再論

これまでグリップの決め方については何回も議論して来ました。ホーガンの「モダン・ゴルフ」の第一章が「ザ・グリップ」で始まるのを見ても、グリップの重要性は明らかです。しかし、「モダン・ゴルフ」の最初の言葉、「良いゴルフは良いグリップで始まる」を読むと、良いゴルフとはどんなものかが気になります。

この良いゴルフの動きが分かるまでは、良いグリップは確認できないとなれば、「鶏が先か卵が先か」型の難問になります。この問題を解決するために、これまで具体的な動きの中でグリップを固める方法を考えて来たのですが、いろいろな体の動きを確かめる必要があり結構面倒でした。

ところが前回の「手の話をもう一度」(07-08-14)では、椅子に腰を掛けたまま、「魔法の動き」が手と足の繋がりを生むことを確認しています。体を安定に保つ背骨の働きが、グリップと足の「螺旋」を繋ぐのです。この無意識の背骨の動きを利用すれば、体の動きを詳しく考えなくてもグリップの調整ができる筈です。

実際これでグリップの問題が簡単に解決できます。アドレスの構えでクラブを握り、手首を左回りに回すとグリップが固まり、肩に軽い緊張が生まれて微小な肩と腕の「魔法の動き」が現れます。この動きでヘッドが右足外側に引かれ、更に手首を回す動きを強めるとヘッドが元の位置に引き戻されます(この時、手首は始めの形より左に回っています)。この動きが確実に出来るようにグリップを調整すればよいのです。

この時両足にかすかな踏ん張り(「螺旋」の動き)が、発生することを確認し、ヘッドがまっすぐ目標方向に引き戻されることを確認します。以上の動きで「モダン・ゴルフ」の詳しい説明通りのワグルが実現します。(これ以外に、ヘッドを何かに押し当てて、左に真っ直ぐ引く動きを確認するのも有効です)

ヘッドの引き戻しを、足の「螺旋」を意識して実行すると、ヘッドがボールの位置を超えて引かれ、実際にボールを打ってみると方向性の良いチップ・ショットが実現します。こうして「モダン・ゴルフ」の最高の難問に対する解答が、簡単に得られることになります。

良いゴルフを目指す場合、手の動きが地球にしっかり伝わる体の動きを捉えることが、最初で最後の重要課題であったのです。

手の話をもう一度

前回(07-08-13)には、耳、目、手と頭の働きの関係を見直し、手を使うことの重要性を取り上げました。耳や目だけで作るスイングのイメージは不完全で、手を動かしてイメージを作り上げる必要性があることを指摘したわけです。

手の動きとスイングの関係は、これまで繰り返し議論して来ました。アーネスト・ジョーンズの、「クラブ・ヘッドを手と指で制御することで力が出せることを学べば、上手の仲間入りができる」という話にも触れました(「遠心力でボールは打てないけれど」(06-03-19))。

最近の話「スイングの完成:手の「螺旋」でリード」(07-07-05)では、「魔法の動き」のグリップの動きと脚の「螺旋」の動きとの繋がりに注目してスイング全体の動きを作ることを考えました。続く「「螺旋」とクラブ・ヘッドを繋いで振る」(07-08-08)は、まさしくアーネスト・ジョーンズの話の内容を具体化したものになっています。

これらの話の基礎は何か。それは、「魔法の動き」の動きが生む、地球に体を結びつける手の動きです。この動きの確認は簡単です。椅子に腰を掛け、右手をグリップの形に握り、両足を床に着けて手首を内側に回してみると、グリップが強まり両足が床に食い込むように動きます。右手の代わりに左手の手首を外側に回しても、同じように両足に力が入ります。

これに対して、右手の手首を外側に回してみると、肩が右に回るだけで足には力が入りません。足は肩の動きに引かれるように動きます。右手の代わりに左手首を内側に回してみても、右手の場合と同じような動きが現れます。地球との繋がりが弱まる感じです。

これだけの簡単な実験で、右手首を内側、左手首を外側に回す「魔法の動き」が、グリップと地球を強く結びつける体の動きを生み出すことがわかります。宇宙空間を遊泳する地球に足の掴みだけで繋がるという、頼りない体勢でクラブを振るゴルファーにとって、この手の動きが如何に重要であるかは明らかです。

バックスイングの始めから、ダウンスイングの振り抜きまで、「魔法の動き」を正しく実行し続けるように、スイングの動きを調整すれば、地球との関係を最大限に有効活用するスイングの実現が可能になるわけです。これは、手の動きを考えることで始めて人間が環境を認識し、これとの対話を実現するということを、具体的に教えてくれる実例です。

聞く、読む、書くの役割

ゴルファーの皆さんは、テレビの解説者の話を聞いたり上手な人の話を聞いたりして、上手くなろうとします。これはいわゆる「耳学問」の段階で、もう一歩進むとゴルフの本や雑誌でスイングの動きについて学ぼうとします。「耳学問」に対比すれば、「目学問」と言える段階です。

もう一段進むと、スイングの経験を書き留めてみるようになります。ベン・ホーガンの「モダン・ゴルフ」の最終章には、やろうとしていたことと、その結果がどうなったかを、練習後に書きとめておくと役に立った、という図入りの説明があります。書いてみて始めて詳しいことが分かり、記憶にも残ります。これは手を使う、いわば「手学問」の段階になります。

何事によらず、教えられるだけの「耳学問」では大したことはなく、自分で本を読む「目学問」に進みます。しかし目や耳で覚えた知識だけでは実用にはならず、手を動かしてみて初めて自分のものになります。スイングの場合はクラブを振れば手を使います。しかしそれだけでは不足で、「耳学問」、「目学問」、「手学問」と、自分の頭を全面的に使うわけです。

「見ざる 言わざる 聞かざる」の正反対に、目も耳も使い、口で言う代わりに手を使うわけです。聞きたくなくても耳は聞こえますが、見る気がなくては、物は見えません。しかし、手を使って始めて外の世界との繋がりが分かります。頭を活き活きと使うには手を使う必要があります。

スイングを見ても、人による様々な違いが目に付きます。しかし優れたプロのスイングには、ほぼ共通な特徴があります。その一つのは、インパクトでのいわゆるステイ・ビハインドの(ボールから遠ざかるように頭を残す)動きです。しかし、ステイ・ビハインドの動きを見て真似をしてみても、これだけでは役には立ちません。

目で見て頭が後ろに残っても、それだけではダウンスイングの動きが良いとは限らないわけです。そこで、スイング中のグリップの動きを詳しく検討すると、望ましいステイ・ビハインドこの動きを生む体の動きが分かります(「インパクト圏で腕を引く動き;続き」(07-08-11))。「耳学問」も「目学問」も役に立たず、「手学問」だけが役に立つ例です。

実際に、ゴルフのスイングでは、手の動きから世界が見えて来るのです。これについては次回に書きます。